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[インタビュー]「スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート」は,原作にリスペクトを持ち,より魅力的な作品として蘇った
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印刷2025/03/12 08:00

インタビュー

[インタビュー]「スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート」は,原作にリスペクトを持ち,より魅力的な作品として蘇った

 STG「スチーム・ハーツ」と格闘ゲーム「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」の移植作を収録した「スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート」が,2025年5月29日にシティコネクションから発売される。

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 オリジナル版の「スチーム・ハーツ」と「ヴァリアブル・ジオ」は,1990年代にPC用ソフトとして発売された成人向けのタイトルだ。その後,表現を変えるなどして,PCエンジン SUPER CD-ROM²やセガサターンなどの家庭用ゲーム機でもリリースされている。

 両作品とも,セクシーな美少女たちが登場するのだが,そのキャラクターをデザインしたのは,アニメーターやイラストレーターなどとして活躍していた,故木村貴宏氏だ。
 木村氏は,アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」「勇者王ガオガイガー」「ベターマン」「神魂合体ゴーダンナー!!」といった名作のキャラクターデザインも手掛けているので,ご存じの読者は多いだろう。

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 今回移植されたのは,ゲームタイトルからも分かる通りセガサターン版。ただ,単なる復刻移植ではなく,「便利機能の追加」や「一部シーンの改定」といった,現代の情勢に合わせた変更も行われている。
 便利機能については,定番のセーブ/ロードとリワインド(巻き戻し),そして「スチーム・ハーツ」ではステージを越えての武装の持越し,「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」では,超必殺技のコマンド入力をワンボタンで行えるようになった。

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 ちょっぴり残念な一部シーンの改定は,当時と今の事情の違いによるもの。セガサターンには「18推(18歳以上推奨)」という現在とは基準の異なるレーティングがあり,両作品にはこれに準拠したセクシーなシーンが存在していたが,今回はゲームの魅力を活かす形での変更が行われている。

 発表と同時に国内外から大きな反響があった本作と,続く作品の展開について,移植を手掛けるシティコネクションの代表取締役である吉川延宏氏とディレクターを務める山本悠作氏,そして「スチーム・ハーツ」と「ヴァリアブル・ジオ」シリーズの権利元で,サターン版も発売したエンターグラムのゼネラルプロデューサーである高野恵介氏に話を聞いた。

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左から,吉川延宏氏,山本悠作氏,高野恵介氏

「スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート」公式サイト


原作にリスペクトを持ち,より魅力的な作品として蘇らせる


4Gamer:
 本日は,よろしくお願いします。
 懐かしい「スチーム・ハーツ」と「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」のサターン版が復活するということで驚きましたが,発売の経緯を教えてください。

吉川延宏氏(以下,吉川氏):
 シティコネクションでは,セガサターンで発売されたソフトを,PCや家庭用ゲーム機に移植するプロジェクト「サターントリビュート」を展開しています。このシリーズの企画は私が担当していましたが,制作ラインが増えてきたこともあり,現場から案を出してもらったのがきっかけですね。

 今回ディレクターを担当する山本は,過去に「GAMESIDE」(ゲームサイド)というゲーム雑誌の編集長を務めており,知識的な部分で信頼がおける者です。彼に企画を任せたところ,「スチーム・ハーツ」と「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」を移植してはどうかと提案してきました。

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山本悠作氏(以下,山本氏):
 社内にはセガサターン好きが多く,それぞれが色々なゲームを復刻してみたいという気持ちを持っています。そんな中,大阪のイベントで弊社タイトルのプレイアブル出展をした際,両作品を発売していたエンターグラムさんも会場におられたことから,移植への道が開けたわけです。

高野恵介氏(以下,高野氏):
 どちらも特に海外からのお問い合わせが多い作品でしたが,これまで移植の許諾をしたことはなかったんです。今回はシティコネクション様,山本様の熱心な働きかけがあり,許諾させていただきました。
 なお,原画などのイラスト類は紙で残っていましたが,肝心のゲームに関する資料やリソースが揃っておらず,シティコネクション様にはご迷惑をおかけしてしまいました。


4Gamer:
 作品への思いと両社の出会いがあって,移植することになったんですね。本作を発表した後の反響はいかがですか。

吉川氏:
 かなり大きかったです。リアルタイムでプレイされていた方が喜んでおられるというだけでは,説明がつかないほどの規模でしたね。

山本氏:
 当時は日本のみの発売だっただけに,特に海外での反響が大きかったです。「ヴァリアブル・ジオ」については海外でもアニメ版が流通していたので,アニメで知った方が原作のゲームを初めてプレイできるということで反応されたのかもしれません。

4Gamer:
 あらためて,サターントリビュートというシリーズの概要について教えてください。今回の作品もそうですが,アーケードゲームのセガサターン移植版などを多く手掛けている印象です。

山本氏:
 それは,オリジナルと移植版のそれぞれに良さがあることが理由です。セガサターンが現役だった1990年代は,アーケードゲームがオリジナルとそっくりの形で家庭用ゲーム機に移植された時代でした。そして,現在のようにエミュレータを使ったものよりも,制作者が目でコピーした職人芸の賜物のような移植が多かった時代でもありました。

 そこには,意図的な調整やそうでない違いなど,オリジナルとの差異も存在しています。それによって,移植版ならではの個性が出てくることにもなったんです。
 プレイヤーの中には,オリジナルのアーケードゲームが好きな方と,移植版のほうが好きな方がおられるんですが,セガサターンの触り心地を再現できる弊社としては,それを届けるのが社会的な役目ではないか……ということでサターントリビュートを展開しているわけですね。

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4Gamer:
 なるほど。前回の「ウルフファング・スカルファング サターントリビュート Boosted」などはいい例ですね。「ウルフファング」のセガサターン版には二段ジャンプや新ステージといった追加要素があり,これはオリジナル版では楽しめない要素ですし。
 「スチーム・ハーツ」と「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」も,移植される度に変遷があったタイトルでした。

山本氏:
 「スチーム・ハーツ」はPC-9801から始まり,PCエンジン版で敵のアルゴリズムが洗練され,セガサターン版ではグラフィック強化に加えて新規アイテムが加わりました。
 「ヴァリアブル・ジオ」シリーズもPC-9801からスタートし,「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」が複数の機種で発売されましたが,PCエンジン版とプレイステーション版,セガサターン版のそれぞれで技の性能や当たり判定が違っていたりもします。こうした事情から,それぞれの機種にファンがおられるわけです。

吉川氏:
 セガサターンのゲームは非常に複雑な作りをしており,エミュレーションも難しいため,当時のゲームをそのまま再現するのは容易ではありません。
 弊社で復刻を行う際には,旧機種の解析にかなりの時間を費やし,一からエンジンを作り直しています。
 この作業は非常に時間がかかるため,もし「サターントリビュート」シリーズの展開が鈍くなってきたら,「今は別の機種を解析しているんだな」と思っていただければ幸いです(笑)。

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4Gamer:
 操作感的なところは,やはりこだわられているのでしょうか。

吉川氏:
 遅延はもちろんゼロではないんですが,遊べる水準に仕上げています。

4Gamer:
 本作に収録されている「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」は,ワンボタンで超必殺技コマンドを入力してくれるそうですね。

山本氏:
 はい。ただ,当時の設計思想的に,現代の格闘ゲームにあるような「ワンボタンで必殺技を出す」という仕様は実装できませんでした。そこで,内部的に「コマンド入力を自動でやってくれるボタン」となっています。
 そのため,超必殺技の条件を満たしていないときに入力すると,ほかの技が出てしまうこともあります。

4Gamer:
 この機能の追加によって,対戦環境は変化しますか。

山本氏:
 本作は「キャラクターのHPが残りわずかになると超必殺技が使えるようになる」仕様です。
 超必殺技ボタンをつけたことで,追い詰められてもコマンドの入力ミスなしに超必殺技を連発できるようになったので,さらにダイナミックな展開を楽しめます。
 YouTubeでも対戦会を配信しましたが,相手を追い詰めてからが怖いし,追い詰められてからの逆転劇を簡単に楽しめるという印象ですね。


4Gamer:
 当時はコマンド投げが強い「久保田 潤」の最強説がささやかれていましたが,超必殺技コマンドの自動入力でダイヤグラムが変わるかもしれませんね。「スチーム・ハーツ」の方はいかがでしょう?

山本氏:
 プレイヤーの耐久力をアップさせるオプションをご用意したのに加え,オリジナル版ではステージをまたいで持ち越せなかった武器アイテムをそのまま使い続けられるようにすることもできます。

 いつもは企画側から追加機能のオファーをするんですが,今回はプログラマーがシューティング好きだったので,「こんな機能を追加できそうだよ」と教えてくれたのが助かりました。

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4Gamer:
 プログラマーの自主的な取り組みから機能が追加されたんですね。現場の熱量が伺えます。

山本氏:
 「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」では,ゲーム画面を少し左側に寄せてスペースを作り,そこにコマンド表を配置するということをしていますが,こちらもプログラマーが自発的に作ってくれた「ゲーム画面をずらす機能」がベースになっています。

 最近のゲーム実況では画面端に視聴者のコメントを表示していることが多いため,実況しやすいようにしたい,という提案でした。初めてゲームをディレクションするだけに,こうしたプログラマーの姿勢がありがたかったですね。

4Gamer:
 もとのゲームに存在しない機能を後から加えるのは,やはり大変なのでしょうか。

吉川氏:
 そのゲームがどのように作られているかによりますね。後から要素を付け加えやすいようなプログラムの作りであれば,それだけ追加できる機能も増えていきますが,そうでない場合もあるんです。
 そのため,弊社では事前にある程度の解析をしてから商品化に移るという手順を踏んでいます。過去には,新要素を付け加えられないために商品化を断念したという例もありますね。サターントリビュートで出すなら,プラスアルファの部分が大事なんです。

4Gamer:
 セクシーなグラフィックスも変更されているそうですが,どのように作業を進めていったのでしょう。

山本氏:
 企画段階からプラットフォーマーさんに相談させていただいた上で修正していきました。
 「スチーム・ハーツ」では,「ウイルスに侵されて暴走するヒロインたちに治療をする」という設定で光を浴びせています。弊社の結論としては「治療を受けるなら上着くらいは脱ぐでしょう」ということでアウターの脱衣は修正なし。
 そしてインナーについては,木村貴宏さんが描いた魅力的なコスチュームに注目して,治療中も着ていたらこう見えるはずだ,という妄想を描き足しています。

 「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」の場合,勝利時のグラフィックスで下着や胸の谷間が見えていましたが,こちらを修正していますね。

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4Gamer:
 当時と今ではレーティングが違うだけに,色々な苦労があるわけですね。そして,単に隠すだけではなく,原作にリスペクトを持って修正を行っていくと。

山本氏:
 木村先生は素晴らしいキャラクターデザイナーだったと思います。現在はキャラクターを作るにしても,様々な「属性」が明確化され,「推し」や「尊い」といった言葉で表されるキャラクターが作られています。
 しばらく前には「萌え」という言葉が使われて,その中ではキャラクターの属性が妹系や後輩系,委員長系といったように細分化とカテゴライズが行われていきました。
 木村先生が「スチーム・ハーツ」や「ヴァリアブル・ジオ」のヒロインたちをデザインされたのは,これ以前の時代のことです。つまり,両作品のヒロインたちは,細分化の前のキャラクターであり,今の基準ではカテゴライズされない存在だと思うんですね。

 現在のキャラクタービジネスでは,どういった人に刺さるキャラクターであるかを逆算し,属性から設計していくこともあると聞きます。一方,「スチーム・ハーツ」と「ヴァリアブル・ジオ」の時代には,逆に無限のカテゴリーが存在していたキャラクターデザインではないでしょうか。
 「スチーム・ハーツ」のコスチュームデザインも個性的ですし,「ヴァリアブル・ジオ」のヒロインたちもそれぞれに目の描き方が違っていたりします。キャラクターの個性が色濃く出ていた時代のデザインが,現在の人にも刺さっているのではないかとも思います。

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4Gamer:
 属性が分析され切る前だからこそ,現代とは違った方法論があった。そうした意味で,サターントリビュートのような復刻はゲーム文化だけでなくキャラクター文化の保存という側面もあるのかもしれませんね。グラフィックスを修正するにしても,素材となる画像ファイルは残っていたのでしょうか。

山本氏:
 残っていなかったですね。どちらのソフトも製品版のロムを解析して画像データを取り出しました。

吉川氏:
 この辺りは,セガサターンをエミュレートする「ゼブラエンジン」を開発する知識があるからできたことです。

4Gamer:
 やはり復刻の作業は資料が大事なのでしょうか。

吉川氏:
 製品版のディスクを持ってきて終わりというわけではなく,資料との格闘です。まずは製品版のディスクを中心に,解析を進めていくわけです。

山本氏:
 データが入っているはずのMOが見つかったのに読み込めない……なんてことがありましたので,専門業者に修復をお願いするようなこともありました。代表が昔使っていたMacを倉庫で偶然見つけて,「これなら昔のMOが開けるんじゃないか」とこっそり使ったら見事に全部読み込めて,20枚ほどのMOをチェックしたりもしましたね(笑)。

4Gamer:
 MOというのも懐かしいですね。現場では何度も何度も使いまわされて,読み込みのトラブルも多かった記憶があります。

山本氏:
 開発時の資料が残っていたとしても,肝心の画像が小さく保存されていたりもするんです。当時の記憶媒体は今ほど大容量ではなかったですから,当然保存されているデータ自体も小さいことが多いんです。
 当時のイラストが見つかっても現在使うには解像度が足りなかったりしました。セガサターンの320×224ドットの画面には余裕で表示できても,現在使われている4K解像度の3840×2160ドットに映すと1/9くらいの小ささになってしまうんです。

4Gamer:
 製品版の画像で小さすぎるなら,開発時の素材を持ってくればいい……と思いがちですが,そもそも保存する際に軽量化されていたのでは仕方ないということですね。今回はどのような手法を使ったのでしょう。

山本氏:
 弊社の「スーチーパイ」チームが,小さなサイズの画像をアップスケーリングする技術に長けていたんです。画像編集ソフトまかせのアップスケーリングでは輪郭線に違和感が出るようなこともありますが,スーチーパイチームからは「絵に敬意を払い,オリジナルの作者に失礼が無いようにきれいにしていく」ような信念を感じましたね。

4Gamer:
 オリジナルへのリスペクトが大事ということですね。今回の反響次第では,「スチーム・ハーツ」と「ヴァリアブル・ジオ」というIPに新たな展開を期待できたりするんでしょうか。

吉川氏:
 個人的には「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ2」の復刻もやってみたいですね。ゲームバランスの調整がすごく良くて,キャラクター同士の勝負論を語れる作品ですから。

高野氏:
 弊社に開発資料が残っているかどうかというところにもなりますね。紙の資料は見つかったんですけど。

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山本氏:
 エンターグラムさんには色々と資料を発掘していただいて,当時のMOも結構な量になっていますから,もしかするとすでに見つかっているかも知れませんね。
 この後に発売を予定している「ファーランドサーガ I & II サターントリビュート」も,サターン版ではなくWindows版のソースコードが見つかったことで仕組みの解析に役立ったといったこともありましたし。

4Gamer:
 「ファーランドサーガ I & II サターントリビュート」の反響はいかがでしたか。

山本氏:
 「制作決定」という段階にもかかわらず,当時のファンの方を中心に大きな反響をいただいています。作品数の多いシリーズではありますが,「ファーランドサーガ」と,続編「ファーランドサーガ 時の道標」は2作品で完結するため,ストーリー的な意味でも移植のしやすい作品でした。

 「味方パーティ全キャラのHP&MP常時表示機能」「リワインド(巻き戻し)」「クイックセーブ&ロード」といった便利機能も搭載しています。Nintendo Switch,PlayStation 5パッケージ版の予約もスタートしていますし,Steamなどダウンロード販売サイトでは単品での購入も可能ですので,ぜひチェックしてみてください。

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 シティコネクションは本日(2025年2月26日),シミュレーションRPG「ファーランドサーガI&II サターントリビュート」6月26日に発売すると発表した。本作は,「ファーランドサーガ」と,その続編である「ファーランドサーガ 時の道標」を現行機種向けに復刻したもの。単品でのダウンロード販売も行われる。

[2025/02/26 12:00]


4Gamer:
 エンターグラムのほかのIPについてはいかがでしょう。例えば「BADLR FORCE」「BALDR SKY」などといった,BALDRシリーズについて新たな展開はありますか。
 爽快なコンボを楽しめるアクションゲームということで,根強いファンがいるタイトルですが。

高野氏:
 BALDRシリーズかどうかは置いておいて,とある作品をコンシューマ機で発表すべく,着々と準備を進めています。近いうちに続報を出せればと思います。

4Gamer:
 それは朗報ですね。界隈が沸きそうです。では最後に,読者へのメッセージをお願いします。

吉川氏:
 本作は,山本からの提案の前に,別プロジェクトのディレクターからの推薦があったりなど,現場からの声がきっかけでタイトルが決まった初のサターントリビュートとなります。
 現場もすごくいい状況で開発していますし,自分の見識が広くなったところもありますので,これをきっかけにサターントリビュートで扱うジャンルを幅広いものにできればと思います。エンターグラムさんとも,サターンに限らず色々なIPでご一緒させていただきたいです。

山本氏:
 「スチーム・ハーツ」も「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ」も,ひとりのゲームプレイヤーとして大好きなタイトルです。表現を変えなければならないところもありましたが,「できるだけのところを表現しました」というものではなく,「さらに魅力的にしたものをお届けする!」と考えつつ開発を進めていったもので,今の時代に合わせて最良の表現ができたと思います。
 エンターグラムさんの大切なIPをお預かりした上で,自信をもってお届けできる良い商品にすることができましたので,よろしくお願いします。

高野氏:
 今後ともシティコネクションさんとご一緒させていただければと思います。
 (吉川氏と山本氏のほうを見ながら)先ほど,「アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ2」の開発資料も送らせていただきましたので,よろしくお願いしますね。

4Gamer:
 今後の展開が楽しみですね。ありがとうございました。

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 当時を知るファンだけでなく,海外からも大きな反響を呼んでいるサターントリビュートシリーズ。セガサターンには様々な名作ゲームがあるだけに,これからも積極的な展開を期待したいところだ。

「スチーム・ハーツ & アドヴァンスト ヴァリアブル・ジオ サターントリビュート」公式サイト

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