
プレイレポート
[プレイレポ]原作未履修でもココが楽しい! 正式サービスを開始した「Dune: Awakening」で満喫する,砂漠のサバイバル生活
一面に砂漠が広がる惑星「アラキス」を舞台に,プレイヤーはほぼ裸一貫の状態からゲームをスタートし,生き延びながら宇宙規模の陰謀に関わっていく。
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6月24日にはプレイヤー数100万人を突破し(関連記事),さらには2026年にはPS5版,Xbox Series X|S版の発売も予定されているなど,順調な滑り出しを見せている本作。乾燥しきったアラキスでの生活に,すでにどっぷり浸かっているゲーマーも少なくないと思うが,まだ様子をうかがっている人もいるに違いない。
そこで今回は,正式リリースバージョンを実際に遊んでみたうえでのプレイレポートをお届けする。なお4Gamerでは,発売に先駆けて行われたβテストの模様をお伝えする記事も掲載している。ゲームの基本的な紹介はそちらで行っているので,未読の人は合わせてチェックしてもらいたい。
[プレイレポ]サバイバルMMO「Dune: Awakening」を先行体験。原作未履修のゲーマーを待っていたのは,あまりにも過酷な砂の惑星だった
![[プレイレポ]サバイバルMMO「Dune: Awakening」を先行体験。原作未履修のゲーマーを待っていたのは,あまりにも過酷な砂の惑星だった](/games/607/G060786/20250426003/TN/037.webp)
Funcomから2025年6月10日に発売される新作サバイバルMMO「Dune: Awakening」のβテストに参加してみたので,そのプレイレポートをお届けする。原作未履修の筆者だが,過酷な砂の惑星で生き延びることはできるのか。序盤の要素を中心に紹介していこう。
また改めての表明になるが,前回の記事から引き続き,筆者は原作小説も映画も未履修の状態でプレイしている。その前提を元に,今回は主に序盤からでも体験できる“ココが楽しかった!”という部分をピックアップして紹介しているので,同じ境遇の人は参考にしてほしい。一言で表せば「苦しいけど,楽しい」,そんな砂漠の惑星生活の一端を知ってもらえたら幸いだ。
「Dune: Awakening」公式サイト
とにかくキツいサバイバル。しかし手段が揃えば展望が見えてくる
先にも述べたように,本作のあらすじや基本システムは以前の記事を読んでもらいたい……のだが,念のため最低限の説明だけはしておこう。
本作は,三人称視点のオンラインサバイバルゲームだ。プレイヤーは原作の舞台でもある砂漠の惑星「アラキス」(現地語ではデューン)に降り立った元囚人となり,教母と呼ばれる存在から与えられた任務――「失踪したフレメン(先住民)を見つけ,眠れる者を目覚めさせよ」という大目標を達成すべく,広大な砂漠と岩石の世界を生き抜いていくこととなる。
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世界観そのものは原作の小説や映画と同じだが,本作は原作の主人公が生まれなかった世界という,パラレルな設定が用いられている。つまり原作をそのままゲーム化したのではなく,主人公も原作とは異なっている。PvP(対人)要素もあるが決められたエリアのみであり,そこ以外では,ほかのプレイヤーに出会っても自動的に共闘状態(PvE)となり,アイテムの取り合いなども起こらない。
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任務を帯びて始まるサバイバルだが,本作ではまず生き延びることがハードな世界である。アラキスは見渡す限り砂漠が広がる世界であり,草原どころかオアシスすら見当たらない。目に付くのは,ところどころに点在する岩場ぐらいのもので,コンパスや地図がなければ即迷ってしまうだろう。エリアによって砂の色が変わったり,岩石が増減したりはするものの,文字どおりの不毛の地であることを思い知らされる。
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さらに問題なのは照りつける強烈な日光と,生存に必要な水の確保である。
直射日光は日向にいるだけで,あっと言う間にプレイヤーを日射病にしてしまい,体内の水分を奪って体力を削っていく。また直射日光を受けていようといまいと,体内の水分は時間で失われていくため,日陰でじっとしていても(日向にいるよりかは格段にマシとはいえ)何の解決にもならない。もちろん,太陽が隠れる夜でもだ。
水分自体は,岩場に点在している「夜露草」という植物から摂取できるが,持ち歩くことはできないし,回復量はゲージ全体の1/3と非常に心許ない。おまけにフィールドでは強烈な砂嵐が,一定周期で広範囲に発生し,巻き込まれると体力が猛烈に削られる。実際,筆者もそれで幾度となく死にかけたくらいだ。
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とはいえこういった問題の多くは,何らかの解決方法が用意されている。その多くはクラフトによるもので,これがまさに本作のメインコンテンツと言って過言ではないくらいだ。
例えば,強烈な日差しによる乾燥は,家を建てて中に入ることで大幅に改善できる。材料は岩を砕いた石だけ済むので,少なくとも素材不足で困ることはないし,建物内ならば砂嵐も怖くなくなる。とはいえ,家を建築する作業中に日に当てられて,カラカラになることもママあることだが。
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水問題も最初は大きな壁として立ちはだかるが,野盗などの賊から血液を抜いて濾過できるようになると,ある程度まとまった量で保管できるようになる。また,フレメンの技術を使用した防具を作成すれば,体内の水の再利用も可能になり,さらには水筒で別途一定量を持ち歩くこともできたりする。いずれは前述の夜露草から水分を取得し,持ち歩けるようになるので,そうなれば水に困る機会はかなり減るだろう。
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さらにクラフトは,サバイバルだけでなくバトルの問題も解決してくれる。
例えば序盤から登場するシールド付きの敵は,ほとんどの攻撃を無効化するので非常に厄介な敵だ。対抗するには近距離武器で相手の攻撃をパリィしたあとにチャージ近接を当てるしかなく,複数の敵を同時に相手にするのは,かなり厳しいものがある。うまくパリィが決まらないと,ずっと攻撃をもらい続けることになる。
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だがレシピのアンロックが進めば,シールドにダメージを与える射撃武器のディスラプターが使えるようになるし,何よりプレイヤー側もシールドが装着できるようになる。バッテリー残量を消費するので無制限に攻撃を防げるわけではないし,攻撃時は無防備になるので完全ではないが,戦闘の安定感はグッと高まるはずだ。
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本作では,こうした「問題が生まれる→クラフトで解決する」というサイクルが繰り返されるため,新たなレシピがアンロックされると非常にワクワクする。任務を達成するためのメインクエストや,コンソールから受託するサブクエストを通したストーリー展開を楽しむ向きもあるが,個人的にはクラフトできるアイテムが徐々に増えていくこの流れが,本作の一番の魅力に感じられた。
楽になったかと思いきや,現れる新たな脅威。アラキスの環境は気が抜けない
装備や設備が充実すれば楽にはなるものの,では気楽な砂漠生活を送れるかといえば,そんなことはない。何せアラキスの各地には,さまざまな“厄介”が潜み,動き回っているからだ。
まず一番の脅威は,本作のシンボルでもあるサンドワームだ。
砂地を自由に動き回り,微弱な振動でも敏感に察知して砂の中から襲いかかってくる“奴”は,間違いなく不毛な砂漠の王者である。何せ一切の攻撃が効かず,一度飛び出てくれば高速で飲み込もうとしてくるサンドワームは,敵というより動く災害に近い。しかも行動範囲は岩場や山地をなどを除く砂地全体なので,登場しない場所のほうが圧倒的に少ないのだ。
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とはいえ,為す術がないではない。序盤も終わりにさしかかった頃に作れるようになるサンドバイクは,サンドワームが飛び出てくる“前”に,砂地を移動し終えるだけの性能を有している。さすがにずっと砂地を移動し続けてるとサンドワームの怒りを買うが,適宜岩場を経由していれば問題ない。
さらにバイクには収納箱(インベントリ)をオプションとして装着できるうえ,やられたときのリスポーンポイントにもなるため,ごく簡易的な拠点のような使い方もできる。実に便利な旅の相棒と言える。
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事実,乗り物を手に入れてからの筆者は,しばらくすると「もうサンドワームも怖くないのでは?」と思うようになっていた。事前にルートさえしっかりと計算しておけば,直接襲われることはほとんどなくなったからだ。
だがそんな気の緩みは,手痛い形で返ってくることになる。“砂漠と付き合う”必要が出てくるからだ。
本作におけるほとんどの素材は,サンドワームが出没しない岩場や洞窟,建物の中などで入手できる。拠点とするエリアも,NPCがわざわざ「砂地を選ぶな」と警告してくれるし,プレイヤーがアラキスで過ごす時間の大部分は,岩地にいることになるだろう。
まあ岩地でも日光は容赦なく降り注ぐし,賊に襲われもするのだが,少なくとも一瞬でワームに飲み込まれることはない。
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だがゲームが中盤に差し掛かると,砂漠でしか手に入らない素材が必要になってくる。砂自体に成分が含まれているので,手でかき集めるか,道具を使って一か所に固めるしかなく,要するに岩場から出て取りに行かなければならないのだ。
一応,敵のチェストなどから入手できることもあるが,何せ数が必要だし,これがないと作れないものは大量にある。
というわけで,砂地の中にある資源ポイントに移動し,近場にサンドバイク止めて収集開始。慎重に移動しながら集めていた……つもりだったが,ワームの警告が一瞬で高まり,頭が出てきたと思った時にはもう遅かった。逃げる間はほとんどなく,あっと言う間に飲み込まれて,文字どおり砂漠の藻屑である。
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ただ敵にやられただけなら,その場にドロップしたアイテムをあとから拾いにいけばいいのでペナルティはほとんどない。しかしワームにやらると,手元にあったアイテムは永久に失われてしまうのだ。苦労して作成した装備や乗り物はもちろん,クエストなどで手に入れたユニーク品などもロストしてしまうので,これはかなりキツい。
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一応,初回は温情(?)として乗り物だけは手元に戻ってくるが,それ以外は本当に失われてしまうので,物質的にも精神的にも大ダメージである。筆者も例に漏れず,元の状態までリカバリーするのにかなり手間取らされた。
デューンの世界では,サンドワームは神にも等しい存在として恐れられているという。以来,筆者は輪を掛けてサンドワームに注意を払うようになったが,奇しくもその威容にひれ伏すことになってしまったわけだ。
それ以外にも,夜間に空中を移動しているパトロール艦にも注意が必要だ。これに運悪く見つかってしまうと,大量の刺客が襲いかかってくるイベントが発生してしまう。通常は近づかなければ問題ないが,アイテムを山ほど抱えてダンジョンから出てきたときなどに出くわすと……劇的にやっかいな存在となる。遭遇すると特殊な爆弾でこちらの動きを制限してくるので,これもまたちょっとしたトラウマだ。
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また建物内にいれば問題にならない砂嵐も,出先で遮るものがない場所で出くわすと,途端に命に関わる障害になる。このように,さまざまなタイミングでトラブルが襲いかかってくるのがアラキスなのである。
どんなサバイバルも,場慣れしてくれば緊張感が和らいでいくものだが,本作はなかなかそうさせてくれない。遠出するときには,常にリスクへの備えを考える必要があり,つまりはそれだけ長く楽しめるコンテンツといえるのではないだろうか。
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レベルはレシピやスキルの元。組み合わせて自分なりのビルドを作り上げよう
本作ではゲーム開始時に「メンター」と呼ばれる職業を選択でき,これによって使えるスキルが変化する。例えば「トルーパー」なら射撃能力の向上やグレネードの装備が可能だし,「演算能力者」なら自動タレットを設置したり毒をばらまいたりと,それぞれに特徴的な能力が使用できる。
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これらは一見,クラス固有のスキルのように見えるが,実際はスキルツリーが異なるだけであり,ゲーム内に複数いるメンタートレーナーのクエストをクリアし,レベルアップ時に取得できるポイントを消費すれば,どのツリーのスキルでも自由に取得できてしまう。つまりトレーナーさえ見つければ,自分なりのビルドを自由に生み出せるのだ。
スキルは先のような戦闘に役立つものはもちろんのこと,例えばゲーム開始時には選べない「惑星学者」であれば,素材の入手量や作業ツールの効率に影響するものもある。自分なりの優先度を考えて,取得していくといいだろう。
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とはいえ,ただ多くのスキルを持っていればいいわけでもない。
アクティブスキルは同時に装着できる数が決まっているので,何をメインに据えるかはしっかり考える必要がある。一定の時間経過が必要なものの,スキルリセットも可能なので,まずはいろいろなスキルを試しつつ,自分にあったものを探してみるのが良さそうだ。
なお経験値は戦闘以外でも,例えばクエストクリアや素材の取得などでも取得でき,レベルアップもけっこうなペースで行える。
能力そのものはレベルではなく装備に依存する部分が大きいものの,そのレシピのアンロックは,レベルアップ時に取得できる情報ポイントで行う仕組みなので,レベルはやはり高いに越したことはない。スキルにせよレシピにせよ,アンロックする順番がまた悩みどころだが,それを考えるのも本作の楽しいところといえる。
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世界観が分からずとも楽しめるクラフト&サバイバル。冒険を通じて知識を広げよう
冒頭でも触れたように,本作は明確な原作を持つゲームタイトルだ。
フィールドはほぼ砂漠の世界であり,それが本作の独自性を際立たせているのも確かだが,一方で,それを単調と感じる人がいても不思議ではない。服装や乗り物のデザインもかなり独特で,筆者のように原作の知識がないと“置いてけぼり”になるクエストなども確かに存在している。
コーデックス(用語集)はあるものの,プレイヤーに直接向けたものではなく“作品内の書籍や書類”という扱いなので,世界観を壊さない一方で,これだけですべてを理解するのは少々難しいと感じられた。
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とはいえ,そういった点はいったん後回しにすれば,本作はかなりやり応えのあるサバイバルが楽しめるタイトルといえる。
とにかく厳しい場所に放り出され,クラフトを軸に立ち向かうのは達成感がある。解禁されたレシピの素材を探しに旅に出るのはサバイバルの定番だが,未踏の地に足を踏み入れる動機付けとして,やはり強いものがある。集落には店もあるが存在感はそこまで大きくなく,ほとんどのアイテムは耐久度によっていずれ壊れてしまうため,基本的には自分の力でなんとかしなければならない。
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探索や素材の回収には常に緊張感がつきまとい,それを乗り越えて新しいアイテムが作れた瞬間は,いつだって最高だ。序盤に力を入れて作り上げた拠点を,あとになって泣く泣く放棄するハメになるのも“あるある”だ。
そうして目の前のことを必死でこなしているうちに……いつの間にか身も心もアラキスの住人になっていく。それが本作の一番の魅力かもしれない。
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βテストの時点ではまだ判然としなかったが,正式リリース版をプレイした今ならはっきり言える。本作は原作を知らずとも十分に楽しめるタイトルだ。もちろん知っていればより楽しめるのは間違いないが,少なくともそれを理由に手を出さないのは,少々もったいないと感じられた。
クラフトをメインに据えたタイトルを探していて,かつ環境が厳しいほど燃えるゲーマーなら,ぜひ本作をプレイしてみてはいかがだろうか。
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「Dune: Awakening」公式サイト
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- ライター:津雲回転

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