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須田剛一“出奔”につき欠席裁判!! アドリブか,ムチャぶりか。「ROMEO IS A DEAD MAN」制作の裏側に迫るベテラン&若手との4人タッグマッチ2連戦
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印刷2026/03/07 12:00

インタビュー

須田剛一“出奔”につき欠席裁判!! アドリブか,ムチャぶりか。「ROMEO IS A DEAD MAN」制作の裏側に迫るベテラン&若手との4人タッグマッチ2連戦

――須田剛一,海外逃亡!?

 グラスホッパー・マニファクチュア(GhM)が2026年2月11日に発売した最新作「ROMEO IS A DEAD MAN」(ロミオ・イズ・ア・デッドマン)。GhMらしい,数字では表しづらい“何か”を持つ同作は,発売直後からその“何か”を感じ取ったゲームファンからは高評価,一方で批評界隈では賛否両論となり,いろいろな意味でゲーム界をにぎわせている。

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 時は遡り――そんな本作がもうすぐリリースされるという1月末。4GamerはGhMに,総監督/脚本/プロデューサーの須田剛一氏にインタビューの相談をしていた。
 2025年8月に須田氏とディレクターの山﨑 廉氏に話を聞いたが,ゲームのことをほとんど知らない状態でのインタビューだったため,内容は観念的な方向に。だからこそ,正式リリースのタイミングであらためてゲームの話を聞きたいと思ったからだ。

 そんな矢先に飛び込んだのが,記事冒頭の「須田剛一氏,海外逃亡」の一報。GhMに真相を聞き出したところ,須田氏は「ロンドンコーリング!」と言い残して海を渡り,英国・ロンドンへ。そのまま各地を巡り,リバプールの風になったとかならなかったとか。

写真はその観念的な方向に行ったという,2025年8月掲載のインタビュー記事「GhM完全新作「ROMEO IS A DEAD MAN」はなんなのか。須田剛一氏&山﨑 廉氏が語る,制限から生まれた原点回帰の混沌と熱狂」より,須田剛一氏(右)と山﨑 廉氏(左)
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 6月5日に「State of Play」でトレイラーが公開されるやいなや,大きな話題を呼んだグラスホッパー・マニファクチュアの新作「ROMEO IS A DEAD MAN」。ところで実際のところ,どんなゲームなの? といったあたりを総監督/脚本/プロデューサーの須田剛一氏と,ディレクターの山﨑 廉氏に聞いてきた。

[2025/08/18 18:00]

 しかし,だからといって引き下がるわけにはいかない。
 “須田ゲー”と表現されることもあるが,それを作っているのは一人ではない。須田氏という強烈なビジョンを掲げるフロントマンがいて,そのイメージに呼応し,ときに冷静に支え,ときに一緒に突っ走りながら,それぞれの音を鳴らしていくGhMのメンバーたちがいる。それはまるで,バンドの即興演奏のように。

 ということで,聖地・後楽園にあるスタジオに乗り込み,開発チームに話を聞くことに。
 その場所で飛び出したのは,「すわっ,欠席裁判かっ!」といわんばかりの証言の数々――GhMの“バンドの即興演奏のごときアドリブ開発”と,そこにある闇の話だった。

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GhMの新たなメンバーとなり,何を感じたのか――若手チームインタビュー


写真は“ツアーファイナル”として東京・渋谷PARCOで開催された発売直前記念イベントの様子
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 ……なんて冒頭で煽っちゃったけど! GhMのゲームファンなら察しのとおり,ホントは須田さんが「ROMEO」のプロモーションツアーで,イギリス,オランダ,モナコ,アメリカを回っていた時期ってだけです!(そしてリバプールは行ってない)。

 ということで仕切り直し。ここからは「今のGhMの開発現場って?」「『ROMEO』はどう作られてきたの?」といった話を,若手チームとベテラン開発陣それぞれに聞いてきたものをお届けする。
 もうプレイ済み&クリアした人も,なんか気になると思いつつまだ見ていただけの人も,「こういう人たちが作ってるんだ」というところから興味を持ってもらえるとうれしい。闇の話じゃないよ。キラキラだよ。

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 都市型ゲームフェスSHIBUYA GAMES WEEKで行われた,「ROMEO IS A DEAD MAN」発売直前記念イベントの様子をお伝えする。グラスホッパー・マニファクチュアの完全新作となる本作について,総監督/脚本/プロデューサーの須田剛一氏やスタッフが,開発こぼれ話などを語った。

[2026/02/12 15:34]

 まずは若手チームから。今回集まっていただいたのは,レベルデザイナーの津田宝裕氏,リードUIアーティストの平田美和氏,リード背景アーティストの渡邉いずみ氏,リードキャラクターアーティストの鈴木童羽氏。ゲーム開発は初めてというメンバーもいれば,異なる環境で経験を積んできたメンバーもいる。
 それぞれどのような経緯でGhMに集まり,「ROMEO」制作ではどのような音を鳴らしたのか。

左から,レベルデザイナーの津田宝裕氏,リードUIアーティストの平田美和氏,リード背景アーティストの渡邉いずみ氏,リードキャラクターアーティストの鈴木童羽氏
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4Gamer:
 皆さんはGhMが新スタジオを構えたころからの「ROMEO」開発メンバーということですが,どういう経緯でGhMに入ったのですか?

津田宝裕氏(以下,津田氏):
 前の職場はゲームとは無関係でした。ただ学生時代は京都の大学でゲームのゼミに通っていて,ゲームについて学びながら自分自身でも開発をしていたんです。

4Gamer:
 そのゼミって,もしかして飯田和敏さんの……?

※「アクアノートの休日」「太陽のしっぽ」「巨人のドシン」などを手がけたゲームクリエイター。立命館大学映像学部で,ゲーム制作を軸にした「09ゼミ」の教員を務めている

津田氏:
 ええ,そうです。

4Gamer:
 なんと。実はつい先日飯田さんにお会いしたのですが,そのときに飯田さんのゼミからGhMに入った人がいるという話になって。この記事を通して「元気にやっていますよ」と伝えられそうです。
 話の腰を折ってしまいすみません。戻りましょう。

津田氏:
 はい(笑)。それで卒業後はゲームとは異なる業界の会社に勤めていたのですが,やはり仕事としてゲーム作りに関わりたいという思いがあって。そこでGhMの募集を知り,応募しました。

平田美和氏(以下,平田氏):
 同じく前職はゲームとは無関係で,GhMが初めてのゲーム開発現場です。
 以前はテレビ制作でテロップやロゴ,グラフなどのデザインをしていましたが,もっと自分のデザインを生かした仕事をしたいと考えていました。それなら昔から好きだったゲームの世界で挑戦してみたいと思ったんです。

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渡邉いずみ氏(以下,渡邉氏):
 私はいろいろな会社のゲーム開発に業務委託として部分的に関わっていました。そのなかで,ひとつのゲームを最初から最後まで見届けたいという思いが強くなって。開発会社に入りたいと考えるようになりました。

鈴木童羽氏(以下,鈴木氏):
 私もこれまでは業務委託で,主にキャラクター制作の仕事をしていました。
 モデルを作って納品したら終わり,ということが多かったなかで,自分の作ったキャラクターが完成し,発売されるところまで関わってみたい。そう思うようになったのがGhM入りの経緯です。

4Gamer:
 皆さん,それまでのGhMにはどのような印象を持っていましたか?

平田氏:
 正直,名前を聞いたことがあるくらいでした。でも調べていくうちに,今まで触れてきたゲームとは全然違う感触があって。ここなら自分の力を試せるし,成長できそうだと感じました。

渡邉氏:
 私も「ノーモア★ヒーローズ」は知っているけど……といった感じで,詳しくはなくて。ただ友だちが「killer7」を遊んでいるのを後ろで見ていて,「すごいゲームだな」と思ったことは憶えています(笑)。

鈴木氏:
 私の場合は,応募して選考が進むあいだにいろいろ調べるうちに,「あ,このゲームもそうだったんだ」と知っていく感じでした。意識して追っていたわけではないのに,実はけっこう触れていたなと思いました。

4Gamer:
 興味深いですね。
 GhMと聞くと即「ああ,須田ゲーだ」だと分かる一定の世代やゲーマー層は,GhMでゲームを作るって「覚悟して挑む」感覚があると思うんです。ですが,皆さんはわりとフラットだったんだなと。

鈴木氏:
 そうですね。最終面接でオフィスに呼んでいただいて,スタジオに飾られているアートやゲームを見たときに,面白いことをやっている会社だな,この感じに惹かれていたんだとあらためて感じました。

写真は2025年8月掲載のインタビュー記事「GhM完全新作「ROMEO IS A DEAD MAN」はなんなのか。須田剛一氏&山﨑 廉氏が語る,制限から生まれた原点回帰の混沌と熱狂」のもの。スタジオのあちこちがこんな風に遊びごころ満載です
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4Gamer:
 「面白いことをやってるんだな」っていいですね。そして何か惹かれあっていたというお話も。
 須田さんの印象はどうでしたか? 面談のときでも,働き始めてからでも。

鈴木氏:
 えっと,こんなこと言ったら怒られるかな。あの……プロレス好きなおじさんだなぁって(笑)。
 例え話をするとき,プロレスの技名や選手名がよく出てくるんですよ。

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4Gamer:
 分かります。インタビューのときもそうですから。
 私はプロレス好きなので,楽しくなってつい乗っかってしまうのですが,原稿を読み返して「ほどほどにしなきゃ……」と思うことがよくあります(笑)。

津田氏:
 プロレスの例えは多いですね。ベテランの方々はそれで通じ合っているんですが,私はついていけなくて。
 でもあとで先輩が「こういう意味だと思うよ」と解説してくれますね(笑)。

鈴木氏:
 プロレスに限らず,映画や音楽,アニメなどいろいろな話が出てきますよね。
 “ゲームの人”というより,さまざまなカルチャーに興味を持っている人だなという印象でした。

4Gamer:
 映画,音楽,アニメ,ガンダムなどなど,いろいろな話が出てきますよね。
 GhMの作品は,須田さんやクリエイターの皆さんの好きなもの,面白いと思ったものが作品のなかに流れ込んでいる感じがあります。

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平田氏:
 現場にいて感じたのは,プレイヤーだけでなく,作り手がワクワクすることを大事にしている人たちなんだということです。面白がる気持ちが,そのままゲームという形になっているような。

4Gamer:
 インタビューでの話しぶりからもけっこう伝わります。「ここ見てください! 誰々が作ったんですよ。すごくないですか?」と,よく担当者の名前を挙げられるんですよ。

 それぞれゲーム開発経験は異なりますが,GhMでの開発現場はどうでしたか?

渡邉氏:
 驚いたことですと,定期的なチェックの場で,須田さんから「ボス戦前の扉だけど,すごく連打しないと開かない仕様にしたらどうだろう」という話が出たことです。
 プレイヤーがボス戦前に疲れて操作に影響が出て,それがボス戦の厳しさに重なるのでは……という発想で。

4Gamer:
 物理的に疲れさせる! びっくりな発想です。

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渡邉氏:
 ええ(笑)。印象的だったのが,その話のあと先輩が駆け寄ってきて,「須田さんが「真面目に聞いていたら,ふざけたことを言い出した」って嫌な気持ちになっていないかって気にしている」とフォローしてくれたことです。

 私はネガティブには受け取ってはいなかったんですが,驚いて固まっていたみたいで(笑)。大胆なことを言うけれど,そういうところを気にかけてくれているんだと感じました。

4Gamer:
 分かります。自分のなかで面白くなって一気に走るけど,「置いてけぼりにしちゃったかな……」とちゃんと戻ってくるみたいな。

渡邉氏:
 あと,「ROMEO」については,「ホラー映画をたくさん観ておいて」と言われました。空気感が重要な作品なので,背景としてもその緊張感をどう支えるかを意識していました。

津田氏:
 学生時代,飯田先生を始めとしたゼミの講師陣から「ゲームを作るならゲーム以外の作品にも触れなさい」と教わりましたが,GhMはまさにそれを実践している場所だと思いました。

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鈴木氏:
 私が驚いたのが,主人公のロミオのモデルが何度も変わったことですね。
 最初にある程度固まるものだと思うのですが,これで決まり,と思ってからも変わり続けて。

4Gamer:
 主人公が,ですか? それはなんでなんだろう。

鈴木氏:
 ゲーム中ずっと付き合う存在だから,「もっと良くできるんじゃないか」と考え続けるのかもしれません。
 でも先輩方に話を聞いたら,「長い開発のなかでずっと見ていて飽きちゃうんじゃないかな」と言っていて(笑)。
 
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4Gamer:
 気になりますね。このあとベテランチームに聞いてみよう。
 この記事が掲載されるころにはゲームはリリースされていますが,GhMの一員としてロミオの開発を走り抜けた今はどんな気持ちですか?

津田氏:
 作り手としての視点と,初めて触れるプレイヤーの視点。その両方を持ちながら作る難しさを実感しました。
 開発途中は,何度も触れているうちに慣れすぎてしまい,本当にこれでいいのかというのが分からなくなることもあって。それだけに,終盤のテストプレイで自分の担当した仕組みがきちんと機能していることを確認できた瞬間は,本当にうれしかったです。

渡邉氏:
 ほかのセクションと何度も話し合いながら形にしていけたことが,いちばん大きかったです。
 背景は常に没入感を最優先にしていますが,雰囲気を守りながらゲームとしての導線を成立させるのは簡単ではありませんでした。

4Gamer:
 今回はそれこそホラー映画的な絵作りもあって。

渡邉氏:
 そうですね。たとえば冒頭の森ですと,全体的に暗いので導線が必要になる。
 ライトで誘導すれば分かりやすいですが,自然の空間に人工的な物を置いた瞬間に違和感が生まれます。固定視点ではないので隠して置くというのも不自然です。
 結果的には背景の濃度を調整しつつ,ほかのセクションに相談して敵やアイテムの配置などで導く方向になったのですが,そうした連携がしやすかったことは,今回の開発でいちばん手応えを感じた部分です。

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平田氏:
 クリエイターそれぞれに任される範囲はかなり広いと思いました。
 自分なりの表現をしたいという思いでゲームの現場にきたので,それをぶつけられることがうれしかったです。
 もちろん話し合いはありますが,「まずやってみよう」という空気が強くて,止められることはあまりありませんでした。自分の色を出せるぶん責任も感じますが,それも含めて自分の仕事だと感じられる環境です。

4Gamer:
 実際できあがったものだと,どのあたりを見てほしいですか? 自身の担当したところでも,全体を通してでも。

津田氏:
 絵変わりですね。チャプターごとにステージの雰囲気や見せ方が変わりますし,ボス戦やイベント前の切り替わりの場面も多いので,新鮮に感じてもらえると思います。移り変わりとバリエーションの豊かさはぜひ体験してほしいです。

平田氏:
 アートやビジュアルの面では,チュートリアルにあたる冒頭にも注目してほしいですね。
 作品の世界観を一気に体験できる部分として,かなり力を入れて作っています。

鈴木氏:
 私はバスターズですね。

渡邉氏:
 私もバスターズです(笑)。

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4Gamer:
 2人,声を揃えるかのように。ゾンビを栽培して育て上げて,一緒に戦うという要素ですね。

鈴木氏:
 はい,本当に個性豊かで,いちプレイヤーとして組み合わせを考えるのが楽しいんです。
 どういう編成がいいだろうかと試したり,意外な組み合わせがハマったり。強い組み合わせは本当に強いので,いろいろ捕まえて遊んでみてほしいです。

渡邉氏:
 一緒に戦うだけじゃなくて,「お別れ」をする部分もあって。お別れしたあとに,「こっちで元気にやってるよ」みたいなお手紙が届くんですよ。

4Gamer:
 ふふっ,ってなるやつですね。

渡邉氏:
 ええ。ほっこりします(笑)。
 いっぱい使っていると自然とお気に入りもできると思うので,ぜひ感情移入しながら遊んでもらえたら。

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4Gamer:
 ガチガチに攻略に使うのもいいし,そこそこ育てて愛でるのもいい。正直,腕をつかんで引っこ抜くところから,もうちょっとずるいですよね。感情移入してしまう(笑)。
 「お別れ」はまだ試していなくて,このあとやってみようと思います。

 なんて話していたら,後ろから視線を感じる……そろそろ攻守交替といったところで,皆さんありがとうございました。
 では次は,長年ゲーム開発に関わってきたベテランの皆さんに話を聞きましょう。

「なんだ! このプレッシャーは!」と思って見てみると,「余計なこと言ってないよな……?」と言わんばかりのベテラン陣が! 一触即発? その結末はいかに……(答えはページ2の最後に)
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