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東京レトロゲームショウ2015:第3回「Alone in the Dark」でチョビひげ探偵と振り返る3Dホラーアドベンチャーの原点
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印刷2015/05/28 12:00

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東京レトロゲームショウ2015:第3回「Alone in the Dark」でチョビひげ探偵と振り返る3Dホラーアドベンチャーの原点

画像集 No.001のサムネイル画像 / 東京レトロゲームショウ2015:第3回「Alone in the Dark」でチョビひげ探偵と振り返る3Dホラーアドベンチャーの原点

今週のテーマ:オカルト探偵は二度……いや,三度,というかもっと死ぬ

 せっかく静かに余生を送っていた懐かしのゲームをわざわざ掘り起こして槍玉に……じゃなくて,振り返ってみようという罪作りな週刊連載「東京レトロゲームショウ2015」の第3回は,史上初の3Dホラーアドベンチャーとしてギネスにも登録されている「Alone in the Dark」を紹介する。オリジナルのPC版はInfogramesから1992年に発売されており,筆者も1994年に発売されたMacintosh版をプレイした覚えがある。

Alone in the Darkといえば,この人。ご存じ,チョビひげ探偵のエドワード・カーンビー
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 筆者が初めて遊んだホラーゲームは,1986年にMindscapeから発売されたMacintosh向けのポイント&クリックアドベンチャー「Uninvited」だった気がするが,当然ながら3Dグラフィックスではないし,画面も白黒だった。
 その後,Macintoshとして初のカラー表示が可能となったMacintosh IIが1987年に登場したが,いずれにしても当時のアドベンチャーゲームは,こうしたポイント&クリックやコマンド選択式のものが主流だったわけで,そんな中でフル3Dグラフィックスを引っ提げて登場したAlone in the Darkは,多くのプレイヤーに強烈なインパクトを残したのだ。懐かしいなあ。

懐かしのInfogramesのメーカーロゴ。なぜアルマジロなのか,誰か教えてください
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 Alone in the Darkの舞台となるのは,西暦1924年のアメリカはルイジアナ。邪悪な力に憑りつかれているとウワサされるデルセト屋敷で,著名な芸術家であるジェレミー・ハートウッドが首つり自殺を図った。そんなデルセト屋敷にやって来たのが,チョビひげがトレードマークの私立探偵,エドワード・カーンビーだ。

画面奥の道から,カーンビーが車に乗って屋敷に向かってくる印象的なオープニングシーン。誰もがここで,おおっ,3Dだ! と感銘を受けたはず。ソースは筆者
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 さすがは,のちにオカルト探偵と呼ばれる男。怪しい事件のニオイを嗅ぎ付け,真相を究明するために乗り込んで来たに違いない……と思いきや,実はそうではない。カーンビーはただ,古物商から屋敷にある値打ちものの古いピアノを見つけてほしいという依頼を受けただけなのであった。あれっ,そうだっけ……。

屋敷の窓からカーンビーを見下ろす怪しい人影。というか,明らかに人じゃない
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 そして,ちょうど時を同じくして,もう一人の人物がデルセト屋敷に向かっていた。それが,自殺したジェレミーの姪であるエミリー・ハートウッドだ。叔父(伯父?)の死に疑問を持ったエミリーは,彼が死に際に何らかの手がかりを書き残したはずであり,それがカーンビーも探しているピアノの隠し引き出しの中にあるのではないかと考えたのである。

左から,エミリーとカーンビー。見てのとおり,エミリーは黒人女性のようだが……
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 本作ではゲーム開始時に,主人公としてこの2人のどちらかを選ぶことになる。どう考えても,動機としてはエミリーのほうが主人公らしいが,今回,久しぶりにプレイするまですっかり忘れていたよ……。カーンビーとエミリーのどちらを選んでも,ゲーム展開に大きな違いがあるわけではないが,なぜかカーンビーしか覚えていないという人は筆者だけではないだろう。やっぱり,それだけチョビひげのインパクトが大きかったということかもしれない。

実際のゲーム画面のエミリーはイラストと別人というか,人種からして違うような……
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 ゲームの特徴としては,フル3Dであることはもちろん,部屋や廊下ごとにカメラアングルが固定されている点が挙げられる。キャラクターの操作はいわゆる“ラジコン方式”なので,操作に慣れるまではカメラアングルが変わるたびに,あっちへフラフラ,こっちへフラフラと実にもどかしい。そして,知ってはいたけど,とにかく移動が遅い! まあ,ある意味,この操作のままならなさと移動の遅さが,モンスターと遭遇したときの恐怖感を盛り上げているとも言える。

アオリすぎぃ……
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 そしてもう一つの特徴は,とにかくよく死ぬということ。廊下を歩いていたら床が抜けて落下死,扉を開けたらモンスターが飛び出してきて死亡,本を見つけて読んでみたら発狂死といった具合に,何の前触れもなく突然死ぬ。本作のストーリーや登場する怪物の多くは,H.P.ラヴクラフトのクトゥルフ神話に基づいており,それを踏まえて考えれば,うかつに本を開いただけで正気を失って理不尽に死ぬのも納得できる……ような,できないような。本作をプレイする際は,小まめなセーブをお忘れなく。

見下ろしすぎぃ……というくらいに極端にアングルが変わるのでかなり大変
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 グラフィックスこそフル3Dになったとはいえ,オブジェクトを調べたり,敵と戦ったりするときには,わざわざメニュー画面を開いて該当するコマンドを選択し,しかるのちにゲーム画面に戻ってSpaceバーを押して実行しなければならないなど,ゲームシステム的には微妙に古い部分が残されているが,本作がその後のホラーアドベンチャーというジャンルに計り知れない影響を与えた作品であることは間違いない。

白熱のバトル。カーンビーの動作は予想以上にノロいのでたいてい苦戦する
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 ちなみに,GDC 2012では本作の生みの親であるフレデリック・レイナル(Frederick Reynal)氏が,作品の生まれたきっかけや,制作の裏側を語っており,とても興味深い。ゲームの基本システムはすべて3日間のチームミーティングで決定されたとか,発売当時は本作を失敗作と思っており,作ったことを恥ずかしく感じていたとか,まったく知らなかったなあ。大昔に遊んだことがあるという人も,名前だけは知っていたという人も,この機会にぜひプレイしてみてほしい。

2度はやりたくないジャンプアクション。1つ飛んだら,すぐセーブしておこう
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 そんなAlone in the Darkは,GOG.comでは「Alone in the Dark: The Trilogy 1+2+3」として,1作めから3作めまでをセットにして5.99ドルで販売中。「Alone in the Dark 2」ではブードゥー教の黒魔術,「Alone in the Dark 3」ではネイティブアメリカンの精霊信仰を下敷きにしたストーリーが展開され,我らがチョビひげ探偵カーンビーが活躍するようだが,筆者はプレイしたことがないのでよく分からない。てへぺろ。

白熱のバトルその2。カーンビーの動作は(以下略)。もっと必死に戦ってよ!
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 また,当初の発表からはだいぶ遅れているが,2015年前半には7年ぶりのシリーズ最新作となる「Alone in the Dark: Illumination」の発売が予定されており,シリーズファンとしては気になるところ。こちらはだいぶ趣が変わって,謎のクリーチャーと派手なドンパチを繰り広げる,4人でのCo-opに対応したTPSになっており,初代カーンビーの血を継ぐ新主人公,テッド・カーンビーが4人のプレイアブルキャラクターの1人として登場するようだ。もう,一人ぼっちじゃない!

GOG.com「Alone in the Dark: The Trilogy 1+2+3」

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