
プレイレポート
[プレイレポ]終末世界を2人の少女が旅をする「ガールズメイドプディング」。“誰かに見られていないと消えてしまう”その世界の謎とは
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本作は,「ナツノカナタ」などを手掛けたKazuhide Oka氏と,KAMITSUBAKI STUDIOによる共同プロジェクト「ANMC(アノマチ)」が制作した作品だ。
人の消えた町をバイクで旅する2人の少女,スミビとニコミの物語が描かれており,道を進んでいる“道中”で会話と物語が進行するといった,少し変わったシステムになっている。
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また物語を読み進めるだけでなく,旅の途中で手に入れた食材を使って料理もできる。料理は「満腹度」などのパラメータを回復できるほか,料理の種類やそのときの話題によって会話や物語が始まることもある。
発売から少し日が経つが,同プロジェクトから発売された「ムーンレスムーン」(PC / Switch)のように,独特の作風と世界観が刺さる人も多いと思うので,プレイレポートを掲載したい。
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「ガールズメイドプディング」公式サイト
つぎつぎと人が消えていく世界を,2人の少女がバイクで旅をする
本作の舞台は,半年前に起こった「誰にも見られていないと人が消えてしまう」という謎の現象により,ひとりまたひとりと町から人が消えていく世界だ。
とある理由で,サイドカー付きバイクであてのない旅をすることになったスミビとニコミは,日中に移動したり,食事を作って食べたりしながらおしゃべりをし,夜には屋根のある家の中で眠るという生活をおくっている。
![]() ふつうの喫茶店の店員だったニコミ。メイド服は店長の趣味 |
![]() ニコミが勤める喫茶店の常連だったスミビ。推し店員がいる |
元々は喫茶店の店員と客という関係で,特に親しい間柄ではなかった2人。だが謎の現象に巻き込まれた際,たまたま店内に残っていた2人が「互いに見る」ことを保つようになったため,そこから行動を共にしている。
「1秒たりとも目が離せない!?」「寝ているときはどうなる!?」という疑問が浮かぶが,そのあたりは作中でしっかり語られている。
プレイの基本はバイクでの移動で,道中では2人の会話が繰り広げられる。会話の内容は基本的に他愛のないもので,シンプルな画面構成とギターのような音色のノスタルジックな音楽,そして流れていく景色によって,心地いい時間が過ぎていく。
派手なアクションなどはなく,ハラハラドキドキするような手に汗握る展開もないのだが,プレイ中は「人が消えた町」という終末感と「人が消える現象」というSF要素は強く感じることができる。ポストアポカリプスな作品が好きな人には強く刺さるのではないだろうか。
![]() ゆる〜い会話 |
![]() 基本的に,バイクを走らせている(時間が経過している)ときに会話が進行する |
道を走っていると時間が経過し,「満腹度」が減っていく。0になるとゲームオーバーなので,その前に食事を取る必要がある。道中で食材を入手したら,いくつかを組み合わせて料理しておこう。
なお,まれにコーヒーやスポーツドリンクといった,調理せずにそのまま使用できるアイテムが手に入ることもある。
![]() 料理には,2〜3種類の食材が必要になる。所持品から必要な食材をチョイスして料理する形で,一度作った料理のレシピは荷物のコマンドから確認できる |
![]() 魚と魚で「刺身盛り合わせ」ができる |
![]() 魚と米の組み合わせでは「寿司」に |
また,満腹度以外に「体力」と「正気度」のパラメータもある。これらも0になるとゲームオーバーなので,注意が必要だ
![]() 画面左上にあるパラメータ。上から順に,満腹度,体力,正気度 |
![]() 体力と正気度は,特定の行動をすると減っていく。今回のプレイでは,体力は“道路をふさぐ障害物の撤去”,正気度は“建物の中で食材を探す”ときに減ることを確認できた。食材探しで正気度が減るのは,やはり他人の家に無断で入って食材をいただくということに良心の呵責があるのだろうか…… |
![]() 食材探しは簡単なミニゲームになっている。回転するカーソルが黄色の位置に来たときにチェックボタンを押すと,食材を入手できる |
![]() 減ったパラメータは,料理を食べることで回復する。回復するパラメータや数値は料理によって異なる |
![]() 猫を撫でたら,正気度が約30回復した。わかる |
道を進んでいると,やがて夜になる。真夜中には移動ができないので,夜になったら寝泊りできそうな建物を探す必要がある。泊まれる建物は食材の入手も可能だが,同じ建物に対しては1回のアクションしか起こせない。夜になったら食材探しよりも,泊まることを優先したほうがいい。
建物を見つけて無事に夜を明かせると,調理道具が手に入ったりストレージが増えたりして,旅に役立つアイテムも増えていく。またエピソードが増えることもある。
![]() 屋根のあるところで夜を明かしたい気持ちはすごくよくわかる |
![]() 無事に一日を終えた。調理道具が増えると,作れる料理も増える |
料理を食べてストーリを進行。謎の現象の原因に迫る
物語は,特定の条件を満たさないと進めないこともある。条件は画面の右端に表示されており,達成することで会話が発生,さらにバイクを走らせるとシナリオが進行する。
条件は「料理を一品作る」だったり,「おはぎを作る」といった料理の指定があったり,「〇〇へ行く」や「△△を調べる」など,目指す地域や場所が指定されるものがある。バイクはオートで走らせることが可能なので,目的地が指定されたときは活用しよう。
![]() 道中で手に入れた「燃料」を使うと,目的の場所へ瞬時に移動できる |
![]() 満腹度などのパラメータや昼夜を気にせずプレイしたい人は,コンフィグで選択できる「STORY」モードがオススメ。パラメータは減らず,夜になったら自動的に翌朝を迎える |
なお料理に必要な食材などを入れるストレージは,ゲーム開始当初は5個しかない。入手できる食材は基本的にランダムなので,物語を進めるために必要なものを常に持っておくことは難しい。
そのため,
「〇〇の会話をしたいのに,条件の△△を作るには食材の××が足りない」
「食材の××を探してバイクを走らせたけど,正気度が低すぎて建物からアイテムを探すことができない」
「正気度を回復させる料理の□□には☆☆が必要だけど,☆☆は△△で使うからいまは使いたくない」
「猫を撫でたい!」
「でも,もうすぐ夜が来てしまう……」
などと,手持ち食材のパズルをグルグルと考えている時間も多いのだ。
シナリオを進めるとストレージが増えるが,作れる料理や食材の種類も増えていくため,悩みが終わることはない。ただし,それが非常に楽しくもある。
ちなみに,道中では食材と同じようにカセットテープを拾うことがある。念のため説明しておくが,カセットテープは記録媒体の一種で,音声や音楽などを記録できるものだ。
作中では音楽が記録されており,荷物のコマンドから再生するとスミビとニコミのバイク旅にピッタリな曲が流れて思わず目頭が熱くなる。沁みる。
これらの曲はサウンドトラックとしても配信されている。MVでも使われている曲とエンディングの楽曲は,各種ストリーミングサービスでも聴けるので,気になる人はチェックしてみよう。
Streaming:
https://anmc.lnk.to/A-Story-Just-for-Two
また作中の2人の会話は,ボイスドラマとしてYouTubeで公開されている。本編にはキャラクターボイスがないため,こちらを視聴しておくとスミビとニコミの解像度がさらに上がるだろう。
このようにスミビとニコミの旅は穏やかに進んでいくが,人が消えていくという不思議な現象が起こっている世界でも新しい出会いはある。
![]() 研究所で出会ったマリネ。友人が勤めていた研究所に来たが,周りの人たちは消えてしまったと語る |
![]() 小屋で出会ったヤキメ。ロケットを作っているが,その目的とは…… |
マリネとヤキメは,それぞれひとりでいたところを出会うのだが,なぜ彼女たちはひとりでいるにもかかわらず消えなかったのかは気になるところ。
“誰かに見られていないと消えてしまう”現象の謎,そしてスミビとニコミの旅の果てについては,ぜひ実際にプレイして見届けてほしい。
「ガールズメイドプディング」公式サイト
- 関連タイトル:
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- Kazuhide Oka
- プレイ人数:1人
- MAC:ガールズメイドプディング
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- ライター:大部美智子

(C)Kazuhide Oka (C)KAMITSUBAKI STUDIO
(C)2025 Kazuhide Oka
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