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「The Blind Warrior」は,インドネシア生まれの“ツシマ”か“ウーコン”か? 現地のヒーロー“幽霊の洞窟の盲人”を描く[gamescom]
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「The Blind Warrior」は,インドネシアのコミックアーティストであるガネス・TH(Ganes TH)氏が1967年に初版を刊行して以来,現地で根強い人気を誇る「シ・ブタ・ダリ・グア・ハントゥ」(幽霊洞窟の盲人 / Si Buta dari Gua Hantu)を原作とするタイトルだ。
舞台は1860年代,オランダ領東インド諸島と呼ばれた植民地時代の群島。若き戦士「バルダ」(Barda)は,国内武術ペンカック・シラットの師範だった父や同門の弟子たちを殺害され,自身も視力を失った。
彼は幽霊が出るとウワサされる洞窟に隠遁するが,そこで貴重な体験を経たことで,列島中の悪や犯罪を撲滅し,弱者を助ける放浪の旅に出て,自らの復讐をかけて戦いに身を投じていく。
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デモプレイでは,そうしたストーリー性がオミットされており,バトルの手触りをチェックできる程度のものだった。
印象としては,「ゴースト・オブ・ツシマ」や「黒神話:悟空」のようなカメラアングルやアクションを彷彿とさせ,開発者たちが昨今の傾向をかなり研究していた様子がうかがえた。
敵はピストルで中距離攻撃を仕掛けてくるオランダ兵士たちだったが,こちらはドッジやダッシュを繰り返して肉薄し,効果的にアタックをねじ込んでいく駆け引きを楽しめた。
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主人公バルダが盲目になりつつある状況を表しているのかまで分からなかったが,視界が遮られていることを表現するかのように,画面に紫色のフォッグが充満する演出が見られたのは面白いところだ。
ゲームは基本,三人称視点で進めていくが,盲目の主人公という特徴をどのように表現するのかは注目点だと思えた。
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東南アジア産のゲームではまだ例が少ない,Unreal Engine 5を使った質の高いグラフィックスにより,国内のコミックヒーローの復讐劇を描く本作。開発についてはまだ試行錯誤を続けており,デモを見せてくれたチーフ・クリエイティブ・オフィサーのラヌ・カハラヌ(Ranu Qaharanu)氏らが,「まるで大学の延長のように,ゲーム開発を学びながらの制作を続けています」と話していたのが印象的だった。
いずれ本作が,同国のゲーム産業を率いるフランチャイズの1つになるかどうかが今から楽しみでもある。
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「The Blind Warrior」公式サイト
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