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[インタビュー]「.hack//Z.E.R.O.」はマスを取りにいくRPG。サイバーコネクトツー松山 洋氏に聞く,異例のセルフパブリッシングの経緯
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印刷2026/02/19 12:00

インタビュー

[インタビュー]「.hack//Z.E.R.O.」はマスを取りにいくRPG。サイバーコネクトツー松山 洋氏に聞く,異例のセルフパブリッシングの経緯

 2026年2月16日,サイバーコネクトツーは設立30周年を迎え,その節目に新プロジェクト「.hack//Z.E.R.O.」を発表した。

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 2026年2月16日,サイバーコネクトツーは設立30周年を迎えた。これを記念し,新生「.hack」プロジェクト「.hack//Z.E.R.O.」が発表されたほか,サイバーコネクトツー展やファンミーティングを順次開催していくことが明らかとなった。

[2026/02/16 20:15]

 「.hack」シリーズは,2002年にメディアミックスプロジェクトとしてスタート。ゲームやアニメ,コミック,小説とさまざまに展開している。
 今回発表された「.hack//Z.E.R.O.」は,「.hack//G.U.」のHDリマスター版である「.hack//G.U. Last Recode」から9年ぶりの新作となる。


 既報のとおり,新作はサイバーコネクトツーが開発に加えて,セルフパブリッシング(自社販売)を行うこともトピックだろう。第1作以来,同シリーズはバンダイナムコエンターテインメントが展開しており,パブリッシャを変更して新作をリリースすることは異例といえる。

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 今回,4Gamerはサイバーコネクトツーの代表取締役,松山 洋氏にインタビューを実施し,30周年や新作にかける思い,セルフパブリッシングに至った経緯を聞いた。

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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まずは設立30周年,おめでとうございます。記念日に合わせて,「.hack」シリーズの新作をセルフパブリッシングで展開することが発表されましたが,経緯から聞かせてください。

松山 洋氏(以下,松山氏):
 最初に,我々によるパブリッシングを許諾して下さったバンダイナムコエンターテインメントさんに圧倒的な感謝をさせていただきたいです。4Gamerの読者さんならお分かりいただけると思うんですが,これはちょっとあり得ないことが起きてるんです。
 もともと「.hack」シリーズは,バンダイナムコエンターテインメントさんがパブリッシングをされているシリーズです。今回の「.hack//Z.E.R.O.」は我々の自己資金で開発し,パブリッシングも行うことに,特別に許諾をいただきました。これは,我々が30年をかけて築いてきた信頼の賜物ではないかと思っています。

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4Gamer:
 実現までの交渉は大変だったのではないでしょうか。

松山氏:
 「30周年記念プロジェクトとして,『.hack』の完全新作を我々のパブリッシングでやらせてほしい」とお願いをしても,バンダイナムコエンターテインメントさんからすると「何を言ってるんだ?」となります。こうしたところからのスタートでした。
 実は15年以上前から「『.hack』の新作を作りたい」という話は何度も出ては消え,出ては消えている状態でした。そこで30周年に合わせて,我々でやりたいと相談を決めたわけです。

4Gamer:
 セルフパブリッシングになることで,「やりやすくなる」または「やりにくくなる」ところは何でしょう。

松山氏:
 「やりやすくなる」という1つの答えしかありません。全責任を自分たちで取ることにより,我々のノウハウやアイデアや熱量をすべて作品に込められる,突き抜けられるわけですから。
 ですから,「.hack//Z.E.R.O.」は誰も見たことがないような熱量を持つ作品になると思います。リスクがあるとすれば,お金のことくらいじゃないですかね。

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4Gamer:
 コストとリスクを担う覚悟ができたからこそ,セルフパブリッシングの提案になり,制作面の選択肢が広くなったわけですね。

松山氏:
 そうです。受注作品でもセルフパブリッシングでも,お金は無限じゃないし,時間も有限です。
 でも,「.hack//Z.E.R.O.」はすべての物事を自分たちの判断でやるわけです。さらなる作り込みをするかどうか。その選択にあたり,「ここからさらにブッ込めば,世界中のお客さんたちが喜んでくれて,その分だけ売れる。だから,やってやろうぜ!」という判断もできます。

4Gamer:
 30周年だからこその大きな挑戦だと思います。

松山氏:
 もちろん,今の我々にとって,かなり大きな挑戦です。
 ただ,ほかのメディアのパートナーさんたちと一緒に大きなうねりを作るのが,「.hack」ですから。ゲーム1本で終わるわけがないじゃないですか。「今のサイバーコネクトツーが持っているパイプを使えば,どれだけのことができるか。見せてやるぜ!」という感じですよ。

4Gamer:
 ゲーム以外の展開もあるということですか。

松山氏:
 まだ詳しくはお話しできません。お待たせすることにはなってしまいますが,ただお待たせするだけではなく,報告できるタイミングで,その都度情報を出させていただきます。楽しみにお待ちいただければと思います。

4Gamer:
 少なくとも,ゲームだけじゃないぞと。

松山氏:
 そうですね。「戦場のフーガ」シリーズでセルフパブリッシングを行い,自社でプロモーションから販売をしたノウハウを活かしつつ,今までに組んだことがないパートナーさんとも関係を作り,新しい形でIPを世界中に届けていきます。

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4Gamer:
 「.hack//Z.E.R.O.」はどのような立ち位置の作品になりますか。

松山氏:
 「.hack//Z.E.R.O.」では,マスを取りにいきますよ。何の予備知識もなくても,世界中の広い層の方々に楽しんでいただける作品になります。
 ただ,その中では我々が得意とする仕掛けをいくつも用意してありますから,プレイされた方は「なんてことをするんだこいつら!」となるでしょうね(笑)。

4Gamer:
 タイトルが近い小説「.hack//ZERO」との関係は?

松山氏:
 小説とイコールなものではありません。このタイトル(「.hack//Z.E.R.O.」)は「『.hack』シリーズの完全新作をゼロから作ります」という意思表示のようなもので,ファンの皆様はもちろんのこと,シリーズをご存じない方に向けた作品でもあるというわけですね。
 もちろん,「Z.E.R.O.」には作品世界としての意味合いもありますが,こちらは今後のお楽しみとさせてください。

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4Gamer:
 従来のシリーズを知らない人も,新作から楽しめるのは嬉しいですね。

松山氏:
 文字どおりの「完全新作」です。1作目が出たのは,2002年のことになります。当時の我々は25人しかいない小さな会社で,それでも必死になって力を合わせてゲームを作っていたんです。
 それから時間が過ぎ,サイバーコネクトツーは福岡,東京,大阪に合わせて三百数十人のスタッフを擁し,「NARUTO」「ジョジョの奇妙な冒険」「ドラゴンボールZ」「鬼滅の刃」のゲーム化を経験し,世界中の方々から振り向いていただける会社になりました。
 そんな我々が持つノウハウを余すところなく注ぎ込んだら,どんな「.hack」になると思いますか? というところからのスタートだったんです。

4Gamer:
 「.hack」シリーズは,オンラインゲームや仮想世界をテーマとして扱ってきました。第1作から20年以上,現実ではAIを筆頭にデジタル面の進歩が著しいですが,こうしたテクノロジーはどういった描かれ方になりますか。

松山氏:
 シリーズの舞台設定は,いつも「今からそう遠くない未来」です。2002年当時,未来予測をしながら作品世界を作っていったので,今回も同じように未来を見据えて設定を作っています。
 そして,シリーズの魅力である「二面性」「境界性」は,「.hack//Z.E.R.O.」でも描かれていきます。これは「目の前にいるキャラクターの向こうには,現実世界から操作している人がいる」というところの面白さです。
 シリーズの新作を開発する際は,作品の構成要素のどこを取って,どこを伸ばすかという取捨選択を行ってきましたが,「二面性,境界性を描く」というところは変わっていません。

4Gamer:
 作品世界の時系列としては,どのあたりになりますか。

松山氏:
 ここはまだお答えしないほうがいいと思います。少なくとも,これまでのシリーズ作品を遊んでいないとプレイできないというものではありません。

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4Gamer:
 既存のシリーズ作品について,サイバーコネクトツーから再販売される可能性はありますか。

松山氏:
 これまでの「.hack」シリーズは,バンダイナムコエンターテインメントさんのものです。我々には再販売などを決める権利はありません。
 2006年の「.hack//G.U.」をHDリマスターした「.hack//G.U. Last Recode」が発売されていますし,それ以外の作品をプレイしたいということであれば,バンダイナムコエンターテインメントさんにお便りを出していただければと思います。

4Gamer:
 そろそろお時間となりますので,「サイバーコネクトツーは30周年を機に,どう変わっていくのか」を聞かせてください。

松山氏:
 これまでの30年は,3つのブロックに分かれていることをお話しさせてください。
 最初の10年は,何者でもない,誰からも期待されていない,ただの10人の若者たちが有限会社サイバーコネクトを立ち上げ,「俺たちはここにいるんだ!」と言い続けてきました。その中で「.hack」や「NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー」シリーズが生まれたわけです。

 次の10年は,拡張を続けた時期でした。「ナルティメット」と「.hack」の会社と思われていたところに「ジョジョの奇妙な冒険」のゲーム開発を手がけ,バンダイナムコエンターテインメントさんとだけ仕事をしていると思われていたところに,カプコンさんと「アスラズ ラース」を作りました。
 そして,20周年を迎えたときに「さらに広げよう」と思いました。デベロップだったサイバーコネクトツーが「戦場のフーガ」でセルフパブリッシングを行い,漫画「チェイサーゲーム」を作り,これをドラマや映画に……新たな領域を展開していったわけです。

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 これからの10年は,自分たちがゼロから作るオリジナルIPで世界征服を達成したいと思っています。
 「NARUTO」にしろ,「ドラゴンボール」にしろ,この世界では知らない人がいない。これがコンテンツによる世界征服だと思います。
 その1つが「.hack//Z.E.R.O.」です。水面下で動いているものも複数ありますので,順にお届けしていければと思います。退屈はさせませんよ。

4Gamer:
 30周年に合わせて,「.hack//Z.E.R.O.」のほかにも攻めた企画を発表されました。

松山氏:
 まあ,攻めてなんぼでしょう。10年後はどうなってるかなんて分からないけど,これはみんな同じです。少なくとも,欲しがらないと手に入らないわけですよ。言葉にしてなんぼだし,有言実行。
 今回は「コンテンツによる世界征服を実現したい!」って言ったわけですが,言い続けないと「いつの間にかそうなった」なんてことには絶対ならないです。

4Gamer:
 力強い言葉ですね。今後の続報を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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