インタビュー
「KOF ALLSTAR」マルチプレイの復活&強化を図る。2019年下半期のアップデート方針を開発本部長に尋ねた
これに先駆け,同社の開発本部長のキム・ジュンソン氏に,下半期におけるアップデート方針を尋ねてきた。どうも「不思議の国のアテナ」や「ネスツスタイル京」など,気になる内容が盛りだくさんなようだ。
「KOF ALLSTAR」1周年記念特設サイト
「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」公式サイト
「THE KING OF FIGHTERS ALLSTAR」ダウンロードページ
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マルチ可能なリレーレイドクエスト
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。下半期のアップデートについては事前にいくつか情報をいただきましたが,まずは複数のファイターを使用するという「リレーレイドクエスト」について教えてください。
キム・ジュンソン氏(以下,キム氏):
リレーレイドクエストは下半期に実装予定のコンテンツです。プレイヤーは“5人のボス”を攻略するため,特定のコスト内でファイターを編成し,各ステージに挑戦します。今まで以上にやりごたえのあるバトルと育成を楽しんでもらえるものと思います。
4Gamer:
こちらはマルチプレイもできるのでしょうか。
キム氏:
シングルとマルチの両方を用意します。マルチプレイではプレイヤーさん同士で共闘することが可能です。
4Gamer:
ランク差があるプレイヤー同士でも問題ないのでしょうか。
キム氏:
マルチでは計3人のプレイヤーが参加し,1人1キャラクターを操作するので,ランクが違っていても楽しんでいただけると考えています。
ランクの低いプレイヤーさんなら,部屋を作れば上級者に助けてもらえます。そのときランクの高いプレイヤーさんは部屋に入れば,マルチプレイの挑戦に必要なアイテムを消費せずに挑めます。報酬も分け合いなので,安心して楽しんでください。
4Gamer:
こちらは常設コンテンツなのですか。
キム氏:
そのあたりは悩んでいる最中です。プレイ方針は“1週間のうち2〜3日だけ集中して遊んでもらえればいい”としているので,そのほかのコンテンツとのバランスも加味して調整していきます。
不思議の国のアリスを題材にした
「不思議の国のアテナ」が登場
4Gamer:
続いて「不思議の国のアテナ」なるものが実装されるとか。こちらの元ネタはやはり,児童小説の「不思議の国のアリス」ですよね。
キム氏:
はい。1周年記念の次のイベントとして準備しているのが,この「不思議の国のアテナ」です。皆さんご存じの「不思議の国のアリス」をベースに,KOF ALLSTARなりのアレンジを施したものです。
ここでは4人のファイターが,不思議の国のアリスの衣装をまとって登場する予定です。キャラクター名はまだ明かせないのですが,とくに“うさぎの衣装の子”が個人的にもお気に入りです。
4Gamer:
ビジュアルが気になりますね。ちなみに衣装の獲得方法は?
キム氏:
イベントコンテンツのプレイか,ガチャで入手できる予定です。
4Gamer:
不思議の国のアリスとアテナをなぜ組み合わせたのでしょう。
キム氏:
KOFキャラクターは大人が多いのですが,彼ら彼女らの側面をなるべく広げていければと模索していた結果ですね。アリスの世界観なら,キャラクターたちの可愛さをより見せられると思ったので。
4Gamer:
確かに,メルヘンチックなイメージはつけやすそうですね。
キム氏:
ちなみに,1周年記念イベントでは男性ファイターが「プリティーファイター」として登場する予定です。
4Gamer:
ええっ,それは気になりますね……! ちなみに誰でしょう?
キム氏:
「チャン・コーハン」「ビリー・カーン」「七枷 社」です。
4Gamer:
チャンですか。未知数ですね(笑)。ビリーと社は元がカッコいいので,なんとなくイメージできるのですけど。
キム氏:
チャンに関しては不意打ちを狙っています(笑)。
ただ,KOFには熱心なファンが多いですから,実際にどのように受け取られるのかは気を配っていきたいところです。そこでの反応が良ければ,今後も増やしていきたいです。
潜在力成長,国際道場破り,さらにグローバル版
4Gamer:
ほかにもファイターの「潜在力成長システム」があるとか。
キム氏:
まだ仮の部分も多いのですが,プレイヤーが「修羅の塔(仮)」に挑むことで,特定のファイターの潜在力を成長させられるようになります。例えば,やけどに強いとか,気絶に強いとか,そういうファイターごとの特性をさらに強化できるようにするシステムです。
4Gamer:
特性の特化は面白いですね。続いて,なんでもリアルタイム型の対戦コンテンツ「PVPトーナメント」を予定しているとのことで。
キム氏:
プレイヤーの皆さんからとくに期待されていたコンテンツです。やはりKOFですからね! ようやく実装の目途が立ちました!
PVPトーナメントでは,その名のとおりプレイヤー同士で対戦することができます。ここで獲得できるコインを使って,特別なファイターやカードなどの報酬を手に入れられるようにもします。
4Gamer:
待ちに待ったPvP。実装はいつごろになりそうですか。
キム氏:
現在は内部テストを行っていて,10月ごろを想定しています。
4Gamer:
では「国際道場破り」に関してはいかがですか。
キム氏:
こちらはファイターを一定時間送り込むと報酬を獲得できるといった,いわば派遣システムです。
ただ,このシステムはいくつか実装段階がありまして,まずはファイターを送り出すとファイターソウルやバトルカードを獲得できる「バイトシステム」を導入します。そして秋ごろには他のプレイヤーさんと疑似的なPvPを行える「武道大会」を実装し,さらにそのあともプレイすればするほどリターンのある仕様を取り入れていくつもりです。
4Gamer:
ひとつ確認なのですが,PVPトーナメントは同期型PvPで,武道大会は非同期型PvP,という認識でよろしいでしょうか。
キム氏:
その認識で間違いないです。PVPトーナメントはカジュアルな対戦コンテンツとして,プレイヤーさん同士で勝敗やランクを競ってもらいます。一方,武道大会はチームの編成やファイターの配置など,いくつかの条件を追求して戦うものですので,遊び方も異なっています。
4Gamer:
なるほど。それとKOF ALLSTARは5月に韓国版がリリースされていましたが,あちらでの反応はいかがでしょう。
キム氏:
メインのプレイヤー層は30代男性が多く,日本とそう変わりありません。ただし,ゲームのプレイ傾向は違っていて,韓国では「ファイターの数を絞ってグッと育てる傾向」にあり,日本では「幅広く数多くのファイターを育てる傾向」にあるようです。
4Gamer:
日本と韓国以外の地域での配信はいかがですか?
キム氏:
KOF ALLSTARは秋ごろに“グローバル版”をリリース予定です。そしてグローバル版のプレイ状況も熟成しはじめるであろう年始ごろに,グローバル版の武道大会をやりたいと思っています。
4Gamer:
グローバル版の内容は日本,韓国と同じものなのですか。
キム氏:
もちろん,内容は一緒です。ただ日本版と韓国版が先行していることもあり,運営の仕方は考えようと思っています。
ボス以外のキャラクターにもスポットを
「ネスツスタイル京」実装の経緯
4Gamer:
1周年記念ではさまざまな施策が予定されていますが,中でも「ネスツスタイル京」についてはいかがでしょう。
キム氏:
今までガチボコフェスのピックアップ対象は,KOFシリーズのボスキャラクターを中心としてきました。しかし個人的には,京や庵もその対象に加えたいと思っていたんです。
庵やレオナは暴走シリーズがありましたが,京はそういったものがないので,どのような形であればプレイヤーさんに喜んでもらえるかを検討した結果,「ネスツスタイル京」を実装する運びになりました。
4Gamer:
ネスツスタイル京は人気が高そうですので,喜ぶ人は多いと思います。ちなみに「アジア圏のKOF事情」としては,KOF'98の人気の高さはいろいろ耳にしますが,KOF'99以降ってどうなのでしょう。
キム氏:
おっしゃるとおり,KOF'98までは爆発的な人気を誇っていますが,それ以降のタイトルに関しては認知度が高いとは言えません。日本のプレイヤーの皆さんにしても,アーケードゲームの文化が徐々に薄れていった時期だったかと思うので,分かる部分はあるかと思います。
とはいえ,以降のシリーズ作品もコアなファンが多く,魅力的なのは間違いないので,ネスツスタイル京はそういった“以降のシリーズの歴史を知ってもらうためのきっかけ”にしたいと考えています。
4Gamer:
KOF ALLSTARを通じて知名度が上昇したら嬉しいですよね。それと1周年記念では「覇王翔吼拳を使わざるを得ない」を打ち出していくとのことですが,これに関してはどのような意図が?
ネットマーブルジャパン 栖原氏:
そちらに関しては,ネットマーブルジャパン側が立ち上げた企画なので私のほうからお答えします。KOF ALLSTARは1周年を迎えるにあたり,どのような施策を打ち出すべきかを考えていました。1周年の感謝の気持ちを大切にしつつ,我々としてはもっとKOFファンの方々に知ってもらたい,戻ってきてもらいたいというミッションも踏まえてです。
そこでいろいろと話し合った結果が「覇王翔吼拳」です! これはネット上でも話題になりましたし,龍虎の拳を知らなくても覇王翔吼拳なら知っているという人すらいます。コアなSNKファンなら当然クスっとするネタです。SNKさんにも賛同も得られたので,これでやろうと(笑)。
4Gamer:
挑戦的でいいですね(笑)。ちなみにSNKネタで言えば以前,「サムライスピリッツ 天草降臨」とのコラボもやっていましたよね。
栖原氏:
KOF ALLSTARでは当初「銀魂」コラボをしましたが,「SNK作品とコラボしたい!」の思いも当然ありました。それからSNKさんといろいろ話をさせてもらい,KOFに並ぶ同社の代表作「サムライスピリッツ」とのコラボならどうかという話になりました。
コラボが決まってからスピード感を持って制作を進められたのは,やはりSNKさんのタイトルだったことが大きいです。
4Gamer:
サムスピシリーズの中で,天草降臨にした理由というのは。
キム氏:
ボスが登場したとき,誰が一番喜んでもらえるのかを考えた結果です。「人気も知名度もある,天草四郎が一番いいんじゃないか」と。
4Gamer:
銀魂も然りで,SNK以外の作品コラボも予定しているのですか。
キム氏:
もちろん,さまざまなIPとのコラボを考えています。一番早いところだと秋ごろに予定しています。こちらも期待していてください。
4Gamer:
分かりました。それでは最後に1周年を迎えての率直な感想と,今後の展望を各々お聞かせください。
キム氏:
今はただ,KOF ALLSTARを1年間遊んでくださったプレイヤーの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
開発側としては,あっという間の1年でしたね。配信当初から未熟な部分をたくさん見せてしまいましたが,開発環境も1年経って熟してきたことで,チームの技術も高まっています。これからは時が経てば経つほど,より快適なゲームプレイをお約束できるかと思います。今後ともKOF ALLSTARをよろしくお願いいたします。
栖原氏:
当初はご不便をおかけしてしまいましたが,それでも1年間遊んでいただけていることを非常に嬉しく思っています。KOFシリーズを愛してくれているファンの方々の想いは,これからも大事にしていきます。
そして1年経ったとはいえ,これからが新たなスタートでもあります。今後もSNKさんと協力し,面白い企画をどんどんやっていきますので,どうぞよろしくお願いいたします。
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