［E3 2021］FFの新作は高難度アクションだ！　仁王のTeam NINJAとの共同開発による「STRANGER OF PARADISE FF ORIGIN」体験版プレイレポート

　スクウェア・エニックスは2021年6月14日，「ファイナルファンタジー」（以下，FF）シリーズの新作タイトル「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN（ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン）」（PC/PS5/Xbox Series X/PS4/Xbox One）を発表した。

「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」タイトル画面。天野喜孝氏のイラストがあしらわれている

　本作は，同社とコーエーテクモゲームス Team NINJAの共同で開発が進められているタイトルだ。Team NINJAといえば，“戦国死にゲー”「仁王」シリーズを手掛けるチームだが，本作もFFシリーズの世界観を有する高難度アクションRPGとなっている。
　そんな本作のPS5向けの体験版が期間限定（2021年6月26日23：59まで。ダウンロードだけでなく，プレイ自体もこの日時までの限定）で配信されている。本稿ではさっそく体験版のプレイレポートをお届けしていこう。

「カオス」と呼ばれる存在に挑んでいく，左からジェド，ジャック，アッシュの3人

　この体験版には「カオス討伐への思いを胸に抱くジャック，アッシュ，ジェドの3人の戦士達が，カオス神殿の門を開ける」という，プロローグ的なイベントシーンが用意されている。ジェドのセリフには「光の戦士」というキーワードもあり，初代「ファイナルファンタジー」の趣を感じられる。タイトルロゴのデザインを天野喜孝氏が手がけており，タイトル自体も「FINAL FANTASY ORIGIN」とあるので，どのような設定なのか気になるところだ。

体験版のプレイヤーキャラクターとなるのが，メインビジュアルにもなっているジャック。カオス討伐に強い使命感を持つ

　3人のうち操作するのはジャックだけで，アッシュとジェドは自動で戦うパーティメンバーとなる。ジャックは，大剣を装備した「大剣士」のジョブを持つキャラクターで，通常攻撃（［R1］）と，MPを消費するアクションアビリティ（［R2］），ガード(［L1］)，回避（［×］）などを使って戦っていく。
　そして，これら基本アクションに加えて重要となるのが，「ソウルバースト」と「ソウルシールド」だ。

黄金色の草原で展開するチュートリアルシーン。この段階で覚えることは多いが，この先の道中でも操作説明は挿入される

最初に対峙するのはFFシリーズではおなじみのゴブリンだが，なめてかかると意外なダメージを被る

　ソウルバーストは，HPとは別に存在する「ブレイクゲージ」を攻撃によって削ることで行えるフィニッシュアクションだ。ブレイクゲージを0にした状態で敵に接近して［○］を押すと，その敵にとどめを刺すことができ，さらにこのとき，ジャックのMPが回復し，MP上限が上昇する。つまり，普通に敵を倒すよりもソウルバーストを使ったほうが，後でアクションアビリティを使うチャンスが増えるのである。

黄色いゲージが互いのブレイクゲージ。敵味方に存在し，これを一定量削ることで敵を一時的に行動不能にできる

行動不能となった敵に接近して発動するソウルバースト。多くの敵はこれで倒せる

奥に見えるのが敵が出現する「闇の噴出孔」。攻撃してブレイクゲージを削り，ソウルバーストで破壊できる

敵の攻撃でこちらのブレイクゲージが削られると，ジャックが一時的に行動不能となってしまう

　ソウルシールドは敵の攻撃を受け止める手段で，［○］を押すと構えを取り，成功すると周囲の敵をひるませてブレイクゲージを削れる。またこのときに素早く［R1］を押すと大きく踏み込んで通常攻撃を行い，反撃のチャンスとなる。
　さらにソウルシールドは敵の魔法などの特別な技を受け止めると，「インスタントアビリティ」を発動できるようになる。受け止めた攻撃は［□］でそのまま敵に対して使用でき，MPは消費しないが使用回数に限りがあるという仕様だ。

敵の攻撃を防いでブレイクゲージを削るソウルシールド。長押しで構えたままにもできるが，自分のブレイクゲージが徐々に減るので要注意

紫色で表示された敵の攻撃をソウルシールドで受けると，インスタントアビリティが使用可能に

インスタントアビリティの「ファイア」を発動。敵のボムはこれを数回ぶつけると自爆させられる

　ジャックはゲーム開始時に大剣士のジョブを持っているが，別のカテゴリーの武器を手に入れることで，ジョブチェンジが可能となる。体験版をプレイした限りでは，「棍」と「盾」を装備でき，アビリティ「黒魔法I」が使える「魔術士」，リーチの長い突き攻撃を行える「槍」を装備した「槍士」のジョブを確認することができた。
　ジョブは2つまでセットしておいて，［△］で瞬時に切り替えができる。状況に応じて使い分けるだけでなく，連続攻撃中に切り替えてコンボを継続するといった使い方も可能なようで，研究のしがいがありそうだ。

大剣はバランスのいい斬属性の武器で，ボタン長押しで溜め攻撃を行える

武器（ジョブ）や防具，コンボなどは「バトルセット」として2つセットしておける

魔術士の魔法は詠唱中にどれを使うか選べ，詠唱が長いほど威力が上がるが，当然その間に隙は生じる

敵に対し素早い攻撃を繰り出せる槍士の槍。リーチも長くかなり使いやすかった

レベルアップで手に入る「ジョブポイント」を消費してジョブごとのアビリティを開放する「ジョブツリー」。どのジョブを極めるかはプレイヤー次第

　フィールドはダンジョンのようになっていて，要所に「キューブ」と呼ばれる回復ポイントがある。これを使うとHPとMPが回復し，回復アイテムであるポーションも補充され，そこが新たなリスポーン地点となるが，倒した敵も復活するという，この手の高難度アクションでは定番のゲームシステムを踏襲している。


　また道中では，宝箱や倒した敵から無数の装備品が手に入るようになっていた。装備品は武器のほか，体の5か所に装備する防具と盾があり，より性能のいいものを選んで装備していくこととなるはず。防具によって性能も見た目も異なり，コーディネートも楽しめそうだ。

装備は敵がドロップすることも多い。常により良いものを装備していきたい

装備によってジャックの見た目が変わるのも嬉しいところだ

　本作はこの手のアクションゲームとしては珍しく，プレイヤーキャラクターがチームで行動するというゲームシステムを導入している。アッシュとジェドは自動で戦ってくれるNPCのような存在となるわけだが，彼らの存在により1人で戦うアクションとは手応えが異なるのも興味深いところだった。敵の攻撃が分散することが戦いやすいと感じる一方で，ソウルシールドを使うときなどは邪魔に感じることもあって，このあたりは製品版までに調整されるかもしれない。

　体験版のラストにはボスの「カオスとなる者」が登場。イベントシーンではセーラ姫と思しき女性の声と，ジェドの「ガーランド？」というセリフが出ることから，やはり初代「ファイナルファンタジー」のストーリーを感じられるが，詳細は不明だ。

ボスの前に登場し，ガード不能攻撃を繰り出してくるスケルトン

ボスとして現れるカオスとなる者。ガーランドという名前を否定する描写が見られる

　巨大な剣を持つカオスとなる者は，素早い突進攻撃やなぎ払いを繰り出してくるが，これらをうまくさばいて反撃につなげるのが攻略の鍵となるようだ。また「ファイアブリンガー」や「ほのお」など，多彩なアビリティでこちらのブレイクゲージを削ってくることもある。
　HPを半分まで削ると，この手のゲームではお約束の“第2段階”も用意されている。ぜひ撃破を目指そう。


　FFシリーズとしては初となる，高難度アクションへの挑戦。チュートリアルの段階から身に付けるべきことが非常に多く，最初はその対応に手こずらされたが，リトライを繰り返すうちにそれらを理解し，プレイのモチベーションが少しずつ上がっていく感覚を味わえる。初代「ファイナルファンタジー」と共通する世界観が本編でどのように描かれるのかも気になるところだ。
　スクウェア・エニックスによると，体験版プレイ後のアンケートによるフィードバックを今後の開発に生かすとのことなので，プレイした人はぜひ意見を送ってみよう。

発売はしばらく先となるので，まずはこの体験版でその手応えを味わってみてほしい