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[プレイレポ]飛び越え,飛び越されのすごろくバトル。「小林さんちのメイドラゴン」のボドゲは,手軽に読み合いが楽しめる手札管理ゲームだった
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「世界の終わりの大運動会 -小林さんちのメイドラゴン・ボードゲーム-」紹介ページ
トールたちがゴール目指して全力疾走! 読み合いが楽しいダイスレスすごろく
本作は,クール教信者氏による漫画「小林さんちのメイドラゴン」を原作としたボードゲームだ。ゲームデザインはドロッセルマイヤーズの渡辺範明氏,グラフィックスデザインをTANSAN氏が担当している。プレイ人数は2〜4人で,価格は4400円(税込)だ。
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基本のルールは,いち早く終点を目指す,いわゆる“すごろく”だ。
一本道のルートのスタート地点にキャラクターコマを配置し,各プレイヤーは担当キャラクターを2つ(2人プレイ時は4つ)選択。いずれかのキャラクターコマがゴールに達した時点で,担当コマの順位に応じた勝利点を獲得し,その合計を競う。
普通のすごろくと大きく違うのは,進行にサイコロを使わないことだ。各プレイヤーにはキャラクターを示すカードが手札として配られ,それを手番に1枚出す(捨て札する)ことで対応するキャラクターを先に進められる。
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カード1枚で進めるのは1歩だけだが,前方に別のキャラクターがいた場合は,それを飛び越えて進んでよい。飛び越える人数に制限はないので,2人が連なっているなら3マス,3人が連なっているなら4マスと,並び次第では一気に前に出るのも不可能ではない。
ただしランダムに配られる手札には,自分が担当するキャラクター以外のものも含まれるので,仕方なく相手のキャラクターを先に進ませざるを得ない場面も少なくない。1ターンに出せる手札枚数に制限はなく,出した枚数分だけターン終了時に手札を補充できるので,自分が最も得をする順番を考えてカードを出す必要がある。
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いったん相手を前に出し,それを飛び越えるのがベターな戦略だが,難しいのは一部マスに書かれた「特殊効果アイコン」の処理だ。
その内容は「山札から1枚引く」「相手プレイヤーから1枚うばう」「手札を1枚山札に戻す」の3種類で,マスに止まったコマの担当プレイヤーが効果を受ける形になる。つまり,状況によっては相手プレイヤーが得をしてしまう可能性もあるわけだ。
たかが手札1枚に思えるかもしれないが,カードの使用枚数に制限がなく,使った枚数だけ補充ができる本作において,手札が1枚増えるのは極めて大きなアドバンテージとなる。永続的にアクション数が+1されると考えれば,その強さが理解できるだろう。
それだけに,飛び越えの判断にはかなり悩まされる。とにかく前に出るべきか,レースで相手の後塵を拝しても自分の手札を増やす(あるいは相手の手札を減らす)べきかで,選択を迫られるケースは少なくない。手札の状況次第では,カードを使わずに温存し,次のターンまで待つといった戦略も必要となるだろう。
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見た目に反してカッチリした読み合いが展開されるゲームだが,それを一気にかき回してくれるのが,キャラクター個別の特殊能力「キャラクタースキル」だ。
発動した瞬間に2歩進める「トール」,ひとつながりのコマの並びを入れ替える「ファフニール」など,その効果は強力なものばかり。それを各プレイヤーが2つ所持しているわけで,これを用いるとめまぐるしくトップが入れ替わっていく。
スキルの再発動が可能になるトリガーが「全キャラクターのうち5人がスキルを使用するまで」というのもよくできていて,使い渋ると使用するタイミングを逃し,使いすぎると全プレイヤーのスキル回転率が高まってしまう。大味に見えて,しっかりとジレンマが組み立てられている。
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いわゆる“ダイスを使わないすごろく”をコンセプトに掲げた作品は,本作以外にも多く存在する。手札を溜め込んで一気に移動する「うさぎとカメ」や,そもそも任意のマス数を移動できる「東海道」など,方向性はさまざまだ。コマの飛び越えで移動数を節約するルールも,それ自体が新しいわけではない。
ただ,本作はその組み合わせ方が非常にうまい。手札を好きなだけ使える爽快感のあるルールと,マスの効果による手札枚数の増減要素と組み合わせることで,独自の読み合い要素を作り上げているのだ。
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キャラクター個別のスキルも,それぞれのキャラクター性を表現しつつも,ゲームに盛り上がりを与えてくれる。原作ファンであれば,好きなキャラクター同士でタッグを組ませ,シナジーを生み出す戦術を考えて見るのも一興かもしれない。
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ゲームマーケットでの先行販売後は,6月18日より全国の書店を含む取り扱い店で購入可能になるという。詳細な仕様や取り扱い店は,公式の紹介ページに掲載されているので,気になる人はチェックしてみよう。
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「世界の終わりの大運動会 -小林さんちのメイドラゴン・ボードゲーム-」紹介ページ
「ゲームマーケット」公式サイト
- 関連タイトル:
世界の終わりの大運動会 -小林さんちのメイドラゴン・ボードゲーム-
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