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[インタビュー]豪快,ド派手に「EVILBANE」。4人協力アクションは無双か,モンハンか,ソウルライクか。どれに寄るかはこれから次第
ダークファンタジーな4人協力型アクション「EVILBANE」は,無双系とソウルライクのいいとこ取りな印象[G-STAR 2025]
G-STAR 2025に,Netmarbleの新作「EVILBANE」が出展された。本作は,MMORPG「レイヴン」シリーズのIPを用いた4人マルチプレイの協力型アクションで,大剣やボウガンなど遠近の武器を使い分けて,ド派手なバトルを繰り広げる。
本作は,MMORPG「レイヴン」シリーズを協力型マルチプレイアクションに落とし込んだタイトルだ。方向性としては,ド派手に豪快に軽快に,最大4人でダークファンタジーな世界を駆け回る。
今回はプロジェクトマネージャーのJonghyuk Lee氏と,ディビジョンディレクターのJungho Lee氏に,その内容について聞いてきた。
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アクション特化にしたワケ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まず,本作はどのようなゲームなのでしょう。
Jungho Lee氏(以下,Jungho氏)
EVILBANEはPCとコンソール機で発売を予定している,ダークファンタジーを主題とした協力型アクションゲームです。
シングルプレイでも楽しんでいただける内容に仕上げますが,最大の魅力は4人同時マルチプレイとなっています。
4Gamer:
1人でも楽しめるの意は,シングルプレイ前提でマルチも楽しめる,マルチプレイ前提でソロでも楽しめる,だとどちらでしょう。
Jungho氏:
後者です。プレイヤーの皆さんには,マルチプレイを基本の遊びとしてもらいつつ,シングルプレイでも難度調整によって問題なく楽しめる,といったゲームバランスを提供するつもりです。
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4Gamer:
本作はなぜ,レイヴンを原作としたのですか。
Jonghyuk Lee氏(以下,Jonghyuk氏)
そこは企画の発端が,弊社所有IPのMMORPG「レイヴン」シリーズを,今後どのように拡張していくべきかと検討していたからです。そのため,前提からしてIP基盤強化のための計画と言えます。
当のレイヴンはMMORPGでありながら,アクション性をウリとしてきたシリーズでしたので,今回はアクション特化を目指してみたのです。
4Gamer:
レイヴンからは,どのような要素を引き継いでいるのでしょう。
Jungho氏:
まずは世界観で,シリーズ最新作「レイヴン2」の作中で語られる,とある時代のエピソードをフィーチャーしました。
レイヴン2の物語では,かつての戦争により失われてしまった国として触れられる地を,EVILBANEで掘り下げていきます。
4Gamer:
世界観がつながっているんですね。
Jungho氏:
はい。とはいえ時系列が異なりますし,シリーズを知らない人にも楽しんでいただきたいと考えたので,本作はあくまで独立したアクションゲームとして制作されています。
同じ世界だけれども,違う時間の異なる舞台の物語。分かりやすい例としては,マーベル作品のユニバース構造ですね。
Jonghyuk氏:
もともと,初代「レイブン」はストーリーを用意しつつも,ゲームプレイの中心はアクションとRPGに集中させていました。
それから「レイブン2」の開発が進み,世界観の設定をあらためて整理したことで,ストーリー性をさらに高めました。
そうした状況下で「この世界ならもっとやれることがあるだろう」と考えられたため,我々も新たな可能性をつかみにいったんです。
4Gamer:
EVILBANEは,レイブン2の作中エピソードを具体化したといいますが,「こうしてゲーム化する前提で仕込んでいた」のですか?
Jonghyuk氏:
最初からここまで計画していたとは言いきれませんが,「そういうこともできるように」と作られていたのは確かです。
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4Gamer:
レイヴン2の開発方針が生きたのだと。
そのうえで,協力型マルチプレイにした理由はなんでしょう。
Jungho氏:
実のところ,当初は「アクションゲームにする」と決めていたものの,協力型ゲームにしようとまでは考えていませんでした。
ただ,私たち開発陣は1980年〜1990年代のアーケードゲームを遊んでいた人が多く,4人で肩を並べて一緒に攻略する思い出が強かったんです。あのときの楽しい感情を現代でも再現できないかと考え,そのためにはマルチプレイ環境が不可欠だろう,という結論になりました。
4Gamer:
ゲーセンで4人でファンタジーな協力アクション。私なら「ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ」ですかね。
一方,アクション寄りのMMORPGからのアクション特化への転身で,既存のファンが振り落とされないかの心配はありませんか。
Jungho氏:
可能性の話だと,レイブン2から触れたという一部プレイヤーはとまどうかもしれません。というのも,初代レイヴンはMMORPGのなかでもさらにアクション性を強めたことで反響を得ましたが,レイブン2ではストーリー重視のRPG性を高めたからです。
実際,「レイヴン2は前作よりもアクション性が弱くなった」とおっしゃるファンもいらっしゃいます。だからこそ,今回は完全なるアクションゲームにし,そうした声を拾えないかと計画しました。
4Gamer:
アクション重視のMMORPGから,ストーリー重視のMMORPGときて,純粋なアクションゲームも出す。シリーズのバリエーションとしても差別化されていますし,新規へのフックとしても有効そうですね。
今どきの3つのエッセンス
4Gamer:
実際にEVILBANEをプレイしてみたところ,武器も攻撃モーションもスキルも豪快,挙動は回復薬も一瞬で飲み干してくれるほど軽快と,手触りのよさは試遊レベルでも感じられました。
そのうえで,本作はアクションゲームとしてどんな内容を目指すのでしょう。大量の敵をなぎ払う無双系,ハック&スラッシュなモンハン系,ギリギリをしのぐソウルライクなど,昨今は方向性も多種多様ですが。
Jungho氏:
私たちが掲げているのは,「ゲームの参入障壁は低く」「困難も協力すれば乗り越えられる」といったバランス感です。まずはどんな方々でも楽しく遊べることを大前提としています。
そのうえで今おっしゃられたように,無双系のように爽快に戦えるバトルも,モンハン系のように駆け引きのあるアクション性も,さらにソウルライクのような高難度感も,昨今は必ず取り入れなければならない要素だと思っています。我々の場合は,コンテンツごとに体験を変えていくことで,いずれも取り込んでいきたいと考えています。
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4Gamer:
型枠を踏襲するのではなく,すべてエッセンスとして取り入れると。
Jonghyuk氏:
ただ,それらも具体的にどのような形にしていくかは,まだまだこれからといった開発初期の段階にあります。今回のG-STARに出展した理由も,まずは現状の初期バージョンを来場者に遊んでもらい,どんな意見や要望が挙がるかを見聞きしたかったからです。
そのため,アンケート次第ではいずれかの方向性をより強化していくでしょう。近距離武器と遠距離武器のバランスなども変わっていくはずですので,大まかなシステム情報は今しばらくお待ちください。
4Gamer:
どうなっていくのか楽しみです。
あとアクション性についてですが,どのキャラクターも挙動が派手で見栄えしていました。ああしたモーションはキャラクター依存なのか。あるいは武器依存なのか。設計としてはどうなりますか。
Jungho氏:
現状は「攻撃モーションは武器依存」「スキルはキャラクター依存」で考えています。狙っているのは,好きなキャラクターに好きな武器を組み合わせる,といった楽しみです。
4Gamer:
武器種は何種類くらい用意されますか。
Jungho氏:
試遊版では近距離が2種,遠距離が2種と制限しましたが,種類自体をもっと増やしていこうと計画しています。
こちらはキャラクターについても同様です。
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4Gamer:
ゲームとしてはミッション形式(ステージを選んで出撃)のように見えましたが,ストーリーや成長要素などもあるのでしょうか。
Jungho氏:
試遊版では1ステージだけプレイしてもらいましたが,正式版ではいくつのもステージや難度を搭載するつもりです。
ストーリーに関しては,EVILBANEならではのキャンペーンを考えています。やはりレイヴン2で拡張した物語性を生かしたいので。
武器や成長要素については目下検討中のため,どのような仕組みになるかは今後の発表をお待ちください。
4Gamer:
マルチプレイの仕組みはどうでしょう。
MO的に部屋で集まってから出撃するものと,冒険中にいつでも誰かが入ってくるものとで,遊び口もだいぶ変わりますが。
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Jungho氏:
目標としては「どちらも対応する」ですね。
4Gamer:
そうなると,より遊びやすそうです。
このご時世ではすばやく動く
4Gamer:
現状,ゲームの完成度はどれくらいでしょう。
Jungho氏:
数値で表すのは難しいのですが,個人的には20%未満といったところです。それも,開発陣が完成までにやりたいことを盛り込めば,値はもっと下がってしまいそうです(笑)。
Jonghyuk氏:
完成度という観点だと,昨今の韓国ゲーム市場ではユーザーの反応を見て,すばやく対応することで成長を続けていく,そんなプロセスが主流になっています。今回の出展もそのための一手です。
4Gamer:
G-STARで関係者と話すと,よく耳にする戦略です。
Jonghyuk氏:
日本の場合,「発売時に完成度が高くなければならない」といったもの作りの精神があると思うのですが,韓国の場合はどちらかというと,クローズドβテストでユーザーの反応を確認し,オープンβテストである程度のファンをつかんでから正式リリースし,成長を拡大させます。
そのため本作も,CBTが可能になったタイミングでいち早く展開し,リリース時には相応のコンテンツを備えつつも,以降のアップデートでさらに完成度を高めていく流れをイメージしています。
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4Gamer:
完成度とスピードの均衡で見ていくと。
Junghoさん的には完成度20%未満で,しかも開発陣的にはもっと低いかもと見積もられていますが,プロジェクトマネージャーの立場としてはどうでしょう。延々と出てくるであろう開発者のやりたいことを伸ばすか,リリース時期を見極めて一定に抑えるか,といった調整は。
Jonghyuk氏:
悩ましいところですね。当然,答えはどちらも両立させたいというのが本音ですが,昨今のコンソールゲーム市場は激しいですから。
例えばSteam。あそこでは2024年に発売されたゲームが約1万9000作品とされます。そこまで競争が激化している現代では,1つのゲームの完成度をどれだけ高めても,手に取ってもらえるのか,事業として成功できるのか。確度が分からない挑戦になりがちです。
ですから私としては,すべてを備えた完成度100%ではなく,リリースに耐えうる100%の状態に到達次第,まずはゲームを発売する。内容と満足度のさらなる強化はそれから考える,と構想しています。
4Gamer:
なるほど。そのために早期からフィードバックを得て,正式リリースまでの道筋を短縮化し,反応と結果を早めに得る。
実際に市場に立ち向かう当事者の言葉として,参考になります。
Jonghyuk氏:
ありがとうございます。現時点では2026後半から2027年のグローバルリリースを目標に開発を進めていますので,ぜひご期待ください。
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4Gamer:
分かりました。
最後にそれぞれ,今後の意気込みをお願いします。
Jungho氏:
私は,ファンタジーと協力型アクションゲームの組み合わせには無限の可能性があると思っています。これらのコンセプトを自分たちなりに想像して磨いていけば,確実に競争力を持てるはずです。
今後はEVILBANEなりの魅力を追求し,皆さんのたくさんの声を受け止めて,このゲームをより発展させていきたいです。
Jonghyuk氏:
私はこの業界に入って22年になりますが,「ゲーム性のコアを薄っぺらいままにして開発を進めないチームであるかどうか」が,ゲーム開発における最大の課題だと考えています。だからこそ,ゲームのコアが担保されて作られたタイトルは珍しい部類になってしまいます。
その点,このゲームはそれらが初期段階でしっかりと確立されていた。私はEVILBANEが確実におもしろいゲームになると見込んでいるので,発売時にはぜひとも,世界中の皆さまに楽しんでもらいたいです。
























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