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印刷2024/09/30 08:00

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今から始める「Dead Cells」。「ローグヴァニア」というジャンルを切り拓き,ついに完成形を見た名作の初心者向けガイド

 2017年にリリースされた「Dead Cells」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / iOS / Android)は,手ざわりのよいアクションや,さまざまな仕掛けが施されたメトロイドヴァニア風のマップ,プレイする度に展開が変わるローグライク要素が組み合わされた「ローグヴァニア」として高い評価を得た。

 以降も大ボリュームのアップデートやDLCが次々と配信され,プレイヤーを楽しませてきたが,その歴史も先日の最終アップデート「The End is Near」で最後となった。言い方を変えれば,完成形を見たといっていいだろう。

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 Motion Twinは2024年8月19日,「Dead Cells」最終アップデート「The End is Near」の配信を開始した。2018年のリリース以来,35回目となる今回のアップデートでは,呪いに関連したモンスターや武器などのさまざまな要素が追加される。

[2024/08/20 12:16]

 名作との呼び声高い本作が気になりつつも触れる機会がなかった人には,今こそプレイを始めて,すべての要素を存分に味わってほしい。そんな風に思っている筆者が,初心者向けに概要や攻略法をまとめてみた。


「Dead Cells」ってどんなゲーム?


 本作の見どころは非常に多いが,一言で表現するなら「とにかくプレイしていて気持ちいいゲーム」に尽きる。主人公は思った通りに動いてくれるし,レースゲームやランゲームではないのに,走っているだけで気持ちいい。少し触れるだけでパルクールのように駆け巡ることができ,自分のプレイに酔えるのだ。

 そして,モンスターとの戦いは濃密だ。武器は正統派やお遊び,パロディに正式コラボと多彩なラインナップで,何が出るかはその時にならないと分からない。さらに,ランダムで付与されるオプション効果によって,同じ武器でも違った戦術を楽しめる。
 ある時はゴリゴリの近接ビルドで真正面から殴り合い,またある時は飛び道具や罠でモンスターを翻弄する……と,アドリブで戦いを組み立てる楽しさがある。

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 そして忘れてはならないのが,「アシストモード」でさらなる遊びやすさが追求されているところだろう。ギリギリのスリルを求める戦いから,モンスターを簡単に蹴散らして自分の強さを堪能するプレイまで,遊び方の幅は広い。

 そんな「Dead Cells」は近年の“ローグライト”ブームの立役者でもある。本作は「悪魔城ドラキュラ」にインスパイアされた「Castlevania-inspired action-platformer」であり,記事冒頭でも軽く触れたように,そこにランダム要素を組み合わせた「ローグヴァニア」を謳っている。

 もともとは本作の“自称”的なジャンル名であったローグヴァニアも,今ではSteamのタグとして存在するほどになっており(外部リンク),そこには多数のゲームが名を連ねている。本作がゲーム業界やファンに与えた影響の大きさがうかがえるだろう。


「Dead Cells」の面白さがつかみやすくなるTIPS


 「Dead Cells」は,いわゆる“死にゲー”に当たる難度のゲームではないが,何も考えずに攻撃してクリアできるようなものでもない。特にゲームに慣れない序盤は,さまざまなアクションや武器の使いどころが分からないため,苦戦する人もいるだろう。

 そこで,これから本作をプレイする人に向けて,本作の面白さをつかみやすくするためのガイドをお届けする。

●安全策としての疾走
 「Dead Cells」の気持ち良さの一つは,迷宮のようなマップを突っ走る疾走感にある。素早くクリアすればボーナスをもらえるシステムもあるし,主人公の高性能を持ってすれば大抵の敵を無視してバイオーム(ステージのようなもの)をクリアすることも可能だ。無理して倒しにいくより,逃げてしまった方が安全なケースは多い。

 ただ,あまりに先を急ぎすぎると,後述する「スクロール」が見つからずにレベルが上がらなかったり,装備が手に入りづらくなったりする。
 敵を全部倒していくなら,スクロールや装備,ゴールドを取り逃すことは少ないが,もちろんHPを削られるリスクを負うことになる。

 状況に応じ,戦いと逃走をうまく使い分けて先へ進んでいくのが「Dead Cells」なのだ。

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●敵との戦いは,まず転がってから
 本作ではさまざまな敵が主人公に襲いかかってくる。迎え撃ちたい気持ちも分かるが,まずは前転する「ロール」から入ることを覚えよう。
 ロールの最中は敵の攻撃やトラップを避けられるだけでなく,敵の身体もすり抜けられるという,ほぼ無敵の状態になる。敵が盾を持っていても背後に回り込んでしまえば関係ないので,圧倒的に有利な状態から戦いを始められるのだ。

 敵と出会う→近づく→ロールで背後に回り込む→攻撃開始という一連の流れは,使用している武器に関係なく使えて,多くの敵に有効だ。ロールは空中でも可能なので,危険を咄嗟に避けることもできる。

 最初のバイオームである「牢獄」には,盾を構えた「シールド・ベアラー」,矢を放ってくる「アンデッド・アーチャー」,手榴弾を投げる「グレネディア」といった,ロールの練習に最適なモンスターが揃っている。まずはこれらの攻撃を避けるところから始めてみよう。こう書くと身構えてしまうかもしれないが,ロール回避のタイミングはそれほどシビアではないので,落ち着いてプレイすればすぐに慣れるだろう。

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●万能攻撃「ダイブアタック」も必須テクニック
 空中にいるとき,↓+ジャンプボタンを押すと主人公は急降下し,着地点の周囲に衝撃を与える。この「ダイブアタック」に巻き込まれた敵は気絶して一定時間行動不能になるので,こちらが先手を取れて,そのまま倒しきってしまうこともできてしまう。道中でのHP消耗をできるだけ抑えたい「Dead Cells」では,実に便利な技だ。

 しかもダイブアタックは,プレイ開始時から使用武器に関係なく使えるため,ロールと同様に使い倒したいアクションとなっている。
 ダイブアタックからの奇襲→気絶したところに攻撃→仕留めきれなければロールで回り込んで攻撃を継続……という一連のムーブは本作のセオリー。マップを突っ走りながらダイブアタックを駆使して敵を瞬殺するのはとても気持ちがいい。

 主人公は高い所から落下すると気絶してしまうが,ダイブアタックであれば気絶せず即座に行動できるのも大きなメリット。衝撃の威力と範囲は高い所から落下するほど大きくなる。バイオームによっては,高高度から一撃できるところもあるので,ぜひ試してほしい。

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●トラップ系の装備で高みの見物
 主人公が使える装備の中には,「斬腱の塔」や「ウルフトラップ」のように,砲台や罠のようなものがある。自動で敵を攻撃してくれるうえ,破壊されてもペナルティはないので,敵に気づかれる前にこれらを置き,自分は高みの見物を決め込むのが効果的だ。

 ただし,これらはウルフトラップを始めとしたごく一部の例外を除き,主人公が離れすぎると機能しなくなってしまう。効果範囲内なら主人公との間に電波のようなエフェクトが走るため,ひと目で分かる。つかず離れずの距離を取り,敵を殲滅するのだ。

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●スクロールで能力アップ
 バイオーム内にはスクロールが落ちており,取ると「暴虐」「戦術」「生存」いずれかの能力とHP上限を上げられる。上げる能力を自由に選べるスクロールもあるので,どれにしようか悩む人も多いはずだ。

 選ぶ際は,自分が今持っている武器やスキルの枠の色をチェックしよう。赤色なら暴虐,紫なら戦術,緑は生存の能力に依存していることを示しており,その能力が高いほど武器やスキルの威力がアップする。

 暴虐は近接武器,戦術は飛び道具や砲台,生存は盾や両手武器がメインとなる。同じ能力をひたすら伸ばしていくのもいいが,その場合,HP上限の増加率は少なくなっていく。
 プレイ中に別の色の装備に取り替えたくなることも少なくないだろうし,慣れないうちは,HP上限がどれだけ上がるかを基準に選んでしまっていいだろう。

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●オススメ初期装備
 「「Dead Cells」には非常に多くの装備が用意されており,大きく分けると剣や弓矢,盾といった手持ちの「武器」と,トラップやグレネードといった「スキル」がある。主人公は武器とスキルをそれぞれ最大2つを使用できるため,その組み合わせは膨大なものになる(さらに,使用しない武器1つをバックパックに所持できる)。

 これらの装備は最初から使えるものと,ステージ内で「設計図」を手に入れた後,「セル」というリソース(通常手に入るゲーム内通貨より貴重なもの)を支払ってアンロックするものの2種に大別できる。

 こう書くと,最初から使えるものは弱く,途中でアンロックするものは強いと思うかもしれないが,そうではない。最初から使える装備はクセがなく扱いやすいものが多く,威力もスクロールで強化できるので,充分戦えるはずだ。以下に,最初から使える装備でおすすめのものを挙げていこう。

「電撃のムチ」(戦術)
 周囲にいる敵を自動でロックオンし,電撃を浴びせる。ロックオン範囲は広いため,離れたところから一方的に倒せる場合もあるし,おまけに敵の盾も関係なしにダメージを与えられる。空を飛ぶ相手と盾を持つ敵は初心者が苦戦しやすいが,その両方に有効なので,ゲームに慣れるまでは,見つけたら積極的に使っていくといいだろう。
 動画サイトなら「ブッ壊れ」とか「最強」などと紹介される類の品だが,最初から使えるあたり,プレイの自由度が高い「Dead Cells」を象徴していると感じる。

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「炎の焼き印」(戦術)
 たいまつのようなものを放物線状に投げ,落下地点付近の地面と敵を燃やす。まずは敵を燃やしてから,敵に接近して本命の一撃を叩き込むといい。燃えている敵は「炎上」という状態異常になっており,「油を塗った剣」などの武器で攻撃すると与ダメージがアップする。複数の装備を組み合わせて高い威力を出す,シナジーの考え方を学べる装備だ。

「精巧な剣」(暴虐)
 クセのないスタンダードな剣だが,攻撃を連続して当てると与ダメージが増えていき,10回ヒットでクリティカルが発生する。つまり,間を開けずに攻撃を当て続けることで真価を発揮するのだ。
 もちろん,そのためには途中で攻撃を食らわないよう,集中して敵と戦い続ける必要がある。いぶし銀の渋い武器だ。

「眩暈の盾」(生存)
 敵の近接攻撃を防ぐとスタンさせ,ギリギリで防ぐ「パリィ」を決めればスタン時間はより長くなる。パリィで特殊な効果を発揮する盾はほかにも多いため,練習にはもってこいだ。

「斬腱の塔」(暴虐/生存)
 砲台の一種。腱を斬るという名の通り,丸い刃物を連射する。砲台は主人公がある程度離れていても作動するので,敵に気づかれていない状態から,斬腱の塔を放り込んでやろう。

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「アイスボム」(生存)
 爆弾を投げ,炸裂した周囲の敵を凍結させる。うまく使えば凍らせた敵を一方的に攻撃できるし,水場に投げ込めば,水を凍らせて広範囲の敵を足止めすることが可能だ。ただし,クールダウンが18秒と長いのが玉に瑕。

水場に電撃や氷結系の攻撃を行うと,その効果は水場全体に伝播する。こういった環境の利用も欠かせない
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「トニック」(生存)
 最初の内は効果が分かりにくいかもしれないが,理解すると便利なスキル。効果時間中は,それまでに受けたダメージの割合分だけ一時的なHPをもらえるのに加え,受けるダメージも減少する。この被ダメージを減少させる効果は,ボスやエリートなどの強敵相手の戦いでは非常に心強い。

画面下のHPゲージで青くなっている部分がトニックによる一時的なHP。主人公の頭上にある盾アイコンはダメージ減少のバフがかかっていることを示す
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●食わず嫌いせず,イロモノ装備も使ってみる
 装備に強さと効率だけを求めていては,本作の本当の魅力は味わえない。時にはイロモノ装備でプレイもしてみよう。
 例えば「スパルタのサンダル」は,素の威力こそ低めだが,相手を吹っ飛ばす力が強く,高所から蹴り落とすことで追加ダメージを与えられる。
 「鉄杖」は攻撃の1段目にパリィの能力があり,敵の攻撃を弾きつつ自分が反撃できる。「鉤手」は敵を放り投げ「狂乱の刃」は体力が50%以下の時にクリティカルが発動するなど,武器には様々な効果が付いている。色々な武器を使うことで,本作の楽しさはどんどん広がっていくのだ。

狭い足場が多いバイオームでは,「スパルタのサンダル」が役立つ
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●武器ごとの立ち回り
 当たり前だが,武器が変われば立ち回り方も変わる。突き詰めれば武器の数だけ立ち回り方があるが,ここでは武器のジャンルごとに,大まかな立ち回り方を紹介しよう。


 最もベーシックで,どの武器と組み合わせても相性が良い。
 まずは敵に近づき,ほかの武器やスキル,ダイブアタックで一撃を加えた後,ロールで背後に回ってトドメを刺す。本作における基本中の基本が学べるだろう。

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飛び道具
 弓矢や銃は遠くから安全に敵を倒せるため,使いこなせると強い。手に入れたら,弾数制限があるタイプかそうでないかを確かめるのが重要だ。

 弓矢型の武器は大抵弾数制限があり,敵の身体に矢が刺さった分だけ残弾が減っていく。残弾が尽きると,基本的には矢が刺さった敵を倒すまで矢を放てない。そのため,慣れないうちは弾数制限のある飛び道具だけに頼るのはやめたほうがいいだろう。

 やりがちなのが弓矢型の飛び道具と盾の組み合わせでの失敗。「これで安全に敵を倒せるぜ!」などといきがっていると,敵を仕留めきれず,攻撃手段が限られてしまうことになる。飛び道具+飛び道具で弾数を確保する,弾数が倍になる「矢弾」(一般)や,矢を当てた敵に近接攻撃を当てると回収できる「リッパー」(戦術)といった変異と組み合わせるなどの工夫が必要だ。
「ハクトの弓」は強力だが,弾が2発しかないため特に注意したい。ちなみに英語では「Hokuto's Bow」で,フレーバーテキストは「you're already dead」(お前はすでに死んでいる)と,人気漫画がモチーフとなっていることがうかがえる
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 ボタンを押すと盾を構えて攻撃を防ぐ(ダメージを軽減する)。ギリギリで攻撃を防ぐとパリィとなり,ダメージを完全に無効化したり,飛び道具を跳ね返したりに加え,特殊な効果を発揮するものがある。自信があるなら,パリィの度にHPが回復する「回避回生」(生存)の変異と組み合わせるといい。慣れないうちはボタンを押しっぱなしにして普通に防御しよう。

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砲台やトラップ
 敵に気づかれない状態で設置し,攻撃させるのが特に効果的。うまくいけばリスクなく一方的に敵を倒せて,ネクロマンシーの変異があればわずかに体力回復もできる。アクションに慣れないうちは優先して取るべきだろう。

グレネード
 分かりやすさがウリだが,基本的にクールダウンが長めなので,しっかりと狙いたい。敵を凍らせるアイスボム,火炎系の武器と組み合わせてクリティカルヒットを狙える「オイルボム」,敵を気絶させる「照明弾」など,ゲームの仕組みを理解していればより効果が高まるものが多い。

その他
 敵の背後に瞬間移動する「フェイザー」,可愛いキノコを召喚/自爆させる「マッシュルームボーイ」,マップが見える「忘れられた地図」など,その効果は多彩。中でも「カラスの翼」は,空中に浮いて一方的に攻撃できる強力なものだ。

ボスの足元にマッシュルームボーイが出現。巨大な敵ともけなげに戦ってくれる
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マッシュルームボーイの召還後に再度スキルを使うと「どうして?」という嘆きと共に自爆し,敵に大ダメージを与える。フレーバーテキストには「使用者は罪悪感に苛まれる」とあるが,具体的なペナルティはない
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●「変異」の選択で生存率が変わる
 各バイオームのクリア後,特殊能力「変異」を習得可能(最大で3つ)。変異は習得しただけで効果を発揮してくれる。装備と同様,変異も暴虐,戦術,生存の影響を受けるが,それを選ばない(3つの能力の中で最も高い能力に応じる)「一般」もあるので覚えておこう。

 おすすめの変異は「ネクロマンシー」(生存)と「第二の生」(一般)。ネクロマンシーは敵を倒すとHPがほんのわずかだが回復し,第二の生は,やられても1回だけ復活できる。どちらも初期状態から使用可能なので,この2つを習得してしっかり守りを固めよう。

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●設計図を手に入れたら何としても生き残れ
 敵を倒すと,たまに装備や変異の「設計図」が手に入る。設計図が手に入ったら,なんとしてもそのバイオームをクリアし,「収集者」に渡そう。そうすれば,設計図の装備や変異が規定量のセルを支払うことでアンロックされ,以降のゲーム内に登場するようになる。

 多くの装備をアンロックするほど目当ての品が出にくくなるので,あまり使わなそうなものはアンロックせずにおく……というのは大昔のテクニック。今は後述する「カスタムモード」で出現させる装備とそうでない装備を指定できるようになったので,どんどんアンロックして使い勝手を試してみよう。

 セルは敵を倒したり,一定時間内にバイオームをクリアすると手に入る,白く光るボールのような物体だ。多いものだとアンロックに100個以上のセルが必要になることがあるので,しっかり稼いでいこう。

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●セルで何をアンロックすべきか?
 セルでアンロックできるのは,設計図のある装備や変異だけではない。回復薬を使える回数が増える「回復薬」,主人公が倒されても一定量のゴールドを持って次のプレイをスタートできる「ゴールド保持」,落ちているアイテム類を売れる「リサイクル」,主人公の見た目を変える「スキン」など,さまざまだ。

 最終的にはすべての項目をアンロックしたいところだが,最優先すべきは回復薬。回復の回数が増えることで,より長くプレイでき,設計図を集めやすくなるからだ。とはいえ,最上位の「回復薬IV」を手に入れるには,ほかに25個もの項目をアンロックする必要がある。アンロック狙いでお安い項目を取るのもアリだろう。

 「最初の武器」「最初の盾」「最初の弓」を取れば,スタート時の装備がアンロック済のものからランダムで選ばれる。面白さが格段にアップするので,こちらもある程度早い時期に取るのがオススメだ。

 また,ボスを倒すと出現する「レジェンダリー・フォージ」では,セルを支払うほどに出現する装備やスキルの品質がアップしていくので,こちらも活用していこう。

「レジェンダリー・フォージ」で最初の段階をアンロックしたところ。この後は「+」品質の装備しか出てこなくなる。さらにセルを注ぎ込めば,次は「++」品質の武器が出るように
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●序盤はルートを気にせず,未知のバイオームを進め
 本作のボスにたどり着くまでにはいくつかのバイオームを通る必要があり,そのルートは複数ある。1つのルートを集中して攻略したくなるかもしれないが,バイオームごとに得られるものが違うので,序盤はあまりルートを気にしないでいい。とにかく何回も敵と戦い,セルと設計図を稼いでさまざまな要素をアンロックし,やられては再挑戦を繰り返そう。プレイの度に異なったマップや装備が出現し,ゲームの展開も変わってくるため,新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。

 いくつかのバイオームには,主人公に特殊能力を与える「ルーン」を持つエリートモンスターがいる。ルーンを手に入れれば行ける場所が増えていくので,これを目標にするのもいいだろう。

 まずは「罪人の道」で「ツタのルーン」を手に入れれば,床に生えた緑色の物体からツタを伸ばして上り下りできるようになる。次は「有毒の下水道」で「瞬間移動のルーン」。棺桶から棺桶へ瞬間移動し,これまで行けなかったエリアへアクセスできる。

 その次は罪人の道から行ける「納骨堂」で「ラム・ルーン」をゲット。印の描かれた床をダイブアタックで壊せるようになる。「スパイダー・ルーン」は「有毒の下水道」→「古い下水道」→「辛苦の安置所」→「まどろみの聖域」で手に入り,これがあれば壁の駆け上がりと三角跳びができるようになる。

 また,罪人の道や有毒の下水道から行ける「塁壁」では「カスタム・ルーン」が手に入り,後述するカスタムモードを使えるようになる。ひとまずはプレイに慣れることを優先しつつ,ぜひともカスタム・ルーンまでの入手を目指そう。その際は,マップ画面から「表示マップ切替」でバイオームどうしのつながりを示す「ワールドマップ」が表示されるため,そちらも参考にするといいだろう。

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「カスタムモード」「アシストモード」で自分好みの「Dead Cells」に


 カスタム・ルーンを手に入れると,出現アイテムを絞れる「カスタムモード」を使えるようになる。また,現在は「アシストモード」というゲーム難度を下げられるシステムも実装されている。

 これらを組み合わせればかなり細かい調整が可能になり,「Dead Cells」がとても遊びやすくなる。このモードを利用していると取れない実績もあるが,ゲームに慣れるためには有効なモードといえるだろう。以下は練習用にオススメの項目だ。

●カスタムモード

「初期装備」
 通常はアンロックしたものからランダムで選ばれる初期装備だが,この項目では自分で設定できる。「せっかくアンロックした武器なのに,なかなか出ない」と悩むことはなくなるだろう。

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「装備」
 道中で出現する装備を有効化/無効化できる。要するに「この装備だけでプレイしたい」「この装備は苦手だから出さない」という設定ができるわけだ。ランダム性がウリのゲームしてはかなり思い切った要素だが,発売から2年という比較的早い段階で実装されているのが開発陣のスタンスを体現しているといえるだろう。

●アシストモード

「マップ開示」
 本作のマップは,主人公が訪れた場所が書き込まれていく方式だが,「マップ開示」をONにするといきなりすべてのマップが見られる。
 ゲームに慣れていないうちは「○○というバイオームに行きたいけれど,どこに行けばいいか分からない」ということも多いが,これならルーンの取得もスムーズに進むはず。

「パリィ簡易化」
 パリィの判定が甘くなる。便利ではあるが,上達を目指すのであればオフのままがいいかもしれない。

「罠の低速化」「罠のダメージ量」
 ジャンプアクションが苦手な人に便利。バイオームに仕掛けられた罠の動きが遅くなり,ダメージも少なくなるので突破しやすくなる。

「敵のHP」「敵のダメージ量」
 敵の耐久力と,敵から受けるダメージが低くなる。特に後半バイオームのボス戦でじっくり練習したい時にオススメ。

「残機モード」
 主人公がやられると最初からやりなおしになる「Dead Cells」だが,このモードをONにすればチェックポイントから再スタートできる。プレイ感が大きく変わってしまうが,じっくり練習できなければ上達も難しいわけで,必要だと感じたら迷わずONにするのがいいだろう。

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通常は自分が訪れたエリアしか表示されないが(上),アシストモードの「マップ開示」をONにすると最初からバイオームの全構造や置かれたアイテムが分かる(下)
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プレイの過程を自由に楽しめるのが「Dead Cells」


 「Dead Cells」は“ゲーム後半に出てくる強力な武器をアンロックしないと勝てない”類のゲームではない。必要になるのはゲームシステムの理解とアクションへの慣れだ。

 「Dead Cells」に慣れてくると,毎回変化する展開こそが楽しく感じられるようになる。PC版を持っているにもかかわらず,Switch版やスマートフォン版を最初から始めて装備を集めていく人も見られる。

 山ほどある装備にはそれぞれ異なった手ざわりがあり,たまたま手に入った装備の意外なシナジーを見つけることも少なくない。装備にランダム付与される特性をうまく組み合わせたり,それを踏まえてスクロールを選んだりと,「Dead Cells」はどこまでも奥深い。

 プレイごとに変化があるのはローグライクの基本だが,本作はその変化が特に大きいタイトルであると感じられる。そして,プレイを繰り返すことでさまざまな要素がアンロックされていく。「Dead Cells」とは変化していくプレイの過程とその繰り返しを楽しむゲームといえる。本作では最強や効率を追うだけではなく,自由なプレイを楽しんでほしい。

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 個人的には,慣れるまではカスタムモードやアシストモードの使用をためらわず,徐々にそういった“補助輪”を外してのプレイを体験してほしいと思っている。

 難度を下げて気軽に遊んで「ああ,楽しかった」も「Dead Cells」だし,ヒリつく緊張感を堪能するのも「Dead Cells」。難度を下げることが邪道なのであれば,そもそもこうしたモードは実装されていないはずだ。

 以前本作を購入したものの,ゲームに慣れることができずに積んでしまった人こそ,今のバージョンをプレイしてほしい。

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 「Dead Cells」の主人公は滑らかに気持ち良くマップを駆け抜けていく。これはもちろん偶然の産物ではなく開発者がそうなるように工夫したからだ。これは一貫したコンセプトであり,筆者は2017年にアーリーアクセスが始まった際,その滑らかさに驚愕したことを今も覚えている。

 「Dead Cells」の操作性についてはGame Developers Conferenceで講演も行われているため,興味があればそのレポートを読んでほしい。本作への理解が更に深まるはずだ。

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 2018年にリリースされた「Dead Cells」は,ローグライクでメトロイドヴァニアという異色の組み合わせを果たし,世界中のファンから「最高」という賛辞が惜しみなく送られた作品だ。ただ,開発元にとっては「最後の挑戦」であり,彼らの知見とこだわりを徹底的に詰め込んだタイトルでもある。GDC 2019で行われた開発者による講演の模様をお届けしよう。

[2019/03/25 18:01]

 「Dead Cells」の長い旅路は7年を経て遂に終着点を見た。それはプレイヤーと向き合い続けてきた7年であり,アップデートが当たり前になった時代のゲームとプレイヤーの新たな関わり方ともいえる。

 「Dead Cells」の開発元であるMotion Twinは,2023年末に新作「Windblown」を発表した。三人称視点や協力プレイといった新要素を取り入れた本作は,「Dead Cells」と同じアーリーアクセスでのスタートを2024年内に予定している。こちらも長い旅路になりそうだが,彼らが見せる新たな世界を楽しみに待ちたい。

「Dead Cells」公式サイト

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