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[インタビュー]“ブラスタ”は今日で5周年! 「ブラックスター -Theater Starless-」のこだわりや制作秘話,今後の展開を聞いた

 DONUTSがサービス中のスマホアプリ「ブラックスター -Theater Starless-」iOS / Android。以下,ブラスタ)が,本日(2024年9月10日)でリリース5周年を迎える。ショーレストラン「Theater Starless(シアター・スターレス)」を舞台としたアンダーグラウンドな世界を描いた本作は,物語を現実の時間とリンクさせながら,さまざまな衝撃の展開を見せてきた。

 4Gamerは,ディレクターの塚口綾子氏に話を聞く機会を得た。「ブラスタ」の制作陣らがメディアのインタビューを受けるのは,今回がほぼ初めてとのこと。貴重な話が盛りだくさんなので,ぜひ最後まで読んでほしい。

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「ブラックスター -Theater Starless-」公式サイト

「ブラックスター -Theater Starless-」ダウンロードページ

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「ブラスタ」を原点回帰させるために。
“生みの親”塚口氏が戻ってきたワケ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは「ブラスタ」で担当されている業務内容を教えてください。

塚口綾子氏(以下,塚口氏):
 プロジェクトの立ち上げのときからディレクターをしていましたが,一度離れておりました。年が明けてから「ブラスタ」に戻ってきて,今の業務内容としてはキャラクターや世界観,シナリオを中心にプロジェクトを全般的に見ている感じです。

4Gamer:
 実は私と塚口さんは「ブラスタ」のリリース前から面識があったんですよね。「ブラスタ」の話もかなり前から聞いていたので,私のなかでは塚口さんが「ブラスタ」の原作者,言ってみれば“創造神”という位置づけと言えるんじゃないかなと思っています。

塚口氏:
 いやいやそれはないですよ。リリースしてから1年弱くらい,シナリオを担当していたってくらいです。

4Gamer:
 あらためて「ブラスタ」の始まりから教えていただけますか。

塚口氏:
 もともと「ブラスタ」は,プロデューサーの安藤とディレクターの塚口で立ち上げたプロジェクトです。このあたりのことは安藤が過去にあちこちで話したかもしれません。

 女性向けのリズムゲームを,という会社からのオーダーがあり,最初はアイドルものも模索しました。弊社は「Tokyo 7th シスターズ」という女の子アイドルものが存在していて,そちらに準ずるものを期待されていた側面はあります。ただ,アイドルものはわりとすぐに考えるのをやめました。他社様がステキなアイドルものをたくさん出していることもあり,後発であるDONUTSが追いかけるには大きすぎる題材だなと考えました。

4Gamer:
 なるほど。

塚口氏:
 安藤と私はわりと基盤が違っていて,安藤はRPGをメインに開発してきていてよく見ていたのが宝塚,私はシミュレーションゲームかアドベンチャーがメインで,アメリカプロレスをよく見ていました。お互いのゲーム開発における考え方や,そのころよく見ていたものの話をざっくばらんにしながら,題材をいくつかにしぼっていきました。

 そのうちの1つが「黒い感じ/アンダーグラウンドをモチーフにしたステージもの」で,これが「ブラスタ」の元型です。ほかのステキなものと差別化をしつつ,どんなことなら人間ドラマが描けるかを考えた結果というか。荒くれな男性たちの集団なので,メンツと意地が大事だろう,というのがストーリーの根幹で,ゲームシステムにも組み込むことにしました。

4Gamer:
 そこからあの魅力的なキャストたちが生まれたんですね。

塚口氏:
 キャストが現状の形になるのはわりと早くて,最初から「5チーム,各チーム5人の計25人」は標榜していたと思います。これは,「奇数のほうが意見が割れたときに決着がつきやすい」というのが理由で,当時はとにかく奇数にしたかったんですよね。

 旧スターレスからリニューアルオープンした店でスタートする,というアイディアはいつ出てきたのか覚えてないのですが,この過程で「最初は3チーム,それが5チームになる」という最初のストーリーが見えてきました。シーズン1は,この流れを形にしたもので,メンツや意地で彼らが生きていることがお客様に伝われば,と思いながら展開しています。

 そのあと,私はシーズン2の前半まで担当をして,プロジェクトを離れることになりました。もうだいぶいろいろ忘れてるな……このころの季節イベントがなんだったのかとか覚えてない……。

4Gamer:
 差し支えなければ,塚口さんが「ブラスタ」の制作に戻ってこられた事情をうかがえますか。

塚口氏:
 私がチームから離れて5周年が見え始めたころ,節目を迎えるにあたり,プロデューサーの安藤から「そろそろ復帰はどうか,初期の『ブラスタ』の雰囲気に原点回帰をしたい」と言われました。長く続いていたこともあり,これからどこに向かうべきかプロジェクトで検討していたそうで,初期スタッフである私に声がかかった形です。それで,戻ることになりました。

 皆さんと5周年を迎えて,「ブラスタ」の勢いを加速させる意味合いがあったんだと思います。戻ってしばらくは,離れていた間のシナリオを読むのに精一杯でした。キャラクターも増えていましたし,とにかくシナリオのボリュームがすごい……! と(笑)。


「ブラスタ」ならではのこだわりとは?
原典やシステム周りの秘話を深堀り


4Gamer:
 「ブラスタ」の制作についていろいろとお聞きできれば幸いです。まず,本作は現実と物語のなかの時間がリンクしているのが特徴だと思います。キャラクターたちは歳を取るだけではなく,プレイヤーとまったく同じ季節と時間を過ごしているんですよね。

塚口氏:
 自分が誕生日を迎えたとき,「ついにキャラクターの年齢を追い越してしまう!」と感じるとちょっと複雑ですよね。それが本作をリアルタイムにしようと決めた理由の1つでもあります。運営の途中で(時間を)止めようかという話も出たそうですが,やはりそこは「ブラスタ」の肝だろうと,変更しなかったとのことでした。

4Gamer:
 そこがもはや「ブラスタ」の魅力にもなっていますしね。

塚口氏:
 リアルタイムで時間が進むほど,キャラクターたちも成長していきますよね。加えて「ブラスタ」はアンダーグラウンドの世界が舞台です。彼らがどう生きていくかをお客さまにお伝えするか,このあたりの難しさに直面しているといったところでしょうか。

4Gamer:
 あんなワイルドな男性たちが身近にいることはあまりないでしょうしね。また,「ブラスタ」はプレイヤーの選択や反響でストーリーが変わることも,リアルタイム感や“キャラクターが生きている感”に影響を与えている気がします。

塚口氏:
 そうですね。実際,吉野は想定していたものとは違う方向のしっかりした感じの人になりました。今の路線もいくつか考えていたなかにはあったのですが,このあたりは継続していくコンテンツの妙だなと思います。良い形でキャストが己を見つめていった例だなと感じています。

 あと,ときどき晶と黒曜の対決が再燃したり,夜光がチームKに移動したりとか。彼らがどう生きていくかを完全に設計して始めたわけではないので,このあたりは彼らの人生の流れで生まれてきたものだと思います。

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4Gamer:
 本当に「ブラスタ」は衝撃の展開が多いです。それこそ夜光がお店を辞めるとか,ケイがアメリカに行くので出てこなくなりますとか,そんなことあるんだ!? と驚きました。

塚口氏:
 ケイのアメリカ行きの決定と,「ブラスタ」初のリアルライブの兼ね合いなどもありましたね。でもケイならステージには戻ってくるだろう,ということで,ゲーム内ストーリーでもアメリカから帰国してきたそうです。あのときはもう私はプロジェクトから離れていたので,そこはリアルタイムならではの面白さだなと思いました。

4Gamer:
 メタな見方をすれば「絶対にキャラクターがいなくなるわけがない」「死んじゃうわけがない」と思うんですが,「ブラスタ」は本当にそうか……? という怖さがあるんですよ(笑)。

塚口氏:
 それで言うと,継続するタイプのシナリオでは,初期の想定設計が100%じゃない場合もあるなとは思っています。もちろん,最初からすべて決まっているケースもあると思うんですが,ブラスタは意図的に100%決めていないというか。彼ら自身が自分たちで何をつかみとるのかを見て展開していくというか。

 そういう流れのなかでは,死ぬ「かもしれない」,いなくなる「かもしれない」は,起こりうるかなと。状況がそうなれば彼らは死んだり,いなくなってしまうかもしれない……。いや,分かんないですけどね。長生きしてほしいなと思っています。投票イベントや対決の結果などを受けて,彼ら自身のものの考え方に変化が起きたりする感じかなと。

4Gamer:
 その結果によってどう転ぶか分からないからどきどきしますよね。

塚口氏:
 最近だと,シーズン5の9章で旧オーナーと新オーナーが対決しているんですが,あれも従来どおり2つのラインを用意しました。結果に合わせてシーズン6で入ってくる情報は異なりますし,違うルートになるんでしょうね。今回は勝者の羽瀬山に合わせたルートで流れが進んでいますが,もし違ったらだいぶ動きが変わっていたと思います。

 私は「覚悟のない対決ならしないほうがいい」と思っているんですよ。こっちが勝つだろうな,という対決は良くないなと。人生って往々にして想定と違うことが起こるので……。

4Gamer:
 分かります。お話をうかがっていると,いい意味で“媚びない”物語を作っておられるんだな,という印象があります。

塚口氏:
 お客さまが「ギャーッ!」と言うのがブラスタでは起こりうる,みたいなところはありますね(笑)。美しい物語を展開されているタイトルはほかのところにたくさんありますし,そういう作品のドラマの素晴らしさに比べると,キャストの立ち位置が違うというか……。こういうアンダーグラウンドな,「ブラスタ」にしかできない世界に挑戦し続けたいと思っています。

◆公演のベースとなる「原典」について

4Gamer:
 「ブラスタ」ならではといえば,作中の公演に原典があるのも特徴ですよね。

塚口氏:
 原典を設定した最初のきっかけは,公演内容を1から考えるのが大変だからというのもありましたが,世の中には名作と呼ばれる作品の数々があり,そこにあやかりたいという想いも強かったです。それに加え,「ブラスタ」はやや荒くれた内容になると分かっていたので,格調高い原典を持ってくるとギャップが出せるなと。

4Gamer:
 原典はオペラや古典小説なども多いですしね。

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塚口氏:
 名作を読み直すと本当に素晴らしいなと思います。ただそれがゆえに,「原典の内容をどこまで翻案するか」という難しさもあるんですよ。私は自分なりに翻案の仕方があって,結末までのあらすじを最初に作るのですが,それが絶対のやり方ではないですし。原典そのままでも駄目だし,変えすぎても原典の意味もなくなるし。

 例えば「僕のすべてを君に捧げる」(シーズン1第4章)などは「赤ずきん」がテーマですが,読むとあまり「赤ずきん」の印象はないってスタッフには言われました。最初は「ジキル博士とハイド氏」をやりたくて一生懸命模索したんですが,どうしてもチームPっぽくならなかったので「赤ずきん」要素を入れたりした感じです。

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4Gamer:
 なるほど! 公演内容に関しては,「こういうストーリーにしたい」という狙いに合わせて原典を決めるのか,それとも先に原典ありきなのでしょうか。

塚口氏:
 状況によって違うのですが,共通しているのは必ず最初に決めるのが楽曲の方向性です。このチームは今までこういう曲を出してきたから,そろそろああいうのはどうかこういうのでもよいのでは,BPM(テンポ)はこのくらいのものがいいよねとか。

 楽曲の区別化が一番難しいので,先に曲の方向性から決まります。私が作詞を担当する場合は,あがってきた曲を聴いてから原典を探すこともありました。外部にお任せするときは,もう少し早く決めています。最近はだいぶいろんな原典を使わせてもらってきたこともあって,一生懸命探さないといけないところはありますね(笑)。だからもう一度(同じ原典を)使いたいなと思うこともあります。

4Gamer:
 やはり一度使ったものは難しいのでしょうか。

塚口氏:
 駄目なわけではないと思うんですが,多少のためらいはありますね。イメージがついているのもあるし,「なぜあるチームでやった原典を別のチームが取り扱うのか」の理屈も必要ですし。でもやってみたい気もしますね。チームが変われば,当然解釈も変わるでしょうし。

 そういう意味で新しい試みだったのは「Riskin’ it all」(チームW/2024年2月)と「Behind the Ruins」(チームK/2024年5月)です。前者は「Breakin’ it faster」(チームW/2019年9月),後者が「During the demise」(チームK/2019年9月)というそれぞれのチームの旗揚げ的意味合いの曲と,同じ原典を使った別の解釈として作りたいという話が開発チームからあがってきまして。

 「Riskin’ it all」は私がチームに戻ったときにはもう曲はできていました。「これが新解釈か!」と,頑張って状況を把握しながらでしたね(笑)。

4Gamer:
 ご不在だった間の莫大なシナリオを復習しながらですしね。

塚口氏:
 「During the demise」はチームKの旗揚げだったこともあっていろいろエピソードがあるんですよ。「ブラスタ」は音ゲーなので譜面があるじゃないですか。作るにあたり譜面の制作担当に「これはショーなので,歌ったり踊ったりしているみたいなノーツにしてほしい」とお願いしたんです。「どういうことですか!?」って言われました(笑)。

 それで楽曲に込めた意味や,「このシーンではこの人がステージに出てくるような感じ」「ここは激しく踊っているイメージなのでノーツを刻んでほしい」などの要素をお伝えし,ショーっぽい譜面にしてほしいと説明しました。リリース当時も音ゲーはたくさんあり,背景にキャラクターのイラストが表示されたり,3DCGのキャラクターが踊ったりするものも出てきていたんですよね。でも「ブラスタ」では難しく,表現に限界があったんです。それを考えて,譜面で物語を伝えたいなと。

 だから,「During the demise」にはこういう意味合いがあって,というのを一生懸命説明した記憶があります。このブロックはショーではこの役のことを差しているが,隠喩としてこういう形にしており〜みたいな説明を書いて読んでもらったりしました。ここで対決みたいな感じ,とか,どーんとセンターキャストが見栄を切ります! みたいな。

 あの当時「そういう記録が面白いから残しておきなよ」と言われてスクショを撮ったんですが,どこかに消えてしまいました。黒歴史みたいだから,なくなってもぜんぜんいいんですけど(笑)。

4Gamer:
 それは見てみたかったです(笑)。

塚口氏:
 今,譜面を担当してくれているスタッフは,そこを逆手にとっていろいろやってくれるので,本当にありがたいです。「よその音ゲーの譜面ではやらないこと」も,臆さずどんどんいれてくれる。「はつ恋」のハートマークあたりはかなり驚きました。また,同じ曲をライブバージョンなどで新たに配信する際は,譜面を作り変えたりしてくれています。別アレンジ曲は,違う演出,違うパフォーマンスをしているのと同等だから,譜面という表現も変える。スターレスはいつも新しいステージを作ろうと考えている。そう思っていただけるとうれしいです。

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◆「ブラスタ」はなぜ縦画面? 今だから話せる制作秘話!

4Gamer:
 今さらな質問なのですが,「ブラスタ」はなぜ縦画面を採用したのでしょうか。

塚口氏:
 このあたりは,プロデューサーの安藤とさんざん話し合って決めました。普段スマホは縦に持ちますよね。横にするときは動画を見たりゲームをしたりするときで,わざわざ持ち変えるのが面倒だなと思っていました。それに「ブラスタ」をリリースした当時,すでに皆さんがメインで遊んでいるゲームはちゃんとある状況だったので,隙間の時間に手軽に遊べるものがいいなと。電車に乗っている間,ノーツを叩かなくてもいいので1公演観ていただいて,またスマホを使う……みたいな。生活スタイルに入りやすいものにしたかったんです。

4Gamer:
 なるほど! 腑に落ちました。

塚口氏:
 でも当時,周りから「何で音ゲーなのに縦なの?」と何度も言われました。それでも「縦でやるんだ!」って私が強行した形です(笑)。一応,ギリギリまで横画面も模索はしていたんですが。最終的には,やっぱり縦のほうが,ホーム画面でキャストが出てきて挨拶したりする感じには合っていると判断しました。縦のほうが“スターレスのお客さま”としての体験に近いイメージにできているんじゃないかと思います。

4Gamer:
 分かります。

塚口氏:
 横のほうがいいなと思うときも,実際にはあります。カードなどのイラストは縦画面だと制限があるので……。横のほうが布をパッと広げた表現とか,横画面ならできるいろいろなことがあります。そういう便利な面もある一方で,キャラクターの顔をアップにできるのは縦画面ならではの魅力だと思います。

4Gamer:
 個人的には,縦画面であることも「ブラスタ」らしさというか,イメージにも一役買っていると思います。先ほどおっしゃっていたような“体験”感と言いますか。

塚口氏:
 横画面のほうがいろいろ融通がきくので,作りやすくはあると思うんですよ。だから縦画面のゲームは「絶対に縦でやる」という強い意志を持ったディレクターやプロデューサーがいらっしゃるんじゃないかと勝手に思っています(笑)。

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この5年間で印象的だったことは?
楽曲や物語の今後はどうなる?


4Gamer:
 5周年の話をうかがう前に,これまでを振り返っての思い出も聞かせてください。印象的だった出来事やイベントなどはありますか。

塚口氏:
 シーズン1だと,2019年クリスマスは,リリース前のSNS投票でキャストを決めることになったので,ずっとどきどきしながら中間集計を聞いていました。怖くてSNSは追いかけていませんでした。あのSNS投票はスタッフから出た案で,そのときは「いいよいいよ」と簡単に言ったのですが,途中で「誰一人シンガーが入らなかったらどうしよう」と心配したのを覚えています。実際には,そうなったときの対策も用意はしていたのですが,「リリース初手からこれをやるのかな〜」と思ったりしてました。

 ネコメが登場したのも「登場した!」と驚きました。いつ出るかな〜とは思っていたのですが,実際に登場すると「出た! すげえ!」みたいな。変な感想ですけど。お客さまも驚かれたんじゃないかなと思います。シーズン1では7人のキャストが順次やってきて参入してるんですが,そこからだいぶ間が空いて,シーズン3の終わりというか,シーズン4からの新キャスト登場でしたし。

 その後,関係者としてはシーズン4で岩水とマスター,新キャストとしてはシーズン5にヒナタと青桐が登場したのも印象深いですね。今は「いっぱいいるなあ」という感じです。物語が進んできた感があります。

4Gamer:
 新キャストの登場は私も印象的でした。逆に大変だった思い出はございますか。

塚口氏:
 一番しんどかった決断は,ちょっと巻き戻るんですが,シーズン1の6章のスタートを何時にするかということでした。当時とある媒体で「ブラスタ」の連載をしていただいていて,その最新号の発売日とシーズン1の6章の公開予定日が同じだったんですよ。

 公開予定日に発売する雑誌なら,6章の話が載っていたらリアタイだよね,ということでそうしてもらっていたんですが,連載にはすでに6章の話を載せていたので,電子版が出る0時に出る,というのを完全に失念していて。0時に6章の内容が雑誌で出ちゃうなら,イベント公開はそれに間に合わせないといけないなと。

 それでゲームの制作メンバーが何人か会社に残り,0時に6章を公開することになったんです。0時って完全に業務時間外なんですよ。それを言い出さなきゃいけない。手違いもあったりして,あれはしんどかったなという思い出があります(笑)。内容的には「日蝕」でチームBがチームPのステージをジャックするという展開でした。

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4Gamer:
 あれは先にネタバレしちゃ駄目な内容ですね! 同時でないと(笑)。

塚口氏:
 無事に公開できたので安心していたんですが,今度はSNSが大騒ぎになっていますと。そこに至るまでのミズキの心情とチームBができる過程は,彼らとしては「そうするしかなかった」わけですが,当時のチームPのお客さまの失望たるや……。やられたほうはたまらなかっただろうなと思います。ミズキはああするしかなかったんですが,実際のスターレスではお客さまからお問い合わせが来てたかな,とは思います。運営くんにも申し訳ない。

4Gamer:
 確かに……! SNSや窓口には普段からさまざまなご意見や感想があると思いますが,そのあたりについてはいかがですか。

塚口氏:
 「ブラスタ」に対して熱い想いを持ってくださっている方にいつも頭がさがる思いです。そもそも,メールを送るということ自体が大変な労力じゃないですか。

4Gamer:
 感想や伝えたいことがあっても,実際に行動に起こすとなるとハードルは意外と高いですよね。

塚口氏:
 ファンレターもいただいたことがあります。詳しい内容は話せませんが,作品が心の支えになったとお伝えいただきました。あと,「ブラスタ」がきっかけで原典のオペラを観たとか,ダンスを始めたといったお話を聞くこともあり,それはすごくうれしいですね。そういうふうになるといいなと思って作品を作っているので。

4Gamer:
 反響と言えば,今年の夏イベント(「Moonlight Summer Vacation」「Twilight Summer Vacation」)もすごいですね。カードイラストもけっこう攻めてますし……!

塚口氏:
 肌色率が高いですよね(笑)。あれは某雑誌のグラビアをイメージしました。写真集みたいな方向性でやりたいよね,と話していて。シチュエーションのざっくりしたところを決めて,テイストはデザイナーさんにお任せしています。イベントPVのインプレッションはすごく高かったのでユーザーさんには喜んでいただけたのかなと。

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4Gamer:
 すごくセクシーですが純粋に美しくて,下品さを感じないのはそうした狙いからくるものだったんですね。

塚口氏:
 “空気感”を作ってくださいとお願いして,みんなが頑張ってくれました。今年は初めてスターレスのキャストが出稼ぎに行かない夏なんですよ。よそさまのタイトルはみんなバカンスをしているらしいと聞き,今年は「ブラスタ」でもどうだろうかと。

 主人公の見えないところで動いている流れもあり,この時期,主人公にはスターレスから少し離れていてほしい,というキャストの思惑などもありまして。これは物語的な意味ですけど。

 ちなみに今の時期……周年の前までは「『ブラスタ』幸せ期間」と呼んでいまして,そのあとはちょっと不穏の始まりがあるんですよね。そこに行く前に一度,雰囲気を上げておきたいなと。

4Gamer:
 夏が終われば,ついに5周年がやってきますね。記念イラストがとてもかっこいいです!

塚口氏:
 今回,5周年イベントのタイトルが「Painted Planet」で,各チームのうしろに惑星が描かれています。チームKが金星,チームWが火星,チームPが木星,チームBが土星,チームCが水星ですね。

チームK
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チームW
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チームP
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チームB
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チームC

塚口氏:
 例年はキャラクター単体のイラストを作ってきたのですが,今回はチームごとにコンセプトを設け,一枚絵の制作となりました。こちらの絵のなかでのキャラクターの立ち位置のイメージや,今後どうなっていくかのニュアンスも込めています。

4Gamer:
 いいですね,考察のしがいがありそうです。

塚口氏:
 MVも作っているので,ぜひ楽しみにしていただきたいです。合わせて公開する楽曲は,それぞれのタイトルに副題があります。テーマは「5W1H」です。

4Gamer:
 「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」の5つですね。こちらにした理由はなんでしょうか。

塚口氏:
 もともと考えていたことはあるのですが,これまでの楽曲にはうまくハマらなかったので使っていませんでした。今回はチームBで「What」から始まる曲が出来上がったので,ほかのチームもすべて「5W」にちなんだタイトルにしようとなったんです。でもしっくりこなかったので,チームB以外はサブタイトル扱いになりました。各チーム,「なぜ……(理由)」とか「いつ……(時間)」とか,「どこ……(場所)」とか,彷徨ってます。

4Gamer:
 不安と期待が半々です……!

塚口氏:
 楽曲も5曲作っております。今年は全員曲ではなく,各チームごとに全シンガーが歌う構成になりました。全員曲は作らないのか,とはスタッフからも聞かれたのですが,チームとしての立ち位置を見直すにはチームごとがよいかな,と。その代わり,というわけでもないのですが,歌詞は10曲分用意しました。以前のクリスマス曲でも何人かのシンガーさんに別バージョンで歌っていただいたことがあったのですが,せっかくなので今回は歌詞を変えてみようと。

 K,P,Cのように歌唱担当キャストが複数人のチームは,それぞれのキャストが自分用の歌詞で歌います。それをパーツごとに組み合わせてそのチームの5周年曲になる,という作りです。5周年のタイミングでは組み合わせた合成された「5周年バージョン」だけリリースする予定ですが,そのうち各シンガーバージョンもお目見えできるといいなと思います。W,Bのように歌唱担当が1人のチームは,1曲にすべてが詰め込まれています。

 4周年ではAパート/Bパート/サビなどをお客さまにご指定いただきましたが,今回は脚本側で指定されていたという形ですね。2周年はチームごと+全体曲でランダムチューンという仕様になっていましたが,5周年は連作,オムニバスなイベントになっています。各チーム,そして主人公の今後の物語の先駆けとなっていると思いますので,そのあたりもふんわりお楽しみいただきたいです。

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チームK
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チームW
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チームP
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チームB
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チームC

4Gamer:
 先ほど「夏までの『幸せ時間』が終わったら『不穏』へ」というお話がありましたが,今後のストーリーに関してはいかがですか。お話しできる範囲でお聞かせください。

塚口氏:
 ちょうど今メインストーリーのボイス収録をしているんですが,(ストーリー内容は)まあまあしんどくなっていきます。何人かの出演キャストの方が「地獄になってきましたね〜」とおっしゃっていました(笑)。わりと過去の因縁もぶり返すんじゃないかな。

4Gamer:
 いろいろな謎にまつわる展開が佳境に入ってきましたが,そのあたりは。

塚口氏:
 主人公に関する謎はなるべく解決されていくといいですね。キャストや関係者同士の因縁や立ち位置も今まで以上にオープンになっていくんじゃないかと思います。キャストたちがわいわい動いて,見えていなかった裏の動きも表にでてくるんじゃないかな,出てきてくれるといいなと何人かのキャストは「そもそもなぜここにいるか」や,進路的なところも動いていくと思います。彼らの頑張りに期待してください!

スターレスの全キャストはこちら


チームK
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ケイ
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銀星
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夜光
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ソテツ
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ギィ
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吉野

チームW
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黒曜
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シン
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鷹見
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大牙

チームP
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リンドウ
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マイカ
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メノウ
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真珠
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ネコメ

チームB
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ミズキ
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6年目からの「ブラスタ」。
今後の展開&やってみたいこととは?


4Gamer:
 ちなみに,現時点で物語の構想はどのくらい先まであるのでしょうか。

塚口氏:
 シーズン6はだいぶ見えています。あんまりしゃべれなくてすみません。ただ,とにかく謎がつまびらかになっていってほしいと思っています。コンシューマゲームだと始めから終わりまでの大きな物語があって,それを何か月かかけて遊びますよね。「ブラスタ」はもう5年もやっているのに解けないままの謎が積まれていく一方で。

4Gamer:
 スマホ向けゲームでも,リリースから始まった物語にいったんの区切りをつけ,次章へいくものも多いですよね。「ブラスタ」はかなりたくさんの謎や伏線がありますから,回収していくのもなかなか大変そうです。

塚口氏:
 お客さま的にもすごく気になっているものがあると思います。「この謎が残ってます」「これだけは聞きたいです」と言ってほしいくらいなんですが(笑)。いえ,これはこちらの責任なので,なんとか。

4Gamer:
 では,今展開しているストーリーの一区切りは,いつ頃を想定していますか。

塚口氏:
 はっきりとは申し上げられませんが,「ブラックカード編」の展開はこれから一山登っていただくことになると思います。ここまでお客さまにお付き合いいただいていますし,できるだけアップダウンの道のりは丁寧に整えられればと。アップダウンは,ジェットコースターみたいになったらいいなと思っています。

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4Gamer:
 引き続き応援をお願いしたいですね。それと,今後の展開で予定していることがあれば教えてください。

塚口氏:
 私としては,アプリ自体を少し改修したいと思っています。今の「ブラスタ」はシステム的にずっと「秘伝のタレ」状態で運営しているので(笑)。エンジニアリング部分を新しくしたいですね。できればお話のきりが良いところでできるといいのですが。

4Gamer:
 いわゆる大型アップデートでシステムが多少変わったりするようなものですよね。

塚口氏:
 そうです。より遊びやすく,ユーザーさんがもっと楽しめるようなゲーム体験というか,キャラクターとの触れ合いのようなところを重視していけたらと考えています。新しい体験ができつつ,キャラクターの理解を深められるようなところも強化していきたいですね。

4Gamer:
 ちなみに今回,ストーリーを読み返したりしていて個人的に思ったのは,やはり物語のボリュームがすごいなと。これから始める人や久しぶりにプレイしたい人にとっては,少しハードルが高いような気もしています。

塚口氏:
 そうですよね。まだ先になるかもしれませんが,最近興味を持ってくださった方や,5周年から入ってもっと深堀りしたくなった方に向けてやれることを準備しています。具体的に言うと復習動画的な,今までのストーリーのダイジェストですね。

 既存のユーザーさんも5週年を楽しんでいただきながら,また「ブラスタ」を再開してみようと思ってくださった方にも,引き続き遊んでいただけるようにと思っています。早いうちに提供できるよう努力してまいりますので,今しばらくお待ちください。

4Gamer:
 それはうれしいですね。

塚口氏:
 もともとは,途中から読み始めても大丈夫な流れにしたかったんですよ。ただ最初の1年くらいなら良くても,やはり5年続いているとなると過去の物語が前提になってしまっているんですよね。そこをどう対応していくか,どう提供していくかというシナリオ的な課題はあります。

4Gamer:
 でも本当に,いわゆる女性向けで数年続いているタイトルは同じ問題を抱えている印象がありますね。長く続く物語は楽しいけど,途中から入りにくくなるという。

塚口氏:
 そうですよね。なので今後,途中から始めても追いつけるようなシステムが何か考えられないかなと思います。あと最近は海外での展開もやらせていただいているので,そちらのほうももっと広げていきたいなと。昨年末から繁体字版(台湾/香港/マカオ)と,今年の春から韓国版が始まっています。確か,韓国がシーズン1の半分くらいまでリリースされたところかなと。別会社からのリリースですが,今後もより広い視野をもった展開も目指していきたいですね。

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4Gamer:
 普段,なかなかユーザーさんと直接お話しするような機会はないと思いますので,伝えたいことがあればぜひ聞いてみたいです。

塚口氏:
 まずは,いつも遊んでくださって本当にありがとうございます。個人的には気になっていることがあるんですよ。さっきも言いましたが,「同じ原典を,別のチームで新たな解釈でやることについてはどう思いますか」という。

4Gamer:
 それは気になるところですね。ただ,ユーザーさんがどう答えればいいのかという……。

塚口氏:
 そうなんですよね(笑)。やっぱりキャストに頑張って考えてもらう形だな……。まあ,まだ世の中には素晴らしい名作がたくさんあるので,うまくそのあたりがなんとかなるといいなと思っております。お客さまにうかがいたいことはたくさんある気もするのですが,こういう場だと意外に聞けないものだな,と感じています。

 お客さまの期待に100%答えることはできないとも思うんです。お客さまが100人いらっしゃったら,100人とも同じ望みを持っているわけではないので。その100人のなかの何人かの希望は汲み取れないと考えると,ご意見をうかがうのではなく,こちらでいろいろ考えて「これでいきます」とするしかないんですよね。どちらにせよ罪を背負うなら,結局そういうことになるなと……。

4Gamer:
 難しいところですよね。おっしゃるとおり,すべての人が満足する展開や結末は,人数が増えるほど不可能になっていくわけですし。

塚口氏:
 キャストが今までに培ってきたものもあれば,関係性のなかで抱いていた信念が変わることもあって……。どうしても誰かが納得できない流れになることはあるかなぁと。この人はもうこうするしかないんだ! という選択はやっぱりあるんですよね。

 例えばリコは,借金とか踏み倒して逃げちゃえよと私は思うのですが,それを踏みこたえているのが良いところの1つだと思うんです。とはいえ,かっこいいからそれを選択しているわけではなく,逃げ道がないからそうしているだけ……みたいな事実からは目を逸らさないようにしている感じです。

4Gamer:
 ものすごくリアルですね。

塚口氏:
 だいたい20代中盤から30代前半くらいの男性が28人もいるわけですが,基本彼らはメンツで生きていると思うんです。そのメンツがどうなっていくのかに注視しています。

 あと,お客さまにお伝えしたいことといえば,CDをお待たせしてすみませんということです。次も曲数が多くなりそうです。ちゃんと出す準備はしていますので,なるべく早く情報を出せるよう努力してまいります……!

4Gamer:
 締めのような言葉をいただいたあとで恐縮なのですが,ここからは実現できるかどうかは置いておいて……な夢があればぜひ聞いてみたいです!

塚口氏:
 ゲームリリース前は,安藤と「ライブとかやってみたさありますよね」という話はしていました。「ブラスタ」は声優さんとシンガーが別なので,どうやるのがよいか,などを夢物語のように話しておりました。

 リリースから1年とちょっとしてから実際にライブをやったのを見て,すごいなと。あのころはもう離れていたので全然関わってないのですが,ぼんやり話題になっていた夢物語をプロジェクトが形にしてて。だから,当時「実現できるかどうかは置いておいて……」な夢というのは,もう形になってるんですよね。

 最初に音ゲーのノーツの話でも出ましたが,あれがステージを抽象化したものなので,ステージはあまり具体化しなくていいかなという気もしていて。このへんは,専門でもないのであまり深く考えないようにしています。そういう流れがきたとき,何か形になるんじゃないかな,と。これまでのライブをうまく作ってもらったように,今後のリアルイベントも誰かがうまいこと作ってくれるんじゃないかと期待しています(笑)。もちろん,やらねばならぬことは頑張りますけど!

4Gamer:
 スターレスの物語として,ステージ描写は絶対に外せないですしね……。夢物語であることを前提として言えば,ゲーム中のストーリーではなくスピンオフというか,「ここだけの特別ステージ」みたいな形であればいいのかなと思ったりはします。

塚口氏:
 そういう意味で言うと,過去編はやってみたいなとは思っていたことがあります。最初にスターレスができてから破壊されるところまでは,細かい年表を作ってあるんです。やろうと思えばやれると思いますが,店のリニューアル後のキャストいないんですよね。やっぱりこれはダメだなあ。

 あとは,全キャストそれぞれを主役にしたストーリーとか……?

4Gamer:
 サイドストーリーのキャラクター個別ストーリー的なものですよね。確かに!

塚口氏:
 それをやるには28人分,これまでのボリュームに近いものをそれぞれに作ることになる気がするので,物量がやばいですが(笑)。ケイならケイにフィーチャーした話で,そこにほかのキャラクターが登場するという。ケイの物語にもスタートと目的があるので,そこは描くべきだと思いながら,でもキャラクターが多すぎる……と考えないようにしているんです。1人だけならいいんですが,誰かやったら全員やるべきですしね。

 やってみたい夢,は私はあまりないかもしれません。もう「やるかやらないか」しかないという(笑)。

4Gamer:
 最後にファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

塚口氏:
 いつも皆さまにはご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません……。 我々も最善を尽くしますが,ご不満などがあれば遠慮なくお寄せいただければと思います。

4Gamer:
 そんな消極的な……(笑)。

塚口氏:
 開発者一同,改善できるところは改善させていただきつつ,ゲーム体験としてよりキャストを身近に感じられるような,特別なお客さまとしての体験作りをさせていただきたいと思っています。これからもご愛顧のほど,どうぞよろしくお願いいたします!

4Gamer:
 本日はありがとうございました!

――2024年8月5日収録

「ブラックスター -Theater Starless-」公式サイト

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