本作のストーリーは,三国志演義の小説1冊ごとに,“幕”単位で描かれているが,今回は“第2幕”の流れを追ってみたい。三国志にあまり詳しくない人は,その世界を知るためのきっかけとして,そして三国志の熱心なファンは,カットシーンでどのように原作が再現/アレンジされているのかをチェックしてみてほしい。記事の性質上,ストーリーのネタバレを含むという点はご注意を。
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大陸全土が本格的に群雄割拠へ突入(2幕 1〜4章,7章)
前回の記事でも紹介したように,絶大な権力を手にし,朝廷でやりたい放題を行っていた董卓は,義理の息子の呂布によって倒される。しかし,そのクーデターの仕掛け人である王允も,朝廷内の派閥争いに巻き込まれ,殺されてしまうことになる。
董卓が消えたことで,彼に押さえつけられていた諸侯や盗賊らが跋扈し始めるが,もはや朝廷に彼らを統率する力はない。中国大陸全土が,本格的に群雄割拠へと突入しつつあった……。
そんな情勢を背景に,第2幕の序盤から中盤にかけては,各地における諸侯のエピソードにスポットが当てられる。時系列が若干前後するが,この第2幕の中だけでも,北部で袁紹,西部で馬超,南東部で孫策をはじめとした多くの勢力がそれぞれ力を付け始めるほか,袁術が皇帝の末裔を詐称しだすなど,まったく統率の取れていない状態である。
そういった新勢力の中で,三国志演義の歴史的に重要な役割を担うようになるのが孫策だ。孫策は,ゆくゆくは三国時代の一角を担う“呉”の礎となる人物で,志半ばにして倒れた父・孫堅の遺志を継ぎ,中原に名乗りを上げる。まずは,周瑜や太史慈,黄蓋,程普といった実力者を率い,“江東の小覇王”として挙兵する孫策のカットシーンを紹介しよう。
皇帝を擁立し権力を掌握する曹操(2幕 2章,5章)
各勢力が軍事面を強化することに躍起になる中,ほかとは違った視点で動き始めたのが曹操だ。
曹操は,董卓の死亡後に孤立していた皇帝・献帝を擁立し,その後ろ盾となったのである。また,一度は長安に強制遷都させられていた首都を,元の洛陽へと戻し,その過程で曹操が政権を支配できる体制を作っていったのだ。
そして曹操のもう1つの大きな特徴といえるのは,才能さえあれば身分や品行などに関係なく人材を登用,育成するという,当時の儒教にのっとった常識からかけ離れた,柔軟な施策を取っていたこと。この時期に,許チョ(衣へんに者),典韋,荀彧,程昱,郭嘉といった非常に優秀な人材が曹操の元に名を連ねており,層の厚さは他勢力と比べても突出している。
さらに曹操は,各地に根強く残っている黄巾族の残党を配下に置き,平常時は彼等に農耕を行なわせる“屯田制”を採用。軍事と内政を両立させながら長期的な視点で基盤を固め,諸侯が乱立する中で頭角を現わしていく。
呂布と劉備(2幕 6章)
話は遡って,1幕のラストで董卓を倒した呂布だが,その後は朝廷を追われ,各地を転戦する日々を送っていた。そして曹操を相手に大規模な戦いを行なうものの決着が付かず,流浪の果てに,当時は徐州を治めていた劉備の門を叩くことになる。
だが,呂布はこれまで主君を2度も殺めており(丁原と董卓),客観的に見ると信用はゼロだ。とくに,何よりも義を重んじる張飛は,そのことを腹に据えかねるが,それでも劉備は,呂布を受け入れることを選択する。さらに劉備は,その後,曹操からの勅書で呂布の殺害を命じられるが,それも自らの胸の内に収めてしまうのだ。さすがの器の大きさ……と言いたいところだが,なんと呂布は,劉備が留守の間に張飛と揉め事を起こし,徐州の城を乗っ取ってしまう。やはり呂布は呂布だったのである。
ここでは,劉備が呂布を招き入れる場面と,呂布に乗っ取られた直後のカットシーンを2本続けて紹介しよう。
孤立無援の呂布(2幕 10〜11章)
劉備は家族を呂布に捕えられ,腹心たる関羽や張飛とも離れ離れになり,単身曹操の元へと身を寄せる。曹操からすると,勅書に従わなかった劉備は重罪にあたるはずだが,彼を受け入れることを選ぶ。
面白いのは,曹操は劉備だけでなく,呂布と戦っている最中に,呂布も配下に加えようと,何度も手を差し伸べることだ。優秀な人材であれば登用するという,曹操の方針が垣間見えるエピソードである。
曹操からの提案に呂布の心は揺れるが,彼の軍師を務める陳宮が説得を阻止し,結局,呂布と曹操は敵対することになってしまう。
その後も呂布は曹操との戦いを続けるが,次第に劣勢を強いられ,ついに捕えられる。呂布は命乞いをするものの,そのとき曹操の隣には,自分が裏切った劉備がいたのだ。いかに曹操といえども,これまでの素行や劉備の助言から,やむなく呂布を処刑する。
類稀な武力で天下を揺るがした呂布だが,一方でその人生は裏切りを重ねており,最期にその報いを受けたといえよう。
第3幕では当時最大勢力を誇る袁紹と曹操との戦いへ
第2幕のストーリーを一言でまとめると,群雄割拠がさらに加速,といったところだろうか。この時点で最も勢いがあるのは曹操で,この後,当時最大勢力であった袁紹との直接対決を迎えることになる。そして“官渡の戦い”を制した曹操は中原の覇者となり,やがて自らの国“魏”を興す。
一方,江東では孫策が倒れるものの,その遺志と配下は彼の弟の孫権へと受け継がれる。そして魏の建国を受けた孫権は,対抗して“呉”を建国するのだ。
本作の主人公のはずの劉備は,実はこの段階ではいいところ無しで,各地を転々とする状態がまだ当分続くことになる。劉備は放浪の末に,魏や呉が手付かずにしていた南西部の土地を手中にし,“蜀”を興すことになり,そこでようやく,“三国時代”の幕が上がるわけだ。
三国志を抱くでは,9月11日のアップデートで第3幕が実装されており,ここでは曹操と袁紹の争いが描かれている。その激闘がどのようなものなのかは,実際にプレイして確かめてみてほしい。






















