プレイレポート
新感覚のeスポーツタイトル「Dota Auto Chess」の導入から基本操作,1勝をもぎ取るまでのプレイガイドをまとめてお届け!
※MOD:公式外(主にユーザー)に作成されたゲームの改造データ。変更や修正を意味する「Modification」を語源とする
本稿では,「Dota Auto Chess」を遊ぶまでの手順と操作方法,さらに基本的なゲームルールを紹介していく。また,2ページ目には,まったくの未経験である筆者が1勝をもぎ取るまでのプレイガイドも掲載している。多くのプレイヤーが悩み,つまづきやすい部分を分かりやすく記述しているので,これから本作を遊ぼうと思っている人や遊び始めて困っていることがある人は,一度目を通してみてほしい。
「Dota 2」公式サイト
「Dota Auto Chess」とは……
「Dota Auto Chess」は,8人のプレイヤーによるラウンド制のバトルロイヤルゲームだ。試合時間はおおよそ25分〜40分ほど。プレイヤーはラウンドごとに配られるGOLD(お金)を使って駒を購入し,強力な“デッキ”を組み上げ,最後の生き残りを目指す。タイトルに「チェス」と入っているが,チェスの要素はほとんどなく,既存ゲームの中では「麻雀」に近いと言われる。
「Dota Auto Chess」導入までの流れ
「Dota Auto Chess」は,「Dota 2」内で遊べるMODである。導入は「Dota 2」をインストールするところから始まるので,Steamのストアページにある検索窓に Dota 2 と入力し,まずは「Dota 2」を入れておこう。なお,Steam自体を使ったことがないという人は,下記の記事を参考にしてほしい。
「Steam」公式サイト:
https://store.steampowered.com/about/
初心者向けSteamガイド連載 勇気を出して初めてのSteam(1)導入編
4Gamer読者なら,「Steam」(スチーム)という名前をどこかで一度は聞いたことがあるだろう。だが,Steamがどんなものであるかをきちんと説明できる人はなかなかいないのではなかろうか。この連載では,Steamを使ったことがない人のために,Steamの概要説明から導入,使用方法までを説明していく予定だ。
インストールが終了したら,さっそく「Dota 2」を立ち上げよう。「Dota 2」のチュートリアル画面が表示されるが,今回はこれをスルーして,アーケードタブを選択し,「Dota Auto Chess」と検索。あとは表示される「Dota Auto Chess」をインストールすれば準備は完了だ。
ネット対戦の前に1人用で操作方法を学ぼう
インストールが終わったらさっそくオンライン対戦を楽しもう……と言いたいところだが,基本的なルールや操作方法を知らないうちに経験者と対戦しても何も良いことはないので,まずは1人用を触ってゲームに慣れよう。
1人用でもチュートリアルなどは存在せず,いきなりゲームがスタートする。既存のゲームに近ければゲームルールもイメージできるだろうが,本作はかなりオリジナル寄りなのでこれは手厳しい。
ここからは画面の見方と1ラウンドの流れ,基本的な操作方法を解説していこう。
ゲームが始まると最初に5体の駒が画面に表示される。駒の購入にはGOLDが必要になるのだが,プレイヤーのスタート時の所持金は1GOLDで,5体の駒はいずれも1GOLDとなっている※。ひとまず好きなもの1体を購入してゲームをスタートしよう。
※常に低確率で抽選されているウィスプ(コスト5)のみ例外
駒は購入後,「倉庫」と呼ばれる駒置き場に送られるが,敵との戦闘はすべて,8×8で表示される盤面で行われるので,配置するのを忘れないように。キーボードの「Q」を押したあとに,左クリックで駒を選択,盤面の配置したい場所を左クリックすれば配置は完了だ。
ところで,画面右上に小さく「左クリックで駒を…」と書かれている項目にチェックが入っているのが見えるだろうか。この項目は,「左クリックのみで駒を選択し,そのまま駒を移動できる」という便利な機能なのだが,チェックが入ったままだと,駒の性能を見ようとしたときに「駒を選択後,右クリックでキャンセルする」といったひと手間が必要となる。
どちらの操作性が優れているかは,プレイヤー次第だが,駒を動かすときに「Q」キーを毎回押したくない人はチェックを入れ,性能をこまめに確認したい人はチェックを外しておくといいだろう。
駒の配置が完了すれば,「Dota Auto Chess」の1ラウンドは終了だ。ラウンド開始時にスタートする30秒のカウントダウンが0になると,ゲームは自動で進行し,敵との戦闘パートに移行する。戦闘パートには介入できないので,配置の完了でプレイヤーの操作は終了となるのだが,以降の空いた時間でさまざまな情報を確認し,戦況を有利に進めるためのプランを考えていくのが,本作の醍醐味となるわけだ。
また,戦闘でNPC※を倒すと確率でアイテムをドロップするのだが,これらのアイテムは,プレイヤーのアバターを操作することで拾い集められる。落ちたアイテムにカーソルを合わせて右クリックすれば,アイテムの取得は完了だ。
なお,拾ったアイテムは画面下部の一覧に表示される。アイテムを駒に装備させるときは,アイテムをドラッグして,装備させたい駒にドロップしよう。アイテムは一度駒に渡すと売却するまで外せないが,1人用でプレイするぶんには,適当に装備させていても問題ないだろう。
※NPC戦は1ラウンド〜3ラウンドと10ラウンド,以降5ラウンド刻みで発生する
1ラウンドの流れと基本的な操作方法の解説は以上となる。ここまででもかなり情報量が多く,覚えることがたくさんあるが,複雑な操作は少ないため,ある程度1人用で練習すればすぐに慣れてくるだろう。
また,以下にこれまでに記述した操作方法に加えて,試合で役立つ操作をまとめておく。操作を忘れてしまった,確認したいという人は,こちらに適時目を通してほしい。
■駒の購入に関する操作
・駒の購入:左クリック
・駒の購入画面のON/OFF:スペースキーor画面上部の駒アイコンを左クリック
・駒のラインナップのロック:南京錠マークを左クリック
・駒のラインナップの更新(2GOLD必要):+の付いたチェスマークを左クリックor[D]キー
■駒の操作
・駒の移動:[Q]キー後,移動させたい場所を左クリック
・駒を倉庫に送る:[W]キー後,送りたい駒を左クリック
・駒の売却:[E]キー後,売却したい駒を左クリック
■アイテムの取得,装備
・アイテムを拾う:アイテムにカーソルを合わせて右クリック
・アイテムを装備させる:装備したいアイテムをホールド(長押し)し,装備させたい駒にドロップ(離す)
■そのほかの重要な操作
・プレイヤー経験値を取得する(5GOLD必要):[F]キーor画面下部の経験値取得ボタンを左クリック
・プレイヤーがレベルアップするために必要な経験値を表示する:[Alt]キー
・他プレイヤーの状況を確認する:[Tab]キーor画面左下のマップを左クリック
・全プレイヤーの駒の取得状況を確認する:画面右下の矢印アイコンを左クリック
戦略性に富んだ「Dota Auto Chess」のルールを紹介
操作方法を学んだあとはいよいよ「Dota Auto Chess」の基本的なルールをお届けしよう。ここまでは操作方法を練習するために「1人用」に沿って解説してきたが,プレイヤーが絡む「対人戦」は当然まったくの別物と考えていい。逆にこれから紹介する内容は「対人戦」に向けたもので,1人用の攻略にはあまり役立たないと思うので,そこには留意してほしい。
「Dota Auto Chess」の勝利条件と敗北条件
大前提として「Dota Auto Chess」は8人制のバトルロイヤルなので,最後まで生き残ればその試合の勝者となる。ただし,本作の対人戦はポイント制のランクマッチのみとなっており,上位4位までに残ればポイントはプラスになるので,実質的にはそこが勝敗のラインと捉えていいだろう。
プレイヤーには「100%」からスタートする体力が設定されており,駒同士が戦う戦闘に負けることで,少しずつ削られていき,0%になった時点でその試合の順位が決定する。もちろん,戦闘に負けないことは最終的に勝利するために重要なことだが,体力に余裕があれば,ある程度のダメージは食らっても問題ないと覚えておこう。
駒の性能とシナジーを理解する
上位入賞を目指すことが「Dota Auto Chess」の目的となるが,そのためには駒同士の戦闘で勝利しなければならない。
ここで重要となるのが,駒の性能の把握だ。駒にはそれぞれコストと単体の戦闘能力のほかに,「種族」と「クラス」が設定されている。この種族とクラスを揃えていくことで,駒同士が強力なシナジー※を発揮し,戦闘を有利に進めていけるわけだ。
※シナジー:相乗効果。相互に作用することで,単体のみで得られる効果をより高めること。「Dota Auto Chess」では,種族やクラスが集合することでシナジーが発生する
プレイヤーは最終的に10体の駒を盤面に送り出せるようになるが,10体の中で強力な「種族シナジー」と「クラスシナジー」を発動できるデッキを組み上げられれば勝利に近づける。
ただし,購入できる駒のラインナップはランダムだし,ラインナップを更新するためのGOLDも有限のため,狙ったデッキを一直線に作るのは難しい。駒の中には,単体性能で強力なものや,少ない種族やクラスでシナジーを発揮するものがあるため,寄り道をしたり,思い切って路線変更をするといった柔軟な思考が重要となる。
レベルアップに必要な経験値一覧
レベルアップに必要な経験値は以下の通り。なお,「Alt」キーを押すことで,次のレベルまでに必要な経験値がプレイヤーアイコンの近くに表示されるので,覚えておこう。
・レベル1→レベル2:1
・レベル2→レベル3:1
・レベル3→レベル4:2
・レベル4→レベル5:4
・レベル5→レベル6:8
・レベル6→レベル7:16
・レベル7→レベル8:24
・レベル8→レベル9:32
・レベル9→レベル10:40
「Alt」キーを押せばいつでもレベルアップまでの必要経験値を確認できる
効果的なレベルアップのタイミング
「Dota Auto Chess」では,プレイヤーレベルと同数の駒を盤面に配置できるので,ほかのプレイヤーよりレベルが高ければそれだけ戦闘を有利に進められる。効果的なタイミングをしっかりと覚えておこう。
・レベル4→レベル5
5ラウンド目or6ラウンド目に経験値を1度購入(5GOLD消費)
駒の数が4体と5体では勝率が大きく変わってくる。可能なら5ラウンド目のタイミングでレベルを上げよう。どうしても手に入れたい駒があるような場合なら,6ラウンド目で大丈夫だ
・レベル5→レベル6
9ラウンド目に経験値を1度購入(5GOLD消費)
最速でレベル6になれるタイミング。戦闘で後れを取らないためにも,できる限りここでレベル6に上げておきたい
・レベル6→レベル7
13ラウンド目に経験値を3度購入(15GOLD消費)
17ラウンド目に経験値を2度購入(10GOLD消費)
どれだけ状況が苦しくとも,17ラウンド目にはレベル7に上げることをオススメしたい。試合を優勢に進められている場合は,駒の購入資金が苦しくなるが,13ラウンド目にレベルを上げ,中盤をより有利に進めるといいだろう
・レベル7→レベル8以降
21ラウンド目,25ラウンド目,29ラウンド目,33ラウンド目……
レベル8以降は手持ちの戦力やゲームの進行具合に幅があるので,どのタイミングにレベルを上げるかを選択するのが難しくなる。21,25,29,33……といった4の倍数+1のラウンド時に経験値を購入することで,無駄なくレベルアップができることだけを覚えておけば大丈夫だ
駒の単体性能を向上させるアップグレード
「Dota Auto Chess」に登場するすべての駒は購入した時点では,「駒名称★」といった表記になっているが,同一の駒を3体集めることで,「駒名称★★」にアップグレードできる。「★★」の単体性能は,同一の「★」の駒とは雲泥の差なので,積極的にアップグレードを狙っていこう。
なお、「★★」の駒も,同一の「★★」の駒を3体集めることで,「★★★」にアップグレードできる。集めるのには苦労するが,それに見合った性能となっているので,終盤では活躍を見せてくれるはずだ。
配布されるGOLDはラウンドによって増加していく
ラウンド開始時に配布されるGOLD(お金)の用途は,「駒の購入」「プレイヤー経験値の追加取得」「駒のラインナップの更新」の3つ。配布される金額は,ラウンド1〜5までは,1GOLD,2GOLD,3GOLD……と増加していき,5ラウンド以降は一律で5GOLDとなる。
また,プレイヤーとの戦闘に勝利した時や連勝or連敗時,10GOLD以上所持している時には追加GOLDが加算される。一覧を下記にまとめておくので確認してみよう。
ラウンド開始時にもらえる基本GOLD:1〜5G(1〜5ラウンドまで増加,以降5GOLD固定)
プレイヤーとの戦闘に勝利:+1GOLD(勝利した時点で獲得)
連勝or連敗報酬(3〜4):+1GOLD
連勝or連敗報酬(5〜6):+2GOLD
連勝or連敗報酬(7以上):+3GOLD
10GOLD以上所持:所持GOLDの10%(最大+5GOLD)
※連勝報酬はプレイヤーとの戦闘のみを参照する
※5ラウンド以降にプレイヤーに7連勝し,所持GOLDが50GOLD以上ある場合
基本報酬:+5GOLD
戦闘勝利:+1GOLD
連勝報酬:+3GOLD
利子報酬:+5GOLD
計:+14GOLD
そのほかの攻略に役立つ情報まとめ
・駒の全体の総数
本作の駒はプレイヤー8人で共有されており,すべての駒に上限数がある。従って,同一のデッキタイプを狙うプレイヤーが複数いる場合,手詰まりが起こってしまうことも多い。対戦相手のデッキ状況は常に確認できるので,プレイに慣れてきたらこまめにチェックする癖をつけよう
駒のコスト | 上限数 |
1GOLD | 各45体 |
2GOLD | 各30体 |
3GOLD | 各25体 |
4GOLD | 各15体 |
5GOLD | 各10体 |
・プレイヤーレベルによる駒の排出率
販売される駒のラインナップはプレイヤーレベルに依存しており,以下の排出率が参照される。最高レアリティのコスト5は,レベル8で1%,レベル10でも6%とかなり低めだ。
プレイヤーレベル | 1コスト | 2コスト | 3コスト | 4コスト | 5コスト |
レベル1 | 100% | 0% | 0% | 0% | 0% |
レベル2 | 70% | 30% | 0% | 0% | 0% |
レベル3 | 60% | 35% | 5% | 0% | 0% |
レベル4 | 50% | 35% | 15% | 0% | 0% |
レベル5 | 40% | 35% | 23% | 5% | 0% |
レベル6 | 33% | 30% | 30% | 7% | 0% |
レベル7 | 30% | 30% | 30% | 10% | 0% |
レベル8 | 24% | 30% | 30% | 15% | 1% |
レベル9 | 22% | 30% | 25% | 20% | 3% |
レベル10 | 19% | 25% | 25% | 25% | 6% |
・駒の売却価格について
「★」の売却価格はコストと同一となっている。「★★」はコスト+2GOLD,「★★★」はコスト+4GOLDとなっており,コストが高くなるほど損をすることになるので注意しよう。
・「★★」の売却価格一覧
コスト | 作成GOLD | 売却価格 |
1コスト | 3GOLD | 3GOLD |
2コスト | 6GOLD | 4GOLD |
3コスト | 9GOLD | 5GOLD |
4コスト | 12GOLD | 6GOLD |
5コスト | 15GOLD | 7GOLD |
プレイヤーの知識と技量が試される新感覚のeスポーツを楽しもう
ここまで「Dota Auto Chess」の導入から,操作方法,基本的なルールをお届けしたが,いかがだったろうか。本作は複雑な操作を必要としない反面,覚えるべき情報や判断する事象が多いため,取っつきにくいゲームであることは違いないだろう。また,本稿でお届けした情報以外にも,駒の性能やシナジー,デッキの組み方などを把握しなければ,勝負の土俵には立てないだろう。
ただ,本作はサービスが始まって間もないゲームであり,プレイヤー人口も非常に多いため,新規のプレイヤーが参入しやすい土壌なのは間違いない。何より完全無料で遊べるため,初期投資が(PCさえあれば)一切かからないのは大きな魅力の一つだ。本稿を読んで興味が出た人は,対戦ゲーマーが病みつきになる本作をぜひ一度遊んでみてほしい。
次ページでは,本記事を作成するために,1から「Dota Auto Chess」を始めた筆者がたどったプレイガイドを掲載する。初心者がつまづきやすいポイントや思考を記述するので,これから始めるという人はぜひ参考にしてほしい。
- 関連タイトル:
Dota 2
- この記事のURL:
(C)Valve Corporation, all rights reserved.