
ニュース
米ゲーム産業に対する,俳優組合のストライキが終結。出演料の引き上げに加え,AIデジタルレプリカの使用に関する同意と開示の要件などを含む
![]() |
新たなインタラクティブメディア契約は,企業間による協定改訂文書を受けて,ハリウッドの著名俳優のほとんどが参加する会員により,95.04% 対 4.96%の投票で承認されたものだ。
この協定によると,批准後は演者の報酬を15.17%の複利昇給とし,さらに2025年11月,2026年11月,2027年11月に3%の増額となる。また,基準を超える演者に対する時間外労働の上限は基準の2倍となり,SAG-AFTRA退職基金への健康保険および退職年金拠出率は,2026年10月までに17.5%に引き上げられるという。
この合意には,AIデジタルレプリカの使用に関する同意と開示の要件が盛り込まれており,ストライキ中に新しい素材の生成に対する同意をパフォーマーが一時停止できる機能など,AIに関するパフォーマーの“安全ガードレール”とも言える契約もあるという。
生成AIによる肖像権の侵害が深刻になる中,この部分にも踏み込んだというのは,演者側には大きな進歩であると言えるだろう。
SAG-AFTRAは,俳優やスタントマン,ダンサー,人形遣いなどに加えて,アナウンサー,放送ジャーナリスト,ニュースライター,番組司会者,歌手,DJ,声優,ナレーターなど16万人という会員で構成されている。今回の協定に批准したのは,Activision,Blindlight,Disney Character Voices,Electronic Arts,Formosa Interactive,Insomniac Games,Llama Productions, Take 2 Productions,WB Gamesとされており,海外を拠点にするパブリッシャやパフォーマーは含まれない。
![]() |
Access Accepted第775回:ハリウッドの俳優労組による,スト終結が与えるゲーム業界への影響

ハリウッド映画に出演する名だたるスターたちからエキストラまでが入組する,全米映画俳優組合によるストライキが終結し,抗議運動が一斉に解散した。これまで撮影が遅れていた映画やドラマの制作もようやく再開の目途が立ったようだが,今回の決定はどのようにゲーム業界に影響するのだろうか?
- キーワード:
- 連載
- OTHERS
- ライター:奥谷海人
- 奥谷海人のAccess Accepted
- PC
- 関連タイトル:
開発/テクノロジ
- この記事のURL: