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「Clair Obscur: Expedition 33」に登場する120体ものキャラクターはどのように作られたか。小規模チームで仕上げるために用いたUnreal Engine 5の活用法
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印刷2026/07/28 16:36

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「Clair Obscur: Expedition 33」に登場する120体ものキャラクターはどのように作られたか。小規模チームで仕上げるために用いたUnreal Engine 5の活用法

 Sandfall InteractiveとEpic Games Japanは2027年7月26日,「Clair Obscur: Expedition 33」PC / PS5 / XBOX Series X|S)のポストモーテムイベントを,神奈川・横浜市開港記念会館にて開催した。

 このイベントでは,Sandfall Interactiveのスタッフが,「Clair Obscur: Expedition 33」におけるUnreal Engine 5(UE5)を用いた同タイトルの開発プロセスや技術的なノウハウを解説するセッションを行った。

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 本稿では,Lead Character & Concept Artistのアラン・レイノー氏によるセッション「苦しみすぎずにキャラクターを作る方法」をレポートする。

アラン・レイノー氏
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 レイノー氏によると「Clair Obscur: Expedition 33」のキャラクター制作にあたり,6つの課題があったという。
 一番大きな課題は「リアル寄りのアートディレクション」だ。表現の幅が広がっている現在,リアル寄りのアートは,受け手によっては不気味の谷現象に陥るリスクがあった。
 また120種類のキャラクターそれぞれに異なる特徴を持たせることは,小規模のチームにとって大きなチャレンジだったそうだ。

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 最初のステップでは,「Character Creator 3」を用いたキャラクター制作を試みた。このソフトはカスタマイズ性が高く,多くの可能性があり,また短時間でキャラクターを作ることができた。
 しかし使い方の習得に時間がかかり,とくにテクスチャ周りの理解が難航したとのこと。さらには成果物に“次世代”感がなく,何よりUE5から独立しているため,データのやり取りに手間がかかるという欠点もあった。

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 レイノー氏らに希望をもたらしたのは,Epic GamesがUE5向けに提供する「MetaHuman」の登場だ。キャラクターチームが小規模だったことが幸いし,ツールの移行もスムーズだったそうだ。
 一方でこのツールは当初ブラウザ版しかなく,カスタマイズが限定されるというデメリットも抱えていた。

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 そこでレイノー氏らは,UE5のプラグイン「Mesh Morpher」を試すことに。このプラグインはカスタマイズ性が極めて高く,扱いやすかったが,初期にバグがあったり,スカルプトデータが精緻さに欠けているという欠点もあった。さらにはUE5がアップデートされるごとに,プラグイン側の対応を待たなければならないという状況も生じたという。

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 2022年にリリースされたMetaHumanのプラグイン「Mesh to MeatHuman」は,基本的にMesh Morpherと近く,UE5に組み込まれているため非常に使いやすかったという。ただ,やはりスカルプトデータの近似処理が多く,細かい部分の修正が難しいという欠点があった。

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 以上のようにいくつかの手法を試した結果,レイノー氏らはMesh MorpherとMetaHumanを組み合わせて使うことにした。

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 具体的には,まず「MetaHuman Creator」でキャラクターのラフモデルを作る。次に「ZBrush」でラフモデルを少しスカルプトして,大きな特徴となる部分などが分かるシルエットを作り出す。そして,そのデータをMesh to MetaHumanに取り込んで,優れた素体を作り出す。

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 そうやって作った素体から頭部のメッシュデータをエクスポートし,ZBrushでさらにスカルプトを施していく。そしてMesh Morpherでベイクしディテールをすべて反映させれば,キャラクターが完成する。

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セッション前半のまとめ。Mesh MorpherとMetaHumanを組み合わせて使う際の長所と短所が示された
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 UE5.7以降は「MetaHuman Creator」がプラグインとして内蔵され,カスタマイズ性が大きく向上した。またMesh MorpherとMetaHumanを組み合わせて使う場合に目立っていた首と身体のシーム(継ぎ目)も1クリックで修正できるようになるなど,レイノー氏らにとって大きなアドバンテージとなった。

 新しいMetaHuman Creatorを使ったキャラクター作成の手法も紹介された。まずキャラクターの大まかなシルエットとイメージを作り,それにボーンや関節,制御用コントローラーなどをすべて組み込んでフルリグ化する。

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 そのデータを「MAYA」にエクスポートする。ちなみにMAYAは,アニメーションなどに必要なメッシュのトポロジーを調整するためだけに使うとのこと。さらにトポロジーを整えたメッシュのうち,実際に使うのは頭,目,歯だけだそう。

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 そうやって調整したメッシュをZBrushに取り込んだら,本格的なスカルプトに取り掛かれるようになる。あとから戻ってくることもできるので,楽しみながら作業するといいとレイノー氏は語る。
 注意点は,トポロジーをいじるとアニメーションがおかしくなる可能性があること,そしてこの時点でサブディバイドしてメッシュをハイポリゴン化するとシームが壊れる恐れがあることだ。

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 スカルプトしたデータはUE5に取り込み,「MetaHuman キャラクター」内でリグを削除したのち各メッシュを割り当てる。さらにボディをコンフォームテンプレートとして設定するなどの過程を経ることで,データをUE5とZBrushの間でやり取りできるようになる。

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 そののちZBrushで,頭部と胴体のメッシュを結合し,サブディバイドしてハイポリゴン版のメッシュを作成,さらにローポリゴン版とハイポリゴン版の双方をエクスポートする。ハイポリゴン版を作り直すのは大変なので,この作業は最後に行うといいそうだ。

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 最後にUE5でメッシュやテクスチャをあらためて割り当て,テクスチャリングソフトで仕上げして完成となる。レイノー氏は,ぜひ紹介した一連の手順を試してほしいとまとめていた。

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