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Sid Meier's Civilization VII公式サイトへ
  • 2K
  • Firaxis Games
  • 発売日:2025/02/11
  • 価格:通常版:8800円(税込)
    デラックスエディション:1万2650円(税込)
    創始者エディション:1万6500円(税込)
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「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」でシリーズが大きく変わる! 蛮族や労働者が登場せず,海洋につながる行動が可能な河川を追加
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印刷2024/08/22 17:00

プレイレポート

「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」でシリーズが大きく変わる! 蛮族や労働者が登場せず,海洋につながる行動が可能な河川を追加

 2K Gamesは,“シヴィライゼーション”シリーズ最新作となる「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)のプレスイベントを開催し,2025年2月11日にリリースする予定であることを正式にアナウンスした。今回4GamerはFiraxis Games本社で公開されたイベントに参加し,開発者へ取材を行うとともにプレイアブルデモをチェックしてきたので,現在わかる限りのことをご紹介しておこう。

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 「シヴィライゼーション」は,ストラテジーゲームの中でも戦略性の高い“4Xゲーム”(4Xは,eXplore<探索>,eXpand<拡張>,eXploit<開発>,eXterminate <根絶>という基本的ゲームプレイ要素の略)の代名詞的な作品であり,完成度の高さと応用性の高さで知られるシリーズだ。プレイヤーは,著名な歴史人物たちが率いる国家を選び,紀元前4000年から近未来まで文明を進化させ,世界制覇を目指してプレイしていく。その中毒性の高さは古くから知られ,「あと1ターン,……もう1ターンだけ……」と夜な夜なプレイを続けて,気付けば窓の外が白んでいることは,“Civファン”なら誰でも体験したことがあるだろう。

 ゲームのタイトルにもなっている,ベテランクリエイターのシド・マイヤー(Sid Meyer)については,本誌では2年半ほど前にオンラインインタビュー(関連記事)を行っている。彼の40年を超える活動についてはそちらを読んでいただきたい。
 さて,そんなシド・マイヤー氏が1991年にリリースしたのが1作目の「Sid Meyer’s Civilization」だ。その後,シリーズは5〜6年に1作のペースで新しいゲームプレイやグラフィックスを取り入れながら進化を続けてきたが,多くのストラテジーゲーマーが今もプレイしている現行の「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」からはすでに8年も経過している。
 そのことから,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」のリリースを望む声は,ゲーマーコミュニティから強く出ていた。マイヤー氏が,コロナ禍でのインタビューで「“何か”を近々発表する」と本誌に語っていたのも,そうしたファンのモヤモヤを抑える目的があったのかも知れない。




3つの時代に分けられたキャンペーンシステム


 文明建設型のストラテジーゲームの新作開発では,「古代から近未来まで歴史上の文明を育て上げていく」というコンセプトが固定されているために,そこに手を加えるのが非常に難しい。特に,「シヴィライゼーション」のような1作目から一応の完成形ができていたシリーズについては,新作が出るたびに「前のほうが良かった」というような評価を受けることもある。
 「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」(以下,Civ7)のリードデザイナーであるエド・ビーチ(Ed Beach)は,Firaxis Games本社で行われたプレゼンテーションにおいて,「我々がゲーム開発の基礎としているのは,3分の1はオリジナルのゲーム要素をそのまま残すこと,3分の1は前作で評判の良かったシステムをさらに改良すること,そしてもう3分の1は新しい要素を取り入れて新鮮味を出すこと」と語っている。その上で,「Civ7」の新しい要素の1つである,「キャンペーンシステム」を発表した。

今回公開されたスクリーンショットの中では,唯一ユーザーインタフェースが紹介されているエジプト文明のもの。首都ワセトは,食料(+5),生産(+6),ゴールド(+5),科学(+0),文化(+0),そして幸福度(+5)のそれぞれのポイントを生産。首都は3つ離れたタイルまで拡張された巨大なものになる
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 このキャンペーンとは,ゲームを階層化して時代の流れに区切りを付けていくというもので,「Civ7」では時代が「古代」(Antiquity Age),「探検時代」(Age of Exploration),そして「現代」(Age of Modern Times)の3つに大別される。
 今回のプレイアブルデモは,その古代のスタートから一部をプレイしたに過ぎないが,ビーチ氏によると,それぞれのゲームプレイが大きく変化するだけでなく,テックツリーや社会制度も時代に合わせてそれぞれに細分化されるという。プレイヤーは,その時代で「レガシーパス」(Legacy Path)のポイントを貯め,マップに建設した勢力周辺にある地勢や資源を考慮しながら自分の描く文明の行く先を決め,次の時代に移行していくことになる。

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 この「伝統の行く先」を決定付けるために,プレイヤーはゲームのかなり序盤で助言者という指南役として,軍事(Military),科学(Science),文化(Culture),そして経済(Economy)の4人から1人を選ぶ。彼らの助言に合わせてプレイすることでマイルストーンを達成していくとポイントが加算され,それが最終的な勝利条件となる。
 「アルファケンタウリ」や「レボリューション」などのスピンオフでフィーチャーされ,多くのファンに熱望されながらも本編にはなかった「経済勝利」が,「Civ7」には加えられているのも特筆できることだろう。

今回は最初にプレゼンテーションが行われ,そこから3時間のデモプレイという流れだった
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 今回は,古代の冒頭から3時間をプレイしたに過ぎず,プレゼンテーションでも具体的に時代がどのように移行していくのかは言及されなかったものの,フィッツジェラルド氏(ゲームに登場する偉人,助言者)は「プレイヤーもしくはAIが伝統の行く先を進行させていくことで,左上にあるメーターが溜まり,それが100%になると“文明の危機”が訪れる」と解説する。その危機を乗り越えていく上で,プレイヤーは次の時代に移行する重要な決断を行うことになるという。
 この危機とは前作に登場した“暗黒時代”のようなものかも知れないし,プレイヤーの決断によって発生する市民の反乱や敵勢力の団結による軍事攻撃などということかも知れないが,こうした大きなフィーチャーについては後々説明されていくことだろう。


「文明」と「指導者」の関係にも変化が


 このキャンペーンシステムについて解説する上で,ビーチ氏は「前作では,アキテーヌ女公アリエノールがフランスとイギリスのどちらの勢力でもプレイでき,アビリティは同じですが文明によってプレイフィールを変化させることに成功しました。我々はこのアイデアをさらに一歩推し進めています」と話していた。
 上述しているように,今回は第1キャンペーンである古代しかプレイできなかったので具体的なゲームシステムは推測しかできないが,キャンペーンを通してのプレイヤーの文明と,指導者の役割がより明確になると思われる。

Civ7における外交交渉は,このような画面に進化する。今回のデモセッションで公開された4人の指導者の他に,アメリカのベンジャミン・フランクリン,そして中国の孔子がフィーチャーされるようだ
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 この例として挙げられたのが,今回のデモでプレイアブルだったエジプト第18王朝のファラオである「ハトシェプスト」だ。ハトシェプストはエジプトだけでなく,古代にはその南部で紅海の商業を牛耳ったというアクスム王国の指導者としてもプレイできるようになっていたが,ビーチ氏は「もし望むのであれば,ハトシェプストをまったく違う文明でもプレイできる」と話し,ゲームのメニューではより史実に近い文明と指導者のコンビネーションを奨励しつつも,プレイヤーは比較的自由に文明と指導者を選択できることを示唆していた。

 文明移行の際,プレイヤーはより史実に沿ったものにするか,これまでプレイヤーが行ってきた行動に基づいた文明に進化していくかを選択できるという。「まったく異なる方向性ではありますが,至極正当な理由でキャンペーンの進行が行われます」とビーチ氏は語るが,このあたりが実際にどうなっているのか筆者はよく理解できなかった。
 例えば,ハトシェプストでエジプト文明をプレイしていたプレイヤーの領域には馬資源が豊富にあったとき,馬のユニットを増産して周辺国に侵略を行うことで,拡張主義の「モンゴル文明」の要素がアンロックされるという。
 実際に,次の時代ではエジプト文明からモンゴル文明に乗り換えてしまえるのかは不明だが,フィッツジェラルド氏は「北アフリカのデフォルトとして,現代の時代にはブガンダ王国がアンロックされて,それでプレイするのも構わない」と説明していた。

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 今回のプレゼンテーションの内容は意図的にボヤかされていたこともあり,あくまで筆者の理解によるところではあるが,プレイヤーは1つのキャンペーンを終了するごとに,指導者はそのままにスタート時点の文明をキープするか,もしくは新しい文明の属性もしくは文明そのものを受け入れるかを選択できるようだ。
 おそらく文明の属性や地域などで限定されていると思われるが,例えば古代をローマ文明でプレイし,やがて中世にはイギリス文明に移行して新大陸で勢力を拡大した上で,現代はアメリカ文明をアンロックするというような流れでプレイできるのかも知れない。
 この前時代の上に新しい文明を築き上げていくという階層的な文明表現は,これまでのシリーズになかった新しい着眼点だが,一方で「ローマに固定して最後までプレイしたい」というようなゲーマーも多いはずで,このあたりで柔軟性を持たせていることは想像できる。


行動可能な河川が登場


 今回のプレイアブルデモでプレイできたのは,4つの文明と4人の指導者だ。筆者は,ハトシェプストエジプト文明のコンビネーションでプレイしたが,ハトシェプストの名前の下には「文化/経済」という表記があり,彼女が持つ2つの特性を示しているようだ。貿易によって資源を獲得すると文化ポイントが(+1)となり,行動可能な川(Navigable Rivers)に町や遺産を建設する際には(+15%)の建設ボーナスが加わる。
 “行動可能な川”という表記からもわかるが,本作では六角マスの中央に河川が表示され,太くて船が航行できる河川と,従来のように湿潤な土地をもたらし,国境的な要素が強い細い上流部分の2種類がある。
 太い河川は交易に使えるだけでなく,海洋への進出も可能である。つまりは内陸部にある国家でも探検時代には太い川を伝って新大陸へと進出することもできる。ナイルを自在に操ったファラオだけでなく,これまでマップ生成後に内陸国家でげんなりしてしまっていたプレイヤーでも,河川を使って海洋進出することで挽回できるという新仕様だ。

マヤ文明の都市。大きな河川に注目だ
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 また,エジプトおよびアクスムの文明特性も「文化/経済」であり,ハトシェプストでプレイした場合は文化か経済の2択でしっかりプレイできそうだ。エジプトの場合は“行動可能な川”のあるタイルにおいては生産(+1)なので,筆者なら首都の立地が太い川になるまで何度も何度もリロードしてしまうかもしれない。
 ちなみに,アクスムは資源1つにつきゴールド(+2)で,古代のユニークユニットには軍事と貿易のものが1つずつあるので,海に面した国家作りが良さそうだ。

 なお,今回選択できたほかのプレイアブル指導者は,ローマ帝国初代皇帝「アウグストゥス」(文化/拡張),マウリヤ朝全盛期の王「アショーカ」(外交/拡張),中世ナイジェリアのイスラム国家・ザザウ王国の王女「アミナ」(経済/軍事)。また,プレイアブル文明は前述したエジプトとアクスムに加えて,ローマ(経済/軍事)とマウリヤ(軍事/科学)となっていた。
 このように,文明と指導者はそれぞれ2つの特性を持っており,ハトシェプストとエジプト/アクスムのように,同じ特性が重なっているほうがプレイしやすいことを表していると思われる。それぞれの特徴やユニークユニットについては,今後もバランス調整が行われそうなので,プレイアブルデモで見た詳細をすべて書き出すのは控えておく。


蛮族や労働者もいない,かなりスムーズなゲーム体験


 「Civ7」の今回のプレイアブルデモについては,「小サイズ」のマップと「標準」のゲームスピードが奨励されていたのでそのままプレイした。また,難度はイージーモードから,「Scribe」→「Governor」→「Viceroy」→「Sovereign」→「Immortal」→「Deity」となっており,今回は初めてということもありGovernorでプレイした。

 エジプト文明で最初に設立した町,首都の名称は「ワセト」(Waset)。歴史的には後に「テーベ」(Thebes)と呼ばれることになるが,これまでのほとんどのシリーズでは古代エジプトでプレイした場合も「テーベ」のほうだったので,より史実に即した表記に変更されているのは歴史好きにはありがたい。いつも「京都」で始まっていた日本文明にも変更が加えられている可能性は大いにあり,毎回プレイするごとに“ヤマタイ”や“アスカ”に書き換えていた筆者にとっても期待できるところである。
 以下,今回のデモセッションの体験で感じたことを,箇条書き風にして紹介しておきたい。ゲームのスピード感の参考にもなるのではないだろうか。

こちらはローマ文明。ミニチュア感のあるグラフィックス
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○蛮族がいない。労働者を生産することもない。斥候ユニットが見つけるべき遺跡も存在していないようだ。首都周辺のタイルは,人口が増えるごとに1つ開拓することができる様子。また,前作では開拓ができなかった「3つ離れたタイル」も開拓することができ,多くの資源に手が届きやすい印象だ。

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○2ターン目でデフォルトと思われる最初の技術「農業」がアンロックされる。穀物庫の施設が建設可能となり,農地では食料が(+1)される。時代はBC4000年からBC3975年に減っただけで,少なくとも古代のターンの時間的な流れはかなり遅くなりそう。

○3ターン目で最初のユニット「斥候」を開発。初期ユニットの生産は前作よりも圧倒的に速く,2ターンほどで1ユニットが生産できる。斥候は動き回るだけでなく,物見台(Lookout)を建設することによってそのターンは移動できなくなるが,周囲のタイルを1タイル分多くクリアできるなど,幾つかのユニットには何らかの能力が存在する模様。

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○都市国家の概念も変更が加わり,プレイ開始から4ターン目で最も近い独立勢力(Independent Power)の「メギド」(Meggido)に遭遇。出会った途端に「Hostile」と表示されており,都市国家と蛮族の概念が独立勢力へと合併されたものと思われる。

○5ターン目で斥候ユニット「洞窟」に到着。遺跡が進化したもので,「盗賊を追いかけて盗まれた宝を奪い返した」というようなメッセージが表示された。この時,その宝をどう扱うかで,ゴールドや幸福度など異なるポイントを選択できる。

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○9ターン目でアドバイザーの選択画面がポップアップし,「経済レガシー」(Economic Legacy)という伝統の道筋を選ぶ。目標としてアドバイザーに指示されたのは,テクノロジーツリーで「法典」(Code of Law)を発見して商人(Merchant)を生産できるようにし,交易路を開拓することだ。

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○10ターン目で,初めての社会制度を獲得。生産と科学に(+1)を与える「道具作り」(Toolmaking)か,文化ポイント(+2)の「カリスマ的指導者」(Charismatic Leader)のいずれかを選択するが,ゲームが進むうちにスロットは増えていく。初期の政府は,前作と同じ「共和政」「寡頭制」「独裁政治」の3種類だ。

○17ターン目で,メギドの周辺を探索していた筆者の斥候ユニットをキルされて戦争勃発。「Civ7」では,斥候は相手を攻撃することはできない。

○18ターン目でローマのアウグストゥスと出会う。「Civ7」での外交交渉場面は,画面左にプレイヤーの指導者が,画面右に相手指導者が立って身振り手振りで話し合いを進めるという,シリーズらしい大げさな素振りながらも,どこかJRPG的な雰囲気も持ち合わせている。膝から上の姿が描かれた3Dモデルで,本作ではシリーズで初めてモーションキャプチャによるアニメーションを採用しているという。

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○23ターン目で,マウリヤのアショーカが船でやってくる。また,「幸福値」(Happiness)が溜まったことで「独裁者様を敬愛する祝日」(We Love the Tyrant Day)が発動されて,10ターンに及び科学ポイント(+20)もしくはユニット生産(+30%)が選択できる。「Civ7」における幸福度は2段階あり,グローバルレベルで幸福値を貯めると祝日が発動され,都市レベルでは幸福値が低いとメンテナンスコストへの影響や暴動の発生につながる。戦争が長引けば幸福値は減少する。

○24ターン目では,「ストーリーの選択」(Narrative Choice)というウィンドウがポップアップする。太陽神ラーへの忠誠を誓うというようなエジプト文明専用のストーリーモードが発生し,今回は「セケル神の信仰領域をマッピングする」か「アぺプ神の彫像を破壊する」という2つの選択から1つを選ばなければならなかった。このチョイスが,後のキャンペーンにどのように影響を及ぼすのかは,今回のデモセッションでは不明だった。

○28ターン目でローマが宣戦布告してくる。さらに35ターン目でマウリヤも宣戦布告。どうやら,筆者の軍事ユニットが他と比べてかなり少なかったようだ。エジプト文明の古代におけるユニークユニットは歩兵「メジャイ」で,メンテナンス費は無料だ。しかも自国領内であれば強度が(+3)となり,少なくても古代エジプト文明の防衛戦においては強力な存在となりそう。

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○「Civ7」における戦闘システムは,「Continuous Combat」という新しいものが採用されている。例えば,筆者のメジャイが1ターンで30%のダメージを受ける場合は,4ターン目まで自動的に相手のユニットと戦い続けることができるということだ。戦闘中でも攻撃を休止してヘルスを回復することもできるので急な戦闘にも持久戦で対応できそうで,周囲から援護のユニットを送り込めるかを頭の中で計算しながらプレイしやすくなっている。

一度戦闘を始めると決着するか,プレイヤーが介在するまでずっと戦い続けるという新しいコンバットシステム“Continuous Combat”になっている
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○「Civ 7」では,プレイヤーは「司令官」(Commander)ユニットを自分で生産する。幾つかのバフを与えるだけでなく,最大6ユニットまでを収納(パッキング)して移動を簡素化し,戦地にやってきたところで展開(アンパッキング)させることができる。

○36ターン目で,ワセトに“遺跡”建築物の「パンテオン」を建設。この頃になると都市や町も発展し,どこかジオラマのような立体的な街並みが,「Civ6」のようにタイルからこぼれ出すように広がっていく。

○59ターン目でローマと平和条約を締結。攻めてきた数ユニットをキルしたに過ぎないが,戦争勃発後に十分なメジャイを確保していたからか,最も近くに隣接している町1つをくれた。

 これ以降,今回のセッションでは100ターンほどまでプレイすることができたが,まだ紀元前だったことも特筆しておきたい。
 これまでのシリーズはユニット生産に時間が掛かり過ぎるなどして,生産力の低い古代においては斥候を動かしてフォッグを取り払いつつ遺跡を見つけるしかすることがなく,ターンは風のように過ぎていったという印象だったが,「Civ7」はシリーズではお馴染みだった蛮人や遺跡をなくすという大英断を行いつつも,そのあたりがしっかりとバランス調整されてスムーズにプレイできていたように思える。それぞれのターンで常時,何か新しいことが発生しており,かなり濃密な3時間になったように感じた。


開発者インタビュー 〜 歴史は階層的に作られていく


 今回のイベントでは,Firaxis Gamesで「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」の開発チームを率いる,リードデザイナーのエド・ビーチ氏と,リードプロデューサーのアンドリュー・フレデリクセン(Andrew Frederiksen)にインタビューを行ったので,その内容もお届けしよう
 正直,本作の新しいキャンペーンシステムが生み出す「時代の推移」による変化は,お話を聞いてもよくわからなかったが,今回のプレイセッションで紹介された古代だけでなく,中世以降のゲームプレイの変化については,今後の発表に期待しておきたいところだ。

リードデザイナーのエド・ビーチ氏(右)と,リードプロデューサーのアンドリュー・フレデリクセン氏。両氏ともに前作からCiv開発チームを率いる
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4Gamer:
 「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」の発売からしばらく経過していますが,なぜ今になって新作を発表したのでしょうか。

アンドリュー・フレデリクセン氏:
 これまで,およそ5年周期で新作がリリースされてきたCivシリーズですが,今回はすでに8年が経過していますからね。記憶している限りでは5年ほど前の2019年から,エドを中心とする小さなチームで新作の企画を練り始めていました。時間が掛かったのは,単に「Civ6」のライブサービスが順調で,その時期にローンチした「嵐の訪れ」が落ち着いてからの開発だったためです。当時のテクノロジーやデザインでは盛り込めなかったアイデアがいっぱいありましたね。

4Gamer:
 ビーチさんは,Civシリーズでは初めて2度にわたってリードデザイナーとして開発チームを引っ張ることになりましたね。

エド・ビーチ氏:
 よくご存じですね。そうなんです。まるで自分の過去を否定しなければならないと言うか,2人の息子を公平に愛するよう強要されているとでも言うような,どこか複雑な心境ではあります。でも,これまでのリードデザイナーが下から上がってきたように,私も「Civ5」はAIリードプログラマーであり,DLCの「Gods and Kings」で初めてリードデザイナーに昇格したのです。ですから,この十数年のCivシリーズには深く関わり,それぞれに思い入れはあるのです。

Firaxis Games本社。同社らしい,どこか飾らないオフィススペースが,バルチモア北部の“ハントバレー”の森に,埋もれるように存在する
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4Gamer:
 そうやって,徐々に進化してゲームとしてのプロダクションバリューも高まってきているとは思いますが。

ビーチ氏:
 ええ,そうですね。ですから,これまでの作品に関わってきた私たちにとっては「Civ5のほうが,あるいはCiv6のほうが面白い」なんて声を聞いても怒る気持ちになりませんが,現実的にシリーズは回を重ねるごとにプレイヤーが増えていますし,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」はさらに増えるでしょう。
 もし「Civ6」について振り返るなら,プレゼンテーションでもお話ししたようにシリーズの良さはそのままにしつつ,「6.5」くらいのものをリリースしたほうが良かったんじゃないかと思います。それが,「Civ7」の開発に活かされているのです。

フレデリクセン氏:
 「Civ7」でやろうとしていることは,プロデューサーとしても驚くべきことです。前作との違いを出すために新作を出すのではなく,シリーズをさらに良いモノにするアイデアがあると考えて新作を作っているのです。小さな面でこれまでのシリーズとは異なる解釈をしていますが,シリーズのアイデンティティに即した作品に仕上がっていると思います。

4Gamer:
 3つの時代で区分されるキャンペーンシステムが本作の大きな特徴になりそうですね。

フレデリクセン氏:
 ええ。長い悠久の歴史を感じられるような,それでいてプレイヤーが歴史を作り出しているような,そうした感情を生み出したいというのがキャンペーンシステムのアイデアです。古代でプレイヤーが文明の下地を作り,中世で自分の生きたい方向に分岐し,現代で今までの道筋の着地点を作るという,1つのキャンペーンになっているのです。

ビーチ氏:
 3つの時代でそれぞれ違いを出すというのもありますが,3つの時代を気持ちよく通してプレイできるかというのが我々にとっては重要なことでした。ゲームをプレイし始めた時から,そのエンディングまでしっかりと充実感を感じて,「さて,もう1ゲームをプレイするか」と思っていただけるのが目標です。
 つまり,どうすればゲームの中だるみを解消できるかを考え,ストーリー要素や司令官の成長,それぞれの指導者や文明の特性など,常に何か興味深いシチュエーションに遭遇できるようになっています。

4Gamer:
 今回の3時間ほどのデモセッションでは100ターンほどプレイしました。ゲームスピードはスタンダードだったと思うのですが,まだ紀元前だったのには驚きました(124ターン目でBC1140年)。キャンペーンになったことで長いゲームになっているのでしょうか。

ビーチ氏:
 「Civ7」のゲームのスピードは,前作と似た感じになっています。スタンダードなら1つのキャンペーンで12〜15時間で終わるくらいでしょうか。3つの時代の流れていくスピードを合わせているからです。テスターの中には1つの時代を3時間くらいで終わらせてしまう人もいますが,ストーリーやポップアップするものをじっくりと読む私のようなタイプであれば,10時間くらいは掛かってしまうかも知れません。

4Gamer:
 プレゼンテーションでビーチさんは,「歴史は階層的に作られていく」というモットーと共に,ロンドンを例にして古代にはローマ帝国の植民地として形成され,その上に中世期の宗教や商業施設が作られ,さらに現代の政府の建物や高層ビルが建てられていく様子を紹介されていました。「Civ7」で1つの時代が移り変わると,具体的にどのようになるのでしょうか。

ビーチ氏:
 我々はゲーム中の時代の移り変わりを「時代の推移」(Age Transition)と呼んでいますが,時代が変わったときに何が起こるかというと,例えば古代に建設していた穀物庫や図書館,鍛冶屋などの施設は,新しい時代にはそれほど効果的に食料,科学,生産ポイントを生み出しません。
 ディストリクトの中で施設の重要性は失われており,プレイヤーは機会があれば,その上に新しい,より効果的な施設を建てることになるのです。ですから,時代が変わったからと言って,前の時代の建物がすべて無効になるのではなく,新しい建物が町にできるまでは非効率にポイントを生み出していくわけですね。

4Gamer:
 軍事ユニットは?

ビーチ氏:
 軍事ユニットは少し異なり,時代の推移の後ではすべての旧式ユニットが,その時代のベースユニットであるメンアットアームズやクロスボウマンにアップグレードされるのです。時代の推移におけるアイデアの1つは,古代では地続きの大陸しか探索できず,プレイヤーの行動は限られています。
 しかし,中世になると新しい大陸を見つけて,プレイヤーの認知できる世界の領域が広がります。また,古代の次の時代になると宗教が重要性を増すなど,新しいゲームシステムが導入されます。こうした違いを,前作以上に明確にすることで,まるで時代ごとに新しいスタートを切るような感覚になると期待しています。

4Gamer:
 中世に移行していく上で,新しい大陸に船出できる準備を整える沿岸都市は必要ですか。

ビーチ氏:
 そうですね。それもシリーズの基本的なゲーム要素の1つでありますが,今回は内陸からスタートすることのハンデを軽減するために,「Civ7」ではプレイヤーが自由に首都を遷都することができます。ですから,古代には内陸で周囲に拡大しながら沿岸部にまで進出しておき,探検時代には貿易港のある場所を首都にしてそこから新大陸へ進出していくというプレイができますね。
 もちろん,「Civ7」には航行可能な川がありますので,そこから海につながっていれば沿岸部に町がある必要はありません。以前のシリーズ同様に,最初の大陸の左右の海に進出できやすい環境を整えておくというプレイも有効ですが,さらに今回は新大陸の町に遷都するということもできますよ。

4Gamer:
 プレゼンテーションで,「エジプト文明でプレイを始めて,次の時代にモンゴル文明がアンロックされることもある」ということをお話しされていましたが,もう少し詳しく解説していただけますか。

フレデリクセン氏:
 確かに,古代エジプトのハトシェプストがモンゴル文明をプレイしていくというのはよくわからない説明に思えるでしょう。しかし,「Civ7」ではプレイヤーが行った決断により,モンゴル文明のような新しい勢力がアンロックされます。

4Gamer:
 プレイヤー勢力のエジプトがモンゴルに変化するのではなく,モンゴル文化やユニットが使えるようになるということですか。

フレデリクセン氏:
 あなたの指導者が,実際に新しい時代にアンロックした文明の特性を利用できるオプションが与えられるということです。

4Gamer:
 ほほう,びっくりですね。

ビーチ氏:
 モンゴルは,史上最高の「騎馬文明」と定義でき,過去のCivシリーズでもそう表現してきました。もし,マップの自動生成でプレイヤーが首都を置いた周囲に馬資源が多くあれば,プレイヤーはその資源を上手く活用しようとするのが当然の成り行きでしょう。
 それなら,少なくても歴史上で実際に接点のあったモンゴル文明の性向を最大限に生かしたいと考えると思うのです。実際に,エジプトがモンゴルになってしまうということではなく,文化的な特性が「モンゴル的な特性を得る」ということで,時代ごとに別の文明をプレイすることになるのではありません。古代に築いていた文明の上に,どのような中世文明が,そして現代文明が作り上げられていくのかという命題を,このシステムで解決しようとしているのです。

4Gamer:
 日本の文明について現時点で何かお話しできますか。

ビーチ氏:
 文明を構築しながら世界制覇を目指すというゲームである以上,全ての世界の文明をゲームで表現することを目標としていますし,日本の文明や指導者について,我々が「Civ7」で何をできるかはずっと考えています。バランス調整も時間が掛かるので全てをフィーチャーするのは難しいですが,今までもDLCなどで対応してきましたしね。
 1つお話しできることがあるとすれば,日本はこれまでのシリーズでは1つの文明として描かれてきましたが,古代の日本文明,中世の日本文明,現代の日本文明があればどうでしょう? 日本の歴史がより詳細に表現できると思いませんか?

モンゴル文明の画像。日本がモンゴル的要素を獲得できるのだとしたら,ある意味“義経伝説”的で面白いが,はてさて日本の指導者は誰が選ばれるのか?
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4Gamer:
 わかりました。では,残り半年ほどの期間での新たな発表にも期待しております。ありがとうございました。


 遂にそのベールを脱ぎ始めた「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」。これだけの大作ゲームがPS4やSwitchでもプレイできるというのは信じ難いが,2025年2月12日に各プラットフォーム向けの通常版:税込 8800円(Nintendo Switch版のみ税込 7700円),デラックスエディション:税込 1万2650円(Nintendo Switch版のみ税込 1万1500円),創始者エディション:税込 1万6500円(Nintendo Switch版のみ税込 1万5400円)が発売予定だ。PlayStationおよびXboxプラットフォームでは,ハードウェアの世代に関わらず1アカウントでプレイできるという。

プレオーダーボーナスもあるので,どうせ眠れない夜を過ごす予定なら今からポチっとしちゃっておこう
画像集 No.023のサムネイル画像 / 「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII」でシリーズが大きく変わる! 蛮族や労働者が登場せず,海洋につながる行動が可能な河川を追加

 デラックス版には,正式発売より5日早くプレイできる権利とともに,ネイティブアメリカ部族のショーニー族酋長テカムセでプレイできると思われる「Tecumseh and Shawnee Pack」,そして「Crossroads of the World Collection」(ローンチ後のDLC)と「Deluxe Content Pack」が付属している。
 ファウンダーズ版には上記に加えて,さらに「Right to Rule Collection」と「Founders Content Pack」と名付けられたデジタルコンテンツが付属する予定だ。
 また,日本での展開は不明だがコレクターズ版も公式サイト(http://www.civilization.com)で販売が予定されており,プレオーダー特典としてスタンダード版でも「Tecumseh and Shawnee Pack」がプレイできるようになるとのこと。今後の続報にも期待しつつ,「もう1ターン,あと1ターンだけ……」と眠れない夜を過ごす予定ならば,予約しておくといいだろう。

「Sid Meier's Civilization VII」公式サイト

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