ケモミミの少女と共同生活。ケモノ化少女育成ADV「アニマロイドガール」は，欲望と理性が試される［WePlay2025］

　2025年11月22日に中国・上海で開幕した「WePlay Expo 2025」のTIGS & BitSummitブースでは，ケモノ少女育成アドベンチャーゲーム「アニマロイドガール（獣人化少女）」の試遊版が出展されている。


　本作の世界には，第二次性徴期の少年少女に「アニマ化」と呼ばれる現象が存在する。これは約1年かけて進行し，獣の耳や尻尾が生える「ハーフアニマ」の段階を経て，最終的に全身が毛皮で覆われた完全な獣人「アニマ」に変貌していく。


　プレイヤーは研究者として，アニマ化の兆候が示された少女を研究目的で他国から引き取り，物語の舞台である九龍城砦（ガウロンセンチャイ）に移住する。
　少女はまだ14歳。異国の地で唯一の「家族」となった研究者と共に暮らしながら，自らの身体に起きる変化と向き合うことになる。


　体験版の冒頭，少女のアニマ化の姿を選択できる。これはあくまで外見の違いに留まり，ゲームの進行には影響しない。
　毎週の定期診断を終えた後，研究者が少女の様子を気にかける場面で，プレイヤーは選択肢を通して「研究結果を優先する姿勢」と「少女の心情に寄り添う態度」のどちらかを示す。こうした選択は物語の分岐要素として機能するようだ。


　少女の体に現れたアニマ化の兆候は，気になる部位をクリックすると観察できる。ハーフアニマの段階では，日に日に大きくなっているケモミミが重要な研究対象だ。
　この段階では人間の耳も健在だが，完全なアニマへと至る過程で人間の耳は消失するという。痛みこそないものの，「自分が自分でなくなるのでは」という不安を抱える少女の姿は痛々しく，それが今回の体調不良の一因にも見える。


　また，少女の頭をドラッグすると撫でることができ，年相応の可愛らしさを見せてくれた。アニマ化が進むにつれ，ケモミミや尻尾のみならず，全身のあらゆるところがケモノへと近づいていくが，まだ幼い彼女は「もしかして，は，ハゲちゃうの……！？」「全部毛むくじゃらになったら，注射，平気にならないかな」といった素朴な疑問を口にする。
　あどけない仕草に思わず頬が緩む一方で，実験体として扱われている事実を思うと胸が締め付けられる。


　研究者は少女に街を案内する。久々の屋外に弾ける笑顔を見せる少女だが，九龍城砦という街は，研究所より広いだけの「もう一つの檻」にすぎない。わずかな時間の試遊にもかかわらず，本作の濃厚なドラマ性が強烈な印象を残した。


　本作のプロデューサーを務める小田響之氏によれば，複数のストーリールートが存在し，前述したような選択肢も分岐条件の1つとなる。「欲望」に突き動かされて狂気の研究に没頭するか，新たな家族として「理性」を貫くのか。プレイヤーの姿勢が物語の進行，そして結末を大きく左右する。


　分岐要素は会話だけではなく，例えばアイテムの投与によりアニマ化を進めることも，抑えることも，はたまた人間に戻すための手術すら可能とのこと。それらの行動はすべてプレイヤーの決定に委ねられている。

　試遊版で見られる少女の特徴は「ネコ因子」が活性化した姿だが，ほかにも「ウサギ因子」と「オオカミ因子」が存在し，兎と狼の特徴を発現させられる。性格こそ変わらないものの，食事の好み，趣味，身体能力などが異なり，シナリオにも影響を与えるようだ。


　製品版は相当なボリュームを予定しており，プレイスタイルによって物語の展開が大きく変化するとのこと。少女の模範的な保護者になるもよし，好奇心を抑えられないマッドサイエンティストを貫くもよし。この1年をどう過ごすかはプレイヤー次第であり，周回するたびに別の選択を試したくなる多層的な体験が期待できそうだ。