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印刷2025/03/14 07:00

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日本のGood 8 Squadが「スト6」世界最強チームに輝く。「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024」レポート

 2025年3月9日,東京・両国国技館でストリートファイターリーグの世界最強を決める大会「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024」が実施された。本稿では,大会の模様と合わせて,優勝したGood 8 Squadの囲みインタビューの内容をお届けする。

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 ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024は,日本,北米,ヨーロッパそれぞれのストリートファイターリーグ優勝チームが激突し,世界最強を決める大会イベントだ。
 はじめに,3チームが総当たりで対戦するグループリーグが実施され,その後勝ち上がった2チームによる決勝戦が行われた。出場選手は以下のとおり。

■Good 8 Squad(日本)
ガチくん選手(ラシード)
カワノ選手(豪鬼)
ぷげら選手(ジュリ)
YHC-餅選手(ダルシム)

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■FlyQuest(北米)
Punk選手(キャミィ,キンバリー)
ChrisCCH選手(テリー,エド)
Psycho選手(キンバリー)
SHINE選手(キンバリー)

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■Ninjas In Pyjamas(ヨーロッパ)
AngryBird選手(ケン,豪鬼)
Big Bird選手(ラシード)
Phenom選手(キャミィ)
Veggey選手(試合出場なし)

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グループリーグのレギュレーション。1巡目が終わった時点で獲得ポイントが上回ったチームの勝利となる
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 総当たりで実施されたグループリーグを突破したのは,日本のGood 8 Squadと北米のFlyQuest。Good 8 Squadは,FlyQuestには惜敗するものの,Ninjas In Pyjamasを無敗の3連勝で下し,1位通過となった。なお,勝敗数の関係でFlyQuestが2位抜けとなったが,終わってみれば全チームが1勝1敗で並ぶ拮抗した戦いだった。

グループリーグ最終結果
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 Good 8 Squadがホーム,FlyQuestがアウェイで始まった決勝戦は,グループリーグから変わらず,FlyQuest側が先鋒Psycho選手,中堅SHINE選手とキンバリーを並べ,大将にPunk選手を据えるというオーダーに。それに対しGood 8 Squadは,先鋒カワノ選手,中堅ガチくん選手,大将ぷげら選手というオーダーで臨んでいく。
 結果,この日初めて試合に出場したガチくん選手がSHINE選手を2-0で下すも,カワノ選手とぷげら選手は敗北し,FlyQuestが先行する結果となった。

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 2巡目でアウェイ側に回ったGood 8 Squadは,大将のPunk選手を止めるためと思われる,先鋒ガチくん選手,中堅ぷげら選手,大将カワノ選手というオーダーを提出する。対するFlyQuestは,SHINE選手とはタイプが異なるキンバリー使いのPsycho選手を先鋒で送り込む(SHINE選手は攻め特化,Psycho選手はバランス重視とのこと)。

 試合は,1戦目を手堅い地上戦と的確な小技暴れ,要所の投げ抜け狩りが光ったPsycho選手が勝利し,1巡目で作ったFlyQuestのリードをさらに広げる働きを見せる。

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 FlyQuestは続く中堅戦で,ChrisCCH選手のエドを投入する。1戦目はぷげら選手がストレートで勝利するも,2戦目以降はラウンドを重ねるごとにChrisCCH選手の置いた打撃や差し返しの成功率が上がり,逆転勝利に成功する。これでFlyQuestはPunk選手が勝てば優勝という状況を作り出した。

 あとがなくなったGood 8 Squadだが,ここでカワノ選手が圧倒的なパフォーマンスを見せる。Punk選手のキャミィが仕掛けてくるキャノンストライクを豪昇竜拳でことごとく打ち落としてペースを握ると,地上戦でも圧巻の立ち回りを見せ,3連勝のストレート勝利を決める。

 これでFlyQuestが50ポイント,Good 8 Squadが30ポイントというスコア状況になり,勝負の行方は3巡目に持ち込まれることとなった。

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 3巡目,アウェイのFlyQuestはPsycho選手,SHINE選手,Punk選手の3人全員がキンバリーというまさかのオーダーを申告する。対するGood 8 Squadは,ぷげら選手が先鋒で出場。ドライブラッシュとジャンプ攻撃が互いにとおる激しい殴り合いを制し,Psycho選手に競り勝っていく。

 中堅戦は,1巡目でSHINE選手に勝利したガチくん選手をぶつけていく。ガチくん選手は,初戦をテンポの速い攻めや投げでの位置入れ替えで手際よく画面端に追い込んで先制。2戦目はSHINE選手に逆襲されるも,3戦目に要所のイウサールからの攻めを決めて勝利していく。
 絶体絶命の状況まで追い込まれていたGood 8 Squadだが,次の大将戦で勝利したチームが優勝という状況に持ち込むことに成功する。

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 カワノ豪鬼とPunkキンバリーという組み合わせになった3巡目大将戦は,Punk選手がダブルパーフェクトで1戦目を先取するという展開でスタート。2戦目もPunk選手が大逆転を見せるなどして勝利し,優勝まであと1セット勝利という状況となった。

 しかし3戦目に入ると,戦況は一変。追い詰められたカワノ選手が要所の切り返しや画面端での連続投げをテンポよく決め,試合の流れをつかんでいく。

 勝利セット数が2-2となり,あと1セットで優勝が決まる第5試合目,Punk選手も持ち直してラウンドを取り返すが,最後は画面端に追い詰めたカワノ選手が4連続の投げという太すぎる択をとおして勝利をもぎとる。歴史に残る大逆転勝利で,Good 8 Squadに世界最強の栄光をもたらした。

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優勝したGood 8 Squadの4選手には,賞金8万ドルと,2026年に開催されるカプコンカップ12本戦への出場権を獲得した
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カプコン代表取締役社長 辻本春弘氏から,2026年開催予定のカプコンカップ12も両国国技館で開催されること,カプコンカップの出場権にプレミアポイント制を導入すること,ストリートファイター6とeスポーツワールドカップが3年間にわたって提携することなどが発表された
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 なお,本稿で紹介したストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024と,先日実施されたカプコンカップ11の決勝大会の模様は,Capcom Fighters JPチャンネル(https://www.youtube.com/@CapcomFightersJP/streams)で視聴できる。より細かい試合内容を確認したい人は,あわせてこちらもチェックしてほしい。


ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024優勝
Good 8 Squad囲みインタビュー


画像集 No.018のサムネイル画像 / 日本のGood 8 Squadが「スト6」世界最強チームに輝く。「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024」レポート

――優勝おめでとうございます。カワノ選手に伺いたいのですが,最後に試合を決めた4連続投げなど,勝負どころで大胆な選択肢をとおしていましたが,どんな心境でしたか。

カワノ選手:
 最後のシーンは,投げにいく直前にOD豪波動拳で無敵技をつぶせてたのが大きくて,投げ抜けされるまでは投げでいこうと決めていました。あの局面は,無敵技で切り返されてもローリスクな状況というのもありました。

――3巡目にFlyQuestが全員キンバリーというオーダーを提出しました。だれがどのキンバリーと戦うかはどのように決めましたか。

ガチくん選手:
 ぼくがPsycho選手に直前で負けていたので出にくかったんですが,ゆうくん(ぷげら選手)がキンバリー戦には自信があるということで先鋒は任せしました。SHINE選手には被せたときにぼくが勝っていたのでそのまま出て,Punk選手に対してはキャラがキンバリーでもキャミィでもカワノにいってもらう気でした。

――来シーズンが始まる前にカプコンカップ12とeスポーツワールドカップへの出場権を獲得できました。今後1年間の活動のスタイルが変化するいうことはあるのでしょうか。

ガチくん選手:
 リーグ戦に専念できるので,リーグ戦に勝てるように練習しつつ,並行してほかの活動もできたらと思います。とは言いつつも出場できる大会には出るのかなと。ただ今はちょっと休みたいですね(笑)。

YHC-餅選手:
 新しい大会に出られるな,やった! という感じですね(笑)。やることは変わらない,楽しくゲームして,結果として大会でいい成績を残せたらというスタンスなので。自然体でゲームをやっていく感じですね。

――YHC-餅選手は海外大会は体力的に参加しづらいという話をされていましたが,eスポーツワールドカップには参加しますか。

YHC-餅選手:
 一応参加する予定ですが,私はただのサラリーマンですからね(笑)。ただ,いい大会だとはいろいろな人から聞いているので,なんとか仕事の都合をつけつつ,がんばって参加しようと思います。

ぷげら選手:
 活動自体は変わらないですが,2つの大会の切符を持った状態で1年をスタートできる機会はなかなかないので,大会に関しても活動に関しても,今までと違う取り組みができる余地はあるなと思っています。それが何かはまだ具体的には浮かんでいないですけど。

カワノ選手:
 海外に行く機会が減るわけなので,ダイエットでもしようかなと。海外の食生活でダイエットをするのはなかなか大変なので,日本でダイエットをしてメディア受けを気にしていこうかなと思います。

ぷげら選手:
 真に受けないほうがいいですよ。

カワノ選手:
 やせようと思ったらいつでもやせられますので。

――今回は団体戦での優勝でしたが,Good 8 Squadの皆さんからみた,個人戦にはない団体戦の魅力を聞かせてください。

ガチくん選手:
 総力戦なことですね。ぼくが負けてもほかの3人が勝ってくれますし,ほかの人が負けても僕がフォローしてつなぐこともできます。個人戦では味わえない感覚で,今年は日本で12チームが戦って,その代表として今日の大会に挑めたのはすごく楽しかったです。

YHC-餅選手:
 昔にだれかが言っていたのですが,4人チームで出場すると楽しさもうれしさも4倍に,悔しさも4倍になるんですよ。なので今回こうして優勝できて4倍うれしいですね。決勝で自分の出番はありませんでしたが,ChrisCCH選手に対しては自分がいくつもりでした。彼が出てこなかったのは,ダルシムを嫌ったから……と考えると,結果としてチームの勝利に貢献できたんじゃないかなと。そういうことにしてもらえると助かります(笑)。

ぷげら選手:
 見ている人の応援や熱が,個人戦より団体戦のほうが塊になるように感じています。自分の場合,個人戦で勝ったときはただうれしいだけなんですけど,団体戦だとうれしいだけでなく,悔しい部分も出てくるのが違うところかなと。今日みたいな成績ですと,本来は7割くらい悔しい結果なんですけど,カプコンカップの出場権を取れたのがうれしすぎました。

カワノ選手:
 月並みですが,協力できるのがすごいいいことだと思っていて。今日は自分が活躍できましたが,国内のリーグ戦では,猛威をふるっていたエドを餅さんが倒してくれたり,ぷげさんがチームで勝率1位だったり,ガチくんは面倒な相手や状況でも率先して出ていってくれたりして,チームで補いながら協力できるのがいいなと。お互いを補完できるチームが勝っていくんだと思いました。

――今回は日本での開催でしたが,自国開催のメリットは感じましたか。

ガチくん選手:
 会場の声援がすごかったですよね。声援のおかげで窮地に陥っても流れを掴んでいけたと思っています。あとは直前までいい練習ができたのもホームアドバンテージですね。海外でも練習はできますが,キンバリーに的を絞って対戦するみたいなことは難しいので。日本で強いキンバリー使いと直前まで対戦できたのはアドバンテージでした。

YHC-餅選手:
 やっぱり声援ですね。これだけ大勢の人が集まって応援してくれるというのは力になりました。あとは会場が近いのもアドバンテージですね。島根からでも飛行機ならすぐですし,海外に行くとなると自分は疲れてコンディションが悪くなってしまいそうなので。

ぷげら選手:
 雰囲気が違いますよね。今回は声援に助けられたところもあり,日本開催にあやかれた部分が大きかったです。ギリギリまで自分の家で寝起きできますし,食事もいつもと変わらないのもよかったです。

カワノ選手:
 声援に関しては対戦相手がちょっと気の毒になるくらい影響は大きかったと思います。自分は対戦するときに相手が緊張しているかどうかなど,プレイ以外の部分もチェックしつつ攻めと守りの選択肢を決めるのですが,今回は声援の影響も考えて選択肢を選んでいきました。すごくありがたかったです。

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