
プレイレポート
[プレイレポ]「The Outer Worlds 2」序盤を先行体験。腕利きのエージェントは再び,スキルや個性を生かして宇宙の危機に立ち向かう(ハズ)
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前作はもちろん,「Fallout」シリーズなどのブラックユーモアあふれるSF世界のRPGを得意とする同社だが,約6年の時を経て,ついにファン待望の新たな冒険が近づいている。今回,Microsoftから提供されたプレビュー版で「ゲームのオープニング部分」(導入を兼ねたチュートリアル部分と思われる)をプレイする機会を得たので,さっそくレポートしてみたい。
なお,筆者が利用したプラットフォームはPC(Steam)版で,プレイ時間は隅々まで念入りに探索したところ,1時間半程度だった。
「The Outer Worlds 2」公式サイト
主人公は腕利き(?)のエージェント。今回も命令を受け,困難な任務に挑むが……
プレイヤーの分身となる主人公は,地球議会と呼ばれている組織のエージェントだ。地球議会は宇宙にあるコロニー(植民地)に住む植民者の地位を守るために活動しており,ゲーム開始直後に宣伝映像(プロパガンダ)が流れるほか,何らかの対処すべき問題が発生したときには,熟練のエージェントを投入してトラブルを解決するらしい。
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今回,主人公に課された任務は,前作の舞台だったハルシオンとは別のコロニー「アルカディア」で製造されている宇宙船用のワープドライブの調査を行うこと。なぜか最近,ワープドライブが時空の裂け目(特異点)を発生させることが発見されたらしく,放置しておけば星間航行ができなくなってしまうからだ。上役によると,すでに先行して別のエージェントが潜入と任務の下準備を進めているらしい。
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こうして主人公は仲間のエージェントと共に,護国帝政府を自称する独裁政権の支配下にあるアルカディアに潜入し,いつもと同じように任務を開始する……というのが導入部分の物語だった。
さて,本作は前作のThe Outer Worldsと同じく,惑星を股にかけて冒険を繰り広げるアクションRPGだ(ただし,今回のビルドではほかの星には行けなかった)。公式サイトの紹介には一人称視点と書かれているが,実際は三人称視点への切り替えも普通に可能であり,Obsidian Entertainmentが手がけたFallout: New Vegasなどに近いシステムになっている。
主な戦闘手段はやはり銃器になるだろうが,近接武器も用意されている。背後からのステルスキルも活用できたので,プレイヤーの好みで自由に戦えそうだ。また低い段差ならばスムーズに越えられるといった,若干のパルクール要素も存在する。
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開始直後にはキャラクターメイキングを行う。基本的な外見の調整のほか,エージェントになる前の「経歴」,長所と短所を決定できる「特性」,最初の得意分野を設定する「スキル」,そして名前を入力すれば物語を始められる。
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それぞれの項目を簡単にまとめると,経歴は主人公のバックグラウンドを設定するもので,特性やスキルとは異なり,主人公に対する反応が変わったり,あるいは逆にプレイヤーが経歴に応じた選択肢を選べたりするようだ。例えば,インテリと思われる「教授」を選んだ場合,上役と日常的に知的な会話をしたり,ある種の学術的なフィールドワークを行っていることが伺えたりする。
また,クエスト中も会話中に相手に論理的な反応をしたり,ほかの経歴では読めない科学的なメモを理解できる場面もあった。ただ,全体としてはゲームの攻略に強く関わるというより,フレーバー的な役割といえそうだ。
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特性はスキルとは異なる長所と短所で,おそらくほかでは代用が効かないような効果が設定されるものだ。長所には,スライドやダッシュ移動で敵に突進攻撃ができる「頑丈」,永続的にクリティカル率が5%上がる「幸運」など,あると便利なものが多かった。
一方の短所は,派閥からの評価が悪くなる「無愛想」,永続的に基本体力が減る「病弱」など,こちらもいろいろな場面で影響がある印象だ。とはいえ,短所は必ず選ばなくてはならないわけでなく,長所を2つ選ぶとその対価として必要になるようだ。長所を1つだけ選ぶ場合は,短所を設定しなくてもいい。
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最後のスキルはそのままの意味で,主人公の特技を設定できる。射撃が上手くなる「銃」,解錠を行う「錠ピッキング」,修理や改造を行う「エンジニアリング」など,一見してすぐに使い道が分かるものが多い。何を専門にするかを決定する(初期値と上限値が上がる)ことになるが,ここで選んだもの以外も普通に上げられそうだ。
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なお,キャラクターメイキングの項目にはなかったが,「特殊技能」も存在する。ポイントを割り振って獲得するもので,シンプルに防御力が上がる「防弾シールド」,スピーチの能力が攻撃力にバフを与える「スペースレンジャー」などがあった。アンロックにはポイントだけでなく,一定のスキル値が必要なものも目立ち,多彩かつ面白いビルドが試せそうだ。
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さっそく敵地に潜入。広さはそこそこだが,ルートや脅威の対処法が複数あって楽しい
キャラメイクが終われば,いよいよ任務だ。主人公はエージェントチームのリーダーであり,立場は司令官(コマンダー)のようだ。ちょっとしたトラブルを解決するとブリーフィングが始まり,現地の協力者と情報交換後,部下を率いて宇宙ドックから突入する。
とはいえ,基本的には1人で行動する時間が長く,とくに何かを急かされるようなことはなかった。
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マップはそこまで広くはないが,道中に複数のルートが用意されていたり,途中のギミックに対する対処法がいろいろあったりして,プレイヤーのスタンスやキャラのスキルによって進め方が異なるのがやはり楽しい。
例えば,到着直後に警報が鳴って,警備用のロボットが動き出すシーンがある。ここではステルスで回避してもいいし,スピーチ能力で敵兵を騙して止めさせてもいいし,スイッチを探して無力化してもいい。もちろん,倒せるなら倒してもいいだろう。
自分の特技を生かして困難に立ち向かっていく。これこそRPGの醍醐味だ。
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中でも面白かったのは,キャラメイク時にうまくスキルが噛み合っていれば,ロボットを無効化するに留まらず,ロボット警備システムを乗っ取り,完全な味方にできることだ。敵兵が強力なロボに対し,一方的に吹き飛ばされるシーンも拝むことができて,実に爽快だった。
無論,そこまでうまくいかなくても,チュートリアルステージなので十分にクリアできるのだが。
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戦闘そのものは(飛び道具を装備していれば)比較的シンプルなシューターだ。前作同様,一定時間は周囲をスローにする「タクティカル・タイム・ディレーション」を自由に使用でき,体力の回復には「医療吸入器」を使って薬を吸い込む。
ただ,戦闘中でなければ,あたりにたくさん落ちている食料を食べても少量の体力を回復できる。
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冒頭で触れたとおり,今回プレイしたのはチュートリアル部分であり,苦労する場面はほぼなかったが,難度自体は調節できる。高難度になれば,力押しのプレイは難しくなるのかもしれない。
ただし,道中の障害はさまざまなスキルでスルーしたり,あるいは逆に利用できたりする。あえて戦闘用のスキルを絞って,意外な手段でクエストをクリアしていくことも可能だろう(きっと)。
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また,今回のビルドでは出番がなかったが,各派閥の主人公に対する好感度もメニュー内に確認できた。どこの陣営に協力して,どんな見返りを得るのか……といった駆け引きも楽しめそうだ。
前作では未来世界のステキなブラック企業が強烈なインパクトを放っていたが,今回も似たような空気感が予想される。さらに,複数のキャラクターが用意されているというコンパニオン(同行者)の実力も気になるところだろう。
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なお,任務の最後にはなかなかの驚きの展開が待っていて,続きが気になる終わり方だった。ごく序盤をプレイした限りではあるが,10月に予定されている製品版の発売が楽しみになってきた。再び,宇宙を駆ける冒険の日々を待ちたい。
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「The Outer Worlds 2」公式サイト
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