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[TGS2022]360度に可能な回転移動で最高の機動制御を体験できるロボットアクション「Vulture -Unlimited Frontier- /0」が楽しすぎる
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印刷2022/09/17 14:16

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[TGS2022]360度に可能な回転移動で最高の機動制御を体験できるロボットアクション「Vulture -Unlimited Frontier- /0」が楽しすぎる

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 東京ゲームショウ2022のインディーゲームコーナーに,ロボットゲームファン必見のタイトル「Vulture -Unlimited Frontier- /0」がプレイアブル出展されている。

 サークル「濡れ路」が2017年から開発を続けている本作は,「Vertical Uncommand Launcher Tactical Universal Running Engine」,すなわち「三次元(無人)砲塔・戦術国際規格走行発動機」,通称V.U.L.T.U.R.Eと呼ばれる人型兵器を操作して,ステージをクリアしていくロボットアクションゲームだ。
 頭文字を取って通称が決まるのはこの手のメカのお約束というか,「ああ〜開発者がロボット好きなんだな〜」といったところ。そもそも濡れ路の代表者名はロボ好き氏なので,名前からすべてが伝わる感じである。

濡れ路代表のロボ好き氏(右)と,ディレクターのむつのはな氏(左)
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 今回出展されたバージョンでは,いくつか用意された機体から1機を選び,自由に動かしてすぐに戦闘が楽しめるようになっている。機体は旧米帝国製の「Total Breaker」,極東で使用された「92式 白狼」など,開発勢力の地域性を反映した設定となっており,イメージとしては「マブラヴ」の戦術機が近いだろうか。

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 操作用のゲームパッドは,Xbox One コントローラーを推奨しており,左スティックで機体の移動,右スティックでカメラを動かせる。そして,[RT]トリガーで両手に持った武器で同時攻撃を行い,[Y]ボタンで肩にマウントされた武器と交換できる。このとき,左右の武器が同時に交換されるので,武器セットを切り替えるような形だ。
 このほかにも,[LT]トリガーで高速移動を行うブースト,[LB]ボタンで短距離を素早く動く回避,[RB]ボタンでジャンプを繰り出せる。さらに,[X]ボタンでブースターをチャージしてから[LT]トリガーを引くと,小回りの利かない長距離航行用の超高速移動も行える。この手のゲームに慣れた人には,オーバードブーストと言うのが一番分かりやすいだろう。

会場では操作がしやすいように[RT]トリガーだけで攻撃ができるようになっていたが,左右の武器を撃ち分ける設定も存在するらしい
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 ブーストや回避,長距離航行のリソースは別のゲージで管理されており,状況によって使い分けることになる。攻撃に使うボタンは[RT]トリガーのみとシンプルなので,機体の移動に集中しながら弾をばら撒ける,分かりやすい操作系だ。
 機体はズシンと重量感があり,ブースターを使わなければスキが大きく,極端な動きになる。V.U.L.T.U.R.Eは重厚な人型兵器なのである。

ブーストを吹かせてカタパルトを飛び出す出撃シークエンス。分かる分かる,絶対ほしい
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 はい,ウソです。
 上記の操作説明はただの建前,いわば一般兵向けの操作マニュアルである。我々ロボゲーファンが,シンプル操作の一般兵扱いで満足するわけがない。そんなものは訓練兵時代に卒業だ。
 だいたい,作っているほうも自分でロボ好きを名乗っているのだから,それで終わるわけがない。


 本作で本当に楽しいのは,自由すぎる機動戦闘だ。空中で[LT]トリガーと[LB]ボタンをほぼ同時に押すことで,説明にまったく載っていないバレルロールが発生し,「マクロス」シリーズのバルキリーのように,機体をグルンと回転させながら高速移動できる。非常にスキが小さく,さらにバレルロール中はカメラの動きが格段に良くなり,旋回速度も一気に向上するので非常に強力だ。

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 そして何より,本作のバレルロールは360度に可能である。前後左右,上下に斜め,やりたい放題にギュンギュン飛び回る。バレルロールを連発したり,タイミングよく追加操作を入力することで距離を稼いだり,あえて左スティックを入れずに発生させることで,きりもみ回転で急上昇したり,地上スレスレで回転して着地のスキを消したりと,小技も満載だ。空中で発生するという条件な以上,ジャンプもうまく使う必要があり,操作はとても忙しい。やればやるほど機動制御がうまくなっていく。
 イメージとしては,マブラヴの白銀機である。一般兵の皆さま方がマニュアル通りのとろくさい動きをしている中で,自分だけ回転を混ぜた空中機動で自在に飛び回る。人型兵器だからと,人らしい動きをしないといけないなんて決まりはない。そんな操縦体験を存分に味わえるのが,本作最大の魅力と言っても過言ではない。

 もちろん,こうした“カッコイイ動き”はブーストと回避のゲージを大量に消費するので,リソース管理はよりシビアになる。ゲージ回復のために地上に降りる必要があるので,うまい人なら地上と空中を行き来してスキなく戦うのだろう。
 無限に高機動で動けるのではなく,操縦者の練度で動きが格段に良くなるのがたまらない。

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 インタフェースなどさまざまな演出もめちゃくちゃ“分かって”いる。敵をロックオンするための照準は,敵を捉えるように画面の真ん中でグリグリ動く。ブーストのゲージを使い切るとシステムダウンを起こし,画面に赤いエラーが発生する。機体の部位ごとにダメージ判定があり,腰部のブースターに被弾すれば機体状態を表す表示がそこだけ赤くなる。部位破壊も実装されており,腕がなくなるなど左右のバランスが著しく崩れれば機体が傾く。通常時は機体に寄ったカメラだが,高機動時は引きになってブーストを吹かせて動き回る挙動を見せる。ロボゲーファンの夢が詰まりすぎだ。


 会場では,一般兵操作を教わった後で,小型の敵を倒しながらマップ上に散らばったコンテナを集めるモードが体験できる。いきなりバレルロールを来場者にやらせるのは難しいという理由だと思うが,今回は「普通に動かせてるっぽいので」ということで,V.U.L.T.U.R.E相手の戦闘や,クリーチャーの大群相手の集団戦も遊ばせてもらった。
 V.U.L.T.U.R.E戦は1VS1だったので,バレルロールで飛び回りながら楽しく倒せたのだが,問題は集団戦だ。ステージが始まって敵の方向に向かっていったら,体感「いっぱい」としか言いようがない敵に襲われた。敵のバリエーションはいくつかあったようなのだが,それを確認する余裕すらない。前方に分厚い装甲を持ち,突進してくる敵の群れに引き殺されたからだ。マブラヴの例えが多くて申し訳ないが,突撃級にぶっ潰される一般兵状態である。

腰部のブースター2機と右腕を失った状態。画面右下のレーダーを見てほしいのだが,赤い矢印は全部敵だ。絶望しかない
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 ここまで書いて,ロボゲーファンが触らない理由はあるだろうか。いや,ない。「会場に足を運んだなら,必ずやれ」以外のコメントがない。ロボットアクションに求めていたもの,ロボへの愛が詰まりすぎている。もし筆者に取材がなく,ほかのお客さんもいないなら1日中動かしていたいぐらいには楽しい体験だったので,自分が武ちゃん並みの操縦技術を持っていると思い込んでいる人は,ぜひ遊んでほしい。

「Vulture -UF-/0」Twitterアカウント

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