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Demis Re:Born
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印刷2023/11/18 12:41

プレイレポート

[G-STAR 2023]アニメーションに本気な「Demis Re:Born」をプレイ。かわいいオーディンをはじめ,神話や歴史の英雄を独自解釈

 韓国・釜山で開催中のG-STAR 2023に,Netmarble F&Cが新作ゲーム「Demis Re:Born」(デミス・リボーン)のプレイアブルを出展している。プラットフォームはPC / スマートフォンとなる。

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 本作は,同社が展開している大型IP「グランドクロス」シリーズの新作だ。今夏にはIP初のモバイルゲームにして,巨大兵器“タイタン”が戦場に舞い降りる,ウェブトゥーン表現を押し出したMMOストラテジー「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」を配信していた。

 今回の「Demis Re:Born」は,プロジェクト名「GRAND CROSS S」として発表されたもので,ちょうど1年前に正式名称が決定した。

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[2023/08/04 12:00]
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[2022/11/29 16:09]

 本シリーズでは,韓国や日本などのクリエイターたちが新規IP創出のために協力しているという。本作にしろ,開発内にウェブトゥーンを専業とするStudio Grigoが加わるなど,体制もちょっとユニークだ。

 ゲームジャンルはIPの設定をベースとした収集型RPGとのことで,世界観はいわゆる“異世界転移もの”となる。そのうえで。

■「GRAND CROSS: AGE OF TITANS」
 現実世界の人物が,異世界に転移

■「Demis Re:Born」
 異世界の人物が,現実世界に転移

 両作で逆のアプローチを取り,世界を広げるようである。

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 「Demis Re:Born」の舞台は,次元と次元がつながる現象により,さまざまな神話・歴史・小説・オペラなどの英雄が現世に転移してくるようになった世界。

 登場人物たちはそれぞれの原典をもとに,本プロジェクトならではの解釈でデザインされている。試遊版ではピンク髪のカワイイ美少女な王「オーディン」,孤高の月の女神「セレーネ」,毒舌家メイド「オルフェン」など,計14体のキャラクターを確認できた。

 言ってしまえば,聖杯戦争的なギミックのアレと評せよう。

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 現地で触れられた「ストーリーモード」では,世界に混乱をもたらすオーパーツを回収する「コネクタ(プレイヤー)」と,彼らに呼び出された「超越者(異世界人物)」たちの衝突が描かれていた。

 本作は“アニメを見ているような物語体験”がコンセプトのようで,随所にアニメーションシーンがはさまれる。3Dカートゥーンレンダリングによるビジュアル表現も,目に見えて作りがいい。

 さらにシナリオ進行中は「(画面内のセキュリティボタンを)タップしろ」「敵の攻撃を(スライド操作で)避けろ」など,ゲーム進行においていわゆるQTEと呼ばれるシステムも採用されている。

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 プレイ中は,ワールド内でSDキャラクターを移動させ,物語や戦闘をこなしていく。ワールド上には交流できるNPCのほか,時間や天気の概念,収集要素やパズル要素といったイベントも散見された。

 要するに,シナリオやバトルを等身大の3Dキャラで,フィールド移動を二頭身のSDキャラで楽しむといった構造である。
 フィールドの有無による“(RPGなどでの)冒険感の出し方”は,スマホゲームが流行してから先,よく語られるようになった。

 その点,本作は「あるほうがおもしろい」に賭けたのだろう。

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 戦闘はオートバトルだ。戦場に配置したキャラクターが自動で行動するなか,手動でターゲティングやスキル使用を判断する。
 操作面では“スキル使用範囲と敵位置”が考慮すべき点だが,大別するとパーティ編成に重きを置いたタイプという印象だった。

 こうしたゲームに求められるとおり,必殺技スキルの使用時には高品質なアニメーション演出がカットインするため,見栄えもよし。

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 現地ではプレイアブル体験のほか,ワールドマップ内でコインを集める「G-STARイベント」,お気に入りキャラクターの来場者投票企画「PICKイベント」も行われていた。前者に関しては,ゲームの魅力部分をコンパクトに凝縮した試遊のための限定モードだという。

 Netmarbleではほかにも,SF-MMORPG「RF ONLINE NEXT」とオープンワールドRPG「七つの大罪 Origin」において,似たような“試遊版の専用モード”を搭載していた。この2作はどちらも大ボリュームなAAAタイトルであったが,同モードの体験は分かりやすく,スマートに楽しめた。
 ゲーム内容とは別次元の研鑽だろうが,タイトルやブースの出展におけるNetmarbleならではの戦略を感じる一例だった。

 このほか,ゲーム内ではロックがかかっていたものの,「チャレンジ」や「フェスティバル」(ガチャかと思われる)といった語句も見られた。さらにマルチプレイも検討中とのことで,仕組みこそ定まってないが,本作にはPvPやPvEが取り入れられる可能性もあるようだ。

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 人気が出たから結果的にIP化,ではなく。ハナからIP創出を目的としたタイトル展開は,どんな業界・事業でも語られるとおり「やってみて分かる垂直立ち上げの困難さ」に直面しがちだ。この点,本作ないし本シリーズも人気IPの道を歩めるかは読み解けないし,無念だった事例の数だけは歴史上にたんまりあるのがゲーム業界というもの。

 一方,成否の根拠を求める相手としては,最も似合わないのもまたゲーム業界。まずは相応に準備してきたのがよく分かる「Demis Re:Born」の今後に,期待と関心を寄させてもらうことにした。

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