
プレイレポート
クラシックなローグの世界にド派手なスキル満載で殴り込み! でも,死ぬときはちゃんと死ぬ。「Delve Survivors」はそんな作品[BitSummit]
![]() |
懐かしいドットアートと画面構成から,クラシックなローグライクの雰囲気をまとう本作は,この見た目で“サバイバーアクション”――つまり「Vampire Survivors」のフォロワーなのだという。この2つのスタイルはいかに融合を果たしたのか,さっそく遊んで確かめてみた。
![]() |
「Delve Survivor」
公式X(旧Twitter)アカウント
緊張感と爽快感を見事に両立させた
ローグライク×サバイバーな1本
基本的なシステムは,ターン制のクラシックなローグライク作品と同様だ。グリッド上にキャラクターが配置され,8方向に移動できる。プレイヤーキャラクターが行動するごとに敵も動くので,キッチリと計画を立てて動く必要がある。
![]() |
![]() |
プレイヤーができる操作は「移動」と「アイテムの使用」だけで,攻撃やスキルは基本的に自動で発動する。スキルのクールダウンを注視し,それに合わせて敵との位置取りを調整するのが,本作で最も重要な駆け引きといえる。
そうして敵を撃破すると経験値が溜まり,一定を超えるとレベルアップして新たなスキルを獲得(もしくは既存スキルを強化)できる。スキルを積み重ねれば,どんどんキャラクターが強くなっていく仕組みだ。このあたりの流れは,実にサバイバーライクらしい。
![]() |
![]() |
面白いのは,投射物が持つ“速度”の概念だ。矢や魔法といった投射物はマップ上のユニットと同じようにマスを占有し,ターンが巡るごとに一定距離を移動する。飛来する矢を見てから避けるのはもちろん,矢を遮るように盾を置いて弾くなど,その性質を生かしたパズル的な対処が可能なのだ。
最初は「それでは対処が簡単すぎるのでは?」とも思ったが,その心配はまったくなかった。なぜなら,敵もそれに見合うだけ強力だからだ。完全ノーダメージで切り抜けるのはかなり難しいので,ある程度は割り切って被害を受け入れつつ,最終的に生き残る手段を考えなければいけない。
![]() |
ローグライクにはつきものの歩数制限が,ダンジョン単位で設定されているのも難しいポイントだ。制限をオーバーすると超強力な死神が出現し,プレイヤーは簡単に殺されてしまう。
この仕様により,一般的なローグライクでよくある「階層を降りて限界まで探索し,次の階層に降りてまた限界まで探索をする」といった作業はできない。当然,報酬はあとの階層のほうが豪華なので,戦力が整ったならどんどん先の階層に行ったほうが効率がいい。
これによってプレイ時間が大幅に短縮され,そのうえでジレンマも増えている。基本システムのパズル的な要素も相まって,ゲーム体験の密度は非常に濃い。遊んだ時間は10分そこらだったが,驚くほどガッツリとした思考を楽しめた。
![]() |
クラシックなローグライクの悩ましさと,サバイバーライクの爽快感を両立させる作品はなかなか想像がつかなかったが,本作はそれをうまく成立させていたように感じられた。
投射物をパズル要素の1つに落とし込み,シンプルさを維持しつつゲームプレイに奥行きを持たせている部分など,各ジャンルの要素をそのまま持ち込むのではなく,独自の解釈で“ジャンルの接合部”を埋めているのも好印象だ。
![]() |
![]() |
製品版でどの程度のボリュームになるかは分からないが,アイテムやスキル,エンチャントの種類が十分に揃えば,何度も遊んでやり込める作品になりえる1本だと思う。本作がどんな形でリリースを迎えるのか,今から楽しみだ。
![]() |
「Delve Survivor」
公式X(旧Twitter)アカウント
「BitSummit the 13th」公式サイト
- 関連タイトル:
Delve Survivors
- この記事のURL: