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守護聖と女王候補で祝う30周年＆アリオス誕生日。Blu-ray発売も決定した「アンジェリーク・メモワール2025 〜30th Anniversary〜」レポート

2025/12/02 17:00 　コーエーテクモゲームスのルビーパーティーが手掛ける「ネオロマンス」シリーズ1作目「アンジェリーク」は，1994年9月23日にスーパーファミコン用ソフトとして発売された。以降，さまざまなハードへ移植され，関連作品やイベントも長く展開されてきたことで世代を超えて親しまれ，今でも多くの女王候補（ファン）に愛され続けている女性向け恋愛シミュレーションゲームの原点，金字塔と言える作品だ。


　本作の30周年を締めくくるイベント「アンジェリーク・メモワール2025 〜30th Anniversary〜」が，2025年11月22日に聖地（神奈川県のKT Zepp Yokohama）で開催された。本稿では，ライブやメモリアルトークで盛り上がり，皆で30周年をお祝いしたイベント昼の部の様子をレポートしていく。

写真：メダカクルー　佐久間 新

アンジェリーク・メモワール2025 〜30th Anniversary〜

■出演（敬称略）
クラヴィス役：田中秀幸
ランディ役：神奈延年
オスカー役：堀内賢雄
マルセル役：優希比呂
ゼフェル役：岩田光央
アリオス役：成田 剣

女王候補と守護聖がそろえば，そこは聖地！

　開演前のアナウンスは，ランディ，オスカー，アリオスの3人が担当し，イベントの注意事項や楽しみ方を紹介してくれた。3人の声を聴くだけで，聖地に来たのだと感慨深い気持ちになった。

　イベントはライブコーナーからスタートし，会場のテンションは一気に上昇した。1曲目はランディが元気溌剌とした声で「君のためにここにいる」を披露し，2曲目はクラヴィスの「千年の約束」をしっとりと歌い上げた。
　30年の間に多数生み出された守護聖それぞれの個性が活きる楽曲を，ライブで楽しめるのもイベントの醍醐味だ。

神奈延年さん（ランディ役）

田中秀幸さん（クラヴィス役）

　オープニングで全出演キャストが登場すると，女王候補たちの歓声が起こった。久々の参加となった優希さんは，マルセルを思わせる可愛らしい衣装で登場し，聖地を沸かせていた。
　堀内さんからオスカーの「お嬢ちゃん」という言葉も聴けて，筆者も女王候補の1人として懐かしくも新鮮な気持ちでときめいた。

聖地を揺るがす幽霊騒動。
その真相に迫る守護聖たち

　オリジナルドラマ「愛しき天使の羽が舞う」では，守護聖たちが聖地で起きた幽霊騒動の解決に挑むオリジナルストーリーを楽しめた。

　聖地で幽霊騒ぎが起こっていると知ったランディとオスカー。オスカーが「守護聖探偵オスカーの出番」と張り切る一方で，ランディからは「久々すぎて覚えている人がいない，または知らない」と鋭いツッコミが入り，元ネタを知る女王候補は思わずニヤリとしたはずだ。

　ランディは騒動を解決する最強チームのメンバーとして，クラヴィス，マルセル，ゼフェル，アリオスを追加で招集するが，オスカーからは不満の声が上がる。
　筆者も「たしかにクセのあるメンバーだな」と思ったが，「クラヴィスなら水晶球で見えないものが見える」など，ランディは選んだ理由を丁寧に説明してくれ，これは確かに最強チームだと納得した。

　幽霊探しで最初に訪れたのは公園だ。クラヴィスが水晶球をのぞくと，うずくまる少女の姿が見えるらしい。
　ホラー展開かと思いきや，「デートの質問に答えられず悲しい想いをした」という，どこか見覚えのある理由で落ち込んでいるようで……（ゲーム本編では公園デートで育成状況や守護聖について質問される）。
　幽霊騒ぎの原因は，デートで辛い想いをした女王候補の“残留思念”だったのだ！


　公園の残留思念に心当たりがあるというマルセルは，当時のセリフを完全再現。優希さんの可愛らしさのなかに辛辣さを秘めたお芝居は，当時のマルセルそのままで感動してしまった。その後，マルセルの心のこもった謝罪によって，残留思念は無事浄化された。

　続いて向かったのは，告白の場として思い入れの深い森の湖だ。ここには，クラヴィスに素っ気なく振られた女王候補の残留思念がいた。こちらもクラヴィスの真摯な想いに触れて浄化されたが，残留思念はまだまだ残っている様子。守護聖たちは，すべてを癒す方法を考えることに……。

　ドラマではオリジナルストーリーに加え，守護聖たちからの愛のメッセージも！　昼の部ではマルセル，クラヴィス，オスカーが，女王候補へのあふれる想いを語ってくれた。

30年を支えた裏話が続々登場，
メモリアルトーク

　岩田さんが司会を担当するバラエティコーナー「アンジェリーク 30th メモリアルトーク」では，キャスト陣の事前アンケートをもとに，30年間の思い出が語られた。昼の部で取り上げられたのは，岩田さん，優希さん，成田さんのエピソードだ。

　岩田さんのトークテーマは「ある意味究極かもしれないコス」。自身がゼフェルのコスプレをした際の嬉しい思い出が披露された。

　優希さんのトークテーマは「間違って届いてますよ」と，内容が気になるもの。30年前はマルセルのような少年役を女性声優が演じることが多かったため，優希さんはマルセル役の資料が届いた際，間違いだと思って事務所に確認したという貴重な裏話を明かした。
　なお岩田さんも，ランディのようなタイプを演じることが多かったため同じく間違いだと思ったそうで，神奈さんもゼフェルタイプを担当することが多かったと語った。

　成田さんのトークテーマは「あのとき，何かが憑依したのです」と，面白い予感しかしないもの。成田さんは，オスカー＆アリオスの楽曲「180°〜Force of Passion〜」初披露時に，2回も堀内さんのパートを歌ってしまうミスをしたという。ほかにも成田さんにまつわる数々の“伝説”がキャスト陣から語られ，聖地は笑いに包まれた。

ラストを彩る祝福の瞬間。
アリオスの誕生日祝いで会場が一体に

　イベント後半にも，ライブコーナーがたっぷり用意されていた。ゼフェルの「Goin' My Speedway」，マルセルの「kimidori」，アリオスの「世界が終わる前」，オスカーの「Burn it up！」といったソロ歌唱に加え，ランディ＆マルセル＆ゼフェルによる「タイム！」の披露も！
　女王候補たちは各守護聖に合わせたカラーのライトを振り，ライブを盛り上げていた。

岩田光央さん（ゼフェル役）

優希比呂さん（マルセル役）

成田 剣さん（アリオス役）

堀内賢雄さん（オスカー役）

　最後は守護聖たち1人ずつからのメッセージがあり，イベントは一度幕を閉じる。
　その後，イベント当日の11月22日に誕生日を迎えたアリオスのスペシャル映像が流れ，キャストたちが再びステージへ。聖地にいる全員でバースデーソングを歌ってお祝いし，思い出に残るステキなひとときとなった。

　お知らせコーナーもあり，2026年春に「アンジェリーク」の企画展が開催されることが発表された。歴史を感じられる資料展示だけでなく，世界観を体験できるフォトスポットや映像も用意されるという。キャラクターデザインを手掛ける由羅カイリ先生，紗与イチ先生による企画展用の新規イラスト制作も決定しており，どんな展示が見られるのか続報が楽しみだ。


　さらに本イベントのBlu-rayが2026年3月に発売されることも明らかとなり，女王候補から大きな歓声が上がっていた。昼の部と夜の部ではライブ曲やドラマ内容が異なるため，聖地に行けなかった女王候補はもちろん，どちらかに参加した女王候補にもオススメの1枚だ。


　エンディングでは，キャスト陣から「30周年を迎えられたこと，イベントが開催できることは当たり前ではない」という，感謝と愛のこもった挨拶があり，女王候補でいて良かった，これからもついていきたいという気持ちになった。

　最後に披露されたアンコール曲は，キャスト全員が歌う「君は独りじゃない 〜ALWAYS〜」。ずっと女王候補に寄り添い，これからも共に歩んでいくことを感じられる優しい声と歌詞の余韻に包まれ，クラヴィス，マルセル，ゼフェルの温かな見送りの言葉とともに，30周年イベントはフィナーレを迎えた。


　本イベントのBlu-rayは，通販サイトにて好評予約受付中だ。豪華特典つきのルビーパーティ―ショップセットも用意されているので，詳しい内容はぜひ公式サイトでチェックしてほしい。