
プレイレポート
パズルで味わう若木を愛でるワビサビ。「Prune+」(今日から始めろApple Arcade #43)
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「Apple Arcade」は,Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)でiPhone / iPad / Mac / Apple TV / Apple Vision向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービスだ。
この連載では,広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していく。
第43回では,地面から生えてくる若木を,植木や盆栽のようなイメージで剪定しながら,光の差すほうへと導いて花を咲かせる「Prune+」を紹介しよう。
「Prune+」
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オススメポイント
1.若木の育つ向きを光のある方向に導く斬新なルール
2.枝を切る場所で木が育つ向きが変わる戦略性
3.記号のようなモノトーングラフィックスで描かれるワビサビ
「Prune+」ダウンロードページ
地面から伸びる若木の枝をカットして,光の差す方向へと導いて花を咲かせるという,一風変わったルールのパズルゲームがこの「Prune+」(プルーンプラス)だ。2015年に買い切りのアプリで登場した「Prune」(iOS / Android)の,Apple Arcade版である。
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縦構成ゲーム画面は抽象的で,画面下に地面らしき凹凸があり,明るさの異なる背景に黒や赤の円が浮かんでいる。地面の光っている部分を上方向にフリックするとそこから芽が生え,木が伸び,枝が生えていく。
プレイヤーの目的は,この木の枝に光を当てて花を咲かせること。しかし木の枝は放っておくとランダムな方向に伸びていき,壁や空中の円にぶつかると成長が止まってしまう。しかし,障害物のある方向に伸びた枝をフリックしてカットすると,その成長を別の枝へと促すことができる。
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これは植木や盆栽などで樹木の形を整える「剪定」(せんてい)で,これをパズルゲームに取り入れた珍しいゲームシステムとなっている。ゲームのタイトルも剪定を意味する「Pruning」が由来のようだ。
![]() 伸びる先が枝分かれしていく。どこかをカットしないと成長が止まってしまう |
![]() 光が差す場所まで枝が伸びるとそこに花が生えていく。画面の上に見える星の数だけ花が咲けばステージクリアだ |
木は,本作の独自エンジンによって制御され,プレイヤーが指定した場所から規定の法則で伸びていく。最初に木の生える向きはわずかに指定できるが,どの方向に伸びていくかは木にゆだねるしかない。
木の枝は成長に従って幹から枝分かれしていくわけだが,その先に花を咲かせる目的があるので,光が差さない方向に伸びていく枝は必要のないのでカットしていこう。
枝は,光が差しているところまで伸びるとその先端に花が咲く。画面上側にある星の数だけ花が咲けばステージクリアとなる。
![]() ステージ上に見える巨大な円は障害物。光もこれに遮られている |
![]() 枝が伸びるだけでなく,木自体が大きくなっていくことも意識して剪定しなければならない |
![]() 光の強さによって咲く花の色が変わることもある |
![]() ただクリアするだけでなく,盆栽を育てるように美しい木が完成するとうれしい。撮影して残す機能もある |
ステージはいくつかのチャプターに分かれていて,先に進むとさまざまなギミックが登場してくる。
例えば太陽のような赤い円は,枝が触れると赤い色が木を浸食していき,時間経過でその部分から先が枯れてしまう。風が吹いているステージは,風下に木の成長が流される。指で動かせる円があるステージは,枝が伸びる方向を自在に誘導できる。
また,伸びた枝先を別の地面に近くまで伸ばすと,2本目以降の木を伸ばせるなど,凝った仕掛けが登場し,それに合わせて難度も上昇していく。
ステージによっては時間経過で成長していく木をリアルタイムで剪定することが必要な場所もあり,見た目よりもずっと忙しいステージも存在する。
木が伸びていくためのステージ形状をしっかり把握する必要があるため,iPadのような大きめの画面のほうがプレイしやすいかもしれない。
![]() 赤い円は太陽のように見えるが,一定時間枝が触れるとそこから毒が回るように花が咲かなくなってしまう |
![]() 風が吹くステージは葉っぱが舞っている。枝が伸びるとそちらに流されていく |
![]() ドラッグすると動かせる円。この円を枝の近くに動かすと,そちらに伸びていく。剪定もしなければならないので忙しい |
![]() 複数の木を生やすステージ。特定の場所まで枝が伸びると,まるで命のリレーをするかのように次の木が生えていく |
本作の主役である若木は,手をかけてやらないと勝手に育って,やがて障害物に成長が阻まれ,花を咲かせることなく成長が止まってしまう。間違ってメインの幹や枝を切ってしまったときも,命はそこで終わりだ。
何度でも植えられるとはいえ,この儚さはある意味本作の大きな特徴にもなっていて,シンプルなグラフィックスやアンビエントなサウンドもそのもの悲しさを演出している。
![]() 切った枝が落ちていくのがもの悲しい |
![]() 無機質な背景に命ある木が生えていく対比が見た目にも面白い |
![]() ゲームが進むと難度は上がっていく。チャプター内のステージは自由に選べるので後回しにしてもいい |
![]() アーティスティックな剪定ができたら画像を残しておきたい。iPhoneの壁紙にしてもいいかも |
作者のJoel McDonald氏は,“刈り取る=創造する”という逆説的なテーマを本作に込めているという。
発売年の2015年には英国アカデミー賞ゲーム部門へのノミネートや「Time」誌が選ぶ2015年のベストゲームに選ばれるなど,その完成度は高く評価されている。
好みが分かれそうなゲームデザインではあるものの,こういうゲームを手軽に試せるのがApple Arcadeのいいところ。簡単なようでけっこう難しい木の剪定で味わうワビサビを,“今日から始めて”ぜひお試しいただきたい。
「Prune+」ダウンロードページ
Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
※「iCloudプラス(50GB)」「Apple TV+」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能
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- ライター:稲元徹也

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