「地球防衛軍5」(
PC /
PS4)で,人類は侵略者を追い返すことに成功した。しかし,その戦いにより人類は総人口の9割を失うことになる。社会システムはおろか,文明も崩壊寸前という厳しい現実だけが残された。それから3年の月日が流れ,人類は新たな壁に直面する。地球に取り残された侵略者が街を支配し,繁殖し始めたのだ。果たして人類はこの危機を乗り越えられるのか。
そんな絶望的な状況から始まる
「地球防衛軍6」(
PS5 /
PS4)について,本作のプロデューサーである
岡島信幸氏に話を聞いた。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。地球防衛軍6が発表されたのは2021年の6月ですが,そのときのファンの反応はいかがでしたか。
岡島信幸氏(以下,岡島氏):
「待ってました!」という反応が多かったです。地球防衛軍は「1,2」「3,4」という形でストーリーが区切られてきたので,5があるなら6もそろそろだろうと予測しているファンもたくさんいたかと思います。
4Gamer:
地球防衛軍6のコンセプトを教えてください。
岡島氏:
かつてないほどの絶望的な状況から始まる地球防衛軍です。これは全体というより序盤のコンセプトなのですが,5ではEDFがプライマーというエイリアンを追い返すことに成功しました。その代わり,人類の9割が死滅してしまうなど,被害もかなり大きく,文明も崩壊した状態です。
これまでのEDFシリーズでは,前作で文明がボロボロになっても次回作ではある程度復興しているのですが,今回は復興できないほど壊滅的な状態のままスタートすることになります。
4Gamer:
今までの地球防衛軍にはない始まり方というわけですね。
岡島氏:
そうですね。こうした世界観を作ること自体が大きなチャレンジでもありました。守るべきものがあるのか分からない中で戦うというのは,地球防衛軍シリーズにとって新しい試みです。壊滅的な状況なうえ物資もありませんので,各兵科の戦い方の変わってくると思います。とくにエアレイダーはどうするのかという問題が生まれました。
4Gamer:
空軍が残っているようには,とても思えませんからね。
岡島氏:
悩みに悩んだ結果,この世界にマッチしたエアレイダーの戦い方はこれだろうと,サンドロットの優秀なクリエイターさん達が導き出した答えが「ドローン」でした。空軍の支援と比べるとスケールは小さくなりますが,これがまた楽しいんです。
自分の周囲を飛んで守ってくれるドローンもいれば,指定した敵のところまで飛んでいって攻撃してくれるドローン,空から爆撃してくれるドローン,航空機の機銃掃射のようにルートに沿って攻撃してくれるドローン,といった具合で種類もさまざまです。空軍の力は失いましたが,ドローンという新しい魅力が生まれたのでエアレイダーファンには楽しんでもらえるかと思います。
4Gamer:
ドローン以外では,どのような案が出ていたのでしょうか。
岡島氏:
ドローンの案が出るまでは,セントリーガンを使って戦うという方向性にしていました。実際に過去に公開したPVには,セントリーガンを使うエアレイダーの姿があります。そのあとにドローンというとても良い答えが出たと思います。
4Gamer:
エアレイダー以外で変わった兵科はありますか?
岡島氏:
フェンサー以外はサポートギアという副装備が増えました。レンジャーは手榴弾がサポートギアの枠に入るので,そのぶん兵装の幅が広がります。ウイングダイバーもサポートギアでシールドを貼れますし,エアレイダーは自分を守るドローンを展開できます。全兵科に共通しているのは,障害物を乗り越えるアクションが追加されたことですね。
そのほかで言いますと,レンジャーで走るときは左のスティックを一度押すだけよくなったりと,遊びやすさを考えた改善を行っています。
4Gamer:
前作に登場したカエル型のエイリアンはかなり強烈なビジュアルでしたが,今回登場するアンドロイド型のエイリアンも変わってデザインですよね。こうしたエイリアンのビジュアルはどこから着想を得ているのでしょうか。
岡島氏:
敵のデザインはサンドロットのデザイナーさんが苦労に苦労を重ねて作り出しています。カエルのエイリアンも,そこに行き着くまでかなりのリテイクを重ねたと聞いています。彼らがすごいのは,デザインそのものよりもゲームに入ったときにどういうビジュアルだったら楽しんでもらえるか,ハラハラするか,というところにゴールを設けて作っているところです。なので,ゲームに入ったときに生きてくるデザインになっているんだと思います。
4Gamer:
地球防衛軍を作るうえで,「ここだけは変えない」と決めている部分はありますか。
岡島氏:
ゲームプレイにおける絶望感と爽快感です。この2つが地球防衛軍の面白さの根幹ですので,ここは6でも変わっていません。これは私だけが意識しているわけではなく,クリエイター陣もそう考えて作っているはずです。
4Gamer:
今回はPS5版もリリースされますが,PS4とPS5でどういう違いがありますか。
岡島氏:
PS5はネイティブ4K対応されているので,横に並べて見比べるとやはり綺麗ですね。ただプレイ感はPS4もPS5も同じなので,どちらで遊ばれても楽しんでいただけると思います。
4Gamer:
最後に,地球防衛軍6でEDFへの入隊を待ちわびているファンにコメントをお願いします。
岡島氏:
大変申し訳ございません……! 2021年末の発売は諸事情ありまして,2022年に延期させていただくことになりました。コロナ禍でいろいろなことが制限されているなか,地球防衛軍6の発売を楽しみにお待ちいただいていた方には,本当に申し訳ないと思っております。
ただ,至らない部分がある状態でリリースするよりは,お待ちいただいてもより良いものをご提供するほうが正しい選択だと思いますので,もう少しお待ちください。そして,リリースされたときには,満を持して入隊してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
なお岡島氏は,本日配信された4Gamer Live DAY2にも出演している。気になる人はこちらのアーカイブも要チェックだ
![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / [TGS 2021]「地球防衛軍6」のプロデューサー岡島信幸氏にインタビュー。コンセプトは,かつてないほどの絶望的な状況から始まる地球防衛軍](/games/597/G059798/20211001006/TN/007.jpg) |
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [TGS 2021]「地球防衛軍6」のプロデューサー岡島信幸氏にインタビュー。コンセプトは,かつてないほどの絶望的な状況から始まる地球防衛軍](/games/597/G059798/20211001006/TN/008.jpg) |
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![画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / [TGS 2021]「地球防衛軍6」のプロデューサー岡島信幸氏にインタビュー。コンセプトは,かつてないほどの絶望的な状況から始まる地球防衛軍](/games/597/G059798/20211001006/TN/011.jpg) |
![画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / [TGS 2021]「地球防衛軍6」のプロデューサー岡島信幸氏にインタビュー。コンセプトは,かつてないほどの絶望的な状況から始まる地球防衛軍](/games/597/G059798/20211001006/TN/012.jpg) |
――2021年9月30日。TGS2021の幕張メッセ会場にて収録。