AI採用で液晶テレビでも利用できるガンコンやHDMIパススルー出力対応の小型ディスプレイを展示する達成電器ブース［TGS2024］

　2022年の初出展以降，毎回何かしらとがった製品を披露しているのが達成電器だ。東京ゲームショウ2024にも出展しているのだが，今回はPioneerとの共同ブース（関連記事）とあって，いつもよりもおとなしい印象を受けた。ただ，よくよく見るといつもどおり，とがった製品がそろっていた。

達成電器とPioneerの共同ブース

　2022年と2023年と2年続けて，達成電器が展示していた小型テレビのコンセプトモデルを覚えているだろうか。東京ゲームショウ2024では，新たな「ミニTVマリモ」が登場した。これまでの出展で得られたフィードバックを受けて改良を加えており，達成電器は「究極のリビジョン」だとアピールする。

ミニTVマリモ

本体の下部は厚みがあり，スタンドとして機能するので自立するデザインとなっている

　ミニTVマリモは，タッチ操作に対応した7インチサイズのディスプレイした製品で，接続インタフェースとしてHDMI入力ポート，HDMIパススルー対応出力ポートも備えているのがポイントだ。PCやゲーム機などと接続して，ゲームをプレイするだけでなく，ゲーム画面をキャプチャするときの確認用ディスプレイとしての運用も提案している。セカンダリの小型ディスプレイとして，メインディスプレイとキーボードの間に置くと便利そうだ。

背面の接続インタフェース。左右の端にHDMIポート，中央に電源用のUSB Type-Cポートを備える。HDMIのうち，どちらが入力ポートか出力ポートなのかは分からなかった。上部にあるくぼみは持ち運び用のハンドルだ

　ミニTVマリモは，クラウドファンディングサイト「Kickstarter」でも販売する予定で，本稿執筆時点ではベーシックモデルとプレミアムモデルをラインナップするという。ベーシックモデルは，簡易的な操作に留まるそうだが，一方のプレミアムモデルはAndroidベースのOSに加えて，無線LAN機能とバッテリーを搭載するとのこと。
　メーカー想定売価は，順に1万5600円と1万9800円となっている。

　続いて紹介するのは，ガンコントローラとフットペダル，ガンシューティングゲーム「TIME CRISIS」を収録したセットトップボックスがセットになった「G'AIM'E」だ。

G'AIM'Eの製品パッケージとガンコントローラ

フットペダル

TIME CRISISが収録されているセットボックス。ちなみに，その上にあるぬいぐるみは達成電器のマスコットキャラクター「KOMUGI」だ

　かつてのガンコントローラは，ブラウン管テレビの走査線をもとにして着弾点を判定していたため，表示方式が異なる液晶テレビやディスプレイでは使えなかった。
　PlayStation 3版の「タイムクライシス4＋ガンコン3」では，テレビ側に赤外線LEDマーカーを取り付け，それをコントローラ側で読み取る方式を採用することで，液晶テレビでも利用可能となった。ただ，赤外線LEDマーカーの設置スペースを用意する必要があった。
　達成電器のG'AIM'Eは，こうした問題を解消しており，外部のマーカーなしでも，液晶テレビやディスプレイでガンコントローラを利用できるのがポイントだ。

　G'AIM'Eのガンコントローラは，銃口付近に搭載したカメラで，撮影した画像から画面の位置や距離を検出して，AI処理によって「このへんに照準を合わせている」と判定する仕組みだ。

銃口に内蔵されたカメラ

　今回試遊できたバージョンは，開発中のもので，実際にプレイしてみるとときおり照準が吹っ飛ぶこともあったが，おおむね問題なくプレイできた。ガンコントローラとフットペダルでの操作が久しぶりすぎたため，リロードするときに銃口を上に向けたり，下に向けたりして，スタッフに「ゲームが混ざってますよ！」と突っ込まれる場面もあった。すでに詳細なプレイレポートも掲載しているので，気になる人はチェックしてほしい。


　また，達成電器のブースには，ミニゲーム機「EGRET II mini」用の装飾キット「イーグレットツー ミニ専用 コンバインキット」（以下，コンバインキット）の特別モデルも展示していた。

コンバインキットを装着したEGRET mini II

　コンバインキットには，コイン投入口を備えているのだが，特別モデルは実際にコインをいれるとゲーム内のクレジットが増える仕組みとなっていた。アーケードゲーム感がかなり増す仕掛けで，今回の展示のみというのがもったいない気がする。

特別モデルのコンバインキットは，コインを投入するとクレジットが増える

KOMUGIが座っているのが，コンバインキットに付属するゲームセンター用椅子だ

　最後に紹介するのは，コンセプト展示である「Project Kintsugi」だ。これは，画面が古くなったり破損したりして，使えなくなった携帯型ゲーム機の基板を再利用して，再びゲームを遊べるようにするというもの。プロジェクト名であるKintsugiは，もちろん陶磁器や漆器などを修復する「金継ぎ」に因んでいる。

Project Kintsugiのコンセプト

　今回の展示では，Nintendo Switchのメイン基板を利用して，据え置き型のゲーム機として生まれ変わらせていた。

Project Kintsugiのコンセプトモデル。USBポートが4つもある。それにしてもSwitchの原型が残っていない

背面には，HDMI出力ポートを備える

このほかには，DualSenseに背面ボタンを追加する改造キットの展示もあった

達成電器の公式Webサイト

4Gamer「東京ゲームショウ2024」記事一覧