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[インタビュー]「Grounded 2」のゲームディレクターが語る今後の展望とは。小さな公園で展開する大きな物語体験にも期待[TGS2025]
本作は,アリの目線で世界を見るような「足下の世界」を舞台とするサバイバルクラフトゲームで,協力バトルやストーリーなどを楽しめるシリーズの第2弾だ。なお,前作にあたる「Grounded」のプレイヤー数は2500万人を,「2」についてはアーリーアクセスの時点で300万人を突破しているという。
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好調なスタートを切った本作だが,東京ゲームショウ2025の開幕に先駆けて,開発元Obsidian Entertainmentの共同創業者の1人で,「Grounded 2」ではゲームディレクターを務めるChris Parker氏と,同VP of Operations and Executive Producer(運営担当副社長,エグゼクティブプロデューサー)のMarcus Morgan氏が来日し,メディア向けに合同インタビューが実施された。
![]() Chris Parker氏 |
![]() Marcus Morgan氏 |
なお,インタビュ―の実施に先立ち,Marcus氏のサービス精神あふれるブリーフィングを受けることに。それに加えて,9月30日のアップデートで追加される「アクセル」という巨大なタランチュラのボスと戦うことができた。
一緒にプレイする相手は,Obsidian EntertainmentのVP of Development and Executive Producer(開発担当副社長,エグゼクティブプロデューサー)を務めるJustin Britch氏が務めてくれたうえ,背後からはMarcus氏がアドバイスを送ってくれるという,高コストなサポート体制でのチャレンジとなった。
ネタバレにも配慮しつつアクセルとの戦いについて触れておくと,とにかく巨大で挙動を捉えるのにも慣れが必要な印象を受けた。そして,体力を減らしていくと……まあそういう展開もあり,討伐寸前の猛攻はなかなかのものだった。またバギー(搭乗可能な昆虫)と分かれて戦い,攻撃を分散させるのも手だろう。
なお,9月30日のアップデートでは日本語もサポートされるとのこと。心して戦ってほしい。
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美味しい料理を出せている手応えあり
今後の展望も語られた合同インタビューの模様をお届け
その後は,「Fallout: New Vegas」「Pillars of Eternity」などを手がけてきた名ゲームデザイナー・Chris Parker氏に話を聞くことができた。同氏が関わっていることから,Obsidian Entertainmentがいかに「Grounded 2」へ力を入れているのかが伝わってくる。
――「Grounded」は日本でも多くのプレイヤーに楽しまれていますが,今の気持ちを教えてください。
Chris Parker氏(以下,Parker氏):
とてもエキサイティングな気分です。どんなにいいゲームを作ったとしても,実際にプレイヤーが触れてみないことには評価は分かりません。リリース直後から多くの方が遊んでくださり,いただいた感想も好意的なものが多く,本当にうれしく思っています。
ただし,これはまだ始まりにすぎません。「Grounded 2」には,これから手を入れるべき部分や深めていくべき要素がたくさんあります。チームとしては,今後のアップデートでしっかり作り込んでいきたいと考えています。
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――舞台が裏庭から公園へと広がりましたが,今後拡張されていくプレイ体験はどう変わりますか。
Parker氏:
前作のプレイヤーからのもっとも大きな要望は「虫の上に乗りたい」というものでした。そこで今回は新たにバギーを導入し,仲間と共に探索や戦闘ができるようにしています。騎乗することで移動スピードが大幅に向上し,アイテムの運搬や連携の幅も広がります。そうなると,裏庭だけではどうしても狭すぎる。そこで舞台を公園へと拡張しました。
公園は裏庭と比べて地形や景観が多様で,複数のバイオームを配置できるのも大きな利点です。草むらや遊具のある広場,池や砂場といった環境を追加し,よりバラエティに富んだ探索が楽しめるようになっています。
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――現在登場する敵と,今後の追加予定を教えてください。
Parker氏:
現行バージョンではアリ,クモ,サソリ,蚊,ハチといった多種多様な虫が敵として登場します。次回のアップデートでは新ボス「タランチュラ・アクセル」を追加予定です。それに合わせて,新しい武器や防具,家具なども実装されます。
さらに建築システムを拡張し,プレイヤーから寄せられたフィードバックを反映して利便性や自由度を高めていく予定です。アップデートのたびに,新しい遊び方を発見できるようにしたいと考えています。
――登場させる虫の選定基準などはありますか。
Parker氏:
厳密なルールがあるわけではありません。まずはチームでホワイトボードにアイデアを書き出し,その中から「舞台に合うか」「遊びとして面白いか」を検討します。虫は小型から大型までバランスよく揃え,見た目や色のバリエーションを意識しています。大切なのは,その虫を使うことで「新しい遊び方が生まれるかどうか」です。たとえばアリなら噛みつきを生かした攻撃パターンが考えられますし,クモなら糸を使った行動に展開が生まれます。
また,公園に舞台設定を広げたことで,近くにあるペットショップや,作中の企業「オムニエント」の研究施設なども物語に絡められるようになりました。これにより,公園にはいなさそうな特別な虫や,変異体を登場させる理由付けも可能になっています。
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――サバイバルクラフトジャンルではありますが,やはり今回もストーリーにも期待してしまいます。
Parker氏:
Obsidian Entertainmentにとってストーリーは非常に重要な要素です。アーリーアクセス版で体験できるのは全体の第1章にあたる部分であり,ほんの序盤にすぎません。今後のアップデートを通じて少しずつ物語やキャラクターが追加され,最終的に完成版(1.0)で全貌が明らかになります。
サバイバルとしての自由な遊びと,ストーリーとしての強い導線。その両方を成立させるのが「Grounded 2」の目標です。
――アクセルがとにかく巨大で印象に残ったのですが,あれをテイムすれば公園に入ってきた人間に噛みつかせることもできますね(笑)。
Parker氏:
それは「3」のときに考えます(笑)。現時点でフルサイズの人間を登場させる予定はありません。ただ,とても面白いアイデアだと思いますし,今後の発展の可能性としては心に留めています。「Grounded」の世界は小さな裏庭から始まりましたが,公園へ広がったように,発想次第でどこまでも膨らませることができますからね。
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──今後入れてみたいアイデアを教えてください。
Parker氏:
夢のような話になりますが,飛行できる乗り物には興味があります。虫に乗って空を飛び回れるようになったら,探索の自由度は格段に広がりますよね。実現できるかどうかは分かりませんが,そうした“いつか実現したいビジョン”を持っていることが,開発を続ける大きな原動力になっています。
──最後にファンにメッセージをお願いします。
Parker氏:
こんなにも多くのプレイヤーの皆さんに受け入れていただけて,本当にうれしく,そして驚いてもいます。ゲームをつくることは,料理に少し似ていると思うんです。作っているときは「みんなにおいしいと言ってもらえるだろうか」と想像しながら用意しますが,実際に食べてもらうまでは分からない。ゲームもそれと同じで,プレイヤーが遊んで初めて評価が決まります。
幸いにも,これまでいただいた反応を見る限りでは,どうやら私たちは“美味しい料理”を提供できているようです。これからもコミュニティの皆さんからのフィードバックを大切にしながら,さらに良い体験へ磨き上げていきたいです。開発という旅路を,プレイヤーの皆さんと一緒に歩めることを,とてもワクワクしています。
──ありがとうございました。
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「Grounded 2」公式サイト
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- ライター:高橋祐介
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(C)2025 Obsidian Entertainment, Inc. Obsidian Entertainment, the Obsidian Entertainment logo, Grounded 2, and Grounded 2 logos are trademarks or registered trademarks of Obsidian Entertainment, Inc. All rights reserved.
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