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「ジャストコーズ4」プレイレポート。破壊と国家転覆のスペシャリスト“リコ”と,圧倒的な破壊をもたらす“自然災害”のマリアージュ
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印刷2019/02/22 15:14

プレイレポート

「ジャストコーズ4」プレイレポート。破壊と国家転覆のスペシャリスト“リコ”と,圧倒的な破壊をもたらす“自然災害”のマリアージュ

 スクウェア・エニックスは2018年12月6日に,アクション・アドベンチャーゲーム「ジャストコーズ 4」PC / PS4 / Xbox One)をリリースした。
 本作は,混乱と破壊の英雄「リコ・ロドリゲス」が活躍する人気シリーズの最新作だ。思わず笑ってしまうほどの爽快かつド派手なアクションというシリーズの根底部分はそのままに,要とも言えるシステム「グラップリング」が進化,さらに「天候の変化」という新たな破壊をもたらす要素が登場する。
 発売から時間がたってしまったが,本稿では,そんな「ジャストコーズ4」を紹介しつつ,筆者が実際にプレイした感想を伝えていこう。

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リコ,ソリスを飛ぶ


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 世界各地を旅してきたリコが今回降り立つのは,南米の国「ソリス」だ。広大なこの地には,山に平野,雪山に砂漠にジャングル,リゾート的な街に国際空港,複数の港湾施設,数十の町や村があり,ゆっくりとそれらを回るだけでも楽しいが,リコは観光をしに来たわけではない。

 ソリスでリコが対決するのは,独裁者エスピノーサと,軍事組織「ブラックハンド」だ。エスピノーサはリコの父親と因縁があり,リコはその決着をつけるためにソリスへとやってきたのだ。
 「ジャストコーズ」シリーズというと,ダイナミックなアクションがフィーチャーされることが多いが,ストーリーも面白く,ゲームプレイの良いエッセンスになっている。本作をプレイすれば,その事を十分に実感できるだろう。

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 広大なオープンワールドで破壊と混乱(カオス)を振りまくのが本作の最大の特徴だが,今作ではさらにカオスな要素である「天候」が追加された。天候といっても,雨が降ったり,曇ったりといっただけでなく「竜巻」「嵐」といった,いわゆる災害に分類されるものまで登場するのだ。
 もちろん,それらの天候変化は,よりド派手な破壊の立役者になる。いかにリコと言えども,人為的に起こされる大自然の脅威に立ち向かうのは少しばかり荷が重いようで,仲間である「カオスアーミー」と共に,打倒エスピノーサを目指すこととなる,というのがストーリーだ。

ソリスの圧倒的な自然の描写も本作の見どころ
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 エスピノーサによる独裁が行われているソリスでは,少なからず人々が弾圧を受けているようで,リコがソリスへと降り立ったことをきっかけに,反乱組織「カオスアーミー」が発足する。
 ソリスはほぼ全域がブラックハンドの支配下にあるが,カオスアーミーの部隊を派遣することで,その地域を制圧できる。隣接した地域の境界は前線となり,カオスアーミーとブラックハンドが激しい戦いを繰り広げる姿を目撃できるだろう。
 リコが破壊活動を行うと,カオスポイントが貯まり,一定値を超えるとカオスアーミーの部隊が増える。隣接した地域が多い場所はより多くの部隊が必要になるので,カオスポイントがあまり貯まっていない序盤ではどこから制圧していくか,が重要になってくる。なお,敵地を制圧するには,その地の制圧ミッションをクリアしたうえで部隊を派遣する必要がある。

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 とはいってもそこまで難しい話ではなく,ゲームをプレイしていれば自然にカオスポイントが貯まり,カオスアーミーの規模は大きくなるはずだ。制圧できる場所から制圧していっても,「詰む」ことはなく,深く考えなくても楽しめるので安心してほしい。
 なお,メインミッションを進めるには特定の地域を制圧する必要があるため,本作を短時間でクリアしたい場合は,制圧の順番を考えるとちょっと楽になるはずだ。

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グラップリングを使った空中アクションが要


 ジャストコーズシリーズで忘れてはならないのが,グラップリングフックを利用する爽快なアクションだ。グラップリングワイヤーで素早く移動したり,爆発物を敵につないで倒したり,ヘリコプターと地面をつなげて墜落させたりと,その用途は多岐に渡る。
 また,リコはパラシュートウィングスーツを常備しており,グラップリングと合わせて,空を自由自在に飛び回ることが可能だ。パラシュートは空中で開閉でき,開いているときはゆっくりと降下していく。ウィングスーツは滑空する装備で,空中を素早く移動できる。

グラップリングフック使えば長距離の移動もスムーズだ
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 この手のオープンワールドゲームは移動がストレスになることも多いが,本作はグラップリングフックとウィングスーツ,そしてパラシュートを組み合わせて自由自在に動ける。
 また,飛行中のヘリコプターにグラップリングフックで乗り移って奪い取ったり,敵基地のはるか上空からウィングスーツで降下したりと,スタイリッシュかつスピーディーなアクションも楽しい。

 とてつもなく広いソリスだが,これらの装備のおかげで移動はあまりストレスにならない。遠距離になれば飛行機を奪取して移動や,後述するファストトラベルが便利だが,乗り物を探すよりもパラシュートやウィングスーツで移動したほうが早い,というケースは割とある。
 移動手段の豊富さは本作シリーズのメインコンセプトである“破壊と混乱”を極限まで楽しむための工夫といえる。せっかくなので最大限に利用して破壊の限りを尽くしたい。

グラップリングフックと同じく,移動手段の要となるパラシュート
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 リコといえばグラップリングフックと言えるくらいお馴染みのガジェットだが,今作ではそのグラップリングフックにさらなる機能が追加された。
 新機能は物体をワイヤーで巻き取り,けん引する「リトラクター」,つながれた物体を風船で浮かばせる「エアリフター」,装着した物体に推進力を与える「ブースター」の3つ。リトラクターについては今までのグラップリングフックと機能的には同じだが,エアリフターとブースターはまったく新しい機能だ。

 加えてそれらの機能に「MOD」を装着することで,さらに細かく機能を設定できるようになった。
 ブースターであれば,限界稼働で機能を停止するか爆発するかを選べる「バーンアウト」,噴射する方向をある程度決められる「指向」と「方位」,ブースターの作動時間を設定できる「噴射時間」,最大加速度への到達時間を調整する「加速」といったものが用意されている。
 すごく単純な装置だが,「バーンアウト」で燃え尽きると爆発する設定にし,敵に貼り付けて空高く舞い上がらせ,爆発させるような,某戦闘民族の王子みたいなプレイも可能だ。エアリフターのMOD「爆発性水素ガス」を使うともっとそれっぽいかもしれない。

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Modは細かく設定できる。いろいろな組み合わせを試してみると新たな発見があるかもしれない
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 これらの新機能を使って個人的にチャレンジしているのは飛行機の垂直離着陸を可能にすること。着陸はいいとして,離陸にはブースターで浮かせるか,エアリフターで浮かせるかで悩んでいる。ブースターの方がカッコイイ絵面になるのだが,出力調整が難しく,すぐに錐もみ状態に陥ってしまうので何とかしたいところだ。

 こうした新要素だが,ストーリーをクリアするうえでは使わなくても問題ない。あくまでも本作のサンドボックスとしての立場を崩さず「この新要素を追加しました! どう使うかはあなた次第です!」と,遊び方をプレイヤーに委ねている印象だ。
 すべての要素を100%利用して破壊の限りを尽くしても良いし,お気に入りの方法だけを使って楽しんでも構わない。特定の行動だけでクリアを目指す「縛りプレイ」をしても楽しいだろう。骨太のストーリーや考え抜かれたギミックはないが,どんな遊び方も許容する,懐の深さがある。


さまざまな乗り物や兵器,リコ自身をもあっという間にデリバリー
カオスアーミーが誇る驚異の輸送力で破壊の限りを尽くせ


 また,本作にはさまざまな乗り物が登場する。車はもちろん,飛行機に船にヘリコプターとその種類は多岐に渡る。車ひとつとっても,スポーツカーにセダン,軍用車,果ては戦車に装甲車となんでもある。船も民間用のヨットやクルーザー,漁船,軍用の大型輸送艦,戦闘艦艇があり,飛行機もセスナ機から戦闘機,ジャンボジェットまで登場する。

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 乗り物は味方の基地においてあったり,敵から奪ったり,民間人が乗っているものを拝借したりと,さまざまな方法で利用可能だ。前述したように,ヘリコプターが飛行中であろうと,グラップリングフックで張り付き,引きずりおろして搭乗する。さすがはリコといったところだろう。
 乗り物は奪い取る以外にも,補給物資として味方に届けてもらうという方法もある。ミッションなど特定の条件をクリアすることで,各種の乗り物がアンロックされ,それをカオスアーミーのパイロットが空輸してくれるのだ。
 ちなみに乗り物は統一規格のコンテナに入れて届けられる。明らかに届けてもらったコンテナより大きなサイズの乗り物が中から出てくることもあるが,それはそれ,エイリアンテクノロジーとでも思っておこう。

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 リコと兵器が組み合わされれば,そこから繰り出される破壊は当然かなりのものになる。戦車に乗って主砲をぶっ放し,戦闘ヘリに乗ってミサイルを撃ちまくり,爆撃機に乗って爆弾の雨を降らせてやるのがじつに気持ちいい。
 リコだけでは壊すのに時間がかかるオブジェクトも兵器を使えば簡単だ。

 ファストトラベル機能は,補給物資と同様に,パイロットが目的地上空まで送り届けてくれるという設定だ。高い場所からウイングスーツを利用して移動できるのはありがたい。
 なお,空輸やファストトラベルで利用したパイロットは一定時間の休憩に入る。とはいえ,パイロットは複数いてローテーションで使えるし,そもそもそこまで休憩時間も長くないので困ることはないだろう。積極的に利用して各地に破壊を届けてほしい。


竜巻や嵐が巻き起こす,圧倒的な破壊


 本作で最も革新的なフィーチャーは天候の変化だろう。「竜巻」「雷雨」「砂嵐」といった天候の変化がある。
 「雷雨」では頻繁に落雷があり,高所に陣取っていると直撃をくらう。敵にも落ちるので,自分が落雷を食らわない状況にあるとなかなか爽快だ。
 もう1つの「砂嵐」は砂で視界が塞がれ,暴風であたりのモノが吹き飛ばされる……のだが,脅威はそこまで大きくない。ウイングスーツで飛んでいるときに地面に激突しそうで怖い,くらいのものだ。

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 最も破壊力が大きいのは「竜巻」で,その進路にある破壊可能オブジェクトはことごとく巻き上げられる。竜巻のなかに入れば風で切り裂かれダメージを負い,そうでなくても天高く舞い上がり,地面に激突する運命だ。
 竜巻について行くだけで,自然と周辺施設が破壊されるので「カオスポイント」が実にいい感じに溜まっていく。その圧倒的な破壊力をぜひ満喫してほしい。
 ちなみに,パラシュートやウイングスーツを使っていると吸い寄せられるが,うまく風に乗れば遥か上空まで到達できる。なかなか繊細な操作を要求されるので,竜巻とスリリングなデートをしたい人は挑戦してみるといい。

圧倒的な破壊をもたらす竜巻
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 ウリとなっている天候だが,普通にプレイしているとそこまで遭遇することはない。そもそも特定地域で起きる現象で,ソリスの広いフィールドに対し,その規模は大きくないので仕方のない部分ではある。
 これらの天候はストーリーの中心となっているが,その存在があまりにもイベント的なので,筆者としてはもう少しその脅威を自然に感じられる場面がほしいと感じた。ゲームを進めると特定の場所で能動的に発生させることもできるが,わざわざ巻き込まれに行かないといけない。
 自然災害が主張しすぎると“破壊のサンドボックス”というコンセプトがブレることになるのでバランスが難しそうだが,せっかくの素晴らしい破壊表現なので,もっと満喫する方法がほしかった。

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 筆者は久しぶりにジャストコーズシリーズをプレイしたが,リコを操作して行うハチャメチャなアクションは健在で,問答無用で破壊をまき散らすそのゲーム性は控えめに言っても気持ちいい。数々のアクションゲームをプレイしてきたが,「破壊」を主軸に置いた本作は別格の爽快感がある。
 シリーズファンならこれまで通り楽しめるだろうし,未経験の人も……いや,むしろ未経験だからこそ「ジャストコーズ4」はプレイしてみてほしい作品だ。破壊と混乱に極振りしたサンドボックスをぜひ味わってほしい。

「ジャストコーズ 4」公式サイト

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