
プレイレポート
[プレイレポ]「スター・オーバードライブ」でイカしたホバーボードに乗り,高速で駆け巡る喜び。恋人の手掛かりを求めて広大な惑星を冒険しよう
開発したのは,イタリアのインディーゲームデベロッパであるCaracal Games。4月10日にSwitch版が発売された本作だが,今回PS5 / PC版が発売となったタイミングで,本作のプレイレポートをお届けしよう。
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主人公バイオスは,行方不明の恋人ノースを探し続ける青年だ。恋人からの救難信号を受け取ったバイオスは,謎の惑星「セベテ」にたどり着いた。セベテは広大な砂漠や海が広がっており,ノースは企業の調査活動を手伝ううちに何らかのトラブルに巻き込まれたようだ。
バイオスの宇宙船は破壊されてしまい,残ったのは高速疾走できる「ホバーボード」と,武器にも使える楽器「キーター」のみ。バイオスは恋人の手掛かりを求めて大地を駆け巡り,原生生物とバトルを繰り広げるのだ。
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本作で特筆すべきは,広大なセベテをホバーボードで駆け巡るスピード感だ。
ホバーボードはあらゆる地面を滑走できるスケートボードのようなもの。普通に走るだけでも速いのだが,斜面のエッジでタイミング良くジャンプすればスピードがさらにアップする。
加えて,空中で[R]スティックを動かしてトリックを決めれば,着地時に「ブースト」がかかり,さらにスピードがアップする。「地面を高速滑走して気持ちいい!」「ジャンプしてさらに気持ちいい!」「トリックを決めてもっと気持ちいい!」といった具合に,直感的な気持ちよさが次から次へと襲い掛かってくる。
セベテの面積は170キロメートル四方もあり,ただ走っているだけで気持ちいい。滑走のスピード,ジャンプの高度,走っていく距離のいずれも現実では味わえないスケールだし,原生生物が並走してくれる演出もあわせて,本能的な快感に酔いしれる。
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大地のあちこちには「リージョナルタワー」があり,再始動させると新たな手掛かりが得られる。また,周囲にある「採掘地点」(ダンジョン)にも入場できるようになる。
採掘地点では,ホバーボードが使えない状態で探索や戦闘を行うため,中に置かれたカセットテープから手に入る「パワー」が重要だ。
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「グラブパワー」はオブジェクトや敵を掴んで運んだり,投げつけたりできる。「インパルス」は誘導弾を発射してスイッチを作動させたり,敵にダメージを与えたりできる。「ジャンプパッド」は,バイオスや敵が乗るとトランポリンのように跳ねるフィールドを設置できる。
これらのパワーをパズルのように組み合わせ,最深部を目指していくのだ。
採掘地点にはさまざまなギミックがあり,仕掛けを作動させてクリアするものや,複雑な地形をジャンプで飛び渡ったりするものなどその種類はさまざまだ。
メッセージによる誘導がないことも相まって難度は高めで,手持ちのパワーと周囲の地形を観察し,求められているものが何かを探り出し,そのうえでアクションのテクニックも求められる。
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ミスをしても再チャレンジできるとはいえ,自分が今使っているアクションが正解かどうか探りつつ進んでいくことになるため,フィールド探索とは違った緊張感がある。
ダンジョンのゴールには「パワーノード」が置かれており,手に入れるとバイオスの「スキルツリー」から攻撃力や耐久力を上げたり,地面を走る「スプリント」などの能力をアンロックしたりでき,冒険がより便利になっていく。
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パワーは戦闘にも活用でき,基本攻撃であるキーターの打撃と組み合わせれば,戦いを有利に進められる。
敵の数が多いようであれば,キーターで殴って装甲を剥いでからグラブパワーで掴み,崖下に投げたり,敵同士をぶつけてダメージを与えたりできる。また,敵が遠くにいるなら,インパルスで狙い撃てる。パワーが増えれば増えるほど戦術のバリエーションも増していくのだ。
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パワーの中でもジャンプパッドは移動に活用できる特別な位置づけにある。これまでは斜面のエッジで加速するしかなかったものが,ジャンプパッドを設置してホップとトリックをすることで,どこでも自らスピードを上げられるため,便利さと快適さが一気に増す。
こうしてフィールドを走っていくと,風光明媚な場所や,ホバーボードに描けるマークの記された岩が見つかることもあり、あちこちさまよいたくなる。
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バトルの中でも特に印象深かったのが,巨大生物との戦いである。
巨大生物はセベテの大地を回遊しており,普通に走ったのではとても追いつけない。そのためホバーボードに乗り,ジャンプやトリックからのブーストを駆使する必要がある。
一定範囲内に近づき,グラブパワーを捕鯨の槍のように撃ち込めば,バトルスタート。引き離されないようにしつつインパルスをぶち込めるだけぶち込んでやれば,やがて敵の足が止まり,こちらに襲い掛かってくる。
動きを止めてチャンスを作る「スタン」とHPを減らす「ダメージ」のいずれかを選んでキーターで一撃をお見舞いしてやろう。追跡からグラブパワーでの捕獲,インパルスでの攻撃,キーターでの一撃を繰り返し,巨大生物の体力をゼロにすれば討伐終了だ。
ホバーボードの疾走感という意味では実に本作らしいバトルで,勝てたときの爽快感もひとしおだ。
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ホバーボードを強化し,行動半径を広げるには,植物や敵から手に入る素材を使い,リージョナルタワーで新たなパーツの「クラフト」が必要となる。
ホバーボードのパーツは,速度に関連する「エンジン」,ハンドリング性能を上げる「ウィング」,ブーストをパワーアップするブースター」,ジャンプの高さを上げる「バウンサー」,ホバーボードの強度を上げる「プレート」の5種類が存在し,採集や戦闘で手に入れた素材を多く使うほど出来上がるパーツも高性能になる。
ここで,巨大生物などから手に入る「グラビタニウム」があれば,金属や水上,汚染エリアといった特殊サーフェスを疾走できる「スペシャルパーツ」をクラフト可能だ。スペシャルパーツがあれば,行動範囲が一気に広がり,さらに遠くまで探索を進めていける。
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ホバーボードによる疾走感はレースゲームのようだが,本作ではフィールドを自由に走り回れるのが特徴だ。
一方で,ダンジョン関連は結構クセがあり,人を選ぶ難度となっている。ミスして崖から転落したり,水に落ちたりすると一発でミスになる。ダンジョン探索では,正解を導き出すまで頻繁にミスすることも珍しくない。また,リスポーン場所が悪く,再スタートした瞬間に崖から落ちてミスになることもあった。
明確に気になったのは,リトライ性の部分だ。本作はミスになるとゲームオーバーの演出を経ないとリトライができない。たとえば水に落ちた場合,バイオスが溺れる演出からゲームオーバーの演出,そして再スタートまで12秒ほどかかってしまう。ミスが頻発するゲームの特性上,ここの部分はアップデートで改善を期待したいところだ。
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「スター・オーバードライブ」公式サイト
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