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  • RS34
  • 発売日:2025/11/27
  • 価格:ダウンロード版:4180円(税込)
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[プレイレポ]ダークな世界観と謎めいた物語を持つ「カラス」が現行機で復活。これぞ鬱系シューティング
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印刷2025/11/29 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]ダークな世界観と謎めいた物語を持つ「カラス」が現行機で復活。これぞ鬱系シューティング

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 2025年11月27日に発売された「カラス」Nintendo Switch / PS5 / PS4)のプレイレポートをお届けする(今回はSwitch版をプレイした)。2006年にアーケード用として発表された本作は,独特のシステムと爽快なプレイ感,ダークな雰囲気漂う謎めいた物語が展開することで話題を呼んだ。3回の移植を経たのちに,ファンから求められ現行機向けに復活した本作について,歴史的意義と共に紹介しよう。

 オリジナル版の「カラス」は,いまはなきデベロッパのマイルストーンが2006年にアーケード用として発表した縦スクロールシューティングだ。  独特なシステムとダークな雰囲気,謎めいた物語とドラムンベースの楽曲が話題を呼び,翌2007年にはドリームキャスト最後の公式ライセンスソフトとして移植された。その後Wiiで「マイルストーンシューティングコレクション カラスWii」(2008),「マイルストーンシューティングコレクション2」(2010),Xbox 360用「サクラフラミンゴアーカイヴス」(2014)に収録されたのち,ニンテンドー3DSで続編「Karous-The Beast of Re:Eden-」(2014)が発売されている。発売8年で3機種に4回移植され,続編も制作された事実だけでも,本作がいかに愛されているかが分かるだろう。


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 「Karous-The Beast of Re:Eden-」以降,シリーズの展開は10年間途絶えていたが,2024年にはマイルストーンの中核スタッフが独立して設立したRS34によって,「カラス」現行機移植のクラウドファンディングがスタート。達成率300%を記録した。こうしてPS5,Switch,PS4,PC(Steam)といった現行プラットフォームで,「カラス」が再び羽ばたくことになった。

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 オリジナル版が発売された当時のシューティング界は,1997年の「怒首領蜂」から起こった弾幕系ブームの渦中にあった。幾何学模様を描く大量の敵弾が低速で迫ってくるなか,その隙間をギリギリですり抜けるスリルを追求した「怒首領蜂」のインパクトは大きく,多くのフォロワー作品が発売され「弾幕系」というサブジャンルが形成されることになったのだ。

 当時のシューティング界では弾幕に関するさまざまな議論が交わされ,メーカー各社は独自の回答を模索することになった。敵弾をはね返して逆襲する「ギガウイング」(1999),敵弾に自機をかすらせて経験値を得る「サイヴァリア」(2000),敵弾に近づくと高得点を得られる「式神の城」(2001),自機の属性を切り替えて弾幕を吸収する「斑鳩」(2001),弾幕の写真を撮影する「東方文花帖〜Shoot the Bullet.」(2006)など,多種多様なシステムが生み出されたのもこの時期だ。

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「怒首領蜂大復活」
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「カプコンアーケードスタジアム」

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「サイヴァリア デルタ」
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「斑鳩」

 そうした中で特徴的だったのが,「ラジルギ」(2005)や「カラス」といったマイルストーンのシューティングである。攻撃を止めて強力なシールドを構え,弾幕を避けるのではなく防ぎとめてメリットを得る。前述の通り,弾幕に対しては各社が“避ける”ことをメインとしたシステムを提唱していたが,「ラジルギ」「カラス」では敵弾を“防ぐ”遊びが追求されており,まさに逆転の発想といえる。

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「ラジルギスワッグ」

 マイルストーン作品では無敵化を頻繁に使えるのも大きな特徴である。シューティングにおいては「ボンバー」「ボム」という回数制限付きの緊急回避が用意され,補充の機会は貴重なアイテム取得や自機の撃破時など,限られているのが通例だった。しかし,「ラジルギ」はソードで敵を斬ること,「カラス」では攻撃を当てることにより,無敵化(の使用権)がチャージされる。つまり,無敵化がアイテムではなくプレイ方法に直結している点だ。弾丸にシールドで対抗しつつ,アグレッシブに攻め込めば頻繁に無敵化が可能となるため,これは強烈な個性となった。

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 「カラス」は,ダークな物語も大きな魅力だ。舞台となるのは,天空と地上のそれぞれに人間が住み,互いに争う「とある地球」。天空人と地上人のハーフである主人公・カラスは,父の遺言に従い「神の血」を求めて地上を目指す。

 本作の物語は謎めいており,答えは自分で探さなければならない。その手掛かりとなるのが,作中のメールやアイキャッチ,タイトル画面などに溢れる大量の言葉だ。プレイ中は無数のメールがやりとりされ,その内容は多岐にわたる。天空世界の現状を伝えるニュース,たわいもない世間話,偽ブランドのスパムメール,ギークのアニメ評などさまざまで,とりとめがないゆえに地上との戦争を不安に思う気持ちが生々しく伝わってくる。そして,ステージ開始時には意味深な言葉が書かれたアイキャッチが流れ,タイトル画面やデモシーンにも短いメッセージやテロップが表示される。つまり「カラス」はプレイの中にも外にも意味深な言葉が溢れているのだ。ゲームセンターでのプレイ後,周囲の迷惑にならないようデモを眺めたファンも多かったと思う。

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 こうして作中の言葉をつなぎ合わせていくと,物語のディテールが浮かび上がってくる。主人公・カラスが搭乗する機体「ディフェクト」は生きているらしく,特定の人間はディフェクトの「声」を聞けること。天空世界には「カオスフィールド」という場所への移住計画があり,これに伴って「沢山の花が散り」,4面ボスのタリスを含む少女たちは「知らない男の子」とそこへ赴くことが決められていること。さらには,多くの人間を使った生体実験が行われたことなど,世界の謎が明かされていく。

自機「ディフェクト」は「生きている」というセリフ(上写真)と,イージーモードのエンディング(下写真)をつなぎ合わせると,とある恐ろしい可能性が想像できる。しかし,この想像が正解であるかどうかは謎のままだ
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 そして,集められるだけの言葉を集め,隠された真のエンディングを見たあとでも,物語にはまだ謎という名の余白が残る。「隠しボスを倒したときの真エンディングでカラスに何が起こったのか?」「ディフェクトが生きているとはどういう意味なのか?」「カオスフィールドとは何なのか?」と疑問は尽きないが,これは意図的な構造だ。人は隠されたものほど見たくなるし,そこに想像力が働く。余白は余白であるがゆえに,どのような解釈でも成り立つ。極論すれば,通説と真っ向から対立するような解釈であっても,その人の心の中では真実となる。

 あらゆる設定が制作者から明かされない限り,本作の物語に「正解」はない。そして,「カラス」に魅入られたプレイヤーが同好の士とつながれるSNS時代だからこそ,余白はより魅力的なものとなり得る。「カラス」の物語は2000年代的であると同時に,ある意味時代を先取りしていたともいえるだろう。

攻略のヒントがあるセリフも存在する
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 そして,ダークな物語はドラムンベースにピアノが効果的に使われた楽曲で彩られる。戦争が迫り,人々が不安になる浮遊大陸の空に,速く重いドラムンベースと繊細なピアノが響く様は不吉な予兆に満ちており,サントラの価格が高騰するのも頷ける存在感を放っている。

 今回はサントラが復刻されるのに加え,オリジナルの作曲者である永田大祐氏,「ドラゴンスピリット」「リッジレーサー」の細江慎治氏,「ローリングサンダー2」「ギャラクシアン3」の佐宗綾子氏によるアレンジバージョンでもプレイできるため,楽曲のファンも満足できるはずだ。

 本稿のために改めて「カラス」をSwitchでプレイしてみたが,RS34シューティング独特の面白さは2025年の今見ても色あせることがない。これを支えるのが,個性的な武器と経験値システムだ。

 ディフェクトは「ショット」「ソード」「シールド」という3つの武器を持つ。敵を倒すと,使った武器に応じた「経験値チップ」が出現し,取ると武器がレベルアップして強力になっていく。経験値とレベルは武器のそれぞれに設定されているため,プレイの方法によってどの武器が育つかが変わってくるのが面白い。

 特に印象的なのが,ソードとシールドである。ソードは高い火力を持ち,育てれば強い敵も簡単に倒せる。しかし,当てるには敵に接近しなければならず,その分リスクを負うことになる。シールドはショットもソードも使っていない状態で構える盾だ。どれだけの敵弾を止めても壊れないばかりか,一定数の敵弾を防ぐごとに強力なカウンター弾を放つという,シューティングとしては通常あり得ない性能を持つ。ゲームに慣れて壊せる敵弾とそうでない敵弾を意識すると,敵の弾幕も怖くなくなる。また,敵にぶつければダメージを与えられるため,使いこなすと強力な攻撃手段にもなるのも面白い。

シールドで敵を撃破して育てると,敵弾を受けた際もより頻繁にカウンター弾を放てる
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 つまり,ディフェクトは縦スクロールシューティングの自機だが,武器は3つのうち2つが近接系なのだ。にも関わらず,普通のシューティングのようにプレイしているとショットのレベルばかりが上がってしまう。ディフェクトが真価を発揮するには1面から意識してソードとシールドを育てなければならないが,そのためには敵に接近する必要がある。シールドの特性や大抵の敵弾が破壊できること,ソードの火力の高さといったシステムの理解が進むと,より効率よく武器が育つようになる。

 その際に役立つのが,無敵化装備「D.F.S.」である。D.F.S.を発動すると脳の断面を思わせるフィールドを展開し,あらゆる攻撃を無効化する。フィールド内の敵にダメージを与えられるうえ,敵を撃破すると高位の経験値チップが出現するため,ソードやシールドを併用することで効果的なレベルアップが可能だ。  加えて,D.F.S.に必要なゲージは,発動中に攻撃することで簡単に溜まっていく。D.F.S.を使って敵に突っ込み,ソードでめった斬りにしていると再びゲージが溜まるのでD.F.S.を発動,別の敵に突撃してシールドをぶつける……といった荒業もできる。こうなると,中型機の編隊などはもう経験値の塊かカモに見えてくる。敵弾を恐れず前へ,前へ! と,極めて攻撃性の高いプレイを楽しめるわけだ。工夫した結果は点数に加えて武器のレベルとして現れるため,やりがいがさらに湧いてくる。

「D.F.S.」は脳を輪切りにしたような形のフィールドを展開する。諸情報を総合すると,この形にもどうやら意味があるらしいことが分かってくる
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 繰り返しになるが,このプレイ感は独特のものであり,RS34のゲームでしか味わえない楽しさがある。「カラス」が現行機向けに復刻されたのは,シューティングの歴史を語るうえでも大きな意味があるだろう。ほしい人が事前に資金を出すクラウドファンディングという仕組みがプラスに働いたのはもちろん,ラジオ配信を続けてファンを盛り上げたRS34の尽力も称賛に値するだろう。

頭痛に絶叫するボス・フロン。メッセージが敵キャラクターを血の通った人間とする
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 なお,4GamerではRS34の代表取締役社長である増渕佳人氏と,サウンドやアートワークを手掛ける永田大祐氏に「セールス的な視点や世のトレンドなんて一切関係なく決められた」という「カラス」制作時の思い出や,ゲーム内にメールやアイキャッチが流れる理由,続編「カラス2 - 乱反射のサンギス -」にかける思いなどをインタビューしている。「カラス」世界やRS34シューティングをより深く理解する助けとなるので,気になる人はこちらも読んでほしい。


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 ダークなムードの個性派シューティング「カラス」がクラウドファンディングで大きな成功を収め,現行機向け移植版が2025年11月27日に発売される。そんな同作を制作するRS34の増渕佳人氏永田大祐氏へのインタビューをお届けする。個性的な作風で多くのファンを惹きつける作品作りや,今後の展望などについて聞いた。

[2025/09/20 15:00]




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