アニメ調の超大型RPGは多いが，不動産を買ったり，改造車で爆走したりのシティアドベンチャーな「Neverness to Everness」は珍しい［TGS2024］【PR】

「異常に面白い　日常に染まれ」

　上記をキャッチコピーとするHotta Studioの新作オープンワールドRPG「Neverness to Everness」（PC / iOS / Android 以下，NTE）を，2024年9月26日から9月29日まで開催されている東京ゲームショウ2024の同社ブースで試遊してきた。

　NTEの料金体系は基本プレイ無料。現在は事前登録を受付中だ。

「Neverness to Everness」公式サイト

　NTEの特徴は，オープンワールド型の大都市が主な舞台となることだ。昨今は各社肝いりのアニメ調な超大型RPGで市場がにぎわっているが，その多くはさまざまな世界を旅するというもの。

　一方でNTEは，旅の先に“多種多様な雰囲気の大都市”が待ち受ける。試みとしては，クローズドな空間を駆け回るシティアドベンチャー的な楽しみを，何度も新鮮な気持ちで味わってもらうといったところか。

　もちろん，都市は大きいので活動範囲は広大だ。試遊できた範囲でも，オープンワールドに期待されるだけのサイズ感を備えていた。
　グラフィックスの品質に関しては，疑う必要もないくらいに高い。腕の見せどころである水・光・影はリアルのひと言。アスファルトの水たまりに雨が降ったときの絵面などは，都会の空気が香るほどである。


　ゲーム内では，都市を探索して依頼をこなしてバトルする，といったオーソドックスなRPG体験ができる。加えて，不動産を購入してマイホームをデコレーションしたり，店を経営して資金を稼いだり，愛車で街中を爆走したりと，生活面のコンテンツが充実している。

　とくに車は，車体購入やカスタマイズ要素に力が注がれていた。そうしてネオン輝く都会を走って流し，ときには穏やかな海岸線を眺めながらゆっくりとドライブ。車はおそらく移動手段のみならず，ゲームコンテンツ的な絡みもあるのだろう。分かりやすいものだとレースとか？

　AAA級の類型RPGでは，ファンタジーな世界での大冒険を楽しむものが主流だ。かといって，なんでも屋として大都市を駆けずり回るタイトルも例がないわけではない。むしろ強力なライバルすら思い浮かぶ。

　しかしNTEが狙っているだろう方向は，わりと乱暴な言い方になるが，「アニメ調なグランド・セフト・オート路線」なのだろう。事実，開発陣は車やGTAが大好きだそうで，得心がいった。
　GTAとは楽しみ方もやれることも確実に違う。だがライフシム的な面を強調していることは確かで，ここに組み合わせの妙を感じる。


　所感をまとめたところで，あらためて世界設定を説明する。

　物語の舞台は，大都市「ヘテロシティ」。たくさんの人が住むこの町では，ときに常識では測れない「異象（アノマリー）」が出没する。
　アノマリーは人々と共存しており，良識のある者は街中で仕事しながら生活している。だが，なかには人々を脅かす暴れ者もいる。

　プレイヤーの肩書は，史上初の“免許証なしの異象ハンター”。あなたは骨董品屋「エイボン」の鑑定士として，異能を操る仲間たちと依頼を解決しながら，自由気ままなシティライフを堪能していく。
　用語だけ見ると頭が混雑しそうだが，要は「特殊な立場のあなたが大都市で異常を解決したり，生活感を味わったりするよ」ということである。

　世界設定はコミカルさが先立っており，演出も含めてポップな印象を与えてくる。まさに，本作のPVや登場人物から想像できる内容そのものだ。3Dキャラクターが2D化してしまうなど，画面も常ににぎにぎしい。



　TGS試遊版は「女性主人公のみ」だった。現場で関係者に聞いたところ，男性主人公については，現在開発中だそう。これからゲーム性やキャラクターなどを含めて需要をすくい上げながら，調整していくとのことなので，続報を待とう。

　公式サイトおよび試遊版で見られるメインキャラクターは，自由奔放なヘテロシティB級グルメの生きる地図こと「ミント」。エイボンの大黒柱で異能者のスター……だという「ナナリ」。ぬいぐるみのようなビッグハンマーを相棒とする「早霧（さきり）」だ。
　彼女たちは見た目の雰囲気はもとより，ちょっとした所作でもキャラクター性がうかがえ，出足からドタバタ劇を想像させてくれる。

　プレイ中に操作できるキャラクターは1人だけだが，パーティメンバーとはいつでも瞬時に交代できる。
　バトルに関しては，派手なコンボに派生する通常攻撃をはじめ，定番のスキル攻撃，さらにキャラクターチェンジによるキャンセル攻撃，ジャスト回避からのカウンターなど，スピード感のあるスタイリッシュな戦闘を楽しめる。ダメージ演出やエフェクトも実に小気味いい。

女性主人公

ミント

　移動要素もバリエーション豊かだ。走る，二段ジャンプ，壁をよじ登るなどをそろえつつ，ナナリであれば「反重力で壁を垂直に走る」，早霧であれば「ハンマーに乗りながらフィールドオブジェクトを破壊して進む」など，それぞれの異能を用いた特殊移動が可能となっている。

　さらにふわりとした小動物の「ヒュパ」を使えば，空中をグラインダー移動できる。高層ビルから飛んで浮遊し，隣のビルの屋上に飛び移るなど，目に見える範囲でやってみたい移動はだいたい実現できた。

　車については，アイテムのキーを使うことで近くまで自動で走ってきてくれる。車の種類については基本，実名車ではなく架空車でラインナップされているが，リアルの人気車のテイストも匂い立っている。

　車の挙動は少々ゲームライク気味で，リアルカーシミュレータの類いではない。そこをどう受け取るかは各自に任せるが，ゲーム的には取り扱いやすい部類だ。水平線を望める湾岸線じみた大橋を時速150キロで走れば，気分も爽快である。なお，交通事情は信号機まであるリアル寄りで，車体にはキズや汚れもガッツリつくため，買ったばかりの高級車がいきなり修理送りに……なんてことも起きることだろう。

　そのオチまで含めて，NTEという世界の一部とすら思える。

ナナリの異能・反重力

ヒュパのグラインダー移動

　さて，ここまできても「つまり，異象ってなに？」と思う人はいるだろう。そんな疑問を解決してくれるのが，ブース内イベント「リアル異象（アノマリー）発生中」だ。会場では“自動販売機とゴミ箱の異象”が駆けつけてくれて，来場者は彼らと写真や動画を撮影できる。

　この選出だけで，異象という存在の程度がどのようなものか分かるだろう。ゲーム内では実際，さまざまなアノマリーが取り憑いた骨董品がおもしろおかしいガジェットになっている。例えば，しゃべる絵画とか。

　現地ブースではリアル異象発生中をはじめ，スタンプラリーに参加することでリアルガチャを引ける。もらえるものは「ちびキャラ缶バッジ」「アクリルスタンド」「うちわ」などだ。
　ちなみに，TGSのノベルティはうちわが鉄板アイテムであったが，今年は例年よりも1週間遅れの開催とあり，とてもすごしやすい。おかげで会場では半袖シャツ，もしくは薄手の上着を羽織るくらいで十分……なので，うちわノベルティは若干分が悪かったという報告のみ。

ゴミ箱がすっごいコミュってくる。TGSでゴミ箱と握手

　NTEの公式Xでは現在，「TGS出展記念キャンペーン」を開催中だ。アカウントをフォローし，該当ポストをリポストをした人のなかから抽選で「アマゾンギフトカード＆NTEグッズ」がプレゼントされる。

　ついでに，新規トレイラーも公開されたため，あわせて視聴しておくといい。動画で見れば，NTEの世界観がより理解できるはずだ・



　関係者に聞いたところ，NTEは今後クローズドβテストなどの環境を用意し，そこで受けたフィードバックをもとに完成に近づけていくという。マルチプレイについては形を問わず，今のところは検討中だとか。今後の反響次第だが，みんなでレースとかしたら盛り上がりそうな。

　現代のAAA級の大型RPG市場は活性化している。そんななか，NTEは自分たちならではのアプローチで，界隈にさらなる風穴を開けようとしているのが分かる。本格的な動向についてはまだ先の話かもしれないが，今のうちから張っておけば，そのうちドヤ顔で語れる日がくるだろう。

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「Neverness to Everness」公式サイト