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“狂気の山脈にて”にインスパイアされたFPS「Decadent」を紹介。NPCを雇用し拡張できる拠点システムが公開に[gamescom]
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「Decadent」公式サイト
「Decadent」は,人間が決して打ち勝てない宇宙的恐怖を描いた“コズミックホラー”というジャンルを生み出したH.P.ラヴクラフトが,1930年代に執筆した「狂気の山脈にて」にインスパイアされた一人称視点のアクションシューティングだ。
舞台となるのは1920年代の北方ロシア。第一次世界大戦に従軍したことで退廃的な神秘学に目覚めてしまった探検家のジョン・ローンを主人公に,失踪したミスカトニック大学の北極圏遠征隊の消息を辿る旅が描かれる。
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gamescom 2024でも取材した本作ではあるが,そのゲームシステムはこの1年で大きく進化を遂たようだ。
今回の試遊では,どこか「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズを連想させるようなハブを拠点に,さまざまなロケーションをアンロックしながら広大な周辺地域に進んでいくスタイルになっており,1年前のように,ただ線型に進んで行くだけではなくなっていたのだ。ハブでは装備をアップグレードしたり備品を補充したりはもちろんのこと,武器庫を拡張したりも可能だという。
何よりも大きな変化は,さまざまな専門分野を持つNPCを雇用して,彼らをミッションに同行させたり,NPCだけをいずれかのサブミッション(恐らく資源採取や調査など,本筋とは関係ないもの)に送り出せるようになったことだ。これがどれほどの意味を持つのかは分からないが,ゲーム進行の助けになってくれるのは間違いなさそうだった。
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もちろん,クトゥルー系のタイトルではお馴染みのSAN値(正気度)も用意されている。
ジョンとそのミッションに参加した仲間たちは,その遂行中にパニックを起こし,現実と狂気の狭間で恐怖体験をしたり,同士討ちをしたりしてしまうこともある。
ジョンは過去のオカルト実験の失敗で,左手の甲に不気味なギョロ目に寄生されてしまっているのだが,このギョロ目は超自然現象を察知する力を持ち,また時空を超越した場所へとジョンを誘う存在でもある。“古のもの”の痕跡が残されたその場所で,彼はまたさまざまな異変に立ち向かっていくことになる。
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ただ,2024年の発表時には2025年内のリリースが予告されていたが,デモを見る限りではまだまだ時間がかかりそうではあった。敵クリーチャーの種類やパターンが少なく,確認できたフィールドも海岸沿いとハブの周辺の森くらい。ストーリー仕立てのミッションや,異なるバイオームを見ることも叶わなかった。
ただ手の甲の目がギョロギョロと動き回る描写や,ピストルやライフルといった銃器全般,そして神秘的な能力が備わった武器などは,非常に細かいところまで表現されていて,グラフィックスの面での見栄えはかなりのものと感じられた。
デベロッパであるIncantation Gamesは,2021年に創設されたばかりの新しいスタジオとのことだが,その技術力には信頼が置けそうである。
公開済のストアページでは,現在のところ日本語への対応が謳われていないのが残念だが,国内にもファンの多いクトゥルー神話をベースにしたFPSタイトルとして,続報に期待しておきたい。
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- ライター:奥谷海人
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(C)2024 Fulqrum Publishing Ltd. Developed by Incantation Games. All rights reserved.
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