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梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着
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印刷2024/12/03 12:00

インタビュー

梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

 12月3日はなんの日か?

 ファミチキ食って,カフェラテ飲んで,おまレンを知る日だ。

声優の梶 裕貴さん
画像集 No.001のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

 LINEヤフーは2024年11月20日,放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」iOS / Android。略称,おまレン)を配信した。キャッチコピーは“スキマ時間で大冒険!ポケットタイムRPG”だ。

 今回は配信前のこと。某所で“ファミリーマート店内放送用音源のナレーション収録”が行われると聞き,現地に足を運んだ。
 ナレーターを務めたのは,アニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役などでおなじみ,声優の梶 裕貴さんだ。

※ファミリーマート店内放送は12月3日からスタート
※FamilyMartVision設置店舗以外の店舗のみでの放送となります。


 といっても,梶さん自身は本作にボイス出演しているわけではない。そもそも本作にはボイス要素がないという。「じゃあなんで?」。この気持ちを解消するための取材だったと言えよう。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

「LINE おまかせレンジャー」公式サイト

「LINE おまかせレンジャー」ダウンロードページ

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おまかせでも達成感を感じる放置系RPG


 まずはゲームメディアらしく,現在サービス中の「LINE おまかせレンジャー」について軽く紹介しておく。

 「おまレン」は放置系RPGだ。この一言で経験者には伝わったかと思うが,基本はアプリを起動せずに放置し,時間経過で報酬を稼ぎ,キャラクターを強化して,より上のステージへ,といった流れで楽しむ。
 操作はあまり必要しないと言いながらも,そのときの最適解を求めるためにけっこう触ってしまう。それが放置系RPGである。

 また本作は,LINE GAMEでおなじみの親しみやすいキャラクターたちが登場しているのも魅力の1つだ。

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 「おまレン」の遊び方は「キャラクターを編成したら,あとは彼らがおまかせで戦って稼いでくれるのを眺めているか,攻略要素も楽しむか」となる。以降もこれの繰り返しだ。それだけのことになんとも言えない達成感を生んでいるのは,放置系RPGの文脈にうまく乗っている証明だろう。

 コンテンツとしてはメインのダンジョン攻略のほか,ミニゲームや限定イベント,PVPランキングによる競争要素もある。
 これらによりキャラクターやスキル,装備などの組み合わせを追求する編成ゲームな側面が引き立っており,「10ダメージが20ダメージになり,ついに100ダメージを突破!」といった進歩のうれしさにプレイヤーも飲み込まれ,お手軽ながらもハマっていくのである。

 パッと遊んだ感じでも,「もっともっと」の欲求をうまく攻めてくるゲームデザインになっているのが分かるだろう。
 より詳しくは,以下の体験レポートのご確認を。

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 LINEヤフーが本日配信を開始した「LINE おまかせレンジャー」は,メッセンジャーアプリのLINEでおなじみのキャラクター達が活躍する,完全新作の放置系RPGだ。先日,都内で開催されたメディア向け先行体験会に参加してきたので,そこでプレイしてみて分かったゲームの詳細をお伝えしよう。

[2024/11/20 17:00]

画像集 No.013のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

 現地では梶さんも「おまレン」を初プレイし,実際の収録に向けてイメージを固めていた。といったところで,ここから収録後のインタビューの様子に移っていく。なお「収録時の裏側の話」は以下となる。



「収録時の裏側の話」


 コンテンツの音声収録における主役は,声優をはじめとするボイスアクターである。だが,裏側には別の主役たちもいる。

 収録ブースにいる梶さんを見守るのは,演技指導も含めて収録を仕切る「音響監督」。収録音源を管理・加工する「音響制作」。そして「おまレン」のプロデューサーである下平光峰氏や広報スタッフらだ。

 彼らは最初に,「梶さんにどのような演技をしてもらうか」を詰めていった。大きな区分けは,ヒーロー系かヒール系かだ。現地を目の当たりにしていると,「あの〜〜のキャラみたいに」と言えると分かりやすい方向性になりそうだと実感する。だが(現場次第だろうが)そうと言わないのが大人であり,それに応える声優というものなのだろう。

 声色は最終的に“オラオラなヒール系”で決定し,いよいよ収録がスタート。梶さんは一発目のトーンから限りなく正解を撃ち抜き,関係者らに納得感を与えた。

 しかし,原稿に少々の難があった。持ち込まれたナレーション用テキストは満ち満ちに詰まりすぎていた。息継ぎを最小限にするテクニックをもってしても,音源にすると32秒。今回は30秒尺と15秒尺の2本録りであったが,いずれも数秒のオーバー。さらに,どちらの音源も前後に0.5秒〜1秒ほどのジングル(※)を挿入することを加味すると,納品レベルでは「27秒」と「13秒」くらいで収めなければならないという。

※音声・映像の切り替え時に挿入するBGM。ラジオ番組の導入を想像すると分かりやすいかも。特殊な演出を狙うでもなければ,基本は「番組は音声ではなく,音楽・効果音から開始する」のが主流なため,そのぶんの余白を差し引くというもの

 ではどうするか。原稿を削るほかない。「おまレン」関係者らはペンを片手に,どこを削るか考え出す。時間はあまりない。場所も関係者らも制限時間があるためだ。音響監督も,たった5秒を捻出するための削除案を急かさずに待つ。ひと言削っては1秒削り,文章が崩れては再考する。「伝えるべき文言」と「訴求したい文言」と「削っていい文言」の取捨選択をそばで聞いていると,文字遊びを生業とする私も胃がキリキリしてくる。

 コンマ単位の微調整を繰り返し,ベストタイムに近づけていく光景は,まるで短距離走で記録更新を目指す特訓のそれだった。そしてどうにか完成した27秒音源と13秒音源は,どこかのプロに加工され,ファミリーマートへと出荷されていった。

 こうした現場を目にすることはままあるが,毎回思うことがある。「音響制作スタッフの専用フィジカルコントローラを扱う高速な手さばき,あれどうなってんだ」と。




収録後の梶 裕貴さんにインタビュー


4Gamer:
 収録直後に恐れ入りますが,よろしくお願いします。

梶 裕貴さん(以下,梶さん):
 いえいえ,よろしくお願いします。

4Gamer:
 はじめに,収録してみての感想はいかがでしょう。

梶さん:
 LINEさんのゲームは(現社名はLINEヤフー),僕も今まで遊んできましたし,「LINE」アプリに関しては,もはや誰もが利用している必要不可欠なツールだと思うので,そんな企業さんの新しいコンテンツに,今回携わらせていただけたことを光栄に思っています。

画像集 No.003のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

4Gamer:
 収録にはどんな気持ちで臨みましたか。

梶さん:
 やっぱり,皆さんが思わず遊びたくなっちゃうようなナレーションができればと思って,声を吹き込ませてもらいましたね。

4Gamer:
 これも慣れたものかとは思いますが,演技指導では「ヒーロー系」や「ヒール系」といった方針が挙げられていました。梶さん自身は自分のヒーロー声,またヒール声をすぐに想定できるのでしょうか。

梶さん:
 声色については基本的に,明るいか暗いか,ポジティブかネガティブか,太いか細いかなどを,自分の頭のなかでの色の分布図……グラデーションみたいなものを想像しながら調整しています。
 これは,どんな作品・キャラクターを演じるときにも,無意識に,自然とやっているイメージですね。

4Gamer:
 イメージだけなら誰でもできそうですが,その調整がプロの技なんでしょうね。普通の人は5色くらいで大別できても,梶さんら声優はRGB調整くらい細かくコントロールできる,みたいな。

梶さん:
 そういった感覚が近いのかもしれません。
 今回の場合なら,まず原稿に目をとおして,次に演技の方向性や希望をうかがって,なんとなく「このあたりかな」と当たりをつけてテストに挑む。そして本番までに色の調整を仕上げておく,というような感じです。もちろん,アニメなどの映像媒体なら,セリフだけでなく,人物の表情や感情など,シーンごとの情報も絡んできますけどね。

画像集 No.014のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

4Gamer:
 「LINE おまかせレンジャー」は,実際に遊んでみてどうでしたか,

梶さん:
 僕は以前,「LINE レンジャー」を長らく遊んでいたので,今回の「おまレン」の世界観もなじみ深かったです。見知ったキャラクターたちに久々に会えたうれしさもありじましたね。
 それに放置RPGということで,なかなかゲームをじっくりと遊ぶ時間が取りづらい人でも,ストレスなく楽しめるタイトルなんだなと。画面をすこし操作したら,あとは派手でかわいらしい画面を見ているだけで進むので,ながらプレイにちょうどよさそうだなと感じましたね。
 とはいえ,ちゃんとRPGをしてくれているところも好きです。

4Gamer:
 というと。

梶さん:
 RPGの世界観ならではの装備やスキルといった要素,また大きなワールドマップがあるところなどが,ゲーム好きとしてはくすぐられるポイントでしたね。

4Gamer:
 そのうえで,おまかせ感は感じられましたか。

梶さん:
 感じました感じました! でも,せっかくおまかせできるのに,画面が楽しくて思わず見守っちゃいそうです(笑)。

4Gamer:
 ちなみに,起用された理由は「LINE レンジャー」経験者だったから?

梶さん:
 うーん,どうなんでしょう(笑)?
 僕が「LINEレンジャー」を遊んでいた話は,ご依頼をいただいたあとにしたので,もしかしたら関係ないのかも。

4Gamer:
 結果的に最善だったと。
 ほかに遊んでいたLINEのゲームはありましたか。

梶さん:
 あと遊んでいるのは「LINE:ディズニー ツムツム」ですね。すごくハマっていたときは毎日のようにプレイ&課金していました(笑)。今でも手が空いたときにパッと遊ぶなど,かなり付き合いの長いアプリです。

4Gamer:
 最近はお仕事もご家庭もいろいろ忙しい時期かと思いますし,ゲームを遊ぼうとしたら,やはりスマホゲームでしょうか。

梶さん:
 そうですね。まだ子どもが幼い(2022年に第1子誕生)ので,腰を据えてゲームをするのはなかなか難しい時期にいます。
 だからこそ,ちょっとした待ち時間に遊べるスマホゲームで,さらに放置で楽しめる「おまレン」みたいなジャンルは,まさにぴったり! 極論,アフレコ中であっても勝手に冒険してくれるわけですからね(笑)。仕事や育児でのながらプレイを考えると,すごく間口が広いように感じられます。キャラクターの雰囲気も年齢問わず愛されそうですし。

4Gamer:
 究極,ゲームはもうスマホでいい,と思ったりは?

梶さん:
 いえ! 僕としては,じっくりプレイするコンシューマーゲームの魅力も知っているので,もしも時間が作れるならガッツリ遊びたいです。でも,それが難しいタイミングって誰にでもあると思うので,そういうときにスマホゲームがそばにいてくれると,やっぱりうれしいものですよね。常に選択肢があることが,ゲーム好きとしてはありがたいです。

4Gamer:
 人生の節目的に,ゲームとの付き合い方が「今はそう」なだけと。

梶さん:
 ですね。ゲームに求めるものは人それぞれですが,僕は「ゲームをやっている」と自覚することで癒されたり,ポジティブになれたりします。それに,今はゲーマーじゃなくてもゲームをする時代で,スマホさえ持っていれば,誰でも気軽に体験できるようになりましたからね。
 どんなときでも,すぐにゲームに触れられるようになった現代って,ゲーム好きにとっては,本当にありがたい世の中になったなと感じます。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 梶 裕貴さんは“頭のなかで声の分布図”を描く。放置系RPG「LINE おまかせレンジャー」ファミマ店内放送の収録に密着

4Gamer:
 ゲームとは別に,「LINE」アプリは日常使いしますか。

梶さん:
 もちろんです! もはや必須ツールですよね。仕事でもプライベートでも,連絡は基本LINEを使っています。もうこれなしでの生活は考えられないです。災害時の安否確認もそうですし,知り合いの誕生日を教えてくれたり,あとスタンプの文化も見事に浸透しましたよね。僕も自作して楽しんだりしています(笑)。
 今ではさまざまな連絡ツールがありますが,やっぱりLINEが使いやすいです。デジタルに弱い人でも安心して使える分かりやすさが魅力かと。

4Gamer:
 それと,今回の音源はファミリーマートの店内放送で使用されます。ファミマ店内放送と言えば,有名声優も積極的に起用されており,コンビニ業界で随一の影響力があるメディアとして知られています。
 梶さんもこれまで関わったことはあるかと思いますが,声優としてファミマならではのこの施策になにか思うことはありますか。

梶さん:
 コンビニという場所だからこそ「自分から見聞きしにいかなくても自然と触れられる機会」が生まれるのだと思うので,音声媒体のプロモーションとしては大きなメリットがあるのかなと感じています。
 以前ファミマに行ったとき,ちょうど自分が担当したナレーションが聞こえてきて,ちょっとうれしくなりました(笑)。不特定多数の方々が,対象作品と僕のナレーションに出会ってくださっているんだなと思って。だけど……なんとも言えない緊張感は走りますよね。

4Gamer:
 どんな意味の?

梶さん:
 自意識過剰かもしれませんが,店員さんに「自分の声が流れてるときに来やがった」とか「あ,本人だ」とか勘づかれるような事態になったら,なんか照れくさいなって(笑)。
 なので,ちょうど自分のナレーションが流れたタイミングでのお会計だったりするときは,しゃべる声を微妙に変えたりします。

4Gamer:
 放送直後に「今の,俺俺」とかは言わず?

梶さん:
 言うわけないじゃないですか! 家族や友人になら,こっそり伝えるかもしれませんけど,見知らぬ方々には絶対に言わないです(笑)。
 ただ,自分の声かどうかは関係なく,店内放送について,お客さんが笑顔で話している様子を見ると,すごくうれしい気持ちになりますね。
 今回の「おまレン」も,そうやってファミリーマートが入り口となって,実際に遊んでみたという人が増えたなら,関わらせていただいた者としては一番幸せです。

4Gamer:
 ちなみに,普段よく行くコンビニはどこでしょう?
 まあ,こういう「どの店舗派」かは普段の生活範囲次第ですが。

梶さん:
 僕の場合,各スタジオから一番近いコンビニを利用することが多いので,ほぼ均等でしょうか。それぞれ店内の雰囲気はもちろん,飲食物のラインナップやホットスナックのバリエーションなども全然違いますからね。各店舗ごとの魅力をその都度楽しんでいます。
 ファミマに関してなら,やっぱり「ファミチキ」ですかね。定番の味,旨さ。あと,ファミマカフェの「カフェラテ」をよく飲みます。

4Gamer:
 なら,「おまレン」店内放送がはじまる12月3日からは,聴きにいくついでにファミチキとカフェラテを買いにいきます。

梶さん:
 ぜひ,お願いします(笑)!

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