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海外ゲーム四天王 / 第60回:「Blade Kitten」
オーストラリアのデベロッパ,Krome Studiosが制作した「Blade Kitten」は,日本のアニメを思わせるキャラクターが活躍するアクションゲーム。半猫半人のバウンティハンターKit Ballard,またの名をBlade Kittenが,無法者の支配する惑星の秘密を暴くのだ。ジャパニメっぽい主人公が活躍する海外ゲームといえば,2009年に発売されて人気の出た「Xブレード」が思い出されるが,果たして本作はそれに続けるか? というのが今週の「海外ゲーム四天王」のテーマだ。
というわけで,ゲームはともかくアニメには詳しいと胸を張る編集部のgingerが,ちゃちゃっと紹介しようという寸法だ。
どこの誰が一番初めに発明したかは知らないが,猫耳美少女は良いものだ。どちらかといえば猫よりは犬(もちろん二次元)が好きな筆者だが,なぜか犬耳美少女は少数派であり,いまや猫耳と美少女は切っても切れない関係といっていい。
どうやらその思いは万国共通のようで,犬好きのくせに猫耳を愛してやまない筆者と志を同じくする心強い同志達が,遠く離れた海の向こうにも存在している。その一つが,オーストラリアに拠点を置き,「Transformers: Revenge of the Fallen」「Viva Pinata Party Animals」(邦題:あつまれ!ピニャータ 〜レッツ☆パーティー〜)などを手がけたデベロッパ,Krome Studiosだ。
今週の「海外ゲーム四天王」では,そんなKrome Studiosが開発した,猫耳美少女が大活躍する横スクロールアクション「Blade Kitten」を紹介しよう。
本作の主人公は,猫耳と猫尻尾が特徴の美少女バウンティハンター,Kit Ballard。「Hollow Wish」という小惑星にやって来たKitは,到着するなり謎の金髪美女Justiceに宇宙船を爆破され,おまけにバウンティハンターのライセンスであり,IDともなる大事な品,「Breaker Key」を奪われてしまう。うーむ,Justiceめ,名前に反してなかなか悪どいことをやりよるわ。
ゲームのストーリーは,奪われたBreaker Keyを取り返そうとJusticeのあとを追ううち,KitがHollow Wishに隠された秘密に迫っていくというものだ。ご覧のように,カートゥーンレンダリングと,全体的にポップで明るい雰囲気のグラフィックスが本作の特徴であり,公式サイトではKitを主人公としたWebコミックスも展開されている。
しかもこのWebコミックス,未完ながらすでにフルカラーで100ページを超える分量が公開されており,Krome Studiosの猫耳にかける熱意のほどがうかがえよう。すばらしい。
Blade Kittenとも呼ばれるKitは,その名のとおり,宙に浮かんだブレードによる攻撃を得意としており,ゲームでもこれを武器に行く手を邪魔するセキュリティメカや攻撃的な原住生物達と戦っていく。まあ,「宙に浮かんだブレード」と聞いてもあまりピンとこないと思うが,これはこのページの下のほうに掲載したムービーを見ればすぐに分かるので,ぜひムービーを見てほしい。
Kitは垂直の壁をよじ登ったり,天井からぶら下がって移動したり,スライディングで壁の隙間を潜り抜けたり,2段ジャンプで障害物を飛び越えたりと,いかにも猫耳美少女らしい身軽なアクションの数々を繰り出すので,早めに操作に習熟しておきたいところ。ゲームの難度はそれほど高くないものの,使用するキーが多いので,ゲームパッドでのプレイを推奨しておこう。
ご覧のとおり,本作のグラフィックスは背景なども含めすべて3Dで描かれているが,ゲーム性はまさに2Dアクションそのもの。Kitは画面の奥や手前に移動したりはできないが,敵の増援が画面の奥から手前に走ってきたり,画面の奥や手前から攻撃してきたりと,3Dならではの演出が盛り込まれている。
また本作では,ステージ中に散らばっているHex(お金のようなもの)を集め,Kitの体力やスタミナの上限をアップさせる食べ物や,より攻撃力の高いブレード,新しいコスチュームなどを購入できる。なかでもコスチュームは,パジャマやドレスや着ぐるみ,さらにはJusticeそのものになりきれるものなど種類も豊富で,制作者はよく分かっている。
コスチュームを変えても能力がアップするわけではないが,イベントシーンでも新しい見た目が反映されるので,なかなか新鮮な気分になれる。
それになにより,可愛い女の子にあれこれ着せ替えができるというのは,もうそれだけで楽しいものだ。ゲームクリアを優先するなら,新しいブレードなどが欲しくなるところだが,戦闘は基本的にボタン連打で勝てるので,先にコスチュームをあれこれ買い漁るのがプレイヤーのたしなみだ。
このほかにも,ゲーム序盤で出会う空飛ぶデブトカゲ,Skiffyを使っての仕掛けの解除や,小型の恐竜のような生物に乗ってJusticeを追いかけるステージ,さらにはボスとの戦闘など,さまざまな要素が盛り込まれた本作。細部まで描き込まれたグラフィックスが見た目にも美しく,全体的に遊びやすくまとまったアクションゲームに仕上がっているので,興味を持った人には強くオススメしたい一本だ。
そんな本作は,Valveのデジタル配信システム「Steam」でデモ版が配布されているほか,製品版が14.99ドルにて発売中。Kitのキュートなヘソ出しルックにメロメロになってしまった猫耳ファンは,まずはデモ版からお試しあれ。
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Blade Kitten
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