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「アウトランカーズ」シーズン2アップデートは,待望の9人対戦や遠距離特化の新キャラクターなど盛りだくさんの内容に。プロデューサー&ディレクターインタビューも掲載
3分33秒の試合中は,大量のエルピスを出すレアエネミーが出現したり,バフがかかる補給品が落ちてきたりと,さまざまなイベントが起こる。もちろん敵チームもそれぞれの思惑を持って動き回るわけで,変転する状況下で臨機応変に立ち回らなければならないのだ。
待望の9人対戦や遠距離特化の新キャラクターなど,大型アップデートは盛りだくさんの内容に
2025年12月29日に大型アップデートが実装される。大きな目玉は「新キャラクター,レイ(CV: 河西健吾さん)の実装」「クラリス,アンフェル,アダラへの新スキル追加」「新マップ登場」「9人対戦の9ランカーズの開催」の4つだろう。
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レイは二丁のハンドガンとライフルを武器とする遠距離系で,通常攻撃のハンドガン攻撃ですら射程が長い。Skill1のボムでけん制して敵が動ける範囲を狭め,ライフルで直線上の敵を貫通するSkill2でトドメを刺すという,戦略的な動きがセオリーとなる。
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SPを使うと一定時間「スナイピングモード」となり,レイ本体ではなく照準を動かして敵に狙いを定める。ここからハンドガンとライフルで敵を一方的に狙撃できるのだ(なお,ミニマップ上で敵チームメンバーのアイコンを押すと,照準が瞬時にその場所へ移動する)。
しかし,「スナイピングモード」中のレイは動けない。「スナイピングモード」をキャンセルすることもできるが,移動速度も遅く,HPもクラリスと同程度の低さである。一方的に倒すか,一方的に倒されるかというわけで,実に尖ったキャラクターといえる。
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ここで脚光を浴びるのが,マップ内の茂みや,仲間のスキルである。茂みに隠れれば見つかりにくくなるのはもちろんのこと,全員を人間が操作する9ランカーズでは,「リン」の「ネコバリア」や「ラスター」の「画竜点睛」,後述するアダラの新Skill1を使ってレイを守れる。
遠距離特化かつスナイパーと聞くと孤高のイメージを受けるが,実際には連携も重要なわけで,研究しがいのあるキャラクターになりそうだ。なお,「バトルパス」を購入すれば即時使用可能となり,課金しなくても「調書」を集めることで獲得できる。
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同時に,クラリス,アンフェル,アダラに新スキルが追加される。新スキルは既存スキルと入れ替えてセットでき,西谷氏曰く「ちょっとした新キャラになる」ほどに大きな影響を及ぼすという。
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クラリスのSP「村雨」はカラスが杭と化して降り注ぐ技で,カラスが敵を追尾するため,既存SP「百鴉夜行」よりも操作難度は低めになるという。
アンフェルの新スキル「クモの依妬」もSPで,蜘蛛の形をした亡者を設置して攻撃させる,いわゆるタレット系となる。蜘蛛の弾がヒットしても,鉄球を使わないため「高揚スタック」は乗らないものの,敵を引き寄せるSkill1「捕縛鉄球」やスタンのSkill2「暴圧墜落球」と相性が良さそうだ。
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アダラの新スキルはSkill1「アイシクルウォール」で,敵は通れないが味方は阻害しない氷壁を作り出す。単なる壁ではなく,通常攻撃を当てると氷の弾が飛んでいく“攻撃する防壁”であるのが面白いところ。9ランカーズで味方のレイを守ったり,敵の進撃を防ぐなど,いろいろな活用ができそうだ。
前述のとおり,新スキルは選択式であり,クラリスとアンフェルはSPの百鴉夜行や「亡者の推死活」,アダラであればSkill1「フロウズンウェイ」と入れ替える形で選ぶ。入れ替えは自由だが,2つのSPやSkill1を同時に使うようなことはできない。
例えばアダラの場合は移動技「フロウズンウェイ」が氷壁を置く「アイシクルウォール」になるわけで,どちらのスキルを選ぶかで戦術が変わってくるわけだ。なお,新スキルはミッションをこなすことで入手でき,強化も改めて行う必要がある。
使い慣れた既存スキルで手堅く勝ちを狙うか,新スキルを開拓するか,選択はプレイヤー次第である。
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新マップの名前は「高層ビル屋上」で,既存マップよりも広いうえ,各チームのE-スフィアが離れている。そのため「攻めるべきか,守るべきか」「自分は今何をすべきか」という戦略的な思考が重要になっていくという。
本作では試合の序盤,中盤,終盤のそれぞれで柔軟な立ち回りが求められる。
美根氏は新マップを「意思を持って動かないと勝てない,逆転がしづらいマップ」と表現し,西谷氏は「シーズン1の場合,終盤に向けてどう立ち回りを変えるかの判断は,残り時間30秒ほどまで保留しても間に合った。しかし,新マップはより早い段階である,残り時間1分ほどで決めておかなければならない」と戦略的思考の大切さを強調する。
また,各チームの拠点をつなぐ道は狭く,身を隠せる草むらも既存マップより多いそうで,道を塞ぐスキルやレイのSPも有効になりそうだ。
9ランカーズは,人間1人+AI操作2体のキャラクターを使ってプレイしていた通常の試合と違い,人間3人がチームを結成し,3チームが争うものである。ランクマッチとは別モードで,現時点では毎週木曜日から日曜日に限定開催されるイベント的な扱いとなる。
フレンド3人でチームを組めるほか,フレンド+フレンド以外の人,フレンド+AIで参加することも可能だ。スキルの育成状態は反映されるが,ギアを使うことはできず,マニュアル操作のみという,実力を試されるレギュレーションとなっているのが特徴だ。
美根氏によれば「中〜上級者に向けた遊び場」という位置づけであり,通常の3リーダーズと併せて遊んでほしいとのこと。専用ミッションはあるものの,報酬にスキル関係の素材は含まれておらず,9ランカーズ自体のランキングも存在しない。報酬目当てにプレイするというよりは,腕試しの場所としての色合いが濃いようだ。
実際に9ランカーズを人間3人でプレイしてみたが,チーム全員が人間なだけあり,味方の意図を読んでの連携が楽しい。アダラの「アイシクルウォール」でレイを守るなどの戦術も面白く,フレンドと遊ぶと面白さも増しそうだ。なお,3リーダーズと同様に同キャラクターの編成は不可能で,プレイヤーはマッチング時に優先順位を付けて使いたい候補の3体を選ぶことになる。同じキャラクターの希望が出た場合は抽選になるとのことだ。
この日は,西谷氏と三根氏に大型アップデートの詳細から「OUTRANKERS」に込められた願いまで,いろいろな話を聞けた。
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○s01
――よろしくお願いします。まずは9ランカーズを追加した経緯について教えてください。
美根俊一氏(以下,美根氏):
ユーザーさんから,3人でチームを組んで対戦したいというお声を多くいただいたことです。なお,マッチングは強い人が同じチームにならないように分けるようなものになっています。
西谷 亮氏(以下,西谷氏):
9ランカーズは,現時点で基本となっている3リーダーズよりも先に構想されたモードではありました。ただ,スマートフォンというプラットフォームの性質にあわせて3リーダーズを先にお届けすることとなったんです。
――サービス開始から1か月ほど経ちましたが,手応えについて教えてください。
美根氏:
理不尽に強い/弱いといったお声が聞こえてこないのは嬉しいところです。9ランカーズでゲームへの理解度が深まると,バランスに関するご意見がもっと増えるんじゃないかと予想しています。
――AIの仲間と遊べるなど,対戦ゲーム初心者にもフレンドリーな印象があります。
美根氏:
初心者の人については,段階的に学んでいただくためにいろいろと配慮をしています。例えば9ランカーズをシーズン2にズラしたのは初心者の方への配慮です。また,マップ上の草むらも,まずシーズン1でお目見えさせ,シーズン2で戦略的に使えるような配置をしたり,これを有効に使えるレイのようなキャラクターを追加していく……といった取り組みをしています。
現時点で初心者の人はオートモードを活用していただいている状態で,ギアやアビリティ,付加効果といったディープな部分については隅々まで触り切れていないのではないか……という印象です。我々が敷いた導線も弱いですし,もっと分かりやすくしないと100%遊びきっていただける状態にはならないと思います。
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――では,9ランカーズを通して,もっと深い部分を知ってもらいたいということでしょうか。
美根氏:
そうですね。お友達と一緒に,わちゃわちゃと遊んで欲しいです。オンラインゲームには,ほかの人のプレイを見て「これどうやるの?」と質問することからコミュニケーションが広がる,ゲームセンターに近いカルチャーがあると考えています。「OUTRANKERS」でも,こうした関り方がたくさんできるようになれば,状況も変わってくるんじゃないでしょうか。
――9ランカーズで9人の人間が競い合いますが,今後は大会などを考えておられるのでしょうか。
美根氏:
現在は検討中という段階です。私自身もゲームセンターの文化で育ってきた人間なので,プレイヤー同士のコミュニケーションからいろいろなネタが開発され,ゲームへの理解度が高まっていく楽しさを知っています。ですから,大会的なものもやっていきたいとは考えていますね。このあたりは「ストリートファイターII」で対戦文化を根付かせた西谷さんも強く願っているんじゃないでしょうか?
西谷氏:
そうですね。DISCORDを介して特定の時間帯に集まって,3リーダーズのルームマッチで腕を磨いている方もおられますから。いずれ,9ランカーズにもルームマッチの機能を実装したいです。
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――先ほど,ゲームのディープな部分まで遊びきってほしいというお話がありました。今後の「OUTRANKERS」では,どうやってユーザーを誘導していくのでしょうか。スマートフォンゲームとして,ディープなチュートリアルに豪華な報酬を出すような導線を引くこともできるとは思いますが。
美根氏:
報酬を出すようなことにはしないと思います。そうすると,単に報酬だけが目的になり,結局我々が伝えたいゲームの深みが伝わりませんから。ギアを装備することで,性能がこれだけ変わりました,強くなりましたといったところを,目で見てもっと分かりやすくしていくのが理想です。ただ,シーズン2からの追加スキルについては,ユーザーさん全員に分かってほしいので,報酬を用意する形にします。
――ゲームを楽しむための基本部分は報酬を導線とし,ディープな気付きには報酬を使わないということですね。シーズン2では新マップによって戦略的な部分も強調されるようになりましたが,今後はどんどんマニアックになっていくのでしょうか。
西谷氏:
難しくしていくようなものではなく,遊びの味を変えていきたいと考えています。
――今回は新スキルも実装されますが,制作のコンセプトなど教えてください。
美根氏:
新スキルだけで完結するようなものではなく,ほかのキャラクターやスキルと絡んでシナジーがあるようなものとして考えています。ザックリというと無限大の組み合わせがあり,発見すること自体を楽しんでいただくイメージです。
こうした発見する遊びについては,シーズン1から既に取り組みが進められています。例えば「レグルス」はSkill1の「バーニングロード」で地面にマグマの道を作りますが,ここにSkill2「メルトサイス」の鎌を通過させれば炎を帯びる……と自分でシナジーを作り出せるようになっているわけです。
西谷氏:
キャラクターのそれぞれが持つ「潜在能力(パッシブ)」も,うまく使えばとてもいいことが起こりますしね。
美根氏:
ですから,キャラクターの戦術を考えるでうえは,潜在能力を見てもらうのもいいかもしれませんね。
西谷氏:
折角仕込んだネタなので,皆さんに発見していただきたいです。
美根氏:
こうしたネタを使っているユーザーさんもおられるんですよね。ただ,文章にすると長くなってしまい,読んでいただけなくなってしまう。なるべく簡潔に書いてはいるんですが,難しいところですね。
――細かい部分まで作り込まれているけれど,すべてを文章にすると読まれなくなってしまう。こうした深みを見つけていく楽しさを感じてほしいし,報酬で無理やり誘導するようなことはしないということですね。「アウトランカーズ」のコンセプトや姿勢が現れたお話だと思いました。ありがとうございました。
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キーワード
(C)Deluxe Games Inc.
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