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黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
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印刷2010/06/12 11:00

インタビュー

黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー

■ライブイベントやGMのキャラクターに頼ることはしない

■その分,カスタマーサポートやRMT対策に力を注いでいく


4Gamer:
 いまユーザーとのコミュニケーションについての話が出ましたが,日本のオンラインゲームでは,GMの存在がとても重要になっていますよね。英雄島ではコミュニケーションを重視していくということで,つまりはGMがかなり密接にユーザーに近づいていくような方向性で,運営が進められていくのでしょうか?

画像集#014のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
吉田氏:
 いえ,それとは違う方向を考えています。ご説明します。
 今まで弊社運営のタイトルでは,GMはマスコットキャラ的な扱いで,イベントを多く行って,姿を見せて,お客様になんでも気さくに話していただけるような,そういう関係作りを第一としていました。ですが英雄島では,「GMを一つのコンテンツとしてアピールしていくよりも,ユーザーサポートに一層の力を入れていく」というふうにサービスをシフトします。
 英雄島は非常に出来の良いゲームシステムを持っています。だからイベントに頼って人を集めるのでなく,その優秀なシステムをアピールして,その部分のサポートに力を入れていきます。
 システム部分で何か困ったことや質問などがあるときに,すぐ対応できるような仕組みをいま構築中です。ゲーム内ではすぐにGMに出会えないこともありますが,ヘルプデスクのほうは,すぐさま対応できるようにしてあります。もしゲームにログインできない状況があれば5分以内に対応できるような,そんなサポートを目指してがんばっています。

4Gamer:
 ライブイベントをすごく頻繁にやるタイトルも少なくない中で,とても興味深い方針だと思います。

吉田氏:
 以前サービスしていたタイトルでは,イベントを週1回行っていました。“GMが出題するクイズイベント”などですね。そういったイベントは,英雄島の場合,システム上でまかなえるようになっているんです。

4Gamer:
 それは具体的にはどういうことですか?

画像集#018のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
吉田氏:
 すでに導入済みのものでは,“双子島”というマップがあるのですが,20:00から21:00の間にそこに行くと,モンスターを一匹もらえます。そしてそのモンスターを一時間の間にどれくらい成長させられるか,というゲームに参加できるようになっています。
 もしこのゲームイベントを,GMが手動で行ったとしたら,大変な労力になりますし,参加人数が多すぎた場合はそもそも実行できないでしょう。そういった限界は以前サービスしていたタイトルでも痛感していました。英雄島では,備わっているシステムを使って,イベント的なものを演出していけると考えています。

4Gamer:
 “双子島”以外にもそのようなシステムはあるんですか?

吉田氏:
 あります。日本ではまだ公開していませんが,中国のバージョンにはすでにあります。

4Gamer:
 なるほど。今まで人力でやっていた部分を,そうやってシステムにまかせられるようになったので,これまでそこで使っていた人的リソースを,カスタマーサポートなどに持って行くことが可能になったと。そして,そちらでより手厚いサービスを提供できるようにしていくいうことですね。

吉田氏:
 はい,そうです。“カスタマーサポート命”というつもりでやっています。あとはRMT対策も強化します。それと大事なのが,ハッキングに対する備えを万全にすることですね。

4Gamer:
カスタマーサポート体制を強化できれば,その方面にもいっそう力を入れられることになりますね。RMTの問題は英雄島でもありますか。

吉田氏:
 あります。一番よく見かけるのはチャットを使った宣伝ですが,そういうものを見ただけで,普通にプレイしている方はげんなりしてしまうんですよね。そういう不快な気持ちを味わわずにプレイできるように,ゲーム内を健全にしていきます。業者関連では“狩り場の独占”という問題も考えられますが,これも対策を施します。

4Gamer:
 そしてハッキング対策ですね。

吉田氏:
 以前弊社でサービスしていたタイトルが,ハッキングの被害に遭ったことがあります。そのときはお客様にご迷惑をおかけしてしまい,社員全員がとても悲しい思いをしました。その気持ちを忘れないようにして,英雄島では,一切ハッキングが起こらないようにという心づもりで,対策に取り組んでいます。ハッキングとチート対策ですね。

4Gamer:
 アイドル的なGMだとか,ライブイベントではなく,裏方としての部分に力を入れていくということですね。

吉田氏:
 ゲームが安心して遊べる環境を作ることに力を入れます。そういう取り組みは派手ではないし,ユーザーさんの目に見えにくい部分かもしれません。ですが,じわじわと伝わっていく部分だと思います。その部分に,これからも力を入れていきます。

画像集#013のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー 画像集#011のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー




■戦闘のバランスは,すでに練り込まれている現在のものを生かす

■“生活系”部分を重視して,荘園システムは根本から改良する


4Gamer:
 聖地略奪戦のルールは,ほかのMMORPGにはない特殊なものですよね。その特殊さに対して,初めは戸惑われた方もいると思うのですが,実際にはいかがでしたか?

画像集#015のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
吉田氏:
 予想していたよりも,戸惑われた方は少なかったです。英雄島の序盤のプレイではチュートリアルにあたるクエストが長く続くのですが,そこで聖地略奪戦にスムーズに誘導されるようになっています。そのため,多くの方に“まずは体験”をしていただけます。そして,いざ聖地略奪戦が始まってしまえば,後はもう戦っているうちに覚えてしまわれる方が多いです。“士気装備”など複雑な部分もありますが,基本部分はシンプルですし。

4Gamer:
 他方で,英雄(所有スキル)の組み合わせを変えられるというのも,独特な部分だと思うんですが,そちらはいかがでしょう。

吉田氏:
 英雄システムについては,メディアの方々に情報を取り扱っていただいた事もあって,はじめからもう分かってらっしゃる方も多かったようです。

4Gamer:
 英雄システムは,“どの組み合わせが効果的なのか?”を考えるのが面白いところですよね。

吉田氏:
 そうですね。ただし“オールマイティに強い組み合わせ”というのはありません。強いと言われている英雄を実際に使ってみたらそんなに強くなかったりするんですね。それはなぜかというと,自分のプレイスタイルにあっていないからです。自分のスタイルにマッチした英雄や,英雄の組み合わせが強いと考えてもらい,各人の戦い方にあった英雄を探してほしいと思います。

4Gamer:
 すでに中国のサービスで十分なバランス調整が行われているとの話ですが,実際に日本で運営を始めてみていかがですか?

吉田氏:
 ゲームバランスについては,当初は日本側で調整をする必要が発生することも予想していました。ですが実際には,バランスは本当にうまくとれていて,今は「これは下手に手を加えないほうがいいだろう」という判断をしています。

4Gamer:
 「中国産の製品は作りが荒い」みたいな先入観がどうしてもありますけど,そうではないと。

吉田氏:
 はい。やるほどに,すごく良くできたゲームだと分かります。長くテストを行って,非常によく練られたバランスになっています。
 ただ,キャラクター間のバランスはいいのですが,その反面,コンテンツの部分で改良をしたい部分というのはあります。

4Gamer:
 具体的に教えてください。

画像集#004のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
吉田氏:
 現在,聖地戦には“聖地略奪戦”“聖地防衛戦”“バトルアサルト”がありますが,主にプレイされているのは“略奪戦”のみです。ほかの二つは対人戦要素がないこともあって,あまり利用者がいません。この部分にはテコ入れが必要だと感じています。
 私は一般の方に混じってプレイしているのですが,同じレベル帯の人達と話をしていても,やはり人気があるのは“略奪戦”で,ほかの二つは“とりあえずやっておく”程度の位置づけになっています。これらも,英雄島の自慢できるコンテンツの一つにしていきたいですね。

画像集#001のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
4Gamer:
 プレイヤーが自分の地所と家を持てる“荘園”システムについてはどうでしょう? 現在は農場で作物を育てられたり,家の内部を家具で飾ったりできますが,それ以外にも何かできるようになりますか?

吉田氏:
 まだ開放していない要素に“牧場”があります。牧場では卵からモンスターを育成することが可能です。

4Gamer:
 それはプレイヤーキャラクターの後ろをついてきてくれるペットみたいなものですか?

吉田氏:
 ペットとは違います。家畜に近いといいますか……卵から育てて,その後は,まぁそのまま観賞用に置いておいてもいいんですけど,システムとしては,そのモンスターを倒すと,経験値がたくさん得られるというシステムです。

4Gamer:
 育てて……,え? ホントですか? かわいそうな気がするのですが(笑)!?

吉田氏:
 そうですよね(笑)。私もはじめに聞いたときは「え?」と思っちゃいました。「せっかく育てたのに倒すの?」って(笑)

4Gamer:
 文化が違う部分なんですかね。

吉田氏:
 ただその辺りの仕様は,いま中国の開発のレベルから,つまり根本から改良したいと考えている部分です。なぜかというと,日本側では,この“荘園”システムが非常に重要だと考えているからです。このような“生活系”の部分は充実させていきたいですね。この“荘園”だけでも楽しめるようなものにしたいと思っています。これは開発会社のほうにも理解してもらって,根本的な改良を行う予定です。

画像集#002のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
画像集#003のサムネイル/黎明期のオンラインゲームにあった“興奮”と“ロマン”を再び感じてもらいたい――本気の対人戦を提案するMMORPG「英雄島」運営インタビュー
4Gamer:
 私は実際にこの荘園システムに触れてみて,家の中のデコレーションと農園の管理ができるのは分かったんですが,その先にどういう楽しみが用意されているのか少し疑問に思いました。どうやら武器をパワーアップするための宝石が作れるらしいことは分かったのですが,それ以外には見えてこない。結局“キャラクターを強くする”ってところにゴールが設定されていて,荘園システムは“生活”みたいなものを楽しむようにはなっていないかな,と。いま聞いた“牧場”の仕組みも,経験値獲得が目的と言うことで,つまりそちらでもゴールは“キャラクター強化”に向けられちゃうわけですよね。荘園については,そういう違和感があったのですが,いま話をうかがうと,なるほど,日本の運営側でも同じ問題意識を持っていらっしゃるんですね。

吉田氏:
 そのとおりです。世界的に有名な作品で「シムピープル」ってあるじゃないですか。そこまでは持っていくのは難しいと思いますが,家で友達とパーティしたり,おしゃべりしたり,騒いだり,そういう楽しみが感じられる“荘園”システムにしたいと思っています。今は,せっかく料理のスキルがあるのに食べるモーションとかないですしね。

4Gamer:
 イスはあっても座れなかったり,ちょっとさびしいですよね。

吉田氏:
 そうなんです。せっかく家や畑があるのですから,そのような“生活系”の遊びをどんどんできるようにしたいと思います。中国の開発者からは出てこない発想のようですので,その辺りは我々が協力していきます。

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