
プレイレポート
「スーパーロボット大戦Y」メディア向け体験会レポート。スパロボシリーズ34年の歴史を背負い,新たに目指す地平とは
バンダイナムコエンターテインメントから2025年8月28日の発売が予定されているシミュレーションRPG「スーパーロボット大戦Y」(PC / PS5 / Nintendo Switch)のメディア向け体験会に参加してきたので,最新作の感想とプロデューサー戸澗宏太(とま こうた)氏のコメントをお伝えする。
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「スーパーロボット大戦Y」公式サイト
本題に入る前に,スパロボシリーズを軽くおさらいしておこう。同シリーズはアニメや漫画に登場する多彩なロボットが作品の垣根を越え,一堂に会して巨悪と戦うシミュレーションRPGだ。その歴史は今年で34年目を迎える。
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自ら鍛え上げた最強部隊を率いて,巨大な悪と戦うシチュエーション。豪華な戦闘アニメに呼び起こされるかつての興奮。さまざまな作品がクロスオーバーするオリジナルシナリオ。そして,ユニットの育成リソースをどこに割くかと頭を悩ませるマネジメントの面白さ。それらが渾然一体となったものが,スパロボシリーズの魅力である。
8月28日に登場する「Y」は20作品以上の参戦タイトルを擁し,シリーズの新たな一歩となることを目指したという。その詳細は本稿の中で触れていく。
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刷新されたUI,そして新要素「アシストリンク」
今回プレイしたのは,製品版の一部ではなく,体験会に用意されたバージョンだ。
試遊版をスタートすると,オリジナルキャラクターであるエチカ・Y・フランバーネットが所有する「機動要塞都市エーアデント」の周囲に,おなじみのユニットたちをはじめ,新規参戦の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」Season1よりガンダム・エアリアル,「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」よりジェットジャガーらが輪形陣を展開。そこに四方八方から敵が殺到する形で戦闘が始まった。
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すぐに気づいたのは,UIの大幅な刷新だ。戦闘準備画面では,命中率だけでなく予測ダメージも表示される。これまではプレイヤーが敵・味方のステータスを見比べて予測するものだったが,これは素直に便利だと感じた。
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そのほか,現在使用している精神コマンド(戦いを有利にするパイロットが持つ能力)の影響や,この戦闘で消費するEN(武装のエネルギー)なども表示される。また,いちいちマップ画面に戻らなくても,精神コマンドや新要素「アシストリンク」を呼び出せる。
アシストリンクとは,戦闘に直接参加しない「アシストクルー」が後方から精神コマンドに似た支援を行える要素だ。精神コマンドのアウトソーシング(?)のようなイメージだろうか。これは,敵を撃破したときに増える「アシストカウント」を消費して使用する。
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繰り返しアシストを行うことで彼らのランクも上がり,シリーズ作品のエーストークのようなイベント「アシストトーク」が発生するようだ。
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いろいろな変更はあるが,やはり本作は「スパロボ」。まずはセオリーどおり,精神コマンドをかけた回避役や盾役のユニットを敵陣に突っ込ませて,敵の動きをコントロールする。
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その後,加速をかけたユニットで接近戦を挑んで粉砕したり,後衛から長射程の武器で撃ち落としたりと,おなじみの戦い方を堪能できた。
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この変わらない手応えこそ,シリーズのファンが求めている「スパロボ」らしさだ。「こういうのでいいんだよ,こういうので」と喜ぶ友人の笑顔が思い浮かぶ。
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ちなみに,「勇者ライディーン」が「スパロボ」シリーズのコンシューマ作品に登場するのは約20年ぶりとなる。筆者が生まれる前の作品なので詳しくはないが,かつてお世話になった人が「新スーパーロボット大戦」のリアル等身を見て,大いに喜んでいた姿が印象深い。今でもどことなく親しみを感じるロボットだ。
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こんな風に時代を越えて,作品や人をつなぐのが「スパロボ」シリーズの真に偉大なところかもしれない。筆者も考えてみれば,マジンガーZはともかく,ゲッターロボは「スパロボ」で初めて知ったようなものだ。
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プロデューサー戸澗氏が語る,シリーズ継続の決意
試遊後,戸澗氏に質疑応答の時間が設けられた。
まず本作の「Y」に込められた意味は「アルファベット1文字で(「スーパーロボット大戦α」や「スーパーロボット大戦V」のように)シリーズの本流でありつつ,革新性も感じてもらいたい」とのこと。また,文字の形にも運命の分岐路という意味合いが込められている。
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そこで思い出されるのが,本作のキャッチコピー「右は災厄,左は破滅― 宿命を越えろ、鋼の守護者」だ。Yの左右に広がる形がまさに「右は災厄,左は破滅」に見えてくる。どっちに行こうがどん詰まり,そんな未来を変えるために鋼の守護者が躍動する……というわけだ。
また,ゲームエンジンの刷新に至った背景には,シリーズ継続のための判断があったという。戸澗氏によれば,「スーパーロボット大戦α」シリーズ(2000年〜)の頃よりエンジンの拡張を続けていたが,いよいよ開発に与える影響が無視できなくなってきたとのこと。
そこで核となる楽しさはそのままに,汎用エンジンであるUnityに「載せ替える」ことにしたという。
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システム面の新たな試みとしては,「STGメモリー開放」や前作にもあった「タクティカル・エリア・セレクト」のさらなるブラッシュアップを挙げていた。
STGメモリー開放とは,ミッションクリア時に入手できるポイントを使って,部隊全体にさまざまな恩恵を与える要素だ。主に攻撃や気力(ダメージの係数であり,武装使用の条件にもなる数値)に関係する赤のルート,防御や回避に関係する青のルート,資金や経験値に関係する緑のルートのうち,重視するルートによってバトルの全体的な手応えをプレイヤーが調整できる。
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一方,タクティカル・エリア・セレクトに関しては,自分の好きなユニットを先行して参戦できるといったメリットがあるものの,前作ではストーリーが分かりづらくなることにもつながってしまったという。その反省を踏まえて,「『Y』では序盤は自由な展開,自由度を絞ることでシリーズらしいお話の盛り上がり」を狙ったそうだ。
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戸澗氏は「発売まであと1か月。まだまだ伏せている秘密もありますが,しっかりプロモーションしていきたい」と,最新作にかける意気込みを語ってくれた。
「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」「SSSS.DYNAZENON」といった,特撮ヒーローや怪獣作品にルーツを持つようにも感じられるタイトルが参戦を果たした「スーパーロボット大戦Y」。忍者をモチーフにしたヒーローを思わせるオリジナル主人公・月ノ輪クロスや月ノ輪フォルテの存在からも,特撮作品との親和性を感じさせる部分がある。
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ただの希望的観測でしかないが,本作の反響が大きければヒーロー系に寄せたシリーズ展開もあるかもしれない。そんな新たな機運の盛り上がりに期待してみるのも一興ではないだろうか。
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「スーパーロボット大戦Y」公式サイト
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キーワード
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- シミュレーション
- RPG
- CERO C:15歳以上対象
- アニメ/コミック
- バンダイナムコエンターテインメント
- プレイ人数:1人
- ロボット
- 原作モノ
- PS5:スーパーロボット大戦Y
- Nintendo Switch:スーパーロボット大戦Y
- Nintendo Switch
- プレイレポート
- インタビュー
- ライター:高橋祐介

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