4Gamer 女子部（仮）
プレイレポート
［プレイレポ］「オランピアソワレ Catharsis」，前作「オラソワ」のその後を描く，【白】の少女と“魂の半身”の物語
オトメイトからNintendo Switch用ソフト「オランピアソワレ Catharsis」が，2025年12月18日に発売される。 |
前作「オランピアソワレ」は，生まれ持った色によって階級が定められた島「天供島」を舞台に，【白（はく）】の少女オランピアが魂の半身と出会い，差別と信仰に揺れる社会で希望を見出す物語だった。続編となる「Catharsis」では，その後の天供島を舞台に，天女島へ“白き髪を持つ男”が流れ着いたことを機に，島の均衡が揺らいでいく。
本編クリア後を想定した物語になっているが，序章で世界観やこれまでの経緯が丁寧に描かれているため，初めての人でも楽しめる。とはいえ，より物語を深く味わいたい人は，本作を手にする前に前作をプレイしておくのがおすすめだ。
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本稿では，共通ルートを中心に見どころを紹介する。核心に迫るネタバレは避けるが，序盤の展開やゲーム画面を紹介するので，未プレイの人は注意してほしい。
オランピアの前に現れた，【白】の特徴を持つ男性
天供島（てんぐうとう）は，日本神話を思わせる独自の神話と信仰を持つ島だ。天供島に流れ着いた卑流呼（ひるこ）は，【赤（せき）】【青（せい）】【黄（おう）】の3つの色を創り出し，それぞれをさらに2つに分けて人間の男女を生み出したと伝えられている。
以後，島は卑流呼と各【色（しき）】の長によって治められ，生まれ持った色が階級を定め（原色に近いほど地位が高い），隣り合った【色】の間による婚姻が義務付けられてきた。
 【白】の少女（名前のみ変更可能） |
 用語は，語録から意味を確認できるので安心 |
オランピアは，【特色（とくしき）】と呼ばれる唯一の【白】の少女だ。天供島の隣に位置する天女島（てんにょとう）で生まれ，今は魂の半身と穏やかな日々を送っているが，本作の物語が始まる時点では，婚姻の話は進んでいない。
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天供島では，人が流れ着くことはたびたびあり，死者は弔われ，生者は新しい知識をもたらすマレビトとして神に等しい存在として迎え入れられてきた。
そんななか，天女島に1人の男性が流れ着く。彼はオランピアと同じ【白】の特徴を思わせる髪色を持ち，島はにわかに騒然となる。
本来，女性しか誕生しないはずの【白】の特徴を持つ男性の出現は，オランピアと“魂の半身”の運命を大きく揺り動かしていく。
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記憶を失くした青年 ナタナエル
【白】の特徴を持つマレビトの男性は，“アキ”と呼ばれた以外の記憶を失っていた。彼は【黄】の長である道摩大師の屋敷に身を寄せ，【白】と同じ“特別な血”を持つ者なのか調べられることになる。
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オランピアは，彼に天供島を案内することにした。島ではすでに彼の噂が広まっており，【白】の特徴を持つことから，オランピアと縁のある名「ナタナエル」と呼ばれているという。
本物かどうかは定かでないものの，“アキ”と呼ばれた記憶を抱えつつ，「この島の仕来りがある」と呼び名を受け入れるナタナエルは，なかなかの大物だ。
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ナタナエルは落ち着きがあり，状況判断にも優れた，気品あふれる人物だ。もともと高い身分だった気配がひしひしと伝わり，私服姿の美しさも相まって，その儚げな雰囲気によく似合っている。
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マレビトである天草四郎時貞との会話のなかで，ナタナエルはかなり古い時代の“日本”で生きていた人物ではないかと語られる。
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彼は何者で，なぜ天供島に流れ着いたのか。そして本当に【白】なのか，先が気になる物語展開となっている。
天供島では【色層】を重んじる思想が根強く，島民のあいだでは【白】同士が交わるべきだという意見も上がっている。島内では変革の兆しも見られるが，長年築き上げてきた価値観を変えるのは容易ではないのだろう。
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共通ルートは全4章の大ボリュームで，じっくりとナタナエルや天供島の事情を理解できる内容だった。
前作を経て平和を取り戻したかに見える天供島だが，なお不穏な気配が漂っている。ナタナエルの存在が，島とオランピアの恋にどんな影響を与えるのか，その行方が気になるところだ。
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オランピアの大切な“魂の半身”
共通ルートを終えると，キャラクター選択画面に移行する。初回プレイでは，まず朱砂とヒムカ以外のキャラクターから物語を進めることになる。
個別ルートでは，婚儀を間近に控えた恋人同士の甘い時間と，運命に翻弄される切ない想いの両方を体験できる。
攻略対象キャラクターとのエンディングはハッピーエンドとバッドエンドの2種類が用意されており，選択肢の積み重ねによって結末が変化する。また，クリア後は好きな章から物語を始められるので，気になるシーンを手軽に振り返られる。
朱砂（あかざ／CV：松岡禎丞）
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中立組織「コトワリ」の所長。冷静沈着で私情を挟まないことから“鉄仮面”と呼ばれるが，面倒見がよく，仲間からの信頼も厚い。島の未来のために変革を進めており，反発する者も多い。
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玄葉（くろば／CV：杉田智和）
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中立組織「コトワリ」の副所長で，剥（はく）の特効薬「白妙」を開発した医学博士。空気を読むのがうまく，親友の朱砂を支えている。
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璃空（りくう／CV：島﨑信長）
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黄泉警邏隊に所属する軍人で，主な役目は黄泉に繋がる鳥居の警備。次期【青】の長に決まっており，自らの務めを果たそうと日々精進している真面目な人物。
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天草四郎時貞（あまくさしろうときさだ／CV：上村祐翔）
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マレビトの1人で，【緑（りょく）】の長として多忙な日々を送りながら，マレビトとしての役目を模索している。オランピアに仕える白鼠・だいふくの弟，パリスを飼っている。
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縁（よすが／CV：内田雄馬）
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地獄太夫を名乗る黄泉の権力者。湯屋「死菫城（しきんじょう）」の主人で，得意の占いと薬湯でもてなす。婚約を機に，自分や黄泉の未来を見つめ直している。
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ヒムカ（CV：堀江 瞬）
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【弔い屋】と呼ばれる少年。近ごろ仕事が減ったことから，新たにパン売りを始めた。商いを通して人々と交流し，自分が島のために何をすべきかを見出そうとしている。
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ナタナエル以外にも，個性豊かな新キャラクターたちが登場する。彼らが物語にどのように関わっていくのかにも注目だ。特定のサブキャラクターと結末を迎えるルートも用意されている。
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また，ゲーム本編をクリアすると開放される「宝物」では，物語の記憶や音楽，イベントCG，語録，短編集など，さまざまなコンテンツを自由に楽しめる。条件を満たすことで「ご褒美ボイス」や「陰陽ボイス」といった特別な音声も開放され，キャラクターたちの新たな一面に触れられる。豊富な収録内容で，プレイ後も作品の世界に浸り続けられるのが魅力だ。
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本作を予約すると，特典としてドラマCD「天供島恋愛推進計画！ 恋の標語はここだけの秘密です」が付属する（数量限定）。店舗ごとに異なる特典も用意されているため，公式サイトで内容をチェックし，気になるお店で予約しよう。
さらに，特典小冊子とドラマCDが付属する特装版や，さとい氏による描き下ろしイラストを使用した特製BOXに，豪華5大特典と通常版ソフトを同梱した「オトメイト スイート BOX」も登場する。いずれも早めの予約がおすすめだ。
（C）IDEA FACTORY
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