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印刷2024/02/10 10:00

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MMORPG「黒い砂漠」のイベント“カルフェオン宴会”で公開されたロードマップ。その内容を振り返りながら,現時点の実装状況を紹介しよう

 2023年12月16日に開催されたPC向けMMORPG「黒い砂漠」のイベント「カルフェオン宴会」では,今後実施される内容として,さまざまなアップデート情報がロードマップで発表された。あれから1か月半ほど経過したが,着々とそれらの実装が進んでいる。本稿では発表内容を振り返りながら,2024年2月頭の執筆時点での実装状況もまとめて紹介しよう。

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 Pearl Abyss JPは12月16日,PC版「黒い砂漠」におけるイベント「2023カルフェオン宴会」のパブリックビューイングをRed Bull Gaming Sphere Tokyoで開催した。本稿では,イベントで発表された情報とパブリックビューイング会場の模様をお届けしよう。

[2023/12/19 14:36]


27番目のクラス「スカラー」の実装


 スカラーは黒い砂漠27番目のクラスとして,2023年12月20日に実装された。ハンマーを武器としており,初心者にも使いやすいシンプルな操作系にまとめられている。キャラの背景や特徴などを,プレイレポートで紹介しているので,そちらも確認してみよう。

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 MMORPG「黒い砂漠」で2023年12月20日に27番目のクラス「スカラー」が実装された。重力を操りながら錬金術と巨大なハンマーで戦い,ストーリーや設定も作り込まれた魅力あふれるキャラクターに仕上がっている。本稿ではスカラーをより楽しむための情報をプレイレポートでお届けしよう。

[2024/01/13 08:00]

スカラーの武器は「ハンマー」だが,重力と錬金術を操ることでそれを軽々と振り回す
画像集 No.001のサムネイル画像 / MMORPG「黒い砂漠」のイベント“カルフェオン宴会”で公開されたロードマップ。その内容を振り返りながら,現時点の実装状況を紹介しよう

飛んだり跳ねたりワープしたりと,見た目にも楽しいクラスだ
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下位アイテムの統廃合


 初心者を悩ませるのが膨大な数のアイテムだ。これまでもツールチップ一つひとつに用途などを書いてフォローアップされてきたが,とにかく数が多すぎて,性能が低いアイテムは,もはや初心者にも利用されないといった現状がある。そこで,以下のアイテムや要素の統廃合が順次進められている。


  • パーティ用エリクサーを廃止し,どのエリクサーもパーティで効果が反映されるように変更
  • 低等級の生活道具を廃止し,店売り品も「今どき」の強さに
  • 生活資格証廃止(加工などの要件)
  • 下位の水晶を削除
  • 依頼で手に入る,用途のないアイテムを売れるように(記念で取っておくこともできる)
  • 強化素材である「ブラックストーン」の統合(トゥバラ装備,ナル装備用はそれぞれ統合済)
  • デイリーなど,繰り返し依頼制限の解除
  • 肉,魔力の実,痕跡,血などの一次材料の統合(予定)
  • 栽培用の種も等級削除(予定)
  • イベントで手に入る印章アイテムをUI化(予定)
  • ボス召喚書の整理(予定)

 こういった点は古参プレイヤーから見ても必要なシェイプアップだと感じられる。アップデートの中でリサイクルできなかった要素が簡素化されている印象だ。


配布で初心者から中級者を支援


 初心者がゲームを始めて,なるべく早くほかのプレイヤーに追いつけるような支援も進んでいる。

●真IVブラックスター武器を1つ配布

 最強装備の一歩手前である「真IVブラックスター」武器が,Lv61達成とメディア地域までのメイン依頼達成などの簡単な条件で,家門あたり1つ獲得できるようになった。メイン武器,覚醒武器,補助武器のうち1種類を選んで手に入れられる。初心者はシーズンで爆速成長を遂げた後,自然とこの武器を手に入れられる形だ。火力がさらに引き上げられ,冒険の役に立つだろう。

●幻想馬を1頭配布

 黒い砂漠には通常の馬と一線を画す「幻想馬」という特別な馬がいる。幻想馬の獲得は現状でも簡単とは言えないのだが,3種類の幻想馬のうち1種類を家門あたり1頭獲得できるようになった。ベテランプレイヤーは,さらに上位の「微睡みの幻想馬」を狙うための挑戦材料「夢見る香炉」を代わりにもらうこともできる。

ブラックスター武器や幻想馬は,Yキーを押すと表示される「完了報酬」から受け取れる
画像集 No.003のサムネイル画像 / MMORPG「黒い砂漠」のイベント“カルフェオン宴会”で公開されたロードマップ。その内容を振り返りながら,現時点の実装状況を紹介しよう


各種利便性アップ


 「タイパ(タイムパフォーマンス)」という単語が市民権を得るようになって久しいが,オープンワールドMMORPGにも「時短」の波が来ており,なるべく時間をかけなくて済むような改編が進んでいる。

●ワープ機能「マグヌス」がかなりお手軽に

 幻想馬という機動力を生かした移動自体がコンテンツであることもあり,ワープコンテンツ「Abyss One:マグヌス」の調整はかなり慎重に行われていたが,現在は思い切って利便性をアップさせる方向に進んでいる。
 これまでは,「最寄りの井戸→マグヌス内を歩行移動→目的地の井戸に到着」という流れだったが,「最寄りの井戸→マップから行き先選択→目的地の井戸」という形に簡素化された。

 また,移動の料金も500万シルバーに統一され,どこに行くのも非常にお手軽だ。さらに釣った魚など,背負わないタイプの貿易品を持ったまま遠隔地へ移動できるように改善された。旅情感を楽しみたいときや,お金を節約したいときは馬で移動し,急いで遠隔地に行きたいときはマグヌスでワープ,といったような使い分けが可能だ。

●ボスコンテンツ「黒い祠」にもあっという間に到着

 朝の国アップデートで追加されたボス攻略コンテンツ「黒い祠」も短時間でサクっとプレイできるコンテンツに改良された。黒い祠は週に5体のボスを選んで倒すコンテンツだが,メインの大陸から遠い「朝の国」に行き,さらにボスの出現ポイントまで移動する必要があった。
 アップデートではこの移動が完全に不要になった。黒い祠の画面からボスを選んで開始すると,ストーリーで出てくる「ドケビ姫」が現れ,笛を吹いてボスの地へ瞬間移動させてくれる。そのまま戦闘が始まり,終われば元の場所に帰る。「ちょっと一狩りしてくるか」というノリで気軽に楽しめるデザインとなり,プレイヤーの評判もいいようだ。
 黒い祠は現在7段階目の「七災シニ」までが実装されているが,八災〜十災シニも準備中とされている。

黒い祠のメニュー画面。右下の「ドケビ姫」が現地までワープさせてくれる
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ワープ後はそのままボス戦に突入する。装備などの準備は事前に整えておこう
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ボス1体の戦闘は慣れれば1分もかからない。短時間で手軽に楽しめる戦闘コンテンツへと進化した
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●砂漠地帯,大洋でのルート移動が可能に

 「羅針盤」系のアイテムは,砂漠地帯,大洋で自分の位置がマップ上から分かる効果がある。これに加えて,アップデートで羅針盤を使った状態なら,砂漠地帯や大洋でも目的地を設定しての自動移動できるようになった。

砂漠で目標地点のピンを立てられる。方向音痴な筆者でもこれなら迷わない
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当然Tキーでオートランもできる。砂漠が得意な幻想馬「ディネ」などの価値が更に高まりそうだ
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海洋でもワールドボスの「ベル」や,デイリーで倒しに行く海洋モンスターなどの出現地までオートランできる
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●アクマン寺院とヒストリア廃墟の入口ができた

 「羅針盤」は基本的に消耗品だ。しかし,宝物アイテム「ラフィー・レッドマウンテンの改良型羅針盤」は永久に使用できる。改良型羅針盤の部品は,「アクマン寺院」「ヒストリア廃墟」のダンジョンで見つけられるのだが,入るのがやや面倒で,砂漠地帯にある「古代移動装置」からどちらかにランダムで入れる仕様だった。
 2024年1月のアップデートでは,アクマン,ヒストリアそれぞれの入口が地上から地続きになって入りやすくなった。また,ワープ元の「古代移動装置」は残されているが,見た目でどちらの狩り場にワープするか分かるように改善されている。
 なお,アクマン寺院,ヒストリア廃墟など,バレンシア地域は“宝物アイテム”の宝庫だが,低確率で見つかるアイテムだけにベテランプレイヤーも足しげく通うことがある。そうしたプレイヤーの強さに見合うよう,これらの地域も「デキアの灯り」(※使用すると対象地域のモンスターが強化されるアイテム)の対象になった。ドロップアイテムの単価も上がるので,上位プレイヤーに相応しい収益を得つつ,宝物アイテムが狙えるというわけだ。

砂漠上に新設されたアクマン寺院の入口
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下っていくとそのままアクマン寺院内部へとつながっており,改めて完全なオープンワールド空間なのだと感じられる
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ワープ元だった「古代遺跡装置」は残っている。この装置は黄色いビリビリを纏っており「ヒストリア行き」だ
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●アイテム組み合わせ用バッグ「ヤーズの調合室」

 バッグの中でアイテムを特定の形に並べて合体させる,「アイテム調合」というコンテンツがある。それら調合用のアイテムは重ならないため,たくさん獲得するとバッグのマスを圧迫してしまう問題があった。この点を解消するため,調合用アイテムも重なるようにして,調合だけは別のウインドウで実行するように改善された。

例えば放置釣りで大量に手に入る「古代遺跡の結晶の欠片」。バッグに溜めておき,まとめて一気に召喚書に変換!ということもできるようになった
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●狩り場の収益アップ

 狩り場には実効攻撃力のソフトキャップ(緩やかな天井)が設定されているが,それを緩和して,より狩りやすくなるように調整され始めた。現時点で調整された狩り場は「苦悩が眠る墓」「オルン渓谷」「灰色の森」「ガイピンラーシア寺院(地下)」の4か所だ。

●クロン石利用の強化でも+1

 強化の段階を下げないように保護する「クロン石」を利用した強化でも,強化成功率上昇の値が+1されるようになった。保護しながら失敗を続けても,強化成功確率を少しずつ上げていけるわけだ。


複雑なコンテンツは新たなUIで分かりやすくなった


 真V段階の装備,アクセサリーを製作するコンテンツがあるが,自分が今どの段階を挑戦しているのか,アイテムは後どのくらいいるのか直感的に分かりづらかった。そこで,これらの進行過程をUIとして独立させて,分かりやすい内容にする改編が進んでいる。韓国では2024年1月31日のアップデートで,真Vアクセサリー依頼がUIに置き換えられ,真Vアクセサリーも家門あたり2個まで作成できるようになった。
 また,協力プレイコンテンツである「アトラクシオン」についても専用UIが用意されることが発表されている。依頼についても依頼名,NPC,報酬で検索できるようになるなど,長期的には依頼のUIを全体的にリニューアルする考えのようだ。

真V段階アクセサリーの製作UI。必要な材料などが画面上から確認できて分かりやすい
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装備などの統合的なプリセットも予定


 武器や防具,アクセサリーのほか,黒い砂漠にはさまざまなセットアップ要素がある。「水晶」「遺物」「光明石」「スキルプリセット」「スキル特化」などだ。状況に応じて1つひとつを入れ替えるのは大変だったが,これらを一発で入れ替えられる「統合プリセット」の導入が予定されている。かなり便利になるだろう。

コンテンツリメイク・追加


 既存コンテンツも作り直す予定が発表されている。

●一般貿易の中止

 まず,一般貿易が一旦休止となった。一般貿易は「アイテムを安いときに買い,高いときに売る」という相場要素を含んだものだったが,いまひとつ仕様の盛り上がりに欠けていたのは確かだった。

●セレンディア地域のリマスター

 序盤地域のストーリーのリマスタリングは,バレノス(ベリア村周辺)は行われていたが,それ以降に続くセレンディア地方(ハイデルから)も予定されている。

●血の祭壇のリメイク

 かつて存在した「血の祭壇」というコンテンツが挑戦型のコンテンツとしてリメイクされる予定だ。高難度になると,より上級の装備が必要になるという。

※以前は3人のパーティメンバーが呼吸を合わせて対象物を守るディフェンス系のコンテンツだった

●生活レベルを家門で統一(6月以降予定)

 採集,釣り,料理に錬金など,各種の生活コンテンツレベルは現在キャラクター単位で別個になっているが,これが家門(アカウント)で統一される予定だ。


ギルドコンテンツの増強


 2024年はギルドコンテンツが増強される年になりそうだ。黒い砂漠はソロでも十分に遊べるが,やはりMMORPGらしく仲間と遊んだほうが,より面白いのは間違いない。
 ギルド改編の口火を切ったのが「改良型ギルドガレー船」だ。ギルドで所有しているガレー船はこれまでは操舵する人以外はお客さん的な感じだったが,改良することで,仲間と一緒に「漕ぐ」とスピードアップできる要素が追加された。

改良型ギルドガレー船
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 また,カルフェオン宴会ではそのほかに,さまざまなコンテンツが発表されている。

・ギルド称号 (ギルド名の前につく形容詞)
・ギルドハッシュタグで加入をサポート
・ギルドメンバーへの通知機能
・ギルドミッションを個人単位に
・ギルドメンバーの育成サポート
・ギルド日給を最大1億シルバーに
・ギルドの歴史などの記録強化
・ギルドメンバーの荘園をギルド代表荘園に
・ギルドリーグ(ギルド間の15vs15の戦場)
・新ルールの拠点戦
・占領戦ルール変更,ギルド搭乗物「竜」


ギルド搭乗物の「竜」。ついに自由な空中移動ができるようになるのだろうか?
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新地域「朝の国:都」や新武器はギルド有利?


 新地域として「朝の国:都」が開発されているが,こちらではギルド単位の「黒い祠」コンテンツが用意されるとのことだ。ギルド用の「黒い祠」では自分の装備を使うことになり,ギルド全体の装備力が問われることになる。また,最上位となるであろう「死した神級の武器」の実装も予定されているが,こちらはギルドレイドが関係するという。ギルド以外の入手手段も用意されるらしいが,ギルド所属者のほうが入手で有利になる可能性は高いだろう。

「朝の国:都」は,古代朝鮮をイメージして制作されている
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新たなボスについても韓国の説話を元に制作されているとのことだ
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銃クラスや新クラスも楽しみ。オシャレ方面も新時代に


 朝の国の新クラスが発表されており,剣と煙管(キセル)を使う男性道士とのことだ。また,黒い砂漠初の「銃」を武器にするクラスも開発中とのこと。黒い砂漠は世界観を守るため,これまでクラスや衣装に縛りを設けてきたところがあった。しかし,27ものクラス(職業)が登場し,新しいプレイ感覚,見た目が求められていることは確かだろう。

「朝の国:都」と同時期になると思われる新クラス。剣とキセルを武器にする男性クラスのようだ
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 また,黒い砂漠は現代的な衣装にも取り組み始めた。2023年のクリスマスシーズンには「サンタビレ衣装」「サンタビレN衣装」といったドレッシーなパールアイテムがリリースされ,2024年1月には現代制服風の衣装である「アカデミア」衣装の販売が開始された。


 世界観を気にするプレイヤーもいるかもしれないが,MMORPGを長く遊ぶ上で,見た目のバリエーションが増えることは単純に良いことだと思う。もっとも,黒い砂漠は初期から「古代文明」のロストテクノロジーに触れてきたし,スカラーのムービーやウルキタ地域南部には「機械の敵」も現れたりもし始めた。ストーリーと現代的なファッションをうまく調和することも,演出上十分可能なはずだ。

ウルキタの四脚メカタイプの敵「シーカーリオン」と最新衣装を纏った「ウィッチ」キャラクター。黒い砂漠の新しい時代の到来を感じさせる
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