
プレイレポート
「仁王3」TGS出展バージョンインプレッション。のちの三代将軍・竹千代が時代を超える物語と,“転心”によるスタイルの使い分けに注目
「仁王3」は2026年2月6日に発売。最新のストーリートレイラーも公開に

本日(2025年9月25日)配信された情報番組「State of Play」にて,コーエーテクモゲームスのダーク戦国アクションRPGシリーズ最新作「仁王3」の発売日が発表された。発売日は2026年2月6日で,価格は9680円(税込)となる。あわせて公開された最新トレーラーでは,本作のストーリーの一部が紹介された。
「仁王3」公式サイト
「仁王3」のストーリー面では,主人公が「竹千代」であるということ以外は秘されていたが,本日公開されたトレイラーで,その一端が明らかになっている。竹千代は徳川家康と徳川家光の幼名だが,「仁王3」の主人公となるのは後者,つまりのちの第3代将軍・家光というわけだ。
竹千代と弟の国松(のちの駿河大納言 徳川忠長)には,将軍の位をめぐっての確執があったのは有名な故事である。本作における竹千代は,将軍就任を目前に闇に堕ちた国松に襲われ,時を超える力でほかの時代へ赴き,さまざまな人物と絆を結びながら,戦いを繰り広げていく。
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東京ゲームショウ出展バージョンでは,平安時代のオープンフィールドを探索する「雪原のあやかしを討つ」,もしくは初登場の強敵に挑む「武田信玄に挑む」を選んでプレイできるようになっている。どちらをプレイしても,試遊特典としてオリジナルステッカーがもらえるほか,後者を選んで見事信玄を倒せば,特製のオリジナルTシャツがプレゼントされるという。
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平安時代のオープンフィールドは雪と氷に包まれており,「仁王2」で真柄直隆と対決した「屍山氷河」を思わせる寒々とした光景が広がっている。大きな坂道は素早く滑り降り,高台から攻撃してくる妖怪を2段ジャンプで追い詰め,水面に浮かぶ氷塊を飛び渡る……と,プレイフィールはとにかく立体的かつスピーディーだ。出現する妖怪も氷の技を使うものが多く,雪原を泳ぐ人魚のような敵も現れるなど,見ているだけでも身体が冷えてくるようだった。
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竹千代は,重厚な「サムライスタイル」と,忍術を操る「ニンジャスタイル」を「転心」で切り替えつつ戦える。サムライスタイルでは「二刀」,ニンジャスタイルでは「旋棍」という,6月のα体験版では見られなかった武器を体験できるのも見どころの一つといえる。
二刀については,サムライスタイル用が「二刀」,ニンジャスタイル用が「忍二刀」という別武器扱いとなった。既存の「武技」(スキル)がそれぞれのスタイルに割り振られたのに加え,新技も登場している。
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高速で斬撃を繰り出す人気技「水形剣」はどちらでも使える一方で,居合斬り「十文字」や,「仁王」で猛威を振るった「野分」はサムライスタイルに割り振られている。旋回しつつジャンプ斬りする「渦龍斬」や,二振りの刀を組み合わせての回転斬り「双頭斬」は,ニンジャスタイル専用だ。
そしてニンジャスタイルには,敵の横をすり抜けつつ斬る「影斬り」,ジャンプしつつ回転斬りして空中攻撃に派生できる「天裂刀」,斬りつけた後に飛びのく「引波」,空中から地上へ突っ込む「錐独楽」といった多くの新技が追加されているようだった。
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また,二刀と忍二刀は派生の面でも差別化が図られている。
サムライスタイルには相手の攻撃をタイミング良くガードする「捌き」から派生する「捌き斬り」があり,ニンジャスタイルには攻撃後に[R1]+左スティック前で,何らかの派生技が存在するようだった(出展バージョンでは武技の割り振り画面に項目だけが存在し,武技自体は未修得となっていたので,具体的な内容は不明)。このため操作感も変わってきそうだが,それぞれがどういった立ち位置の武器になるかは,製品版を待ちたいところ。
旋棍は「仁王」のDLCで追加された,いわゆるトンファーだ。力を溜めて突っ込む「絶招寸勁」,旋棍を叩きつけたあとに旋回させる「天上蓮」,攻撃後に後ろへ避ける「鬼舞」,前方へ踏み込む「鬼奔」といった特徴的な技が揃っており,今回もパワー&手数の派手な勝負ができそうである。
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ここでシリーズ経験者なら,“鬼舞や鬼奔は特殊な気力回復動作「残心」からの派生だったが,今回のニンジャスタイルには残心は存在していない”ことが気にかかるだろう。ニンジャスタイルに残心はないが,操作としてはこれまでと同様,攻撃後に[R1]となる。旋棍を使っていた人には嬉しいところだ。
なお,従来の旋棍は上中下段の「構え」を変えてさまざまな技を使い分けていたが,ニンジャスタイルには構えがない。「仕込み旋棍」で使える爆破技「紅蓮」や,素早く相手の気力を減らせる「推突」など,使いやすい技も多い旋棍だけに,どう再構成されたのかも製品版の見どころになりそうだ。
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そして,α体験版では各スタイル1種類ずつだった近接武器と遠距離武器が,今回は2種類ずつ装備可能と「仁王2」に近い仕様となっていた。もちろん,攻撃中にもう一つの近接武器を抜き放つ特殊攻撃「紫電」も復活しており,「仁王2」と同じ感覚で操作できた。現時点では実戦での実用性は不明だが,指が覚えているテクニックをまた使えるのはシンプルに気持ちがいい。良い意味での“手癖”さまさまである。
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なお細かい点ではあるが,製品版のニンジャスタイルでは,気力を消費せずに攻撃を回避できる「見切り」で,妖怪が設置するデバフフィールド「常世」を消せるスキルも用意されているという。ニンジャスタイルの利便性がよりアップしたという印象だ。
オープンフィールドのボスは,「仁王2」でこちらを苦しめた以津真天である。爪の素早い攻撃と,尾を振り回しての長レンジ技が良いコントラストになっており,戦っていて懐かしくも楽しい。爆発技も健在なので,「仁王2」で予習しておくのもいいだろう。
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そして武田信玄は,妖怪化した状態でこちらを待ち受けている。その姿は,4本の腕を持った野獣とでもいうべきもの。武田信玄が「仁王」シリーズに登場すると聞いて,筆者は“やはり軍配をアレンジした何かを持っているのだろう”などと予想していたが,こんなありきたりな想像を超えてきたところに心地よい驚きを感じた。
それでいて,旗印の「風林火山」にちなんでか火や風の技を使ってくるし,トレードマークである諏訪法性兜についた白毛の飾りがたてがみ風にアレンジされているなど,どこから見ても武田信玄だ。予想を超えつつも基本は外さない,アイコニックな要素の組み合わせが面白い。
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そのファイトスタイルは,野獣のように4本の腕を振るって襲い掛かってくるという意外なものだ。巨体であるのに加え,弱点であるアムリタも頭部の角に配されており,狙うのがなかなか難しい。相手の姿勢をしっかりと観察し,頭を下げたところに打点の高い技を叩き込むことになりそうで,デザインと遊びが組み合わさっているあたりがTeam NINJA的といえる。
巨体だが攻撃時の動きは俊敏だ。普段の歩行と,素早い飛び掛かりや拳のコンビネーションといった動きには緩急があり,ギリギリで攻撃を防いで体勢を崩す「捌き」や見切りを狙いたくなる。
大技はモーションが分かりやすいうえに動きもゆっくりだが,ミスして食らうと大ダメージと,アクションゲームとしての作法に忠実な印象。両腕を叩きつけると爆発が起きたり,風の力を利用して突進してきたりと,風林火山の旗印にちなんだ技も面白い。
常闇モードに突入すると4本の腕が属性を帯び,体当たりも壁を足場とした三角とびにパワーアップする……とより野獣的になるのもメリハリがあって面白く,製品版で戦うのが楽しみになるボスとなっていた。
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竹千代と国松の確執はどのような結末を迎えるのか。そして,時代を超える物語の行方はどうなるのか。まだまだ気になることは山積みだが,それは製品版を待ちたいところ。α体験版を経て「仁王3」がどう変わったのか,気になる人は東京ゲームショウの会場へ急ごう。
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「仁王3」公式サイト
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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