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各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も
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印刷2017/04/26 12:00

インタビュー

各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も

 まもなくサービス開始から4周年(※2017年7月26日)を迎える,セガゲームスが配信中のスマホ向けRPG「チェインクロニクル3」iOS / Android。以下チェンクロ3)では現在,プレイヤーから「ストーリーいいよね」という声が多く上がっている。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も

 本作は2016年11月24日に第2部「チェインクロニクル 〜絆の新大陸〜」の名を改め,大々的なタイトルアップデートを通し,第3部「チェインクロニクル3」として心機一転のサービスが開始された。このあたりの詳しいアレコレは,4Gamerでも当時の開発インタビューの中で紹介している。

 また,現在はアニメ業界においても,2017年1月に放送されたTVアニメ「チェインクロニクル ヘクセイタスの閃(ひかり)」をはじめ,今月4月1日に放送開始となったTVアニメ「進撃の巨人」Season 2とのコラボイベントや,そのコラボCMのキャッチーな映像が話題を呼び,新たなユーザー層とのつながりを開拓している。


 さて,ゲームを取り巻く状況を説明したところで,本題に戻ろう。このチェンクロ3は現在,プレイヤーにさまざまなエンターテイメントを提供しているが,中でも“メインストーリーがとても面白い”という意見が,さまざまなコミュニティで発信されている。

 というわけで今回は,その意見に異論のない筆者が,チェンクロ3のストーリー担当に根掘り葉掘り,物語の魅力を聞き出すことにした。お相手は本作の総合ディレクター・松永 純氏,シナリオチームリーダー・西 次郎氏,開発プロデューサー・井上周祐氏の3名だ。

左から井上周祐氏,松永 純氏,西 次郎氏
画像集 No.009のサムネイル画像 / 各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も

 充実のストーリーを謳うスマホゲームは数あれど,それがいかに充実しているのかを知る術は,ゲームをプレイしてみる以外にはあまりない。また,今回は「進撃の巨人」とのコラボにまつわる話も聞けたので,チェンクラー(とこれから始める未プレイヤー)にあっては,ぜひとも目を通してみてほしい。

 ちなみに今回のインタビューは隙間を縫ってのセッティングであったため,実施時間は1時間となっていた。これがどういう意味なのかは,記事の最後で理解できるだろう……。

★インタビュー当日(2017年4月13日)のストーリーの進行度★
ヘリオス篇:第3章
アリーチェ篇:第3章
エシャル篇:第2章
セレステ篇:第3章
アマツ篇:第2章

※本稿は「チェインクロニクル3」のストーリー第3章“真実の欠片”までの内容を含んでいます。ネタバレが気になるという人は,プレイ後に改めて読んでみてほしい

「チェインクロニクル3」公式サイト

「チェインクロニクル3」ダウンロードページ

「チェインクロニクル3」ダウンロードページ



「物語のテーマを一言で!」と始まって……


4Gamer:
 本日はお忙しいところ,お時間をいただきありがとうございます。

松永氏:
 いえいえ,こちらこそありがとうございます。今回はストーリーに関するインタビューと聞きましたが。

4Gamer:
 そうなんです。チェンクロ3は配信から約5か月が経ち,5人の主人公たちのストーリーがいろいろと動き出しました。ただ,自分自身がいまいち「〜〜編はこういう物語です」とうまく説明しきれない気がしたので,この場で“各主人公の物語のテーマを一言で”教えてもらいたかったんです。

松永氏:
 なるほど。分かりました。

4Gamer:
 では本題の前に,チェンクロ3のストーリーがどのような構成になっているのかを,これをきっかけに知る人への紹介ということで,説明してもらえますか。

松永氏:
 はい。チェンクロ3の物語は,チェンクロ第1部・2部から5年後を舞台にして繰り広げられます。かつて伝説の義勇軍が救った世界,そのはじまりの大陸ユグドを再び舞台にして,新たな5人の主人公たちの新しい物語が描かれていきます。

 王道展開の物語もあれば,学園物語もあり,SFストーリーもありと,個性豊かな5つのメインストーリーを,主人公たちをはじめとした新キャラクターたち,そしてかつての伝説の義勇軍のキャラクターたちが登場し,縦横無尽に物語を紡いでいくのが,チェンクロ3の魅力になります。

 そしてときに交わりながら,徐々にひとつの流れに収束していく物語の面白さも,今回は味わってもらえればと思っています。

4Gamer:
 ありがとうございます。ついでにもう一つ,チェンクロ3を配信してからこれまでの,運営側の手応えも聞かせてください。

画像集 No.011のサムネイル画像 / 各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も
西氏:
 配信当初からいろいろな反響はいただいていましたが,最近になってさらに手応えを感じられるようになってきました。ユーザーの皆さんからも「こういうお話だったんだ」「予想外のストーリーでした」と,嬉しい反応が届いてきていますね。

 物語を書いている私たちも,その反応を見てやる気に満ち溢れています。

松永氏:
 第3章に入って,ようやく各主人公たちの情報が出揃ってきましたからね。ヘリオス篇ってこうなんだよ! とか大きな流れがようやく提示できたので,手応えが出てきたのはまさに今だよね。

4Gamer:
 私は配信前,チェンクロ3がどのような物語になるのかを予想できませんでした。しかし,実際にプレイしてみたらすぐに感想が湧きましたし,ファンのコミュニティを眺めても,皆さん同じように感じ取っているようです。ずばり「ストーリーが面白い」と。

運営一同:
 ありがとうございます!

4Gamer:
 社交辞令でもなんでもなく,月2回のストーリーアップデートが楽しみで仕方ありません。はよこい……はよこい……と。

運営一同:
 ありがとうございます(笑)。

4Gamer:
 もちろん,第1部・第2部の物語も面白かったです。とくに「リヴェラ」の活躍には心をつかまれました。ですが,個人的な物言いとしては,第1部は「いい話だけど,あっ魔物だ,でしょ」と斜めに見ていたときもあり,第2部は終盤の難解な用語と概念に,多少頭を働かせる必要がありました。

松永氏:
 なるほど。はい。そういう部分はありますし,だからこそ第3部では,またやり方を変えてみようと思ったので。

4Gamer:
 そうだと思いました。だから,第3部の物語はストレートに面白い。そういう直球の感想が出てきます。それに私のような人も多いと思いますが,「アマツ篇が一番だわ」と思っていたのに,新章が配信されると「いやヘリオス篇が最高だわ」となり,その後も「やっぱりエシャル篇でしょ」と,推しが毎回変わるんですよね。

松永氏:
 それは嬉しいです! チェンクロ3では,5つのストーリーをそれぞれ読み味の違うものにすることが,ひとつの大きな目標だったので,違う主人公の物語を読んだ人が,こっちはこっちで面白いと思ってくれることは,本当に嬉しいかぎりです。なんというか,充実した漫画雑誌というか,さまざまな読み味を楽しみながら,大きな物語が進んでいく形を,今回は目指しているので。

4Gamer:
 セレステ篇に興味津々なのに,アリーチェ篇の新章が配信されると,それが面白くて,そっちに関心が寄ってしまう。この循環を体験させてくれること自体が,物語の水準の高さを実感させてくれます。

松永氏:
 ただ,1つだけ設計段階で想定ができてなかったなと思うのは,ずばり物語全体の進行速度でした。とくにスタートの。チェンクロ3には5つのストーリーがありますし,従来よりもアップデートの更新を早く(月2回更新)したのですが,それぞれのキャラクター性を発揮するまでに,思っていたよりも時間がかかってしまったんですよね。

 本当,各シリーズとも今回の第3章を読んでもらえると,それぞれ物語が大きく動き出して,主人公の魅力や,物語の驚きが得られると思うんですが。第1部や第2部では一度のアップデートで導入が終わり,物語が進んでいたのに対して,今回は導入も5倍のストーリーが必要になってしまってるんですよね。

4Gamer:
 アマツ篇は直球で楽しみやすく,セレステ篇は雰囲気が心地よく,エシャル篇は目的がハッキリしていたので,どれも始まった瞬間から楽しみやすいですね。一方で,ヘリオス篇は第1章の終了,アリーチェ篇は第2章の終了と同時に,本格的に物語が展開する作りだったので……やはり,この5か月目にインタビューするのがベストでした。

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松永氏:
 正直,(彼らの)自己紹介に5か月かけたと思っています。

(一同笑)

西氏:
 ただ,5か月かけた意味はあると思っています。これからチェンクロ3で展開していく物語は,それがなければ描けないもののはずですから。

松永氏:
 ですね。ここからはどの新章を開いても,さまざまな新事実が明かされ,新展開が起きるようになってますので,ぜひ期待していてください。

4Gamer:
 スマホゲームにおいて,人気キャラクターのリニューアル版が提供されるのはぼちぼち見られることですが,チェンクロ3のように5年後の世界を描く,というのは滅多にありません。それも数年間にわたるサービスで,各々が愛着を持ってプレイしている状況があったわけですし,これは大きな舵取りであったと思いますが。

松永氏:
 そうですね。5年後の世界を描くために,今回は主人公たちを一新しています。大きく変わるというのは,得てして愛着と相反することも多いです。

 ですが,だからこそ,そこまでしないとできない新しい物語を届けたいと思っていますし,同時に4年という長い期間,ユーザーさんが支えてきてくれたタイトルとして,皆さんの想いを絶対に大事にしなければなと思っています。新しさと同時に,思い入れには絶対に応えられるものにします。

西氏:
 ストーリーの執筆中は,さまざまな場面で第1部や第2部のキャラクターを出したいと考えるのですが,常に「顔出しするだけなのはもったいない」「もっと重要な場面で投入するべき」という葛藤があり,いつも試行錯誤しています。このあたりは,よく松永からもダメ出しされますね。

松永氏:
 間違いなく,結構なチャレンジだと思うんです,ゲーム内の時間を5年進めるというのは。もしかしたら,物語が完結していた第2部でも,そのままの時系列でまだストーリーを継ぎ足したり,物語のループを作るようなことも不可能ではなかったと思うんです。ただ,なんていうか,そうやってチェンクロの世界を「サザエさん」にはしたくなかったんですよね。

4Gamer:
 俗にいう「サザエさん時空」(※作中の登場人物が年を取らない世界観の俗称)ですか。

松永氏:
 そういう作り方も,やろうと思えばできました。スマホゲームとしても,そちらのほうが安定するやり方だと思います。でも,せっかくユーザーさんがチェンクロの世界観を楽しんでくれていて,その世界で生きているキャラクターを感じ取ってくれているというのに,そういう展開の仕方は(運営的には)ないだろうと。生きているキャラクターが世界を動かしているからこその物語だと思っているので,ちゃんと針を進めようと。

4Gamer:
 そうして,ユグド大陸の時間を5年進めたと。

松永氏:
 5年後の世界の様子や,成長したキャラクターの姿が,誰かの期待にそぐわないというリスクは必ずあります。それでも,チェンクロの時間はちゃんと進めるべきだと。それゆえの第3部ですので,ユーザーさんに刺さってくれているのなら,嬉しいです。成長した姿を見て,ドキドキしてもらえたら,本当にやった価値があるなって思っています。

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4Gamer:
 新章と新主人公というのもそうですし,物語に出てくる第1部や第2部のキャラクターの成長した姿を見て,第1部や第2部にも興味を持ってもらう。新規ユーザーへのアプローチとしても,理に適っていると思います。

松永氏:
 最近はアニメからゲームに入ってきてくれたユーザーさんも多くいますので,そういうのも込みで,機能してくれていたらいいですね。

4Gamer:
 アニメ……ここでアニメの話までしてしまうと一向に本題にたどり着けないのですが,言わずにいられないので言っておきます。とても面白かったです。ユグド大陸の様々なロケーションが可視化されたのもそうですが,なにより第1話から“あんな展開”で進むとは。

松永氏:
 アニメの監督と初めにお会いしたとき,第1部のストーリーをもう1回なぞるのは止めましょうと話し合いました。あれはゲームだからこその王道展開で,アニメでやってもそれほど面白い話ではないと思ったので。そこから,あの物語の構成へと進んでいったんです。

4Gamer:
 第1部のアニメ化と聞くと,勇者が魔王を倒す的な,どうしてもポピュラーな王道展開を想像してしまいますので,ファンにとっては第1話からうれしい裏切りでした。

松永氏:
 このあたりの考え方は第3部も一緒で,僕らは王道でありたいけれど,それがマンネリと思われてしまったら負けなんです。アニメにしても,チェンクロ3にしても,ユーザーの皆さんはそういったマンネリを求めていません。

4Gamer:
 では,アニメはどのような物語にしたいと考えたのですか。

松永氏:
 生きた世界観の骨太なファンタジーで,かつファンの皆さんがドキドキできるものです。だからこそ,「今週はゲームでもやった,あのストーリーのお話です」みたいなのはないなあと。

西氏:
 「今週も魔物が来たぞー」なんて思われてしまうのは嫌ですもんね。

松永氏:
 結果,チャレンジした意義のある作品になったなと思います。

4Gamer:
 アニメの手応えはバッチリだと。

西氏:
 アニメ,よかったですよね。

松永氏:
 アニメ,よかったですよー! 僕も半分以上はお客さんとして楽しみました。クライマックスのユリアナの活躍にめっちゃ涙目でした。ユリアナ,カッコいいなーって。

4Gamer:
 ブルクハルトがゲームで活躍する日も待っています。

――――――インタビュー開始から10分――――――


ヘリオス篇のテーマは「英雄」


4Gamer:
 ここからは本題としての,各主人公の物語について聞いていきます。まずは聖王国の“ヘリオス篇”のテーマはなんでしょう。ずばり,一言でお願いします。

西氏:
 一言でいうのは難しいですが……「英雄」という単語を意識していますね。ヘリオス篇をざっくりと説明すると,「どこにでもいる(チェンクロの世界における)普通の少年が英雄を目指す話」なんです。そして第3部の世界で,彼が目指している英雄とは誰なのか。

4Gamer:
 作中で,ヘリオス自身が語っていましたね。

西氏:
 はい,1人目はヘリオスの旅路に同行していた「カイン」で,2人目は世界を救った英雄こと,プレイヤーさんを投影する「主人公」です。

4Gamer:
 ヘリオス篇の第3章では,ヘリオスとカインによる熱い展開が見ものでした。

西氏:
 第3章では,英雄としてのカインであったり,そのカインが憧れる英雄(主人公)であったりと,いろいろな英雄像を書きました。その中のどれか,もしくは全部が,ヘリオスが追いかけていく,憧れの英雄の背中になるんじゃないか……。そんな見え方になるように意識していましたね。

4Gamer:
 カインにしても,これまでのヘリオス篇では伝説の義勇軍の一員であり,それに相応しい安定感を見せてくれていましたが,隊長(主人公)が絡むとこういう弱さを見せるんだなと。「世界を救うぐらい頑張って,ようやくコレなんだぜ? 俺は」ってセリフにシビれます。

松永氏:
 あそこは,本当にすべてのプレイヤーの皆さんに見てほしい!

4Gamer:
 そして,なによりヘリオスとカインの決闘です。最高に熱かった。ここはもう絶対に書きたかったシーンなんだろうなと感じましたが,いかがですか。

西氏:
 おっしゃる通りです。私自身,あのシーンはウルっとしながら執筆していました。

4Gamer:
 私も電車の中で油断しながらプレイをしていたら,あれですよ。ああ,なんか欠伸がでちゃったー的な小芝居をするはめに。

西氏:
 ありますよね,そういうの(笑)。でも,そう言っていただけて本当に嬉しいです。

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4Gamer:
 ヘリオス篇って今のところ,第1章,第2章,第3章と通して,大きな目的はそのままなんですが,各章で雰囲気がガラッと変わりますよね。

松永氏:
 そこはヘリオス篇らしい王道の表現といえます。第1部は主人公たち義勇軍が,各地でさまざまな人物と出会い,事件を解決していく構成だったので,それを汲みつつ,違う展開で魅せていこうとしているんです。

4Gamer:
 しかし,今後のヘリオス篇ではカインの立ち回りは描かれないのでしょうか。

松永氏:
 今後も物語の軸は当然,ヘリオスです。カインの物語が今後どう描かれるかは,今は話せません。とはいえ,ユーザーさんにとっては伝説の義勇軍たちも,主人公たちと同等か,それ以上の存在だと思います。それに第3部は“群像劇”ですので,彼らには5つのストーリーの中でたくさん動き回ってもらい,いろいろな活躍を見せていければと考えています。

4Gamer:
 なるほど,いろいろな場面での活躍が見られるわけですか。てっきり「伝説の義勇軍篇」みたいなものが追加されるのかと。

松永氏:
 伝説の義勇軍篇,あってもいいなとは思うんですけどね。そういった横展開は,メインのストーリーがしっかり軌道に乗ってから,いろいろ検討したいと思っています。

4Gamer:
 いきなり第3章の終盤の話で弾んでしまいましたが,ここでヘリオスの周囲に戻りましょう。私はトロメア,シャロン,アポロを見ていて,ヘリオスにはいろいろな属性の“3人のお姉さん”がいるという印象を受けたのですが。

西氏:
 関係性としては間違ってません(笑)。その3人を意識して姉的なものとして書いているわけではありませんが,ヘリオスは5人の主人公の中で一番普通なんですよ。彼の周りで動かすと,どうしても世話を焼いてしまうというか,現状のヘリオス自身がそういう立ち位置になりがちなんです。

4Gamer:
 また,シャロンやアポロだけではありませんが,第3部ではほとんどの登場人物たちの腹に一物があるように見えます。そしてそれらの伏線が,物語のキーになる。そういうお話作りをされているので,興味を引かれるんですよね。また,各章の終わり方も後を引くのでニクい。

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松永氏:
 登場人物たちの設定は,事前にがっつりと組んできました。「第3部は人間の物語にしよう」とライター陣と話していましたし。

4Gamer:
 人間の物語ですか。そこのところ詳しくいいですか。

松永氏:
 はい。第1部では,黒の軍勢という人外の存在との戦いを描きました。第2部では,新しい世界そのものを描きました。そして今回の第3部では,人と人とのつながりから生まれる人間ドラマを描いていきます。各篇のテイストは異なりますが,書くべき方向性は共通しています。

4Gamer:
 登場人物たちの設定が,物語の起点にもなる,ということでしょうか。

松永氏:
 第3部の登場人物たちが持っている設定は,第1部や第2部の登場人物たちと比べて,より深掘りしています。それらがどのように動き,彼らの関係性をどのように変えていくのか,これも第3部ならではの楽しみです。

4Gamer:
 言葉で聞くと,ストーリーの何が面白かったのか合点がいきます。関係性といえば,個人的にはアマツとの運命の交差(※各主人公が物語中で交わるポイント)が良かったです。各々で見るときと,2人が揃うときとでは,良い意味で印象が違っていますよね。この2人の場合は,まさに少年漫画の名コンビのような熱さでした。

西氏:
 運命の交差は,書き出す前からどういう風にするのかを決めていたものもあれば,書いているうちにキャラクター同士が化学反応し,明後日の方向に飛び出していったケースもありました。

松永氏:
 それこそ,書き手同士の化学反応だね。

4Gamer:
 チェンクロ3では西さんらライター陣が,各篇をそれぞれ担当しているとお聞きしましたが。

西氏:
 はい,1人はヘリオス篇,1人はアリーチェ篇と,1人1篇で担当しています。

4Gamer:
 その状況で運命の交差を書くときって,率直に言って,どうしているんですか?

西氏:
 運命の交差は,あらかじめ用意しているストーリーの大枠に沿って,「このあたりで交わろう」と相談しながら決めています。基本的に,先にストーリーアップデートがある主人公の担当ライターが,大枠を踏まえてバーッと書き上げますが,細かいところをどんな風にしていくのかは,喧々諤々でやっています(笑)。

4Gamer:
 それは,つまり,「私のセレステはそんなこと言わない!」的なぶつかり合いということでしょうか。

西氏:
 はい。皆,今書いている第3部への思い入れが強いので,自身の担当しているストーリーを一番面白くしたいと,互いをライバル視しながら切磋琢磨しています。だから「今回はこっちの物語に寄せて」とか,「今回はこっちのキャラを立てて」とか,そういう単純な要望は誰も聞きません。毎回両方の主人公を一番よく見せられるよう,考えをすり合わせるんです。大変です(笑)。

松永氏:
 第3部は複雑な構成になっていますが,型に嵌めた書かせ方はあえてやっていません。こういう物語は普通,最初からパズルのように組み合わせておくのが一般的ですが,僕らは骨組みだけを用意して,あとはライター同士で話し合わせて,とにかく話し合わせて,それでも折り合わないなら僕が入って! みたいな泥臭い作り方をしています。

4Gamer:
 それは意外でした。てっきり,松永さんの言ったようなパズル的な手法を用いていたのかと。

松永氏:
 こういう風に作ったほうが,キャラクターが生っぽいというか,それぞれに色のある物語ができるんです。最初にすべてのパズルをきっちり作ってしまうと,どうしてもパズルの完成をベースに物語が描かれるので,個々の個性が減ってしまうんです。

 あえて粗さを残して進めることで,各作家が自分なりの物語を描けますし,だからこそ交じり合ったときに予想外の反応が生まれるんですよね。この考えが完全にはまったときの運命の交差は,本当にいいです。

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4Gamer:
 あと,第3章では罪の大陸よりヴァリーとゾーイが登場しましたが,皆さんが気になっているのはやはり,薄命の大陸の現状だと思うんです。

西氏:
 5年後の第3部の時間軸で,ってことですよね。

松永氏:
 そのあたりはまだ言えません。どれくらいピックアップしていくかも含めて,考えている最中なので。今回のヴァリーとゾーイにしても,他の大陸にしても,それぞれの背景はすでに用意していますし,これから長く続く第3部の展開の一環で,いずれは外の世界を描く機会もあるかもしれませんが……やはり,第3部の物語はユグド大陸が中心です。

 とにかく,今はもう,ユグドの物語を描きたいですからね!

西氏:
 第3部の物語がようやく本格的に動き始めたましたからね!

4Gamer:
 今はノリノリで本筋を書いていくターンだと。

松永氏:
 そうですね。型には嵌めませんが,第3部のストーリー全体の大きなプロットはすでにできていて,ひとまず「前半の山場」として構成しているところまでは,がっつり走りたいなと思っています。

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4Gamer:
 では,ヘリオス篇についての最後の話題となりますが,「白い剣」と「白き異形」を忘れるわけにはいきません。詳しく聞くのは野暮ですが,第3部にもついに出てきました,“チェインクロニクル”が。これはやはり,チェンクロ3の物語の骨子となるのでしょうか。

松永氏:
 もちろんなります。

西氏:
 “チェインクロニクル”ですから。

松永氏:
 現時点で隠し設定が一番多いのはヘリオス篇だよね。

西氏:
 ここで語りすぎると危ないです。

4Gamer:
 分かります(笑)。

松永氏:
 ヘリオスの物語はこれから,チェンクロ3の本筋へとつながっていきますので,彼を取り巻く状況や,彼の成長を一緒に感じてもらいたいと思います。第3章まできて,ようやく良いところを見せられるようになってきましたが,ヘリオスっていまだ目立たない子なんで(笑)。

西氏:
 テーマからして普通の少年ですからね。

松永氏:
 僕的に今のヘリオスは,最初の頃の「フィーナ」(※第1部/第2部のヒロイン)を思い出させるんですよ。

西氏:
 フィーナも当時は不人気ヒロインでしたねー。

松永氏:
 人気投票ベスト20に,余裕でいなかったくらいで。

西氏:
 ハハハハハ(笑)。

松永氏:
 でも,物語が進み,彼女の背負っているものが徐々に明かされていくと,ユーザーさんからもだんだんと愛されるようになりました。なので,ヘリオスもそうなってくれたら嬉しいです。

4Gamer:
 文字通りの意味で「ヘリオスの物語はこれからだ!」ですね。

――――――インタビュー開始から27分――――――


アリーチェ篇のテーマは「居場所」


4Gamer:
 続いては,賢者の塔の“アリーチェ篇”です。こちらもまずは,テーマを一言でいただけますか。

西氏:
 ええと,私としては,アリーチェ篇のテーマは「居場所」なのかなって考えています。アリーチェ,ベルタ,カーリンは戦争のために作られた“乙型刻印者”という存在で,彼女たちは(賢者の塔の)魔法学園に紛れ込んでいるけれども,確固たる居場所がない。そういう子たちでした。

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4Gamer:
 アリーチェ篇はビジュアルだけ見ると,それこそ「ちぇん☆くろ!」みたいな4文字系アニメの雰囲気に見えますが,第1章から第2章まではとにかく不穏な空気でしたね。

西氏:
 ええ。ですが,第2章の終わりで魔法学園の教授となったフィリアナが,彼女たちに道を示す特科クラス「フロス」を作り上げ,アリーチェ,ベルタ,カーリン,そしてデルフィーナの4人をフロスに迎え入れました。あなたたちはここにいていいんだよと言うように,彼女たちに居場所を与えたんです。その後の第3章からは,彼女たちがフロスの生徒として成長し,絆を紡いでいく姿が描かれています。

松永氏:
 それでいて,アリーチェ篇でやろうと思っていたのは“楽しいストーリーにしよう”ということです。大きなキーワードは,やはり「学園物語」なので。

4Gamer:
 正直なところ,アリーチェ篇は第2章が終わるその瞬間まで,どんな物語なのか掴み切れませんでした。舞台も賢者の塔だけでしたので,5人の主人公の中でも,とくに動きがなくて。ただ,第2章5話「ようこそ,フロスへ!」を見た後は,これもう一番面白いんじゃないかなって。

松永氏:
 アリーチェ篇も,第3章からがようやく本格的なはじまりでしたから(笑)。

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4Gamer:
 アリーチェ篇はこれからが彼女たちの成長のターンになるわけですか。

松永氏:
 5人の主人公はそれぞれ違う形で“成長”していくので,そこは全篇の見どころになると思います。それにさっき言った通り,いろいろなシリアスな背景だったり,各々の秘密も徐々に明かしていきますが,基本的には「彼女たちが学園で楽しく暮らしていく」,そういう風景を届けていきたいです。

4Gamer:
 個人的に,アリーチェ篇はカワイイカワイイに見えて,実のところ熱血スポ根なんじゃないかなって。

松永氏:
 まあ,ありますね,それは。熱血も,学園物語の大きな要素ですし。

西氏:
 大事な要素の1つですね。

松永氏:
 彼女たちはいわゆる戦隊ヒーロー的な,色ごとのキャラ付けをしています。それによって個性や,熱いポイントを明確にしています。

4Gamer:
 つまり,学園物にカワイイとカッコイイを両方詰め込んだと。

松永氏:
 一般的に学園物といわれて連想するのは,ゆるふわ日常系か,熱血スポ根が多いと思うので,じゃあもうこれを両方やりましょうと。バッと詰め込んでいます。

4Gamer:
 フロスの4人は万能な優等生ではありませんが,それぞれの有する能力が尖っているので,局所では大活躍します。一見すると落ちこぼれの人物たち,だがしかし,ってな感じですよね。あるいはチェンクロ界のアベンジャーズ的な。

(一同笑)

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4Gamer:
 しかし,4人の中でもデルフィーナだけは刻印者でもなく,闇を抱えているのか,いないのか,底が見えないゆるふわ女子に見えます。

松永氏:
 普通の人間ですからね,デルフィーナは。ですが,アリーチェ篇もこれからです。先がどうなるかを予想できる人は少ないと思いますし,僕らだって今から「やったるで!」という段階に入りますから。

4Gamer:
 そのほか,第3章では優等生クラス・ヴリルより,才能にあふれた女生徒「フォルテナータ」が登場しました。いやー,素晴らしいキャラです。フロスの4人とはちょうどいい対比といいますか。

松永氏:
 フォルテナータが出てきてことで,学園感がますます出てきたよね。

西氏:
 彼女は今後も出張ってくると思いますよ。

4Gamer:
 彼女の活躍にも期待していいと?

西氏:
 ぜひご期待ください(笑)。

4Gamer:
 余談ですが,賢者の塔の全体の規模感というのはどれくらいなのでしょう。生徒数だったりを含めて。

西氏:
 生徒は結構な数がいます。

松永氏:
 もちろん設定はありますが,細かい数字は想像にお任せですね。ちなみに,たくさんある塔の一つ一つが街になっているので,厳選された生徒のみが集まる場所ではなく,さまざまな生徒がたくさんいるものと考えてください。

4Gamer:
 ありがとうございます。それと,私の戦魔パを第2部のラストまで支えてくれた「クラウディア」の行方も,どうぞよろしくお願いします!

――――――インタビュー開始から36分――――――


セレステ篇のテーマは「異端」


4Gamer:
 次は3人目となりました,精霊島の“セレステ篇”です。こちらもテーマを一言でお願いします。

西氏:
 分かりやすいところだと,「SF」「異端」といったものですね。

松永氏:
 あとは「居場所」ですね。異端の存在であるセレステが,どのように家族やコミュニティに馴染んでいくのか,そういうところがストーリーの分かりやすい魅力です。

4Gamer:
 セレステは見かけからして機械チックといいますか,これまでのチェンクロの世界にはいない雰囲気の持ち主になっています。

松永氏:
 ストーリーを遊んでいただけると分かりますが,セレステ篇ではSF的な表現や演出がバンバン出てきます。企画当初から「一番チェンクロっぽくない話にしよう」とは決めていたので,5人の主人公の中では飛び道具的な物語になっていますね。

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4Gamer:
 5人の主人公の中でも,セレステは最も何も知らない存在といいますか,ある種の幼児性が見受けられます。記憶喪失から物語が始まるエシャルと比較しても,人としてのスタートラインが大きく違っていますよね。

松永氏:
 セレステは精霊島で,クーシャン,シーシャン,ヴォルクリスたちと家族として生活していましたが,ヴォルクリスの死をきっかけに,彼女なりに成長の道を歩み始めます。これはセレステというキャラクターだからこそ描ける姿になっています。

4Gamer:
 セレステ篇で扱われるテーマはとても純粋です。好きと嫌い,生と死など,その純真さが他の篇とは違う魅力につながっているのかなと。

松永氏:
 今後は,セレステが自身の持つ秘密とどう向き合っていくのか,そのあたりも見どころになっていきますね。

4Gamer:
 第2章では「ナランハ」という,セレステに似た存在が現れました。彼女はセレステとは違い,自身の目的を知り,行動していました。このナランハについてですが……


※※※ エラー。エラー。ネタバレにつき検閲不能。 ※※※


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松永氏:
 というわけで,5つの物語の中で一番異端に見えるセレステ篇も,この先「やっぱチェンクロだよ,これ」って話になりますので楽しみにしていてください。

4Gamer:
 はい,執筆の時点でオフレコにしておきます(笑)。あと,セレステの純粋さは,精霊島の森妖精たちにもさまざまな刺激を与えていきそうですね。

松永氏:
 そういう一面も描いていますね。居場所というのは,あった場所に入るのではなく,できていくものだと思っているので。

4Gamer:
 精霊島の森妖精たちは,第1部でも保守的な存在として描かれていることが多かったので,セレステの存在が,彼ら彼女らにどのような影響を与えるのかも結構気になっていたり。

西氏:
 森妖精たちは長命の存在ですので,本来なら5年程度の時間経過では,考え方が大きく変わることのない種族でした。ですが,第1部や第2部を通して主人公たちの冒険に付き合い,世界を救ったことで,第3部ではそれぞれの考え方にも変化が起きています。

4Gamer:
 森妖精の中でも,高潔でリーダー気質な「バリエナ」と,野心と慢心を隠さずいる「レアーオ」が,どのような役どころを担うのかは気になっています。個人的に。彼女たちは森妖精の若手の中でも,第1部の絆の物語やチェインストーリーを通して,一番変化を見せてくれていたので。

松永氏:
 そういう話にちなんでですが,気を付けていることとして,義勇軍と,義勇軍が紡いだ物語に関わってこなかった人物たちには,5年後の変化を出さないようにしています。セレステ篇だと,「ポテンシア」とか。

西氏:
 (これまでも)寝てただけですからね(笑)。

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4Gamer:
 そういえば,4月の魔神襲来イベント“果実の魔神 エイルニルス襲来”は,精霊島を舞台がでした。チェンクロ3でも配信以降,さまざまなイベントを配信されていますが,こういった外伝的なストーリーについては作り方は変えられましたか。

松永氏:
 第3部になって以前よりも力を入れているということはありません。ただ,これまでの4年間の積み重ねは見えてきました。ライター陣のいろいろやろうとする努力の姿勢が,内容に影響しているのはあります。

西氏:
 イベントストーリーにしても,同じことをやっても仕方ない,それではつまらないという意識を常に持っています。具体的にどう面白くしていくのかは,毎度の捻り出しによるものですが。

4Gamer:
 これまでのストーリーの話も含めてですが,同じものを生み出さないよう,新しいものを考えようとするのは,とても大変ではありませんか。クリエイター全般に言えることかもしれませんが。

西氏:
 4年も運営しているゲームだと,はい(笑)。

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松永氏:
 未だに毎回チーム内でバチバチとやり合って,新しいものを振り絞ってますから。イベントに関しても,ストーリーに関しても。

4Gamer:
 新しいものというと,最近は「サナオーリア」しかり,「エイルニルス」しかり,6文字のキャラクター名が多くなってきたので,記憶力が試されるようになった気が……。

松永氏:
 キャラクター数もだいぶ増えてきたから,名称も昔のようにはいかなくなってきましたね……。

――――――インタビュー開始から45分――――――


4月中はやってます「進撃の巨人」コラボ


4Gamer:
 すみません……ちょっと時間が苦しくなってきたので,ストーリーはひとまず置いといて,「進撃の巨人」コラボについてのお話を聞いてもいいですか。

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井上氏:
 よかった……! ようやく出番がきた……!

4Gamer:
 大変お待たせいたしました。

井上氏:
 盛り上がってまいりました。

(一同笑)

4Gamer:
 それでは基本のところで,「進撃の巨人」とコラボするきっかけはなんだったのでしょう。

井上氏:
 はい,チェンクロの開発陣には「進撃の巨人」が好きなメンバーがとても多いんですよ! チームスペースにも原作単行本が置かれてまして,TVアニメ「進撃の巨人」Season 1の頃からコラボが出来たらいいねーと話していたのですが,今回はTVアニメのSeason 2が放送されるということで,先方さんに掛け合い,2017年4月のSeason 2放送開始という一番素敵な時期から,チェンクロとのコラボを開始できることになりました。そこからはチーム内,テンション上がりまくりですね。

4Gamer:
 今回のコラボは実施期間が1か月と,かなりの気合の入りっぷりです。これは企画当初から1週間や2週間ではなく,1か月で計画していたのですか。

井上氏:
 はい。ビッグIPである「進撃の巨人」様ですから! 今回,アニメ放送と同時にコラボさせていただけることになりましたが,ここにはアニメも楽しみつつ,チェンクロのコラボイベントも楽しんでほしい! という想いがありました。

 1か月間,毎週アニメに合わせてイベントを楽しんでもらうため,コラボ期間中は毎週土曜日のアニメの初回放送後,SSR「ミカサ」をなどを配布するコラボクエストを配信したり,週末にはログインボーナスとして,3部酒場でSR以上のキャラクターを確定で引けるSPチケットを配布したりと,とても豪華なコラボイベントになるように企画いたしました。

 4月はチェンクロも,進撃の巨人アニメもずっと楽しんでいただきたい,その想いで1か月開催を計画したんです。

4Gamer:
 私もコラボが1か月もあるということで,楽しませてもらっています。でもまさか,コラボミッションが4月11日で終了するなんて……。4月12日になってビックリしました。1か月だと思ってゆっくり進めていたので,いくつか逃しましたが(笑)。

井上氏:
 月の前半はコラボミッションを通して,新規ユーザーさんやチェンクロユーザーさんに,進撃の巨人コラボの遊びをしっかり楽しんでもらおうと設計しまして,クエストを遊んで巨人を討伐したり,クエストでもらえるミカサを使い,バトルを楽しんでいただけるような内容にしました。

 月の後半では,全ユーザーさんが協力し,巨人を累計500万体倒すイベントを毎週開催しています。月の前半で育てたキャラクターを使い,皆さんで達成を目指す。そんな共闘感を押し出した内容にシフトしています。こちらは毎週500万体以上の巨人が倒されると,ガチャを引くためのガチャコインをユーザーの皆さんに配布しています。

 それを使って,進撃の巨人ガチャで欲しい調査兵団キャラクターをゲットするなど,各々でコラボを楽しんでもらえたらと思います(※2017年4月26日現在,4週目の巨人討伐イベントが開催中)。

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4Gamer:
 45分間の沈黙を押し流す勢いで,ありがとうございます(笑)。では,コラボキャラであるエレンたち調査兵団の作り込みについてはいかがですか。立体機動の動き,かなりのものとお見受けしますが。

井上氏:
 調査兵団はチェンクロのコラボ史上,最大級のモーション数に仕上がっています! デザインチームの面々が,進撃の巨人がとにかく好きで好きで仕方なかったので,立体機動のカッコよさを全力で追及してくれました。どの場所からでも,どの角度からでも,敵にアンカーを刺し,カッコよく飛び掛かって切り付けてくれます。

4Gamer:
 スピード感あり,スタイリッシュ感ありで,立体機動のイメージが見事に表現されていました。

井上氏:
 あと,今回はエレンがスキルで“巨人化”しますが,巨人のパンチもすごいんです。これまでのチェンクロでは見られなかった,ずっしりとした重みが伝わるモーションに仕上がっています。また,進撃の巨人のキャラたちは,チェンクロキャラとは違い,カッコよさや力強さを押し出したいと考え,シリアスな世界観を反映し,キャラの顔を険しめにするなど工夫を凝らしています。

4Gamer:
 ストーリーと同様,新しいものを試みたわけですか。

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井上氏:
 その通りです。開発チーム1人1人の想いが詰まっています!

4Gamer:
 キャラといえば,もう一方の主役「巨人」も欠かせません。これまでのチェンクロの敵キャラクターというのは,時には禍々しかったですが,基本的に可愛らしさが先行するようなデフォルメ調だったじゃないですか。ドラゴンの前足バッターンとか。

松永氏:
 そこがポリシーですから。

4Gamer:
 でも,今回の敵キャラクターの「巨人」は,控えめにいってもキモい

松永氏:
 キモいですよね(笑)。

西氏:
 気持ち悪いですよ,あれ(笑)。

井上氏:
 ここはデザインチームがかなりこだわったところで,今までチェンクロの方向性のまま巨人を再現すると,原作の巨人の持っている魅力があまりいい方向で発揮できないため,今回は「怖い」「恐ろしい」「凶悪さ」が伝わるよう,3Dモデル班が制作しております。

4Gamer:
 奇行種が本当に気持ち悪くてよかったです(笑)。あと,鋼の巨人も,超大型巨人も出来が素晴らしかったですね。超大型巨人は原作の雰囲気がしっかりと出ていて,かつチェンクロナイズされていたので。あれはもう完璧だったのでは。

井上氏:
 超大型巨人ができるまでは本当に四苦八苦しました。より良いバランスを目指し,講談社さんには何度も「この大きさはどうですか」「この動きではどうでしょう?」と監修してもらいましたね。また,必殺技を撃つときに眼が赤く光るギミックを取り入れたりと,チェンクロ初の試みもかなり搭載しております。

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4Gamer:
 目が光るのは気づかなかった……。その講談社さんをはじめとする原作サイドですが,コラボをするにあたっての要望などはあったのですか。

井上氏:
 はい,主にストーリーに関しては,講談社さんと何度もやりとりをさせていただき,クオリティアップを目指しました。講談社さんは「進撃の巨人」が持つキャラクター性をとても大切にしていらしたので,エレンとミカサの関係性であったり,サシャの口調であったり,大きな部分から細かな部分まで大変お世話になりました。

4Gamer:
 それはキャラクターごとのストーリーだけでなく,副都を舞台に描かれたコラボストーリーにしてもそうでしょうか。

西氏:
 そうですね。キャラクターの事を一番よく分かっておられるのは,間違いなく講談社さんなので,ストーリーを描く際はそれに全力で応えられるよう,こちら側も全力でぶつからせていただきました。そういえばキャラクター性でいうと,リヴァイには退却モーションもありましたよね?

井上氏:
 リヴァイは人類最強の兵士として描かれておりますので,原作ファンの皆さんにとっても,普通に敵キャラクターに倒されてしまうのは「なにか違う……」となってしまうかなと思いまして,チェンクロ初の「撤退モーション」を搭載しました!

4Gamer:
 えっ,そんなモーションがあったのですか。

井上氏:
 チェンクロの戦闘中に倒され,地面に伏せて,消えるモーションはリヴァイっぽくないであろうと,開発チーム内で話が挙がりまして。彼が倒されてしまったときは,その場からサッと消えるように撤退します。そのほかの進撃キャラもそうですが,リヴァイにはこだわりが詰まっております。これはもう,ガチャを50回引くしかありませんね……!(※コラボガチャ50回を引くと,SSR「人類最強の兵士 リヴァイ」が確定で入手できる)

4Gamer:
 ぶちこみますね(笑)。宣伝というと,アニメ放送中に流れているコラボCMもかなりキャッチーに仕上がっていましたが,そちらの反響はありましたか。

井上氏:
 「略して巨チェイン」ですね! TVCMはアニメと同時に放送がスタートしています。また,全国の駅の街頭ビジョン,例えば渋谷駅のスクランブル交差点をジャックしての放送もさせていただきました。さらに,梶さん(「進撃の巨人」エレン役の梶 裕貴)の怒りの「セーガー!」や,石川さん(ミカサ役の石川由依)の「コラボ慣れしたね」など,複数のCMバージョンも用意しております。

 映像は新規ユーザーだけでなく,昔チェンクロをやっていたという復帰ユーザーさんにも見ていただけたようで,ありがたいことにプレイヤー数がドーンと増えている最中です。


4Gamer:
 コラボ効果のおかげか,私も久々に弟子ができました。

井上氏:
 ぜひ,弟子たちを卒業まで見守ってあげて下さい! 今回のコラボでは弟子たち新規ユーザーさんにもっとゲームを楽しんでもらえるよう,SSR「東洋の一族の末裔 ミカサ・アッカーマン」を事前登録キャンペーンの達成記念として配布しております。

 ミカサは今からでも受け取り可能ですし,これ以外にも毎週土曜日に追加されていく簡単なクエストをクリアすることで,全4枚のミカサを獲得できます。それを使って,最大まで強化してみてください。とにかく今からでもまだまだ間に合いますよ!

4Gamer:
 クエストは高難度というわけではないので,チェンクロ3を始めたばかりの人でも気軽に4凸(限界突破4回)できるのがいいですね。

井上氏:
 毎週土曜に進撃の巨人アニメを見て,その後にゲームでミカサを手に入れる。チェンクロは今から始めても,初心者ボーナスでスムーズにレベルが上昇しますし,配布されるプレミアムチケットやクエストクリアの精霊石で,無料で結構ガチャを引けるようになっています。初心者でもプレイしやすい環境が整っていますので,ぜひプレイしてみてください!

「チェインクロニクル」SSR「東洋の一族の末裔 ミカサ・アッカーマン」の事前登録特典受け取りURL

※アクセスはiOS/Androidのみ対応
※配布期間は4月1日(土)15:00〜4月30日(日)14:59


――――――インタビュー開始から55分――――――


そして,ごめんなさい


4Gamer:
 というわけで,申し訳ありません。インタビューの終了のお時間が来てしまいました。本来は残りのエシャル篇,アマツ篇に触れつつ,ストーリーフェスやレジェンドフェス,チェンクロ3のバトルバランスの目標や,この4か月でムーブメントを引き起こしている「赤誠の雄 カイン」,先の「チェンクロ2017 春の陣」で発表されたコンテンツなど,まだまだお聞きしたいことがありましたが……。

松永氏:
 4月25日に開催される900万ダウンロード記念キャンペーンについても紹介をよろしくおねがいします(笑)。

画像集 No.010のサムネイル画像 / 各篇のテーマを一言で教えて!「チェインクロニクル3」ストーリーインタビュー。史上最大級となった“進撃の巨人”コラボのお話も

「チェインクロニクル3」
900万DL突破記念 特設サイト


4Gamer:
 お任せください。それと最後に,企画当初はこの場で「5つのストーリーは全部面白いのですが,各々が好き勝手に動いていて,“チェンクロの物語”としてまとまっていく姿が見えてこない」と伝えようと思っていたんです。それが,いやー,ヘリオス篇の第3章で“物語の未来の一端”を見せられたので,今は晴れやかな気持ちになってしまい,無粋だから尋ねなくてもいいやって。

西氏:
 ハハハハハ(笑)。

松永氏:
 それはよかったです。今はヘリオス篇が一番盛り上がっているところですからね。

西氏:
 ストーリー第3章のサブタイトル「真実の欠片」は,まさにそのシーンをイメージして付けたものなので,そこがユーザーの皆さんに届いていたら嬉しいです。

4Gamer:
 それでは最後となりましたので,今後のストーリーへの意気込みと,900万DL突破を迎えての一言をそれぞれお願いできますか。

松永氏:
 これから先,第3部の物語はますます盛り上がっていきます。正直,まだ皆さんに楽しんでもらいたいことの十分の一も出せていないと思っています。ぜひこれからもお付き合いください! 絶対どこかで,あわよくばこれから何度もお腹いっぱい,胸いっぱいにしてみせますので!

西氏:
 魅力的なキャラクターたちと,彼らを愛してくださるユーザーさんたちのおかげで,チェンクロはもうすぐ4周年を迎えます。5人の主人公を中心に,たくさんのキャラクターたちの絆が紡ぐチェンクロ3の物語。これからも末永くお付き合いください!

井上氏:
 皆さんに大事に愛していただいたチェンクロの世界が,これからももっともっと広がっていくような施策を多数仕込んでおります! 昨年度の劇場版,TVアニメ版に続き,これからも「チェンクロを遊んでいて良かった!」と思っていただけるような新コンテンツ追加やアップデートを行いつつ,リアルイベントやメディア放送などもしっかり用意し,4周年に向けて,どんどん情報公開していきますのでご期待ください!

西氏:
 あと,ストーリーの担当者それぞれからもメッセージをもらってきたので,ぜひ紹介してください。

・ヘリオス篇
3章でようやく,ヘリオスたちの物語が本格的に動き出しました。これから先は息継ぎする暇もないくらい盛り上げ続けて,チェンクロでしか描けない王道ストーリーをお届けしていきます!

・アリーチェ篇
謎の女の子やら,アリーチェの過去やら,今後,重い展開もありそうなアリーチェたちですが,テーマはやっぱり「女の子ばっかり青春譚」! 楽しく可愛くがんばります!

・エシャル篇
エシャルたちの夢の舞台――竜湖祭の開催もいよいよ近づき,物語は新たな局面へと向かっていったりします! お日様みたいなエシャルと『砂の薔薇』の冒険,見守っていただけると幸いです。

・アマツ篇
2章丸々使って九領の外を旅してきたアマツたちが,3章から九領に戻ってきます。敵の首魁らしき存在とベニガサとの関係,ヒトリたち火鬼が再び姿を見せ始めた理由,そしてアマツの『灼角』の秘密……等々,これからも注目の展開が続きますので,お見逃しなく!

・セレステ篇
3章を経て,物語はセレステと双子の成長とともに大きな広がりを見せ始めました。そしてこれからは,3兄妹と一緒にセレステの正体,精霊島の正体,世界樹の正体と,今まで明かされなかった世界の様々な事実が明らかにしていきたいと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。そしてこのままでは中途半端ですので,またの機会にもう一度ストーリーインタビューをさせてください!



 ということで,読者の皆様を大変もにょもにょさせてしまうかもしれないが,エシャル篇とアマツ篇についてのお話は,また後日とさせてほしい。次の機会にはチェンクロ3のこれまでとこれからを余すことなくお届けできるはずなので,その日まで未来をよこしな!

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