インタビュー
[インタビュー]舞台「9 R.I.P.」聖ヤ役のやみえんさんに聞く,その魅力──「このゲームをプレイしたいと思われる演技がゴールの1つ」
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今回4Gamerは,舞台「9 R.I.P.」に聖ヤ役として出演するやみえんさんにお話をうかがう機会を得た。やみえんさんが語るゲーム版「9 R.I.P.」の魅力や,聖ヤという役にかける思いをお届けする。
舞台「9 R.I.P.」公式サイト
2種類のエンディングと,
その先へつながる物語が楽しみ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。やみえんさんは「9 R.I.P.」のゲーム版をすでにプレイされたとのことですが,実際に遊んでみて,どのような印象を持たれましたか?
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楽しく遊ばせていただきました。ボクはけっこう現代モノが好きで,オトメイトさんの作品だと「AMNESIA」が一番好きなんです。でも,「9 R.I.P.」は現代が舞台でありながら,“和”の要素も強く含まれていますよね。普段あまり触れないジャンルだったので,新鮮な気持ちでプレイしました。
あとは主人公が印象的です。しっかりと自我があるタイプの乙女ゲームの主人公,って感じで,好感が持てました。
4Gamer:
主人公は高校生で,進路を決められないという悩みを抱えていますよね。その葛藤がすごく等身大でリアルだなと感じました。
やみえんさん:
そうですね。進路の悩みって,多くの人が経験するものだからこそ共感しやすいですよね。
それに,主人公の抱える悩みが,攻略対象たちの問題ともリンクしているのがすごく印象的でした。だからこそ,お互いを理解し合い,寄り添うことができたんだと思います。しっかりと物語の軸があって,すごく良いシナリオですよね。
4Gamer:
「9 R.I.P.」でとくにお気に入りのキャラクターはいますか?
やみえんさん:
ざっくり言うと,愛情の重いキャラクターが好きなんですよね(笑)。なので,聖ヤはもちろん好きになりましたし,美住レイカもすごく好きですね。
聖ヤ役を演じるにあたって,まず異世界編をプレイしたんですが,その後にほかのルートもやってみて,香羊もかなり好きになりました。でも,攻略対象のキャラクターでいうと,一番好きなのは魅ナミかな〜。
4Gamer:
魅ナミは異世界編で,聖ヤとはある意味“相方”のようなポジションですよね。実際は敵対していますが。
やみえんさん:
そうそう。だからこそ,「聖ヤ役のお前が魅ナミ好きなのかよ!」ってツッコまれそうですけど(笑)。少女漫画だと俺様キャラに惹かれがちなので,そういう意味でも魅ナミは好みですね。あと,主人公との掛け合いがすごく良かった。魅ナミルートの主人公はわりと強気で,たまに魅ナミが押されちゃうんですよ。そのギャップも可愛くて好きでした。
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4Gamer:
ルートや選んだ世界線によって,シナリオの雰囲気がかなり変わりますよね。学校の怪談編は,とくにホラー要素が強くて怖かった記憶が……。
やみえんさん:
確かに。学校の怪談編はホラー色が強いですが,妖編なんて公式でも「ラブコメ」って謳っているくらいですからね(笑)。世界線ごとに脚本のテイストがガラッと変わるのも,この作品の面白さの1つだと思います。
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4Gamer:
ホラー的な部分で言うと,やみえんさんはお好きなほうですか? 例えばホラーゲームやSCP,都市伝説など。
やみえんさん:
ボクはどちらかというとリアリストなので,占いやオカルトの類いはあまり信じていないタイプですね。昔,「あなた霊感ありますよ」って言われたこともあるんですけど,実際に幽霊を見たことはないですし。ホラーゲームは配信でたまにプレイしますけど。
それこそ,「9 R.I.P.」にはホラー系の配信者が攻略対象として登場しますよね。ホラーゲームの実況が好きな方にも,すごく刺さる作品だと思います。
4Gamer:
世界線で脚本の色も変わるし,攻略対象キャラクターの数も多いので,誰かの好みにはマッチする作品だと思います。
やみえんさん:
エンディングも,各キャラクターに“終幕.天”と“終幕.神”の2種類ずつ用意されていますしね。続編の制作も決定してますよね。
4Gamer:
はい。“終幕.天”と“終幕.神”,それぞれのエンディグ後の世界を描いた「9 R.I.P. sequel」が発売されるみたいです。
やみえんさん:
“終幕.天”は仄暗い部分もありますが,基本的には主人公が攻略対象のキャラクターとずっと一緒にいることを選んだエンディングでもありますよね。その後の物語がどう描かれるのか,すごく楽しみです。“終幕.神”の方もどんな展開になるのか,期待しています。
「このゲームをプレイしたい」
と思ってもらえたらある意味でゴール
4Gamer:
聖ヤと自身を比べてみて,共通点がある,または正反対だなと思う部分があれば教えてください。
やみえんさん:
聖ヤの特徴としてまず挙げられるのが,恋愛体質なところだと思うんですけど。ボクは恋バナを聞くのは好きなので,その気持ちはなんとなく分かる部分もありつつ,自分とは正反対だなとも思いますね。
聖ヤって主人公に対して「あなたから私への恋情を感じます」って,すごく強気な発言をするじゃないですか。ボクは誰かが自分のことを好きだなんて,確信を持てる自信がまったくないので,すごいな〜って思います(笑)。まぁ,彼の場合はちょっと冗談めかしている部分もありますけどね。
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それに聖ヤは自分の恋愛だけじゃなくて,他人の恋愛事情にも首を突っ込むのが好きそうですよね。恋バナ大好きなギャルっぽいところがあるというか……(笑)。“神聖なギャル” って言ったらいいのかな(笑)。
4Gamer:
“惚れた弱み”って言葉があるくらいなのに,聖ヤはずっと“強い”ですよね。
やみえんさん:
そう。「好きですけど,何か?」って感じがする。
4Gamer:
では,聖ヤと共通する部分はありますか。
やみえんさん:
聖ヤって,敬語で淡々と物事を説明するキャラクターじゃないですか。実はボクも,舞台でこういう“説明キャラ”を演じさせてもらうことが多いので,そこは共通点かもしれないですね。
とはいえ,こういう役って意外と難しくて。ただ説明するだけだと,お客さんの耳を素通りしてしまうんですよ。どうやったら魅力的に,分かりやすく伝えられるか……セリフを言うって,やっぱり奥が深いなと感じます。
4Gamer:
聖ヤを演じるときに注力したいポイントはありますか。
やみえんさん:
聖ヤにも後悔している過去があるわけですが,その内面をしっかり読み解いて演じないといけないなと思っています。今回は攻略対象のキャラクターが8人,そして主人公を含めると9役もメインどころがあって,誰か一人にスポットライトが当たり続けるわけではないんですよね。
だからこそ,短い時間の中で「この人にはこういう過去があって,こういう思いで,こういう言葉を紡いでいる」というのを,お客さんにしっかり伝えなきゃいけないなと。
見た人が「あ,聖ヤさんだ!」って感じるようにするのはもちろん,「そうだよね,聖ヤさんならこういう表情をするよね,こういう言い方をするよね」と納得してもらえる演技をしたいです。
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4Gamer:
メインどころが9役,ということは,誰かの個別ルートを軸にしたシナリオではない,ということでしょうか。
やみえんさん:
あんまり詳しいことはボクの口から言えないんですけど……そうですね,誰か1人のルートを取り上げるわけではないです。ただ,美住レイカもいるので,そのあたりから話の流れをなんとなーく予想していただければと思います。
4Gamer:
最後に,公演に向けての意気込みと,ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
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先ほどもちょっと触れたんですが,「9 R.I.P.」を知っている方には,ちゃんとこのキャラクターだと分かるような演技をしたいです。
「9 R.I.P.」はプレイしたことあるけど,全部のルートを見たわけじゃないとか,プレイしたことがない人もお客さんにいるかもしれません。そういう方々がこの舞台を見て,ゲームをプレイしてみたいな,このキャラクター攻略してみたいな,と思ってもらえたら,演じる側としては1つの目指すべきゴールなのかなとも思います。
原作とはまた違った世界線だけど,「9 R.I.P.」だと確かに感じていただけるような舞台にしたいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
――2025年2月11日収録
舞台「9 R.I.P.」
◆開催期間
2025年3月12日(水)〜 16日(日)
◆開催場所
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
◆出演者(敬称略)
紅華 役:潮見洸太
響 役:阿部快征
香羊 役:内藤光佑
星絆 役:田中稔彦
魅ナミ 役:DION
聖ヤ 役:やみえん
幸麿 役:鈴木祐大
狐春 役:反橋宗一郎
逸色珠沙 役:河瀬詩
飛騨咲耶果 役:森保まどか
優衣 役:相川奈央
美住レイカ 役:藍染カレン
浦田龍斗/海田波知/加藤 悠
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