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かつて草原で無限の敵を薙ぎ払った冒険者たちが,今度は一人称視点のダンジョンへ足を踏み入れる。
マナを積み重ねるごとに威力を増すコンボの連鎖で,押し寄せる夜の群れを手札1枚から切り裂いていく。
本日は,poncleとNosebleed Interactiveが手掛ける「Vampire Crawlers: The Turbo Wildcard from Vampire Survivors」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch)を紹介しよう。
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本作は,あの「Vampire Survivors」の世界観を受け継いだ,一人称視点のダンジョン探索型デッキ構築ローグライトだ。プレイヤーはアントニオやイメルダをはじめとする「Crawler」の1人となり,多層のダンジョンを攻略して深層を目指していく。
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このゲームの特徴は,Vampire Survivorsらしさを徹底的に残したままジャンルをターン制カードゲームへと翻訳してみせた点にある。
草原を走る代わりにグリッドマップを進み,オートで弾幕を放つ代わりに手札のカードを切って戦う。しかし敵の群れを一掃する爽快感,強化を重ねるほど自キャラがどんどん強くなっていく手応え,そして永続強化を積むほど先のフロアまで進めるようになっていく構造は,まぎれもなくあのヴァンサバの血を引いたものだ。
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デッキ構築,キャラクターごとの初期能力差,武器カードの進化,ジェムによるカスタマイズと,絡み合う要素も多く,原作に引けを取らないやりこみ型のゲームとなっている。
マナ順に切るだけで最強の一手
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本作のコンボシステムは,手札のマナコストが昇順になるようにカードをプレイすることで発動する,シンプルな設計だ。しかしこれが恐ろしく強力かつ分かりやすい。手札にあるカードをマナカーブに沿って切るだけで,その局面で最も威力の高い一手を打てるようになっている。
考え込まなくてもよいことが本作のテンポの良さを生み,1試合のスピード感はデッキ構築ローグライトとは思えないほど。それでいて戦術性が薄いわけではなく,マナを増やすカードやドローするカードをどの順に挟むかでコンボの持続時間が大きく変わる。間口は広く,掘り下げる余地は十分にあるシステムだ。
ジェムが戦術の幅を広げる
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宝箱から入手できる「ジェム」はカードのスロットに装着することで多彩な効果を付与するパーツで,これがコンボシステムに戦術性の厚みを加える。単純な攻撃力2倍やコピー生成といった強化に加えて,コンボの昇順判定を特殊な形に変えるものまで存在する。
たとえば1マナのカードに装着すればマナコスト0→1→0という流れでのコンボを成立させられるジェムや,そもそもマナカーブの順序自体を無視できるものまで用意されている。どのカードにどのジェムを差すか。限られたスロットをどう活用するか。この選択がランごとの個性となり,同じデッキを組んでも手触りが大きく変わってくる。
敵の群れを一撃で吹き飛ばす爽快感
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デッキ構築カードゲームとしての骨格も堅実だが,実際にプレイして最も印象に残ったのはその爽快感だ。
1回の戦闘で何十体もの敵を相手にするカードゲームはそう多くなく,積み上げたコンボによる範囲攻撃で敵の群れを一掃したときの気持ちよさは格別である。
さらに特定のカードの組み合わせがデッキにそろうと,進化ジェムが報酬として出現することがある。これを装着すれば武器カードがさらに強力な一枚へと化ける。
一方でドロー強化やマナ増加のアイテムカードがうまくコンボに組み込まれたときには,手札やマナが10を超え,気づけば「ずっと俺のターン」状態になることも。
シナジーが噛み合ってデッキがぶん回る感覚は,ヴァンサバで強化がハマった瞬間の快感にも通じる,本作ならではの醍醐味だ。
「Vampire Crawlers」は,ローグライトカードゲームの流儀を守りつつ,あのVampire Survivorsの爽快感を自分たちのシステムで見事に再現してみせた一作だ。
マナ順にカードを切るだけで強力な一手が決まるシンプルさと,ジェムや進化による奥行きの二層構造が心地よく,カードゲーム初心者にも入りやすい。ヴァンサバ好きはもちろん,「Slay the Spire」系の骨太な構築に疲れた人にもおすすめできる一本だ。



























