
インタビュー
ローグライクアクション「魔女の庭」は,キュートな見た目と本格アクション,戦略的なビルド構築が融合[BIC2025]
Team Tapasが開発する本作は,従来のローグライクアクションの暗いイメージを覆す,明るくキュートな世界観が特徴だ。2025年5月にSteamで早期アクセスを開始し,ユーザーレビューでは“圧倒的に好評”を獲得している。
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舞台は魔女たちが暮らす不思議な庭。プレイヤーは魔女「シル」として,崩壊の危機に瀕した庭を救うべく,わがままな魔女たちを集めてティーパーティーの開催を目指す。
最大の特徴は,従来のローグライクアクションが持つ暗い雰囲気から脱却し,明るくキュートなビジュアルを採用した点だ。しかし見た目の可愛らしさとは裏腹に,戦略性と操作性を追求した本格的なアクションゲームとなっている。
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デモ版をプレイして印象に残ったのは,適切に調整されたゲームバランスだ。ザコ敵との戦闘は爽快感があり,ボスの攻撃は「ギリギリ避けられる」範囲に設定されている。慣れないうちは攻撃を食らってしまうが,パターンを覚えると避けられるようになるので,自分の成長を実感できて楽しい。
今回は,Team Tapasでテクニカルアーティスト兼マーケティング担当を務めるイ・ソンウォン氏にインタビューする機会を得たので,その模様をお伝えしよう。
4Gamer:
よろしくお願いします。まずは,Team Tapasについて教えてください。
イ氏:
私たちは大学の同好会を前身とするゲーム会社で,社名に「Team」が入っているのはその名残りです。メンバーの増減はありましたが,現在は9人体制で,創業時のコアメンバー4人は今も活動を続けています。私はテクニカルアーティストが本職ですが,小規模チームゆえにマーケティングや企画なども兼任しています。
4Gamer:
「魔女の庭」が初のPCゲームとのことですが,モバイルゲームからPCゲームへ移行した経緯を教えてください。
イ氏:
前々からアクションゲームを作りたかったのですが,技術的なハードルが高く時間を要しました。第1作「漂流少女」ではアクション要素を採用せず,第2作「勇者の飯」で少しアクション要素を取り入れ,第3作「魔女の庭」でようやく本格的なアクションゲームに挑戦できました。
4Gamer:
早期アクセスの反応はどうですか。
イ氏:
「圧倒的に好評」という期待以上の好評価には本当に感謝しています。ただ,初のアクションゲーム,PCゲームということもあり,ボリューム不足という指摘もいただいています。早期アクセス開始時は5〜6時間でクリアできる内容でしたが,直近のアップデートで約8時間まで増量しました。
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4Gamer:
「魔女の庭」で,とくにこだわった点を教えてください。
イ氏:
大きく3つあります。第1にアクションゲームとしての操作感,第2にビジュアルやストーリーで明るくキュートな世界観を表現すること,第3に戦略的なビルド構築の面白さです。アクションゲームは,ソウルライクと「FF14」のようなゲームに大きく二分できると思いますが,後者のスタイルを選択しました。
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4Gamer:
庭の崩壊を防ぐというのはユニークな設定ですが,どうして魔女と庭が結びついたのでしょうか。
イ氏:
制作当初は魔女も庭もキーワードにありませんでした。数多くのアイデアから「魔女」を採用したあと,「魔女の世界」では平凡すぎたので,「魔女が庭を育てる」というコンセプトにしました。
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4Gamer:
日本市場での反応はどうですか。
イ氏:
現在,日本のファンが最も多く,次いで韓国,その他の国という順になっています。韓国ではこのスタイルのゲームがまだ珍しく,正式リリースを待つ人が多いようです。日本では馴染みのあるジャンルのため,多くのファンに支持されていると感じます。
4Gamer:
日本のファンへのメッセージをお願いします。
イ氏:
これほど早く,日本で好意的な反応をいただけるとは予想していませんでした。Steam,早期アクセス,本格的なアクションゲーム,すべてが初挑戦ですが,応援してくださる皆さんに心から感謝しています。小規模なチームですが,面白いゲームを作るべく努力を続けていますので,どうぞご期待ください。
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「魔女の庭」Steamストアページ
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