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「ファイアーエムブレム 風花雪月」の食堂メニューは全部うまそうなので,「2種の魚のバター焼き」で味を検証。俺のコラボカフェ:Menu 081
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4Gamerをご覧の皆様,こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。ゲームに登場する料理をプロの料理人が本気で再現する「俺のコラボカフェ」。今月もよろしくお願いします。
今回取り上げるのは,Nintendo Switchで2019年に発売された「ファイアーエムブレム 風花雪月」です。
ファイアーエムブレム(FE)シリーズといえば,1990年に生まれたSRPGの先駆けであり,仲間との絆,重厚な戦記,容赦ない戦略性で世界中のファンを虜にしてきました。「『ファミコンウォーズ』にキャラクターとレベル要素を追加したのが始まり」という裏話もあり,ゲーム史の中でも非常に重要なタイトルです。
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シリーズでは,竜人などの異種族や,タイトルにもなっている「ファイアーエムブレム」など共通のモチーフが登場し,往年のファンに“FEらしさ”を感じさせてくれるのも魅力のひとつですね。
そして「風花雪月」は,インテリジェントシステムズとコーエーテクモゲームスのタッグで開発され,その完成度から「FE最高傑作」とも言われています。
2021年に行われた「テレビゲーム総選挙」では「ポケモン 赤・緑」を抑えて23位にランクインしました。2022年には無双シリーズとのコラボ作品「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」が発売されるほど人気を博しています。
本作を語るうえで欠かせないのが「支援」システムでしょう。
キャラクター同士を戦闘で連携させたり,食堂で一緒に食事をしたりすることで好感度が上がり,戦闘能力にも補正がかかります。支援会話によって関係性が深まり,物語をより立体的に見せてくれるため,つい全員分を見たくなってしまう中毒性があります。
そして,戦闘と同じくらい重要なのが散策です。
広大なガルグ=マク士官学校を歩き回って会話や釣り,料理を楽しむ様子は,ペルソナシリーズの現実世界パートを彷彿とさせます。プレイ時間の大半が学園生活に費やされるのも納得の濃密さです。
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中でも「食堂」は支援値アップや生徒たちの「やる気」回復の中心となる重要な場所です。キャラクターごとに好き嫌いがあり,誰と何を食べるかで戦略にすら影響します。
驚くべきは,料理の作り込みが圧倒的な点です。グラフィックスが丁寧なうえ,メニューも非常に豊富なので,腕利きの料理人がいることは間違いありません。
その中から今回取り上げるのは,誰に出しても喜ばれる万能料理「2種の魚のバター焼き」です。ゲーム内では,「二種類の魚の切り身に小麦粉をまぶしてバターで焼いた料理」と説明され,帝都アンヴァルの上品な料理として知られています。
舞台となるフォドラは,内陸の自然が豊かで,河川・湖を利用した淡水魚の食文化も発達しているようです。実際に,メニューには魚料理が多く見られます。
さて,「脂の乗った魚」と「淡泊な魚」という組み合わせは,プロの目から見ても非常に合理的です。脂身のある魚は香りとコク,白身魚は食感と上品さを担当する。そこにバターの風味が加わることで,一皿の中で味の役割分担が美しく決まります。このバランスの良さが,誰に出しても喜ばれる理由なのでしょう。
というわけで,今回はサーモンとタラの組み合わせで再現してみます。
■材料(2人前)
サーモン切り身……2枚
タラ切り身……2枚
バター……20g
白ワイン……大さじ1
ニンニク……1片(潰しておく)
小麦粉……適量
塩……適量
黒胡椒……適量
レモン……少々
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実食
火加減にさえ気をつければ,ふっくらとした仕上がりになり,サーモンのコクとタラの上品さが見事に溶け合います。
ゲーム内で生徒たちに人気なのも頷けますし,「おいしいものを一緒に食べながら話せば支援値が上がる」という仕様も,実際に食べると妙にリアルに感じられますね。
やはり食事は人と人をつなぐ最強のコミュニケーションです。「風花雪月」がプレイヤーの感情移入を深める理由の一つは,この「食の説得力」かもしれません。
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今回のテーマはいかがでしたでしょうか? 面白いと思ったり,実際に試したりした人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。
それでは,またお会いしましょう。したっけ!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは料理研究家,またあるときは「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……料理を通じて多くの人を喜ばせたいクッキングエンターテイナーだ! ちなみに,“ファイヤーエンブレム”と言いがちですが,間違いです。ですので,今回の記事も表記ゆれには細心の注意を払って書いたとのこと。料理の世界もペペロンチーノ警察,ガパオ警察など,こだわりの強い人が多いので,実は日々けっこう気を使っているそうです。
※次回の掲載は2025年12月27日を予定しています
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