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印刷2010/08/20 13:56

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[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に

画像集#002のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
 Gamescom 2010は,現地時間2010年8月18〜22日の会期で独ケルン市において開催中だが,ストラテジーを中心に据えたデベロッパ兼パブリッシャとして国内でも知名度の高いParadox Interactive(以下,Paradox)はそれに合わせ,市内のホテルでプレスカンファレンスを開催した。
 トピックは,独自のオンラインサービス「Paradox Connect」。さらに,2011年の投入タイトルも一挙に発表されるという大規模なもので,普段こういった場に登場することがあまりないFred Wester(フレッド・ウェスター)CEOが挨拶するというあたりからも,同社の気合いの入り具合は伝わってきた。
 ともあれ,本稿ではそんなカンファレンスの内容をレポートしたい。

画像集#003のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
そもそも発表会に登場することが珍しいFred Wester氏
画像集#004のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
Paradoxのビジネス開発部門を統括するTom Soderlund氏


満を持して始動するオンラインサービス

「Paradox Connect」


 Wester氏の挨拶もそこそこに登場したのは,Paradoxでビジネス開発を担当するTom Soderlund(トム・ソーダールンド)エグゼクティブ・プロデューサー。氏の口から発表されたものこそ,「満を持して」という印象の強い,オンラインサービスへの参入である。

Paradox Connectのスクリーンショット
画像集#005のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に

Paradox Connectで実現されるもの
画像集#006のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
 Paradox Connectと名付けられたこの新サービスは,従来「Paradox Forum」で行われてきたファンコミュニティのさらなる育成をサポートするものと位置づけられており,例えばAchievement(アチーブメント,到達点制度)の導入やDLC(DownLoadable Contents),さらにはFacebookやTwitterなどソーシャルネットワークとの積極的な連携なども行えるようになるという。
 ユーザーは,1つのIDをParadox Connect上で使うことになるが,現在Paradox Forumに登録している人はそれを使い回すことも可能であるなど,既存のParadox Forumをベースに,拡張されたサービスとなるようだ。

画像集#007のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
 氏によれば,Paradox Connectに対応したゲームをインストールするとき,Paradox Connectへの登録が必須になることはないらしく,このあたり,ソフトの流通&メンテナンスシステムとも一体になったValveの「Steam」やStardockの「Impulse」,Blizzard Entertainmentの「Battle.net」とは大きく異なる。もっと“ゆるい”サービスというわけだが,対応ゲームタイトルのオンラインモードでParadox Connectのプロフィールを利用できるようになるのはそれだけでメリットだろう。また,ファンコミュニティとの関わりがこれまで以上に求められるタイトルの増加も容易に想像でき,その可能性はなかなかに大きそうである。


2011〜2012年のプロジェクトが発表

3タイトルが初めて発表に


 プレスカンファレンスではこのほか,2010年下半期から2011年にかけてリリース予定となっているParadox新作タイトルのスケジュールが明らかになった。そのなかには,本カンファレンスが初出となったタイトルが3つ含まれていた。

●新発表3タイトル

●制作発表済みのタイトル

 新発表となった,「Crusader Kings II」と「Supreme Ruler 2020: Cold War」,そして2011年第3四半期発売予定の「Sword of the Star 2」に関しては,ある程度突っ込んだ説明があったので,公開されたイメージやスクリーンショットともども紹介していきたい。


■Crusader Kings II


画像集#008のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
Johan Andersson氏
画像集#009のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
公開されたイメージ
 Paradoxの開発部門を実質的に牽引する名プログラマー,Johan Andersson(ヨハン・アンダーソン)氏による新作は,2004年にリリースされたストラテジー「Crusader Kings」(邦題 クルセイダー キングス 日本語版)の続編。プレイヤーは,いわゆる十字軍(Crusader)の時代となる1066年からの400年間をプレイすることになる。

 カンファレンスでAndersson氏は「この作品を他の(Paradox作品)シリーズと異なるものにしているのは,キャラクターシステムだ」と話していたが,本作では,一国の王として周辺に勢力を伸ばしていくだけではなく,小国の男爵として所領の人材を管理するようなプレイ要素が含まれている。ゲーム開始時には優れた知性や行動力を持った人物でプレイしていても,デキの悪い子供,母国を優先する夫人,他国と通じた家臣など,多彩なキャラクターが,Crusader Kings IIの世界を混沌とさせていく。

 もちろん,タイトルどおり十字軍遠征などもフィーチャーされており,法皇の要請に従って遠征軍を出したり,もしくは近隣の軍勢を上手く利用して漁夫の利を得たりといったプレイも楽しめる。新しい街や砦,城をマップ内で自在に設けることができるようだ。
 Andersson氏は,「これまでのParadox製ゲームの中で,最も取っつきやすいゲームになる」と述べていたので,そのあたりも気になるところである。


■Supreme Ruler 2020: Cold War


 近未来型のリアルタイム戦略ゲームを開発をしてきたBattleGoat Studiosの最新作となるのが,1950年の朝鮮戦争やベルリン危機に端を発した冷戦時代を楽しむという本作である。
 キャンペーンモードでは,アメリカ合衆国もしくはソビエト社会主義共和国連邦でプレイ可能。経済発展や外交,核配備を含めた軍事増強のレースに打ち勝ち,相手側より広い政治勢力圏を持つのが目標となる。

画像集#010のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に

 また,16人までのマルチプレイヤーで楽しめる「Sandbox」モードも用意されており,こちらでプレイヤーは第2次世界大戦後に登場した様々な国家のリーダーとしてプレイすることもできる。スパイ活動や政治工作など,これまでのシリーズと比べてもダーティなプレイが光りそうな気配だ。

画像集#011のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に


■Sword of the Stars 2


公開されたイメージ
画像集#012のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
 Kerberos Productionsの最新作は,非常にコアなファン層を獲得していることで知られる「Sword of the Stars」の続編。宇宙を舞台にした3Dストラテジーゲームである。前作のストーリーを引き継ぎ,Humans, Hivers, Liir, Tarka, Zuul, Morrigiの6勢力が銀河の覇権をかけて戦う。
 とにかくマニアックなほどの宇宙船作りが楽める作品で,スペックはもちろんのこと。テクスチャまでも自在にデザインできるという。

 「Sword of the Stars II: The Lords of Winter」としてE3 2010で発表されたときと同じく,Gamescom 2010のタイミングで公開されたのも,「細かいパーツを組み合わせて作り上げた宇宙船を浮かべただけ」という,テクノロジーデモの範疇を出ていないものだったが,今回は被弾部位によってダメージが異なるシステムや,破壊のアニメーションなどが追加されており,開発は確実に進んでいるのが見て取れた。

画像集#013のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に 画像集#014のサムネイル/[Gamescom]Paradoxがオンラインサービス「Paradox Connect」を発表。「Crusader Kings II」など新作タイトルも公開に
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 なお,前作ほど宇宙は広大でないようだが,その分,1つ1つの星系が,複数の惑星を持つ緻密な天体マップになっており,惑星ごとに領土の取り合いを楽しめるようになっているとのことだ。
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