プレイレポート
「カービィのエアライダー」おためしライドで感じた,新しいけどどこか懐かしいあの楽しさ! シティトライアルの“試乗”体験レポート
「カービィのエアライド」に熱狂していた,あのころの。
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さっそくこの記事は何かを伝えておくと,“楽しみにしていたおためしライド初日(11月8日)に参加してみたら「すっっっごくおもしろかった」というインプレッション”をお届けするものだ。
小学生のころに「カービィのエアライド」(以下,エアライド)に大ハマりし,「エアライダー」が待ちきれずニンテンドー ゲームキューブを引っ張り出した身(詳しくは[こちら]の記事をご覧ください)として,あの“後継作”として懐かしく,新しいゲームとしてのワクワクがどちらも詰まっていた。
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「カービィのエアライダー」が待ちきれなくて「エアライド」のシティトライアルを遊び,そして考えた。なぜ小学生のころ熱狂し,今も楽しいのかを
「カービィのエアライダー」の発売が待ちきれない! 小学生のころに遊び倒した「シティトライアル」を早くプレイしたい! 気が付けばニンテンドー ゲームキューブを引っ張り出して「カービィのエアライド」でシティトライアルをプレイしていた筆者。そして考えた。なぜ当時熱狂し,今も楽しいのかを。
ふたつのボタンとスティックだけの超簡単な操作方法はそのままに,新要素やシステムを追加することで「エアライド」をより発展させ,さらなる遊びや驚きが詰め込まれている!
これまでの情報や「カービィのエアライダー Direct」でもそれは確認できていたが,実際にプレイして見えるものはやっぱり違う。
特にすごく印象的だったのが,“楽しさの方向性”はそのままだったことだ。
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あのころの延長線上にある“楽しさ”に触れる
おためしライドの目玉でもある「シティトライアル」は,「エアライド」から大人気だったいまでいう“バトロワ的”なゲームモード。さまざまなことが起こる不思議な街・スカイアを舞台に,自分の駆るエアライドマシンを強化し,最後のミニゲームであるスタジアムに勝利すれば勝ちというのが大まかなルールだ。
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エアライドマシンは街のいたるところに存在しており,ライダー(プレイヤー)は好きに乗り換えできる。街で起こるイベントやスタジアムの内容,どういったマシンにどう強化をほどこすかなど,各所にランダムな要素が散りばめられているのが最大の特徴だ。
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| 急にメテオが降ってくるようなめちゃくちゃが起きる街を駆けまわり,とにかくパワーアップアイテムを集める |
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| パワーアップする項目は全部で9種類。最高速や加速,マシン自体の攻撃力や重さ,飛行性などなど |
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| 鍛えたマシンでスタジアムというミニゲームを競い合い,1位を目指す。ここまでがワンセットとなる |
「エアライダー」でもその特徴はしっかりと色濃く残っている。ランダム要素は相変わらず豊富で,だからこそ「もう1回!」が止まらなくなるようなリプレイ性はそのままという印象だ。
そればかりかたくさん追加された新要素により,その楽しさは驚くほどに増していた。
まず大きいのが,オンライン通信による多人数での対人戦が可能になったこと。前作までは最大4人かつローカルでのマルチプレイのみだったのに対し,今作からはオンラインで最大16人がマッチングし,大勢のライダーがステージを駆け回る。
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ステージであるスカイアにはところ狭しとマシンが走り,いろんな場所でぶつかるわパワーアップ用のアイテムを奪い合うわで,スカイア全体はもちろん各地で常にお祭り騒ぎといった様相だ。
もともとランダム性の高さがゲームの特徴にあったが,さらに“生きた人間”という不確定要素がもりもりで増したことにより,シティトライアルが持つ“ランダムによるおもしろさ”という特徴が一層強化されたのである。
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そうなるとストレスもより高まりそうなものだが,そこの塩梅も絶妙だ。マシン同士が接触すると,たまに完全に破壊され,その場に降ろされてしまうことになる。
前作ではこうなるとリカバリーがかなり大変で,マルチプレイ中に友人のマシンを破壊しようもんならテレビ前の空気は最悪に。その空気を恐れて,子どもながらに「お互いのマシンを直接攻撃してはならない」というローカルルール(紳士協定とも呼ぶ)を定めてプレイすることすらあった。
しかしながら,「エアライダー」ではマシンを破壊されてもたいして困ることはない。ステージのいたるところにマシンが置いてあり,もし壊されたとしても10秒ほど探せば新しいマシンに出会えるからだ。
なんならマシンのほうから「あ,じゃあ自分に乗ってみます?」とばかりに近づいてくることすらある。
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なので正直マシンがぶっ壊されても「ま,いいか。つぎ探すべ」ぐらいのかる〜い気持ちで受け止められる。ペナルティが軽いことを分かっているので,壊した側の罪悪感も少ないのがありがたい。
いやまあ,といってもあくまで筆者の視点なので相手がどう思っているかまでは不明なところではあるけれど。ガチで勝ちにいく人と「わーいたのしいな」な人でそれは違うだろうし……ただ,前作のように空気が凍るような気まずさはない,はずだ。
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相手のマシンを壊す。これはゲームの遊びのひとつの要素として存在しているが,前作では前述したとおりの理由でどこか遠慮してしまう場面が多かった。
本作では,その“壊れる/壊せる”という要素を,気兼ねなく楽しめるようになった。壊れたときのペナルティが小さくなり,ぶつかり合うこと自体が当たり前の遊びとして成立している。お互いの心理的なハードルが下がったことで,よりアグレッシブにプレイできるのが本当に気持ちいい。
「どかーん」「ぎゃー」みたいな吹っ飛び吹っ飛ばされる描写は面白いし,そしてやっぱり「ぶっ壊すって楽しいよね!」という感覚が,ちゃんとこのシティトライアルにはある。
自分のマシンが壊されたとき,“仲良くケンカする”じゃないけれど「やったなこのやろう!」と追いかけっこしながら自身のマシンの強化も進める――そんなワチャワチャした楽しさがしっかり生きているのだ。
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実際,相手を攻撃することで得られるメリットも多い。攻撃した相手からはパワーアップアイテムを奪えるので,相手の力を弱めつつこちらを強くできる。広範囲を攻撃できるコピー能力で一網打尽にすれば,大量のアイテムが手に入ることも。
もしかすると製品版では多少変更されるかもしれないが,おためしライドの時点では「ほかのライダーが近くにいるときはどんどん攻撃を仕掛けてみよう」というバランスになっているのかな? と感じた。
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| ゲージが溜まると発動可能なスペシャル技もだいたいは攻撃判定を持っている。気軽にどんどん戦っていくつもりでいいのではないだろうか |
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| 試合中に手に入るアイテムを使った攻撃もある。時限爆弾は使いやすく,わりとひっかかる人も多いので楽しい |
参加人数の増加で,シティトライアルの持つランダムな楽しさは底上げしつつ,それによってマイナスになりかねないマシンが壊れやすい/壊されやすいことについてはペナルティを減らすという調整をする。
人数もゲームの要素もボリュームアップしているけど,遊び心地はあのころのまま。あのころの延長線上で遊べている! これが「エアライダー」のシティトライアルを体験していちばん衝撃を受けた部分だ。
シティトライアルをほんの少し遊んだだけで,さらなる膨大な遊びがある製品版のほかの要素はどうなっているかは分からない。それでも「理想的な後継作だな」と感じさせてくれるだけのものが,おためしライドで遊んだ時点で確かにあったのだ。
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新要素も目白押し。“前作とまったく同じ”なワケはない
そしてもちろん,前のままというわけではない。新要素はたくさんあるが,まずエアライドマシンの種類が大幅に増えたことと,それぞれ異なる特徴を持つライダー(プレイアブルキャラクター)が登場することは,やはりとくに大きい変化だと感じたところだ。
もちろんシティトライアルだけでなくゲーム全体として!
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後者は顕著な違いで,「どのライダーを選ぶか」というところから勝負が始まっているといっても過言ではない。もちろん「自分の好きなキャラクターで楽しもう!」というのがあるが,「とにかく勝ちたい!」という人は,いろいろなライダーを試したり,ほかの人が使っているものをみて“強キャラ”を選ぶといい。
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シティトライアルに限った話でいえば,スタジアムが本作から選択式になった。
4つのスタジアムがスカイアでの探索を終えたあとに提示され,プレイヤーごとに選ぶような仕組みになっている。自分の得意な種目で戦えるので,前作よりスタジアムで「これなら勝負になりそうだ!」と前向きに挑めるようになり,そして白熱できるようになったと思う。
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デスマッチ(ほかのプレイヤーをいっぱい倒せば勝ち)やゼロヨンアタック(まっすぐのコースで速度を競うレース)といった従来のスタジアムもあるが,本作では新たにいくつかのスタジアムが追加された。
なかでも陣取り合戦となる「スイッチプッシュ」は,希望が持てる新ルールだ。
これはステージにあるボタンを踏んで押した数で競うルールで,取っては取り返しを繰り返し,最後に多かった人が勝利となる。
つまりプレイヤー自身の“いかに相手に取られないか/取り返せるか”の戦術がモノをいうわけで,スカイアでマシンの強化が上手くいかなくても,プレイヤー次第で逆転のチャンスがあるのだ。
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スカイアでの探索中に起こるイベントにも,特定のエリアを使って行う「ミニレース」や「デスマッチ」など,ほかのプレイヤーと競技形式で競う合うようなものなどが追加されている。
限られたテストプレイ時間のためちゃんと検証したわけではないが,イベントの発生頻度も前作よりは高いように感じられた。そのためヒマになる時間はほとんどなく,つねに目まぐるしく状況が変化していく。スカイアでの探索時間は5分と短いながらも,イベントのおかげでぎゅぎゅっと濃縮されたゲーム体験が楽しめる。
イベントごとの特色も全然違っていて,なかには例えば“飛行が得意なエアライドマシンだと有利になるイベント”なんかもあったりする。
イベントは大量のパワーアップアイテムを入手できるチャンスでもあるので,筆者はそういったときに周囲を見回して「いいマシンないかな?」と,探して乗り換えて……ということをしながら遊んでいた。マシンの種類も増えたぶん,“乗り換え”の楽しさみたいなものも増したと感じる。
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イベントの中にはプレイヤーたちで協力してボスのような大型の敵を倒すものもある。
とはいえボスを倒さないとなにかペナルティがあるわけではないため,参加するか否かはプレイヤーの自由。なんならイベントに群がるほかのプレイヤーたちを攻撃してパワーアップアイテムをいただくなんてこともできる(そのあと大勢の相手から標的にされそうだけど)。このあたりの自由さが,シティトライアルの楽しいところだなと思う。
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| ゴルドーが降って大変なことになっている街を遠巻きに眺めていたっていい。それがシティトライアル |
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| ただし街の遠くをずっと飛んでいると突然落雷に撃たれる。それだけは許されていない |
イベントの頻度もそうだが,パワーアップアイテムはより入手機会が多くなった。そのおかげでより展開はスピーディーかつハイテンポなものに。そのぶん人によっては,そのゲームスピードの速さに面食らうかもしれない。
おためしライドでは実装されていなかったが,製品版にはゲームスピードを遅くする設定もある。さらに酔い軽減モードなども追加され,初めての人やこういうゲームに不慣れな人でも遊べるようにできている。このあたり,少ないボタンで遊べる操作性+アクセシビリティ強化で「このゲームを誰でも遊べるようにする」という気概がびしびしと伝わってくる。
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まったく新しいゲームだけど,確かにあのとき愛した「エアライド」だった
新要素はたくさんあるものの,かつて「エアライド」に熱中した者として,おおむね結論はこれに尽きる。「これは確かに,俺の愛した『エアライド』だ」と――。
多くのモードの追加に遊びの強化。たくさん増えたマシンに個性豊かなプレイヤーキャラクター。参加人数が4倍となったオンラインでのマルチプレイ。前作が22年前だから,変わっていて当然だ。当時小学生だった筆者も,いまやすっかりヒゲの生えたおっさんだ。
だからこそ,単なる懐かしさの再現ではなく,「新しいゲームでいろいろパワーアップしているけど,基本の部分と遊んだときの楽しさはあのころのままだ!」と思える仕上がりなことに驚いた。
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あのとき夢中になったランダム性,イベントを攻略する楽しみ,スタジアムに感じたワクワク。すべてあのころの“楽しさ”がそのまま時代を越えてやってきたような。
そしてその遊びは,“いま一番新しいカービィの遊び”として,「エアライド」を知る人もそうでない人も楽しめるものになっていると。
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おためしライドで体験できるのは,あくまで「シティトライアル」を中心とした製品版の“ごくごく一部の要素”だ。「ライダーもマシンもまだまだ全然あるんだよね?」と思うと,まだ本気を出してない……みたいなわけで,驚きです。
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すでに購入するつもりとか予約済みだとかいう人は,発売日の2025年11月20日が待ち遠しいといったところだろうか。迷っているという人は,まず無料の体験版「カービィのエアライダー おためしライド」をSwitch2にダウンロードし,次のオンラインテスト開催時(11月15日〜17日)に“試乗”してみるといい。チュートリアルにあたる「教習所」はテスト期間外でもプレイ可能だ。
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- Nintendo Switch 2:カービィのエアライダー
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- ライター:オクドス熊田
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