
イベント
落ちたら終わりのハードコア仕様。11月5日発売のロッククライミングADV「Cairn」の新モード“フリーソロ”に挑戦してきた[gamescom]
![]() |
「Cairn」公式サイト
フランスのThe Game Bakersが開発を手がける「Cairn」は,主人公のアーヴァを操作して,アルプス山脈の巨峰を連想させる“Mt. Kami(カミの山)” の登頂を目指すという,“アルパイン・クライミング”(競技性のないロッククライミング)をテーマにしたタイトルだ。
プレイアブルデモが公開されているので,すでに体験してみた人も多いと思うが,指先と爪先を岩のクラックにかけ,足場もない岩壁に踏ん張りを利かせながら,見上げても終わりが見えない高みへとにじり寄っていく,そのプレイフィールは独特なものがある。クライミング中はBGMも極限まで抑えられていて,風の音に包まれながら歯を食いしばる姿からは,雪山の臨場感が伝わってくるようだ。
新モード「フリーソロ」は,そんな本作の最高難度のゲームモードとのことで,デモでも選択できた「Explorer」「Alpinist」よりも遙かに難しいという。
ロープやピトン(ロープを固定させるペグ),ビレイデバイス(落下時にロープに摩擦を加えて速度を吸収するデバイス)も使えず,さらにはセーブポイントもないので,落ちたら本当に終わりである。まるでローグライク並のハードさだ。
デモの解説をしてくれたEmeric Thoa(エメリック・ソア)氏によると,バックパックもかなり小さくなっている(パッと見で4分の1ほど)そうで,何を準備して,何を現地調達するかも重要となるという。
![]() |
ほかのモードでは,5〜15分ごとに平地を見つけてキャンプを設置でき,ほかのクライマーに出会って,山に潜む謎を体験することになるのだが,フリーソロのキャンプでは食事や野草の調合,かじかんだ指先の手当をするぐらい。
ロープ回収をしてくれる相棒のクモ型ロボットも,今回プレイした限りではロッククライミング中には登場せず,途中で拾ったゴミを平地で渡すと,それらをチョークに変えてくれる機能だけが利用できるようだった。
![]() |
![]() |
より慎重なプレイとサバイバルが求められるため,最初のアタックを成功させるには15時間はかかるだろうとThoa氏は語っていた。なおセーブポイントがないとはいえ,クイックセーブがあるのでゲームの中断は可能となっている。登頂までプレイし続けなければならないわけではないので,そこは安心してほしい。
ちなみに筆者より遥かに慣れているThoa氏でも,フリーソロを成功させたことはないそうだ。ただ開発チームのメンバーには,2時間半ほどで登り切った人もいるそうなので,発売後はコアなプレイヤーたちによるスピードランが期待できそうだった。
![]() |
![]() |
同じジャンルのタイトルとしては,2023年にリリースされた「Jusant」がまず思い浮かぶが,本作はそれに輪を掛けて本格的だ。一方で,本作は純粋なシミュレータを目指しているわけではなく,現実世界では挑戦のハードルの高いクライミングの楽しさを,ゲームの中で体験してもらいたいのだと,Thoa氏は話していた。
今回のフリーソロモードは,ゲームに慣れた人でも緊張感を失うことなく,何度でもゲームをプレイできるよう用意したものとのことである。
![]() |
取材に同席していたゲームデザイナーのAudrey Leprince(オードリー・レプリンス)氏によれば,デモのダウンロード数などから「日本は私たちにとって4番目の市場」とのことで,東京ゲームショウ2025への出展も予定されている「Cairn」。残念ながら開発メンバーの派遣はないそうだが,11月5日の正式リリースに向けたラストスパースのまっ最中とのことなので,致し方ないところだろう。
東京ゲームショウ2025でフリーソロモードが体験できるかは分からないが,会場に足を運ぶ予定の人は,見かけたらぜひ挑戦してみてほしい。
![]() |
「Cairn」公式サイト
キーワード
- PC:Cairn
- PC
- アクション
- アドベンチャー
- シミュレーション
- The Game Bakers
- The Game Bakers
- PS5:Cairn
- PS5
- イベント
- プレイレポート
- ライター:奥谷海人
- gamescom 2025
- gamescom

(C)The Game Bakers 2024
(C)The Game Bakers 2024